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今夜も眠れない僕たち (6)
2016.11.24 Thu
こういう場合、下手にちょっかいを出すと逆効果なので、亮は静かに睦月を抱き締めている。
亮がこうして抱き締めている分には、大人しくしていてくれるわけだし――――どうせならもうちょっとイチャイチャしたいところだけれど、という下心は、今日のところはこのまま隠しておくに越したことはないようだ。
しかし、そうだとしても、ずっとこの体勢でいるのもツラい…と、亮が弱気なことを考え始めたのは、それから5分ほどしてからだ。
ベッドの上に寝てはいるが、ベッドの正しい向きとは90度ずれているせいで足がベッドの下に落ちている体勢だし、相変わらず上に睦月を乗せたままだ。
寝るにしても寝られないし、本当に一体どうしたものか…。
「むっちゃん、むっちゃーん、そろそろ…」
『降りて』と続けようとして、いや、やはり『起きて』と言ったほうがいいだろうか、とそんな考えが頭に浮かんだせいで、亮の言葉は途切れてしまった。
先ほど、亮に腕を解いてほしそうにしていた睦月に、気付かないふりで流したくせに、今さら亮のほうから退いてほしそうには言えないだろう。
「むっちゃ…」
いや、でも、お風呂にも行かなきゃだし、睦月も寝るなら自分のベッドでゆっくり寝たいだろうから……なんて言い訳を頭の中で巡らせながら、再び睦月に声を掛けようとして、亮はまたも言葉を途切れさせた。
睦月がしっかりと目を閉じている。
いや、目を閉じていたっていいんだけれど、その「すーすー」という吐息は、どう考えても寝息だろう。
…うん、睦月は寝ている。
亮は、『早っ!』と突っ込みはしなかった。
睦月は、目を閉じたら3秒どころか、1秒でだって眠ることの出来る持ち主だ。こんな状態で5分も目を瞑っていたら、そりゃ寝る。間違いなく寝る。
「はぁ…」
こうなったら、睦月がちょっとのことでは起きないことも、亮はよく知っている。睦月の寝起きの悪さは、何も、朝ばかりに発揮されるわけではないのだ。
仕方がない、この状態でも何とか起き上がって、睦月をベッドまで運ぶしかない。それか、何とか体の向きだけでも変えて、ベッドに真っ直ぐになろう。亮は帰って来たままの格好だが、睦月と一緒のベッドで寝るのも悪くない。
「よっ、ッ、」
亮は腹筋に力を入れて上体を起こそうとしたが、なぜかうまくいかない。
もちろん、亮の腹筋の鍛え方が甘いせいだと言えなくはないが、今の場合、それだけが原因でないことは確かだ。間違いない。
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亮がこうして抱き締めている分には、大人しくしていてくれるわけだし――――どうせならもうちょっとイチャイチャしたいところだけれど、という下心は、今日のところはこのまま隠しておくに越したことはないようだ。
しかし、そうだとしても、ずっとこの体勢でいるのもツラい…と、亮が弱気なことを考え始めたのは、それから5分ほどしてからだ。
ベッドの上に寝てはいるが、ベッドの正しい向きとは90度ずれているせいで足がベッドの下に落ちている体勢だし、相変わらず上に睦月を乗せたままだ。
寝るにしても寝られないし、本当に一体どうしたものか…。
「むっちゃん、むっちゃーん、そろそろ…」
『降りて』と続けようとして、いや、やはり『起きて』と言ったほうがいいだろうか、とそんな考えが頭に浮かんだせいで、亮の言葉は途切れてしまった。
先ほど、亮に腕を解いてほしそうにしていた睦月に、気付かないふりで流したくせに、今さら亮のほうから退いてほしそうには言えないだろう。
「むっちゃ…」
いや、でも、お風呂にも行かなきゃだし、睦月も寝るなら自分のベッドでゆっくり寝たいだろうから……なんて言い訳を頭の中で巡らせながら、再び睦月に声を掛けようとして、亮はまたも言葉を途切れさせた。
睦月がしっかりと目を閉じている。
いや、目を閉じていたっていいんだけれど、その「すーすー」という吐息は、どう考えても寝息だろう。
…うん、睦月は寝ている。
亮は、『早っ!』と突っ込みはしなかった。
睦月は、目を閉じたら3秒どころか、1秒でだって眠ることの出来る持ち主だ。こんな状態で5分も目を瞑っていたら、そりゃ寝る。間違いなく寝る。
「はぁ…」
こうなったら、睦月がちょっとのことでは起きないことも、亮はよく知っている。睦月の寝起きの悪さは、何も、朝ばかりに発揮されるわけではないのだ。
仕方がない、この状態でも何とか起き上がって、睦月をベッドまで運ぶしかない。それか、何とか体の向きだけでも変えて、ベッドに真っ直ぐになろう。亮は帰って来たままの格好だが、睦月と一緒のベッドで寝るのも悪くない。
「よっ、ッ、」
亮は腹筋に力を入れて上体を起こそうとしたが、なぜかうまくいかない。
もちろん、亮の腹筋の鍛え方が甘いせいだと言えなくはないが、今の場合、それだけが原因でないことは確かだ。間違いない。
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