恋三昧

【18禁】 BL小説取り扱い中。苦手なかた、「BL」という言葉に聞き覚えのないかた、18歳未満のかたはご遠慮ください。

2012年01月

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BL小説書きさんへのマジ・エロな100の質問


 本日1月1日をもちまして、「恋三昧」は4周年を迎えました。
 ご訪問してくださるみなさまをはじめ、拍手・コメント・ランキングクリックしてくださるみなさまのおかげで、ここまで来ることが出来ました。
 本当にありがとうございます。

 今日は年末年始企画の第2弾ということで、毎年恒例の、別に誰も知りたくないだろう、私のことについていろいろ答えちゃうバトン「BL小説書きさんへのマジ・エロな100の質問」です。
 配布元はBOY'S TRAP様で、URLは[http://www.geocities.jp/miyamoto_mi1/]なんですが、どうも閉鎖されたのかリンク切れです…。


Q1. さぁ、いきましょう! まずはペンネーム、ハンドルネームを。
 如月久美子です。

Q2. その名前の由来は?
 この質問、結構どこでも出てくるから、何回も答えてるし、みなさん聞き飽きてると思いますが…。
 意味としての由来はないけど、バカだから、HNとかって、普通の名前みたく「苗字+名前」にしないといけないと思ってたんですよね。
 で、何か『久美子』ていいなぁて思って、そこに何か『如月』ってくっ付けた。

Q3. 上記のほかに、自己PRをどうぞ。
 いや…いいです。
 別に言うことはないです。

Q4. どちらかというと、書いているものは長編、中編、短編、SS……どれが多いですか?
 長編を書いた後、シリーズで短編を続けていく感じ。

Q5. あなたは今のところ「BLオンリー」「男女エロもあり」「純文学も書く」……実はどれ?
 BLオンリーです。
 実は、てほどでもない。

Q6. BL……「ボーイズラブ」は、一般的な用語だと思いますか? オタク用語だと思いますか?
 今となっては、わりと一般的なんじゃないでしょうか。
 いや、こんなにどっぷりはまってる人にそんなこと聞かれても、分かんないよ。

Q7. Hなシーンが無い小説はBL小説に入ると思いますか? それとも……?
 別にエロの有無は関係ないんじゃないでしょうか。

Q8. あなたがやおいな小説を書いていること、周りの人はどのくらい知っていますか?
 いないんじゃないですか?
 親は、私がどこかしらに行って、何かしらの本を大量に買ってくることは知ってますが、それがこういうもので、本は出さないまでも、自分の娘がこういうのを書いてるとは知らないと思う。

Q9. 教えているのは、どういう基準に基づいてですか?
 教えてないってば。

Q10. やおいを書いていることについて、周りが「みんな」知ったらどう思われるか……気になりますか?
 気になるから、誰にも教えてない。

Q11. 途中中断もあると思いますが(やおいのみ)「書きつづけている年月」は、何年くらいですか?
 10数年。
 数えてないから分かんない。私、18歳より前のこと、殆ど覚えてないから。

Q12. やおいのみで、今までに何本くらい書きましたか?
 いっぱい。

Q13. その中で、公に(同人誌・Web)発表したのは何本くらいですか?
 半分くらいかな。

Q14. あなたが始めてHぃな小説を書いたのは、何歳のときでしたか?
 覚えてない。10代だったかも知れない。

Q15. それは、なにがきっかけとなって書いたのでしょう?
 全然覚えてない。

Q16. そのジャンルはなんですか? 
 オリジナルかな…。
 いや、覚えてない。

Q17. 書き始めた当時の自分の「ウブ度」は、今と比べてどうですか? 今を100とすると?
 書き始めた当時のことを、全然覚えてない。

Q18. 特に、何に汚染(笑)されて、エロ度が増したと思いますか?
 何でしょう。
 自分の経験でしょうか。

Q19. 自分のエロさは、まだ小説に表現しきれていない! としたら、今は何%くらい表現できてますか?
 1%にも満たないんじゃ。
 私は心底ドエロのド変態ですけど、お話の中では、自分のエロさを表そうとは思ってないから。自分のエロさよりも、キャラに合ったかわいらしさをエロの中に表現したい。

Q20. やおいとはまさに「山無し、落ち無し、意味無し」の略ですが、自分の書くのもまさにそれ?
 そうならないようにがんばってる。

Q21. やおい=BLエロ小説分野においても起承転結は必要だと思う?
 やおいは「山なし・オチなし・意味なし」だから別に必要ないけど、BLエロ小説なら、小説なんだからやっぱ必要だと思う。
 ないからダメとは言わないけど。
 てか、別に「やおい=BLエロ小説」でなくてもいいと思うけど。

Q22. ストーリーとエロさ。どちらかに重点をおいてやおいを書けといわれたら? どっちを取る?
 やおいなら、「山なし・オチなし・意味なし」だから、別にストーリーなんか重点を置くどころか、無視しちゃっていいんじゃないですか?
 でも私は、エロがあってもストーリー重視のお話を書きたい。

Q23. 自分の得意なエロジャンルを教えてください。(SM系、言葉攻め系……)
 書くなら、攻めも受けもノリノリのエチ。
 だから、君といる~のゆっちさんとカズちゃんのエチは、すっごい難しい。

Q24. 書いている最中に、自分で「萌え」ていますか? それとも冷めていますか?
 書き上げるのに必死で、萌えてる暇がない。

Q25. 男のコ同士のH……わからないことも多いですよね? 実際にゲイの人に聞いたりした事は?
 ないです。
 知り合いにゲイがいないし、いたとしても、小説を書きたいから教えて、とか言えない。

