恋三昧

【18禁】 BL小説取り扱い中。苦手なかた、「BL」という言葉に聞き覚えのないかた、18歳未満のかたはご遠慮ください。

遥斗×真琴

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遥斗×真琴 INDEX


↑OLD ↓NEW

おまけの話 *拓海×悠也「見知らぬあなたとの10のお題」からの続きです。

■「襲い受10のお題」 (tittle:Neptuneさま)
 01. つれない返事
 02. しつこい。
 03. 怒ってる?
 04. 心を広く持て
 05. いつもこっちから、なんて
 06. たまにはね、たまには。
 07. ものたりなーい!
 08. 温度差
 09. もう知らないんだから
 10. はいはい、俺の負け。

やわらかな夜

■Heavenly Kiss (前編) (中編) (後編) *0214 happy VD

みんなみんな愛のせい *会話SS

したい? それともしたくない? (tittle:セリフ100さま) *会話SS

■君がいないだけでこんなにも腑抜けてしまう僕を早く助けてマイハニー!
 (1) (2) (3) (4) (5) (tittle:夜風にまたがるニルバーナさま)

■愛のドーパミン漬け (tittle:少年の唄。さま)
 (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)

■sugar in honey (前編) (後編)

■pray (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10) (11) (12) (13)

old days ~真琴、初恋編~ *会話SS

old days ~真琴、カミングアウト編~ *会話SS

愛情ぎゅっ。

兄弟に15の質問 (くじらのゆりかごさま) *会話SS

Boy's life ~藤崎家編~ *会話SS

■DELIGHT (1) (2) (3) (4)

■5コール (君の声に会いたい) (tittle:約30の嘘さま)
 (1) (2) (3) *0214 happy VD

■そのキスは涙の味がした (前編) (後編) (tittle:1204さま)

カテゴリー:遥斗×真琴

おまけの話 (遥斗×真琴)


*以下は、拓海×悠也「見知らぬあなたとの10のお題」のその後(?)のお話です。そちらを読んでからでないと、ちょっと分かりづらいかも…。



「ちょーもぉ! はーちゃん、聞いてよっ!!」

 ちょっと甲高いヒステリック気味の藤崎真琴(ふじさきまこと)の声に、向かいに座っていた小沢遥斗(おざわはると)は、モデルという職業に似合った甘いマスクを若干引き攣らせつつ、苦笑いを浮かべた。

 ちなみに「はーちゃん」とは、名前の「遥斗」に由来するあだ名である。
 すでに20歳を超えた成人男子に対して使うものではない気がしないでもないが、昔からのことなので、遥斗自身も気にしてはいなかった。

「ねぇ! ちょっと! 聞いてんの!?」
「聞いてる、聞いてるから、マコ、もうちょっと小さい声でっ…!」

 さすがに遥斗も、周囲の視線が気になったのか、興奮気味の真琴に宥めるようにそう言う。
 ここが2人きりの空間なら、多少我慢をして真琴の愚痴に付き合えるのだが、何しろここは、最近出来たばかりの、流行りのオープンカフェだ。
 たいていはカップルか、女の子同士という組み合わせのところに、男の2人連れ。ただでさえ目立つところに来て、真琴の大声だ。
 周囲の視線を(決していい意味でなく)集めまくっていて。

「だからぁー、拓海ってば、マジでひどいんだよ!? 人のこと散々走らせといて、結局帰れとか言っちゃってさぁ」

 まだ興奮冷めやらぬ調子で真琴が訴えるのは、先日の、拓海との一件だ。
 買い物帰り、何かに気が付いた拓海が、いきなり荷物をみんな真琴に押し付けて走り出したのだ。
 訳の分からない真琴は、両手いっぱいに荷物を抱えたまま真琴を追い掛けたのだが、追い付いた途端、拓海に「先に帰ってくれ」と言われてしまったのだ。

「で、結局拓海は何を追い掛けたわけ?」

 マジあり得ねぇ! を繰り返す真琴に、遥斗は困りながらも聞き返した。

「変な子」
「は?」
「何か知らない変な子が走ってたと思ったら、その子を追い掛けて、拓海が走り出したわけ。で、結局その子連れて、帰ってっちゃったの!」
「お持ち帰りしたってこと? 何、そんなに変な子だったの?」
「…………ちょっと、かわいかったけど」

