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pray (5)
2008.05.13 Tue
遥斗の誕生日、当日。
にもかかわらず遥斗は仕事が入っていて、家には不在だ。両手いっぱいの荷物を地面に下ろすと、真琴はニンマリと笑って鍵を取り出した。
「へへっ」
小さなキーホルダーの付いたそれは、真琴の誕生日に遥斗から貰ったプレゼント。この部屋の合鍵だ。
実はずっと使おうと思っていたけれど、なかなか勇気が出せなくて、1度も使ったことがなかった。
結局、遥斗と仲直りが出来なくて誕生日が来てしまったけれど、この日をきっかけに謝ろうと真琴は考えたのだ。
でも手ぶらで誕生日を祝うわけにはいかない。
ただプレゼントを渡すのも何だし……と真琴が考えたのが、手料理。
破滅的と表現されるほどの料理ベタな真琴だが、お母さんから自分にでも出来る簡単レシピを教えてもらい、この日のために密かに練習もしてきた。
そして初めて合鍵で部屋に入り、料理を作って遥斗の帰りを待つ、それが真琴の考えた仲直りの作戦だ(弟からは絆創膏を一箱貰ったけれど)。
(ケンカはしたけど……約束は約束だもんね)
真琴の誕生日、合鍵という思い掛けないプレゼントを貰って、泣き出しそうなくらい嬉しかったから。
真琴は遥斗の誕生日にも、同じようにプレゼントしたいと思って親に話したら、「遥斗くんなら」と、合鍵を渡すのを許してくれた。
そして遥斗の誕生日、一緒に過ごしたいと言ったら、ちゃんと約束もしてくれて、舞い上がるような気持ちだった。
「よっし。そろそろ始めなくちゃ!」
腕まくりをして、持参したエプロンを着けて、気合は十分だ。
さすがにケーキまでは作れないので店で買ってきたが、小さなバースデーケーキには『HAPPY BIRTHDAY』のチョコレートプレートも付いている。それを冷蔵庫にしまうと、真琴は材料をキッチンカウンターにバラバラと広げた。
お母さんに習ったレシピを書いた紙も、練習のたびに調味料やらを零していたせいで、もうボロボロになっている。
それを真剣な表情で見ながら、真琴は危なっかしい手つきで、野菜を切り始めた。
*****
真琴が調理を始めて数時間、ようやくテーブルの上には料理らしきものが並び始めた。
「10時半か…。何とか間に合ったかな」
料理に使った鍋やボウルを片付けた真琴は、大げさに息をついて椅子に座った。
決して大絶賛するほどの出来栄えではないが、なかなかのものだと思う。味見をしてもまずくはなかったし。
後は遥斗が帰ってくるのを待つだけだ。いくら仕事が押したとしても、明日は仕事があるし、真琴が起きているうちには帰ってくるだろう。
……この際、多少日にちが過ぎてしまっても目を瞑ろう。
真琴は料理を並べた席に腰を下ろすと、家主の帰りをじっと待った。
にもかかわらず遥斗は仕事が入っていて、家には不在だ。両手いっぱいの荷物を地面に下ろすと、真琴はニンマリと笑って鍵を取り出した。
「へへっ」
小さなキーホルダーの付いたそれは、真琴の誕生日に遥斗から貰ったプレゼント。この部屋の合鍵だ。
実はずっと使おうと思っていたけれど、なかなか勇気が出せなくて、1度も使ったことがなかった。
結局、遥斗と仲直りが出来なくて誕生日が来てしまったけれど、この日をきっかけに謝ろうと真琴は考えたのだ。
でも手ぶらで誕生日を祝うわけにはいかない。
ただプレゼントを渡すのも何だし……と真琴が考えたのが、手料理。
破滅的と表現されるほどの料理ベタな真琴だが、お母さんから自分にでも出来る簡単レシピを教えてもらい、この日のために密かに練習もしてきた。
そして初めて合鍵で部屋に入り、料理を作って遥斗の帰りを待つ、それが真琴の考えた仲直りの作戦だ(弟からは絆創膏を一箱貰ったけれど)。
(ケンカはしたけど……約束は約束だもんね)
真琴の誕生日、合鍵という思い掛けないプレゼントを貰って、泣き出しそうなくらい嬉しかったから。
真琴は遥斗の誕生日にも、同じようにプレゼントしたいと思って親に話したら、「遥斗くんなら」と、合鍵を渡すのを許してくれた。
そして遥斗の誕生日、一緒に過ごしたいと言ったら、ちゃんと約束もしてくれて、舞い上がるような気持ちだった。
「よっし。そろそろ始めなくちゃ!」
腕まくりをして、持参したエプロンを着けて、気合は十分だ。
さすがにケーキまでは作れないので店で買ってきたが、小さなバースデーケーキには『HAPPY BIRTHDAY』のチョコレートプレートも付いている。それを冷蔵庫にしまうと、真琴は材料をキッチンカウンターにバラバラと広げた。
お母さんに習ったレシピを書いた紙も、練習のたびに調味料やらを零していたせいで、もうボロボロになっている。
それを真剣な表情で見ながら、真琴は危なっかしい手つきで、野菜を切り始めた。
*****
真琴が調理を始めて数時間、ようやくテーブルの上には料理らしきものが並び始めた。
「10時半か…。何とか間に合ったかな」
料理に使った鍋やボウルを片付けた真琴は、大げさに息をついて椅子に座った。
決して大絶賛するほどの出来栄えではないが、なかなかのものだと思う。味見をしてもまずくはなかったし。
後は遥斗が帰ってくるのを待つだけだ。いくら仕事が押したとしても、明日は仕事があるし、真琴が起きているうちには帰ってくるだろう。
……この際、多少日にちが過ぎてしまっても目を瞑ろう。
真琴は料理を並べた席に腰を下ろすと、家主の帰りをじっと待った。
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