Q26. それでは、参考に買ったりした本は?
 本は買わないけど(金かかるから)、ネットでは調べる。

Q27. BL雑誌は抵抗もなく買える、と思いますが……ゲイジャンルの本、堂々と買えますか?
 ゲイジャンルの本て、どんなのがあるの?
 買おうと思ったことがないから買ったことはないけど、男性向けアダルトの雑誌とかDVDなら普通に買えるから、多分買えると思う。

Q28. 実地検証という意味合いもかねて、本番を見せてもらいたい、と思いますか?
 別に見たくはない。

Q29. それは、検証ですか? それとも興味のほうが先?
 だから、見たくないってば。

Q30. 二次創作上、または架空上のBLは許せても、実際のゲイのセックスを考えると嫌になりますか?
 別に。
 「嫌になりますか?」て言われると、何か「憂鬱になりますか?」みたいな感じに聞こえるけど、別に憂鬱にもなりませんよ。

Q31. 小説を書く上で、BLはその特異性のある分野から、リアリティを全て書いていないことが多々ありますが、それについてはどう思いますか?
 別にどうとも思わない。
 いつも言ってるけど、私は小説の中で出来るだけ「普通」を書きたくて、リアリティを追求したいと思ってるけど、別にドキュメンタリーを書きたいわけじゃないから、自分が知り得る・感じ得るリアリティで十分だと思ってます。
 読みに来る人も、そこまでのリアリティは求めてないと思うし。

Q32. BL小説を書くようになって、自分の変わった所はありますか?
 ないです。

Q33. 美少年同士の(または美しい男性同士)のBLじゃないと、許せませんか?
 そのくらい許してやれよ。
 世の中ごまんと人間はいるんだから。

Q34. あなたの好みの受けタイプを細かく教えてください。
 ツンデレ。
 強気。
 お姫。
 自分ではしっかり者と思ってる天然。
 一生懸命。
 目には目を、歯に歯を。

Q35. では、理想の攻めは?
 イケメンだけどヘタレ。
 女子にモテる。
 女好き(または女癖が悪い)。でも受けのことを死ぬほど愛してる。でも女の子に乗っかられると、拒めない。

Q36. 一番書きやすいパターンを教えてください。 例:同級生同士、先輩・後輩、……二次創作。
 大学生。

Q37. では、書いてみたいけどかけないパターンを教えてください。
 別にない。
 書けないのはいっぱいあるけど、書いてみたいと思ってないから。

Q38. その理由は?
 さっきの質問で、理由まで答えてた…。
 書けないのはいっぱいあるけど、書いてみたいと思ってないからです。

Q39. やはり王道は「攻め」がオトス……受けはオチル……これだと思いますか?
 考えたこともなかった。
 でも自分が書いてきたお話を思い返すと、受けが攻めを落とそうと奮闘するのも結構あるから、どっちでもいいんじゃないですかね。

Q40. 誘い受け、好きですか? 
 大好物です。
 そんなんばっか書いてる。

Q41. ヘタレ攻めは、どうでしょう?
 大好物です。
 そんなんばっか書いてる。

Q42. リバは、許せますか? 条件ありでも。
 条件て何?
 自分で書く気はないけど、書きたい人がいるなら許します。

Q43. Hさせる場所、どこが一番多いですか?
 ラブホか自宅。

Q44. 今までにないけど、ココでヤらせてみたいなぁ、という場所は?
 ヤらせてみたい場所では、わりとどこでもヤらせてきたからなぁ…。
 いつか、君といる~のゆっちさんとカズちゃんで、ベッド以外の場所でヤらせてあげたい。

Q45. これが一番すきなのよ! という、BLの体位を詳しく教えてください。
 正常位かな。
 あ、でも対面座位も捨てがたい。

Q46. 途中で体位を変換しますか?
 したりしなかったり。
 何だ、この質問。

Q47. フェラだけ。入れるの無し……これは、あなたの中ではBL小説に入りますか?
 男同士の恋愛小説なら、みんなBL小説でいいんじゃないの?
 どうしてもエロがないとBL小説にしてくれないの?

Q48. 擬音……駆使していますか? どのシーンで使う事が多いですか?
 駆使するほどじゃない。
 何か「駆使」て言うと、すごい使いこなしてるみたいな気がする。

Q49. 耳攻め……好きですか? 
 今まで考えたこともなかった。
 今、こう…思い浮かべてみても、特別萌えはないな。嫌悪感はないけど。

Q50. 手の指や足の指などは? 指で撫でさすりですか? 一本ずつ舐め……ですか?
 これはどっちも萌えるかも。
 両方アリだな。

Q51. では、乳首攻めは? 揉みますか? 抓りますか? 
 揉めるほどの乳がある、むっちりな体もいいですね。
 あ、乳じゃなくて、乳首か…。
 ならどっちでもいいや。

Q52. 一番時間をかけて書いている「エロシーン」の部分は? つまり、一番フェチな部分。ストーリー除く。
 別にない。
 全部が均等の時間配分ではないと思うけど、別にこの部分がフェチだから時間かけて書いてる、てことはない。

Q53. 純愛を培ってきてHに至る、と、半ば無理矢理から始まって愛におちる……どちらがお好み?
 どっちでもいい。
 てか、どっちもそこまで萌えない。
 「純愛を培う」て表現するほど純愛でなく、普通に付き合い始めて、普通にエチに至るのがいいし、無理やりでなくても酔った勢いで体の関係から始まるとかはいい。

Q54. 複数プレイは好きですか? どの位の割合で書いていますか?
 書いたことはあるけど、ブログでアップしたことはない。

Q55. 乱交は書いたことがありますか?
 Q54と何が違うの? この質問。

Q56. 純愛H、3P、乱交……自分的に、一番「燃え」るのはどれですか?
 この3つの中なら3Pかな。
 いや、何か「純愛」ていう言葉が恥ずかしい。恥ずかしい…ていうか、純愛て言われると、互いの手が触れるのも恥ずかしい…Hなんてとんでもない! ていう世界を想像してしまうから。
 「純愛H」でなくて「普通のH」がいい。

