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そのキスは涙の味がした (後編)
2010.06.10 Thu
映画が始まってからは、真琴は遥斗にちょっかいを出してこなかった。
構われないのは寂しいけれど、本当に見たがっていたもののようで、借りてきて良かったと、遥斗は嬉しくなる。
遥斗も画面に集中し、映画がクライマックスに差し掛かったところで、不意に真琴の鼻を啜る音が聞こえて、遥斗はそちらに視線を向けた。
(あー……マコ…)
涙もろい真琴は、すでに目にいっぱいの涙を溜めている。素直な涙。そんな真琴を、遥斗はかわいいと思う。
遥斗は映画の後半、殆ど真琴ばかり見ていた。
零れ落ちる涙。遥斗の指先が、真琴の頬に触れる。
「はーちゃ…?」
「映画、見てて」
真琴の視線を画面のほうへと促す。遥斗は少し身を動かすと、真琴の髪の間に指を挿し入れ、涙に濡れた頬にキスをする。
「ちょっ…」
「ダメだよ、こっち見ちゃ」
何度もキスして、涙の痕を舌で辿る。
真琴の体はビクビクと震え、遥斗のほうを見ようとするけれど、そのたびに遥斗にテレビのほうを向くように諭される。
しばらくして遥斗の唇が離れ、ホッとしたのも束の間、映画の感動のシーンに触発されて、真琴は再び号泣。
すると遥斗の指がまた、頬を辿る。
「……も…、や…」
観念したように、真琴は遥斗の胸に頭を凭れた。映画はエンドロール。遥斗の言いつけどおり、何とか最後まで持ち堪えたけれど。
「はーちゃんのバカぁ…」
「何が? マコこそ、こんなに泣いちゃって、明日目が腫れても知らないよ?」
胸元の真琴の顔を上に向けさせる。涙でグチャグチャになった顔。それでもかわいく見えるのは、欲目ではないと思う。
「……お母さんに何か言われたら、はーちゃん、言い訳してよね。はーちゃんが借りてきた映画見てこうなったんだから」
「マコの泣き虫。目、閉じてごらん?」
「何で?」
「いいから」
不思議顔の真琴の、濡れた頬を拭ってやり、素直に目を閉じた真琴に、遥斗は頬を緩める。それからそっと、まぶたにキス。
ビクッ。
予想していなかった行動だったのだろう。真琴の肩が大きく跳ねた。うっすら目を開けると、まだ至近距離に遥斗の顔があって、真琴は再びギュッと目を閉じた。
今度は反対のまぶたにも。
柔らかな唇の感触。
「はーちゃ…」
「……ん…」
静かに唇が離れて。ゆっくりと目を開ける。
「……何でまぶただけなの?」
「明日、マコの目が腫れてませんように、ってことで。ねぇ、ちゃんと補給できた? 遥斗不足の真琴さん?」
……………………。
「まーだ!」
もっと…とねだるように、真琴は遥斗の首に抱き付いた。
*END*
構われないのは寂しいけれど、本当に見たがっていたもののようで、借りてきて良かったと、遥斗は嬉しくなる。
遥斗も画面に集中し、映画がクライマックスに差し掛かったところで、不意に真琴の鼻を啜る音が聞こえて、遥斗はそちらに視線を向けた。
(あー……マコ…)
涙もろい真琴は、すでに目にいっぱいの涙を溜めている。素直な涙。そんな真琴を、遥斗はかわいいと思う。
遥斗は映画の後半、殆ど真琴ばかり見ていた。
零れ落ちる涙。遥斗の指先が、真琴の頬に触れる。
「はーちゃ…?」
「映画、見てて」
真琴の視線を画面のほうへと促す。遥斗は少し身を動かすと、真琴の髪の間に指を挿し入れ、涙に濡れた頬にキスをする。
「ちょっ…」
「ダメだよ、こっち見ちゃ」
何度もキスして、涙の痕を舌で辿る。
真琴の体はビクビクと震え、遥斗のほうを見ようとするけれど、そのたびに遥斗にテレビのほうを向くように諭される。
しばらくして遥斗の唇が離れ、ホッとしたのも束の間、映画の感動のシーンに触発されて、真琴は再び号泣。