 でも、俺には負けるけどね! と、負けず嫌いの真琴は、しっかりそう付け加えた。

「あれ、それってもしかして、こないだ拓海が言ってた、新しい恋人のことかな? 出会いのいきさつまでは聞かなかったけど…」
「かもね! で、ムカついたから、拓海が預けてった買い物のヤツ、まだ返してない」
「返しなよ…」

 どうせ音楽の趣味だって合わないし、服だってサイズが違い過ぎて着れないんだから…。

「あーもう! 話したら、思い出して、何かまたイライラしてきた!」
「えぇっ!?」

 普通そういうのって、話してスッキリするんじゃないの!?
 ていうか、今、散々愚痴を聞かされた、俺の立場はっ!?

 唖然と固まる遥斗の気持ちなど知る由もない真琴は、やけ食いでもするつもりか、カフェ・オ・レのおかわりと、サラダとパスタとサンドイッチを注文している。

「ちょっ…マコ!」

 遥斗が我に返ったときには、すでに注文を聞き終えた店員が去っていってしまって。
 注文したものの、元が小食の真琴が、そんなに頼んで全部食べ切れるわけがない。とすれば、当然残りは遥斗のほうへと回ってくるわけで…。

「はぁ~…」

 溜め息をつく遥斗に、真琴はキョトンとしている。

「マコ、そんなに頼んで、全部食べ切れるの?」
「んん? でも、はーちゃんも食べるでしょ?」
「………………」

 ここに来る前に、昼食をとったばっかりですが!
 けれどしかし、ここまで当然のように言われると、反論する気も起きない。

「こんなに食べさせて、俺のこと太らす気? まぁマコは痩せ過ぎだから、もうちょっと食べたほうがいいだろうけど」
「えー? じゃあ、食べ終わったらちょっと運動しよっか」
「運動? 何? 歩く?」
「ううん。ホテルでエッチなこと」
「…………、マコッ!!」


 周囲のお客が一斉に2人のテーブルを見たのは、真琴の爆弾発言のせいなのか、遥斗の大声のせいなのか、それは謎である。


*END*




 何かいきなり……誰これ!? て感じですけど。
 マコちゃんのほうは、ちょろっと出てきましたよね、本編に。
 えっどこに!? てくらいの出演ですけど。
 一瞬だけ名前を呼ばれて、二言三言、話しただけですけど。

 まぁ…今後、この2人も書いていきたいなぁ、という紹介でした。


 それにしても、はーちゃんは、予想以上にヘタレな子になってしまった…。

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01. つれない返事


side:真琴

 ねぇ、みなさんの恋人って、何歳ですか?
 俺の恋人はね、俺より3つ年上です。
 3つも上なんて、オッサンじゃん! って思うかもしんないけど、俺まだ20歳だから、相手は23歳。若いでしょ?

 あ、オバサンじゃなくてオッサンなの? って思った?
 そうなんです。
 俺の恋人、男なんです。
 ちなみに名前は小沢遥斗。雑誌とかのモデルをやってます。

 で、今日は久々にオフが貰えて、昼間からお家でゆっくりしてるんだけど……。

「ねぇ~はーちゃ~ん」

 とびっきりの甘い声で呼んだのに。

「んー?」

 はーちゃんは雑誌から顔も上げないで、適当な返事を返してくる。
 むぅ~。
 はーちゃんの側にずり寄ってって、シャツの裾を掴んで揺らす。

「ねぇってばぁ~」
「だから、何?」
「こっち見てよぉ~」

 見て見てぇ! って、かわいくアピールしてんのに、はーちゃんってば、チラッとこっちを見て、「何?」って言った後、またすぐに雑誌を見始めた。

 何でぇ~~~!!??

 だってさ、久々に2人きりで1日中、一緒にいられるんだよ!? いや、ゆっくりまったりするのもいいけど、これってちょっと、まったりし過ぎじゃない!?
 何でそんなにつれない返事しかしてくんないの?