Q57. ↑この中で、書くのが一番難しいのは?
 「純愛H」が、私の想像してるとおりのことなら、純愛H。
 だから、君といる~のゆっちさんとカズちゃんのエチは、いつも苦労してる。

Q58. それは、どうしてでしょう? 直してでも書きたいですか?
 Q56で全部答えてる。
 直してでも…て、何を? そこに至るまでの過程を? その話とかキャラの性格とかの根本を?
 そこまでなら書くのをやめる。

Q59. 今、自分の中で克服したい事……小説を書く上で、なんですか?
 自分の力だけで、お話のタイトルを考えられるようになりたい。

Q60. 自分は弱いと思いますか? それとも、最後には強くなれる人間ですか?
 何に対して?
 てか、何で急にこんなこと聞かれるんだろう。

Q61. 大好きな作家さんはいますか? 勇気があれば、お名前も。
 いますよ。
 勇気がないんで言えませんが(同人作家さんなんで)。

Q62. その人はどのようなノベルを書く方ですか?
 いろいろ。

Q63. 勿論ファンレター・メールを出しましたよね?
 本を買った後は、感想のメールを出してる。

Q64. 自分も、同じような系統を目指していますか?
 系統ていうか、そういう雰囲気は目指してる。
 でも、私の根本が変態だから、無理だということも分かっている。

Q65. その方と同じレベルに並びたい! そう思ったことはありませんか?
 いつもそう思ってがんばってる。

Q66. ネタ帳を作っていますか?
 作ってる。

Q67. ハコ書き……しますか?
 ハコ書きて何?
 えーっと、調べましたら、ハコ書きは「箱書き」と書くみたいですね。いろいろな意味があるみたいですが、小説を書くのに関係する内容としては、「シナリオを作成する際、あらかじめ各シーンごとに要点を書きとめておくこと。」とヤフーの辞書に載ってました。なるほどね。
 …て、こんなん調べて納得してる時点で、やってるわけがない。

Q68. 一回書き(打ち)始めると、どのくらい机(パソ)に向かっていますか?
 眠くなるまで。

Q69. 集中して、周りから何か言われても聞こえなくなる……ということはありますか?
 別にないです。
 年々集中力がさっぱりなくなっていく。

Q70. BGMを聞きながら書きますか? Yesの方→なにを聞いてます? / Noの方→音があるとだめですか? 対策は?
 CDを掛けながら書いたり、DVD見ながら書いたりしてます。
 曲は、自分の好きなアーティストのヤツ。別にその曲に影響されてお話を書くことはないんで、何となく聞きたい曲を掛けてる。

Q71. 構想だけで、一番日数がかかったものを教えてください。
 内容を途中までしか考えてなくてもお話を書き始めるから、構想だけで何日かかるとかは分かんない。
 1つのお話を書きながら、別のお話の構想…ていうか、妄想もしてるし。

Q72. では逆に、一番短かったものは?
 Q71で答えたとおり。
 でも車に乗ってる最中とかに、お話の最初から最後まで一気に思い付いたこともあるから、数時間で思い付いたこともあると思う。

Q73. 一本書きあがった後、「寝かせ」ますか? どれくらい?
 寝かせる、て何?

Q74. 寝かせたあとの訂正は、どの程度入れていますか? エロ部分が多いですか? その他ですか?
 別に訂正なんて入れない。
 文字の間違いとかは直すけど。

Q75. 実際に書き始めてからUPするまでの平均日数は?
 書き終わるまでアップしない。

Q76. 予定と、書いた結果が全然違うストーリーになってしまうこと、ありますか?
 全然かどうかは分かんないけど、違うくなることはある。

Q77. 実は……BL小説雑誌などに投稿してみようかな……と、思った事がありますか? ハイ、正直に!
 ないです。

Q78. え?! この人が、この賞を取ったの?! と驚いた事はありますか?
 別にない。
 賞とかそんなの自体、見てない。てか、BLの雑誌買ってないし。

Q79. では、もし投稿して新人賞などを頂いたとしたら……今の仕事は、どうしますか?
 どうもしない。

Q80. いままでやおいを書いてきた上で「損をした」こと、ありますか?
 別にない。
 あると言う人がいるのなら、具体的にどんなことがあるのか、教えてもらいたい。

Q81. 逆に「やおいならではの得」をしたことは?
 別にない。
 何その「ならでは」て。

Q82. オリジナルと二次創作、現在はどちらがメインですか?
 オリジナル。

Q83. オリジナルを書く上での難しさを語ってください。
 別にない。

Q84. では、二次創作を書く際の、自分ならではの注意事項をどうぞ。
 書いてないです。
 でも、二次創作は原作があるから、その雰囲気とかを壊さないようするのが難しそう。雰囲気壊したら、ファンの人にめっちゃ怒られるんでしょうか。

Q85. 男女モノでは表現しきれないBLの特性って、なんだと思いますか?
 別にないんじゃないですかね。
 分かんない、あるのかな。

Q86. あなたの書いているBL小説には、どのような背景処理がしてありますか? 挿絵、写真固定、 ボーダー……
 何もしてないけど、文字が読みづらくならないように、気を付けてはいる。

Q87. 今までに頂いたファンレター・メールで、一番嬉しかったのは? どんな言葉?
 読んでもらえてる上に、その痕跡を残してくれるだけでも嬉しいですが、やっぱりキャラを「かわいい」て言ってくれるのが嬉しい。

Q88. 逆に、凹みメール、凹みレター…… 何日くらい沈没しますか? ちなみに何て言われたのがキツかった?
 キツイ言葉を貰ったこともありますが、どのくらい凹んでたかは計測してないから分かんない。