すると遥斗の指がまた、頬を辿る。
「……も…、や…」
観念したように、真琴は遥斗の胸に頭を凭れた。映画はエンドロール。遥斗の言いつけどおり、何とか最後まで持ち堪えたけれど。
「はーちゃんのバカぁ…」
「何が? マコこそ、こんなに泣いちゃって、明日目が腫れても知らないよ?」
胸元の真琴の顔を上に向けさせる。涙でグチャグチャになった顔。それでもかわいく見えるのは、欲目ではないと思う。
「……お母さんに何か言われたら、はーちゃん、言い訳してよね。はーちゃんが借りてきた映画見てこうなったんだから」
「マコの泣き虫。目、閉じてごらん?」
「何で?」
「いいから」
不思議顔の真琴の、濡れた頬を拭ってやり、素直に目を閉じた真琴に、遥斗は頬を緩める。それからそっと、まぶたにキス。
ビクッ。
予想していなかった行動だったのだろう。真琴の肩が大きく跳ねた。うっすら目を開けると、まだ至近距離に遥斗の顔があって、真琴は再びギュッと目を閉じた。
今度は反対のまぶたにも。
柔らかな唇の感触。
「はーちゃ…」
「……ん…」
静かに唇が離れて。ゆっくりと目を開ける。
「……何でまぶただけなの?」
「明日、マコの目が腫れてませんように、ってことで。ねぇ、ちゃんと補給できた? 遥斗不足の真琴さん?」
……………………。
「まーだ!」
もっと…とねだるように、真琴は遥斗の首に抱き付いた。
*END*
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COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒
も、悶える・・・・・・(///∇//)テレテレ☆
はーちゃん流石ですw
マコちゃんかわゆいよぉ~~~♪
そりゃ映画そっちのけでマコちゃん見たくなりますわww
甘甘ご馳走様でした♪キャッ(/∀\*))★
はーちゃん流石ですw
マコちゃんかわゆいよぉ~~~♪
そりゃ映画そっちのけでマコちゃん見たくなりますわww
甘甘ご馳走様でした♪キャッ(/∀\*))★
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> も、悶える・・・・・・(///∇//)テレテレ☆
>
> はーちゃん流石ですw
> マコちゃんかわゆいよぉ~~~♪
> そりゃ映画そっちのけでマコちゃん見たくなりますわww
はーちゃん……私の中ではすっかりムッツリさんなんですが(爆)、いろいろやっちゃってくれますよね!
マコちゃんは、すべてにおいて素直な子なので、はーちゃんの気持ちも分かりますが(^_^;)
こんなに全身で「ラブ!」を現してくれる恋人がいたら、嬉しくて仕方ないでしょうね。
> 甘甘ご馳走様でした♪キャッ(/∀\*))★
久々の短編で、ぎゅ~~~っと凝縮してみましたが、いかがでしたしょうか。
マコちゃんのラブ度が伝わっていたら幸いです!
コメントありがとうございました!
>
> はーちゃん流石ですw
> マコちゃんかわゆいよぉ~~~♪
> そりゃ映画そっちのけでマコちゃん見たくなりますわww
はーちゃん……私の中ではすっかりムッツリさんなんですが(爆)、いろいろやっちゃってくれますよね!
マコちゃんは、すべてにおいて素直な子なので、はーちゃんの気持ちも分かりますが(^_^;)
こんなに全身で「ラブ!」を現してくれる恋人がいたら、嬉しくて仕方ないでしょうね。
> 甘甘ご馳走様でした♪キャッ(/∀\*))★
久々の短編で、ぎゅ~~~っと凝縮してみましたが、いかがでしたしょうか。
マコちゃんのラブ度が伝わっていたら幸いです!
コメントありがとうございました!