「はーちゃんてばぁ~…」




「襲い受10のお題」

カテゴリー:遥斗×真琴

02. しつこい。


 …………みなさんの恋人は、何歳ですか?
 俺の恋人、俺より3つ年上です。でも俺まだ20歳だから、相手は23歳。
 何だ若いじゃん、って思った?
 そりゃそうだよね。23歳って言ったら、普通、まだまだ若いよね。
 俺もずっとそう思ってたんだけどね、この小沢遥斗だけはそうじゃなかったみたい!!

「はーちゃん、こっち見て」
「はいはい」

 飛び切りの甘い声と、超スペシャルな笑顔ではーちゃんのことを呼んでも、チラッとしかこっち見てくんないから、はーちゃんの両頬を挟んで、無理やりこっちを向けさせた。

「何? マコ」

 ムカッ。
 何でそんな顔!? 俺のほう見るの、嫌なのっ!?
 でもここで怒っちゃダメだ。ケンカなんかしたくないしね。

「ねぇ、いつまで本読んでんの? 俺、つまんない」
「そう? なら、どっか出掛ける?」
「……出掛けない」
「だってつまんないんだろ?」

 そうじゃねぇって!
 お出掛けしたいんじゃなくて、部屋でもっとまったりしたいの!
 あー、だからこんなふうなまったりの仕方じゃなくて、2人でもっと、ベタベタ、イチャイチャしたいわけ!!

「じゃあ、何?」
「はーちゃん、チューしよ?」

 シャツの裾掴んだまま、上目遣いで言ってやる。
 どんな男だって、一発で落ちちゃう、とびっきりのヤツ。これで落ちなきゃ、男じゃないね!!

 …………でも。

「は? 何急に」

 遥斗、お前は男じゃない。
 恋人がここまで誘ってんのに、何で全然普通なわけ!?
 普通、チューくらいするっしょ!? そんでもって、その続きだって…………だって今日、1日一緒にいられるんでしょ、俺たち!!

「ねーえー、チュウ~。チューしよっ?」
「何なんだよ、急に」
「いいじゃん、チュウくらい。減るもんじゃねぇんだからぁ。ね!?」
「チュウ"くらい"って…………その程度だったら、チュウ"くらい"我慢しなさい」

 ウッソー!!
 断わられた! チュー断わられた、俺!!
 ショック!!

「はーちゃ~ん」

 ユサユサ。
 懲りずにはーちゃんのシャツを揺さ振ってたら、

「…………マコ、しつこい」

 ガーン!!




「襲い受10のお題」

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03. 怒ってる?


 再び雑誌に視線を向けてしまったはーちゃん。
 そっと顔を覗くと、心なしか眉間にシワが寄ってるような…。

「…………怒ってる?」

 尋ねれば、「別に」って返事。でも全然こっち見てくんない。
 ヤバイ、マジで怒らせちゃった? 俺、そんなにしつこかったかな? ……だって、はーちゃんが全然構ってくんねぇんだもん。
 でもこれ以上こじらせたくないから、ちょっと大人しくする。

「……………………」

 ……つまんねぇ。
 テレビも見たいのないし、ゲームは飽きちゃったし、DVDもみんな見た。することない!
 あー、つまんねぇ、つまんねぇ、つまんねぇ!!

 ポスッてはーちゃんの肩に顎を乗っけて、はーちゃんが読んでる雑誌を覗き込む。何か宇宙関連の雑誌っぽい。こんなのの何がおもしろいの? 眠くなるだけじゃん。

「はーちゃん、本……おもしろい?」
「うん」
「あ、そう」

 チェッ。
 何だよ、俺がいるのに、それより本を選ぶのかよ。
 バカバカバーカ、ハーゲ。
 でも離れたくないから、顎を乗っけたまま、後ろからはーちゃんにギュってしがみ付く。

「…………」

 ちょうど目の前にあるはーちゃんの耳を見てたら、何となく悪戯心が沸き上がってくる。

「んふ」

 俺は自分の唇をペロッて舐めてから、はーちゃんの耳を、はむ、って、唇で食んだ。

「―――ッ!!」

 予想外の行動だったのか、はーちゃんの背中がビクンってなって、パッと俺のほうを見た。

「マコ!」
「ね、構って?」
「…………」




「襲い受10のお題」

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