Q89. 凹みから復活するのは、大抵何によってですか?
 酒と睡眠。

Q90. どうみても「H」な小説じゃない。無理矢理Hっぽくしてるだけ……そんなのを見たことはありますか?
 分かんない。
 無理やりHぽくしてる、てどういうの?
 別にそれでもいいんじゃない? どうしてもエチがなきゃいけないわけじゃないんだし。

Q91. では、自分でそのようなものを書いてしまった経験は?
 あるかもしれないけど、分かんない。
 Q90で言ってるのが、どういうのを差してるのかよく分かんないから。

Q92. 「あんまりエロくない」 BL小説なのに、そう言われたらどうしますか? 
 常にエロのある小説ばかり書いてるわけじゃないから、別にどうもしないですが。
 「BL小説=エロ」でなくてもいいと思う。

Q93. 「書けなくなった」時、いつもどうしていますか?
 別に何もしない。

Q94. 同人誌などのオフラインでイベント参加していますか? Webがメインですか?
 昔は本も出してたけど、今はWebのみ。
 面倒くさいから。

Q95. 参加している方→年間何本くらい書きますか? 参加してない方→同人誌に載せたいと思ったことはありますか?
 今はもう本は出さなくてもいいかな。

Q96. 無理矢理に、期限に間に合わせるために作ってしまった「とりあえずノベル」……ありますか?
 ないです。
 がんばって書きます。

Q97. 書く時は、まず何が頭に浮かびますか? タイトルですか? ストーリーですか?
 ストーリー…ていうか、シーン。
 タイトルは全然思い浮かばん。

Q98. 座右の銘は?
 明日出来ることは今日しない。

Q99. 「BL小説」を書くのに一番必要なものは? なんでしょう!?
 書きたい気持ち。

Q100. 最後です。思いっきりどうぞ!
 思いっきり……何?
 私、こういう質問系のを答えてて、いつも思ってるし、その都度書いてるけど、質問を汲み取る力がないから、質問文を最後までちゃんと書いてくれないと、答えらんない。

 ということで、今年もよろしくお願いします!
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カテゴリー:notes

受けっ子に20の質問


投票ありがとう企画 「受けっ子に20の質問」
 回答いただくのは、もちろんこの方々、投票結果上位5位までの、受けっ子5人です!

[--] ようこそおいでくださいました。今日はよろしくお願いします。
全員「お願いしま~す!」

[01] まず初めに、あなたのお名前を教えてください。
和「九条和衣でーす」
睦「上原むちゅき……睦月でーす」
和「むっちゃん、自分の名前、噛まないでよ」
睦「風邪引いて、鼻詰まってんの!」
直「瑞原直央です…(知らない人、いっぱい…)」
水「水瀬環です」
翔「山口翔真です(何か異色のメンバーだな)」

[02] では、今気になる方の名前をひとり教えて頂けますか?
和「えへへ、野上祐介です…」
睦「名前ゆーだけで、何照れてんの? えっと、秋月亮です」
翔「高槻真大」
直「俺は、えっと……徳永…さん?」
翔「何で疑問形?」
直「いや、何か、そんなこと言っていいのかな、て思って…」
和「気になる人なんだから、瑞原さんが気になってる人なら、自信持って言っていいんだよっ!」
睦「(カズちゃんの熱血が始まった…)」
水「てか、下の名前は?」
直「えっ…、………………、えと…何だっけかな…??」
他4人「(……大丈夫かな、この人…)」
和「水瀬くんは?」
水「んー…1人でしょ? どうしようかな、1人に選ぶの、何か難しいな」
翔「え、どういうこと?」
水「えっと、今気になってるのは、女の人なら1コ先輩のヨーコさんで、男なら、おんなじクラスのきーちゃんかな」
直「……」←話に付いていけない
翔「……」←言いたいことは分かるが、突っ込みづらい
睦「(鼻かみたい…)」←そんなに興味ない
和「えと、えと、情報によると、『攻めっ子に20の質問』では、この質問に石田くんは水瀬くんのことを挙げてるよ? 『体の関係でいったら、そういうことにはなる』てことで……」←ショックでフリーズ
水「じゃあ、そういう体で答えます。石田宏明くんです」

[03] その方と、あなたは正式な恋人ですか? それとも、そうではありませんか?
和「正式な…て、当たり前じゃん、そんなのっ!」
睦「カズちゃん、声おっきい」
直「まぁ…多分そうだと思う」
和「多分て何!? いや、何でですかっ!?」←一応直央くんが一番年上なので、気を遣った
翔「カズ、落ち着け。えと、俺もちゃんと恋人同士だよ。水瀬くんは?」
水「えっと、石田のことで答えるんでしょ? だったら別に恋人でも何でもない」
和「じゃあ何なのっ!?」
水「幼馴染み」
和「ででででも、体の、とかっ…!」
水「セックスはしてるから。じゃあ、セフレてことで」
和「…ッ!!!」←卒倒寸前

[04] (↑続き)どうしてそう思いますか?
睦「かじゅちゃん、らいじょうぶ?」
翔「むっちゃん、鼻かみなよ」
和「ッ…う、グ…、だいじょーぶ…。えと、どうしてそう思う、て……何で恋人だと思ってるかってこと? だって普通そう思わないの? 好き、てゆって、お付き合いしてたら」
睦「そーらね。ジュビ」
翔「まぁ普通そうだよね」
直「普通そうなんだ…(徳永さん、好き、て言うの、そういうこと?? よく分かんないや)」
水「俺、何かさっき理由まで言っちゃったみたいだけど、もっかい言ったほうがいい? えっと、友だちで、セックスして…」
和「もーゆわなくていいっ!」
水「(かわいい人…)」

[05] 周りからあなたとその人はどう思われていると思いますか?
和「こっ…恋人同士っ…!」
睦「うん、それか普通に友だちとか」
翔「関係知らない人なら、友だちと思ってるだろうね。まぁ俺の場合は、先輩と後輩とか」
直「どう思われてんのか全然分かんない。友だちには、絶対思われてないと思うけど…」
水「何だろ…、友だちか………………下僕?」
他4人「(ヒドッ…!)」

[06] その方と初めて会った時の印象を教えてください。
和「えっ、えー…」
睦「いちいち照れなくていいってば」
和「だって…。えと、最初の最初は、普通に友だちのようにしか見てなかったから…。でも優しそうだな、て。そんで、むっちゃんにめっちゃ過保護だと思った!」
睦「普通だよ。俺は…………何だろ、忘れちゃったな。寮で最初に会って早々、引っ越しの手伝い、させられたけどね」
翔「あれは、アイツが悪い。俺は何か怖かったよ、アイツが」
和「真大のことが? 何で? かわいいじゃん」
翔「いろいろあったんだよ。瑞原さんは?」
直「俺も怖かった、徳永さんのこと。だって最初に会ったの、取り立てに来られたときだからさぁ、すっげぇ凄まれて、怒鳴られて、ドアとか蹴られて…」
他4人「(かわいい顔して、壮絶な人生…!!)」
直「ぅ? どうしたの? 大丈夫、ドア壊れなかったから、弁償しなくて済んだし!」
水「いや、そういうことじゃ…。えと…俺ですかね、最後。えーっと……どうだろ、最初に会ったのなんて、保育園とかそんなときだから、覚えてないや」

[07] その方と初めて交わした会話を覚えていますか? あるなら、どんなことを喋りましたか?
和「ハッ…! 覚えてないかも…。でも多分、普通に名前とか言ったんだと思う」
睦「多分ね。ね、ショウちゃん、ティシュー」
翔「はい。えっと俺は……何だろ、名前言ったような、言わなかったような…、そんなだった気がする」
直「俺は多分、金返せみたいなことだと思う。そんで、もうちょっと待ってください! みたいな」
水「(そんな相手じゃ、恋人かどうか悩むよな、そりゃ…) 俺は悪いけど、覚えてない。昔のこと過ぎて。これで石田がすげぇ覚えてたら、ちょっとキモいけど」

[08] あなたは、その方のどこに惹かれたのですか?
和「えっ、そりゃやっぱさ、キャハッ」
翔「イテッ! 叩くな、バカ」
睦「面倒くさいから、先に行こう」
和「ちょっ、むっちゃん!」
直「俺的には、水瀬くんの話が聞きたい気がする。その幼馴染みの、どこに惹かれてんの?」
水「体の相性」
他4人「(やっぱりか…!)」

[09] 過度に話しかけられたりボディタッチをされたら、警戒しますか? それとも、案外受け入れてしまう方ですか?
和「誰から? 祐介から?」
翔「この場合、恋人じゃないヤツのことじゃね? 恋人相手に、普通そんなに警戒しねぇだろ」
和「相手にもよると思うけど…、別にむっちゃんとかショウちゃんとかなら、全然警戒しないよ?」
水「いや、そうじゃなくて、知らない人とか、まだ何回も会ったことのない人のことじゃないですか?」
和「ぅー…、知らない人なら、そりゃちょっと、どうしたの? この人、とは思うけど…。普通そうじゃないの?」
翔「いや、別に。警戒、つーか、まぁ何となく分かるし」
水「相手が好みのタイプだったらノるし、そうでなかったらシカト」
翔「徹底してんな、お前…(ホントに高校生だよな?)」
直「つか、俺なんかにボディタッチしようとする人、いないしなぁ」
水「(いろいろと気付けないタイプだな、この人…)」
睦「知らない人の時点で、何されなくてもスーパー警戒してる」
翔「人見知りだもんね」

[10] 警戒心を解いていた相手から攻撃(例:キスなど)をされたら、どう思いますか?
和「これもじゃあ祐介とかじゃなくて、てことだよね。え、じゃあ、むっちゃんからとか…?」
翔「この場合は、それでもいいんじゃない?」
和「えっ、そんなの困るっ! ダメ!」
睦「しないよ、カズちゃんにそんなこと。されても俺だって困るし」
翔「今は真大がいるから困るけど、誰とも付き合ってないときだったら、別に困りはしない。いや、亮からとかだったら、キモッとは思うけど」
睦「そうだよねぇ、キモいよね」
和「むっちゃんはそこ納得しちゃダメでしょ!」
直「徳永さんには、警戒心を解く前から、キスされた」
翔「大丈夫なんですか? 相手の人」
直「え、大丈夫だよ? いやだって、セレブて何か意味分かんねぇんだもん。だから、俺には分かんない、何かがあるのかなぁ、て思って」
水「(相手の人より、この人のほうが大丈夫なのか確認したい)」
和「ちなみに水瀬くんは…?」
水「別にどうも思わないけど…。相手が好みのタイプかどうかにもよる」

[11] (↑続き)実際に不意に何かされたことがあれば、こっそり教えてください。
和「瑞原さん、さっきバラしちゃいましたね」
直「こっそりするの、忘れちゃった」
睦「俺は、何かされたことはない」
水「したことはある、てこと?」
睦「カズちゃんが寝てる隙に、おでこに『おでこ』て落書きした」
和「ちょっ! あれ、むっちゃんだったの!? 俺、気付かなくて、あのまま学生課に行っちゃって、事務の人にめっちゃ笑われたんだからね!」
睦「すまんすまん」
翔「全然反省してないし」
水「てか、おでこに『おでこ』て。そんな説明書きしなくても、みんな分かってるし。あひゃひゃひゃ」
直「ぐふふふふ」
和「もぉ~~~、みんなして笑わないでよっ!! 俺、被害者なのにっ!」

[12] ……『フェロモンをまき過ぎている』と言われたことはありますか?
和「そんなん言われたことないよ」
睦「てか、こんなこと言われる人いるの? 例えば誰に言われるの?」
翔「…恋人?」
直「水瀬くんは、何か言われそう。石田くんに言われたことないの?」
水「いや、アイツからは別に。誰だったか忘れたけど、それっぽいこと言われたことはある。そんなこと言われてもねぇ?」

[13] 初めは意識していなくても、アプローチをされ続けたら心を許してしまう方ですか?
和「誰とも付き合ってないとき、てこと? どうだろ…。でも相手のことをうんと知って、自分で好きて思える人じゃなかったら、無理かな」
睦「全然想像付かにゃい」
直「そんなアプローチとかされたことないから、分かんないなぁ」
水「(それは、アンタが気付いてないだけなんじゃ…)」
翔「あんまりそういう感じでは絆されないかな」
水「よっぽど嫌いなタイプでなければ、1回くらいは…」
翔「体じゃなくて、心を許すかどうかだよ」
水「あ」

[14] あなたに好意を寄せている相手が他の誰かと親しげにしていたら、嫉妬してしまいますか?
和「そりゃまぁ…」
睦「そんなにモゴモゴ言わなくたって、かじゅちゃんがヤキモチ妬きなの、みんな知ってるってば」
和「ぐぅ…」
睦「俺は別に、そういうのはどうでもいい」
直「嫉妬…?? んー…しないんじゃないかなぁ。よく分かんないや、あはは」
翔「(嫉妬て何? みたいな顔してる…)」
水「俺も別に嫉妬はしない」
翔「俺はまぁ……多少はムカつくかな、やっぱ」

[15] あなたに好意を寄せている相手と喧嘩をしたことはありますか?
和「前に1回。すごいケンカした」
睦「あぁ、あれ? すごかったよね、かじゅちゃん、すごい泣いちゃって」
和「恥ずかしいから、あんまゆわないで!」
直「徳永さんとは、ケンカしたことないと思う」
水「俺も石田とは……いや、ガキのころはあったかもしんないけど、覚えてない」
翔「付き合う前にはしたことあるけど、今は別に。てか、むっちゃんは?」
睦「おで? ケンカはべちゅにない。ちゃんとしなさい、て怒られることはありゅけど……ジュル」
和「鼻、鼻」

[16] あなたに好意を寄せていることを逆手にとって、相手にイジワルをしたことがありますか?
和「そんなのないよ! 意地悪なんかするわけないじゃん!」
睦「ガキか!」
水「(アンタが言うなよ)」
直「意地悪なんかしないよね」
翔「逆手にとってはない」
水「意地悪はないけど……まぁ、いろいろ何かしたことは…、気持ちいこととか」
他4人「(末恐ろしいわ…!!)」

[17] 立場(受け攻め)が逆転しそうになったことはありますか?
和「ないです」
睦「俺もない」
直「受け攻め??」
翔「そんな隙、さっぱりなかった」
水「石田とはないけど、俺どっちも出来るし、どっちでもいいから、相手に合わせます」
和「…………」←絶句

[18] あなたの好きな、[02]で答えた方のしぐさをこっそりと教えてください。
和「えー、だってもう、全部カッコいいし、全部ドキドキするし、全部キュンとしちゃう!」
直「和衣くん、コッソリ言わなきゃダメだよ」
和「あ、そっか」
水「いや、別にそこはどうでもいいんじゃね?」
睦「俺は……何だろ。お菓子をくれるときかな?」
翔「…むっちゃん、それはお菓子食べたいだけでしょ?」
直「好きな、ていうか、徳永さん、すごいカッコいい人だから、何やっても様になってるよ。だってパーティー行ったとき、女の人、みんなキャー! てなってた」
和「瑞原さん、それでヤキモチ妬かないの? 女の人、キャーてゆってても」
直「んー…だって、あんだけカッコいい人なら、みんなそうなるかな、て思うし」
睦「大人だねー」
直「えへへ」
翔「(大人ではない気がする…)ちなみに水瀬くんは?」
水「何だろ…、別に好きってほどでもないけど、ヤッてる最中とか?」

[19] ここ最近で1番印象深い[02]で答えた方との思い出を聞かせてください。
和「最近て言ったら、やっぱクリスマス? クリスマスのこと!?」
睦「何でもいいよ」
和「じゃあクリスマスのことね! クリスマスはねぇ、えへへ、あはははっ」
翔「イタタタ、ちょっバカ、カズ!」
水「何なの、このテンション…」
和「クリスマスはねぇ、イルミネーションね、見にいってね、そんでね、きゃははは!」
直「すごい楽しそう」
睦「面倒くさいだけだよ」
直「俺はクリスマスは、何かすごいレストランに連れて行かされそうになって、でもそんなのマナーとか分かんないから無理っ! つって、結局家で、純子さんのご飯とケーキ食べた」
水「純子さんて誰?」
直「徳永さんちのお手伝いさん」
翔「マジのセレブなんだ。すげぇ」
水「それよりも、その高級レストランを断るほうがすげぇ」
翔「俺は何かいつもよりいいホテル泊まって、いろいろした」
水「いろいろ…ね」
睦「俺は何かおいしいケーキ食べたよ。あとね、ツリーも!」
直「飾ったの? いいな! サンタさんは? 来た?」
睦「来たよ、クリスマスだもん」
水「(2人とも、どこまでが本気なのか、分かんねぇ…)」
和「水瀬くんは?」
水「いや、普通に…。ケーキ食って、セックスした」
直「俺よく分かんないけど、それって普通なの?」
水「え、別に変なプレイとかしてないよ? 生クリームプレイとか」
翔「そういうことは言ってねぇよ」

[20] あなたが[02]で答えた方に望まれていることがあるとすれば、それは何だと思いますか?
睦「早く風邪治せ」
直「確かに」
和「むっちゃん、すぐ風邪引くよね」
水「うつさないでくださいね」
睦「らいじょーぶ、人にはうつさない自信がある」
翔「いや、その自信はどっから湧いてくんの?」

[--] お疲れ様でした。
和「お疲れ様でしたー」
睦「すげぇ疲れた」
直「え、そんなに?」
水「疲れてはいないけど、すげぇ面倒くさかった」
翔「ふぇっくしゅ!(…………、何か、早くもむっちゃんの風邪がうつってる気がする…)」




 とにかくお喋りは盛り上がる女子チーム。
 「攻めっ子に20の質問」はこちらからどうぞ。

 質問配布はあなぐら様です。ありがとう!
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攻めっ子に20の質問


投票ありがとう企画 「攻めっ子に20の質問」
 回答いただくのは、もちろんこの方々、投票結果上位5位までの、攻めっ子5人です!

[--] ようこそおいでくださいました。今日はよろしくお願いします。
全員「…………はぁ…………???(何なの、この集まり…)」

[01] まず初めに、あなたのお名前を教えてください。
祐「え…、野上祐介、です…」
亮「秋月亮です…」
徳「…徳永仁、です…」
石「石田宏明です…けど…」
真「…高槻真大です」
全員「(だから、何の集まりなの、この会…!?)」

[02] では、お気に入りの子の名前をひとり教えて頂けますか?
真「えっと…、一応、この集まりのタイトルは、『攻めっ子に20の質問』てことで、えっと、俺らが20個の質問に答えていかなきゃいけないみたいです…(…て、何で俺が仕切ることになってんの…?)」
徳「20個…」
亮「それに答えてくわけ…?」
祐「このメンバーで…?」
石「(話が続かん…)」
真「ま、まぁ…、とりあえず答えていきますか…? 始めないことには終わんないし。じゃあ、亮くんから…」
亮「え、俺から!? 何で!?」
真「いや…何か隣に座ってたから…。ダメですか? ダメじゃないですよね?」←目力
亮「う…。え、えっと…お気に入りの子? 恋人、てこと? えっと、名前は上原睦月、です…。えっと、次…」←左右の隣に視線
真「じゃあ、時計回りで行きましょう! 次、俺答えますね。えっと、恋人の名前は、山口翔真くんです。はい、次お願いします」←数分で戸惑いから脱した
祐「えっと…、えー…名前は九条和衣です…。じゃあ次…」
徳「えーっと、恋人ていうか…恋人なんだけど、恋人かな? いや、まぁ…うん、恋人だよな」
真「何1人で疑問投げ掛けたり納得したりしてるんですか?」
徳「バカッ、いろいろあんだよ大人の世界には! えーっと、名前は瑞原直央くん! ホラ、次!」
石「え、俺? いや、だって恋人て言われても…、別に恋人じゃないし」
亮「は? じゃあ何なの?」
真「片想い? あ、でもホラ、質問は『お気に入りの子』についてだから、その子のこと、答えてもいいし」
石「別に片想い、ていうわけでも…」
祐「じゃあ何でこの場に? 一応、そういうメンバーで集められたわけだし…」
徳「誰かとそういう関係なんじゃねぇの?」
石「まぁ、体の関係でいったら、そういうことにはなるけど、別に恋人じゃないから。じゃあ、ソイツのことで答えることにします。名前は、水瀬環。ただの幼馴染みです」
亮「(ただの幼馴染み…?)」
真「(ただの幼馴染みと、体の関係だけあんの…?)」
徳「(コイツ、高校生だよな…?)」
祐「(ものすごいサラッと、すげぇこと言ったよな…?)」

[03] その方と、あなたは正式な恋人ですか? それとも、一方通行の恋ですか?
真「あ、ここで恋人かどうか答えるんじゃん。みんな、さっきの質問でみんな答えちゃいましたね。えっと、確認しとくと……俺と亮くんと祐介さんは正式な恋人…」
徳「ちょっ、俺も! 俺もだってば!」
真「えー…ホントに? さっき、めっちゃ自問自答してたじゃないですか」
徳「正式な恋人なの! 絶対!」
真「はいはい」
石「(大学生に、軽くあしらわれてる…)」
真「で、石田くんのお相手は、幼馴染みのセフレ、てことでいいですか?」
石「うん」
亮「(あっさり認めてるし…!!)」
祐「(てか、普通に聞くほうも聞くほうだ)」

[04] (↑続き)どうしてそう思いますか?
亮「どうして、て言われても…」
真「ちゃんと告って、OK貰ったからとしか、言いようがないですよね」
祐「まぁ、確かに」
徳「…うん」
真「…徳永さん、ホントに相手の方とは恋人同士なんですよね?」
徳「そうだっつってんだろ! ぶっ飛ばすぞ、この野郎!」
真「分かりましたってば。てか、それならもっと堂々と答えてください」
徳「…ッ!!!」
亮「つか、俺はお前の答えを聞きてぇんだけど。えっと…石田くん?」
石「どうしてセフレだと思ってるか、てことですか? いや、だって別に恋人じゃなくて友だちだし、でもセックスするから…」
徳「…うん、それはセフレだ、間違いなく」

[05] 周りからあなたとその人はどう思われていると思いますか?
真「俺らのこと知ってる人なら、恋人同士て思ってると思うけど、そうじゃなきゃ、先輩と後輩?」
亮「うん、まぁそうだな。友だちとか、寮で同じ部屋同士とか」
祐「…ご飯係」ボソッ
亮「るせっ!」
祐「俺も恋人か友だちか」←無視
亮「…!!」
真「てか、そちらの2人は? 石田くんは、まさか周りからもセフレとか思われてないよね?」
石「多分。友だちか……でも、アイツのセフレのうちの1人とか思ってるヤツもいるかもしんないけど」
亮「ちょっと待った、何だお前の幼馴染み! 何人もセフレがいんのか!?」
祐「…高校生だよね?」
石「いろいろあるんです」
真「えーっと、最後に徳永さんは…?」
徳「え、そりゃ恋人同士って思われてるに決まってんだろ!」
真「急に堂々とし出しましたね」
徳「ったりめぇだろ! (つか、周りからは恋人同士だって思われてんのに、肝心の直央くんがいまいち分かってねぇんだよっ…!)」

[06] その方と初めて会った時の印象を教えてください。
亮「最初に会ったときは、むっちゃん、男にナンパされて、ブチ切れて、殴りかかろうとしてた…」
他4人「………………」
真「えーっと…、次は……あ、俺かっ! えっと、最初に会った…ていうか、知ったのは高校のころで、そのころはいろいろあって大嫌いで、大学に入ってから再会して、でもやっぱ大っ嫌いだった」
亮「え…ショウのことだよな? そんなに嫌いだったの? お前」
真「まぁいろいろあったんです。今となってはいい思い出です。じゃあ次、どうぞ」
祐「(いい思い出…? 翔真、相当悩んでたような気がすんだけど…)えっと、俺は…どうだったかな、第一印象……いや、別に普通だったけど。亮と翔真と3人でいて、あのときは亮がバカすぎたから、他の2人の印象があんまり…」
亮「おめぇ、サラッと毒吐いてんじゃねぇよ!」
徳「まぁまぁ。次は俺か。そうだな、初めて会ったときから、かわいかったよ、そりゃ!」
真「顔にやけてますけど、大丈夫ですか?」
徳「ッ…!!(何かコイツ苦手…!!)次!」
石「初めて…て言っても、家隣同士だから、最初に会ったのって、すげぇ昔過ぎて覚えてないです。保育園行く前とかだと思うし」
亮「ソイツ、そのころからそんな魔性だったの?」
石「小学校に上がるまでは普通だったと思います」
祐「(魔性の小学生…)」

[07] その方と初めて交わした会話を覚えていますか? あるなら、どんなことを喋りましたか?
亮「会話っていうか、むっちゃん本人と喋ったかどうか覚えてないけど、むっちゃんがそのナンパして来たヤツに殴りかかろうとしてたのを、俺らで止めようとしたのが、最初のコンタクトのような気がする…」
真「あの人、そんなにケンカっ早いんでしたっけ?」
亮「女の子に間違われんの、大っ嫌いだから…」
真「(そのわりには、何か女の子みたいなかわいい格好してること多いけど…)えっと俺は…、多分、高校のころは話とかしてないと思うから、大学入ってからだと思うけど……何だろう、自己紹介とかかな? 忘れちゃった」
祐「俺も多分、自己紹介だと思う。マックで会った後、寮でまた会って、そんでやっぱ名前とか名乗るよな、普通」
徳「俺は……………………」
石「どうしました?」
徳「(確か直央くんに最初に会ったのって、返済滞り始めて、取り立てに行ったときだよな? 金返せとか何とか言ったっけかな…?)」
祐「徳永さん?」
徳「あー………………いや、俺も自己紹介かな? 普通そうだよな、やっぱ」
真「…………(この人、消費者金融の社長みたいだけど、まさか最初の会話が『金返せ』とかか? そりゃ、こんなとこでホントのこと言えねぇよな…)」
石「すいません、あまりにも昔のこと過ぎて、さっぱり覚えてないです」

[08] あなたは、その方のどこに惹かれたのですか?
亮「えっ…、そそそそれを今ここで言うの? この場で?」
真「何照れてんの、亮くん」
亮「バッ…だって、いやだって、恥ずかしくね? 言うの? つか、聞きたいの? みんな、そんなこと」
真「俺は別にどうでもいいけど、聞きたい人もいるんじゃないですか?」
祐「(どうでもいい、とか言ってるし…)」
亮「じゃ、じゃあお前から言えよっ、俺1番ヤダ!」
真「はいはい。俺はやっぱ、あの真面目で真摯なところかな。『しんし』て言っても、ジェントルマンのほうの紳士じゃないですからね、亮くん」
亮「何で俺に向かって言うんだよっ」
徳「(いや、お前は言われるまで、『紳士』のほうだと思ってただろ、絶対に)」
祐「えっと、俺はまぁ…(あの一生懸命なトコとか…、かわいいし…)」
石「心の中で答えてます? いや、恥ずかしいならそれでもいいですけど…」
徳「俺は、そうだなぁ~……全部! 全部好き!」
真「(高校生みたいな答え…)」
徳「お前、何だよ、その顔! 言いたいことあんなら、はっきり言えっ!」
真「何でもないですってば。じゃあ最後、石田くんは?」
石「どこに惹かれた、て言われてもなぁ…。どうしても何か言わなきゃいけないなら、体かなぁ」
他4人「(まぁ、セフレだしね…、そうなるよね…)」

[09] 気に掛けた(好きになった)人には、その日の内にアプローチを開始しますか?
亮「自分ではそういうヤツだと思ってたけど、むっちゃんのときは全然そう出来なかった…」
真「その日のうち、てほどでもないけど、結構すぐにアプローチする。思い立ったら、即行動」
祐「俺は…、いや、そんなにすぐでもないかな…。あんまりそんな、気付かれてもなかったみたいだし」
石「気付かれてなかったら、アプローチじゃなくないですか?」
祐「相手が相手だったんで」
亮&真「(納得…)」
徳「俺は……まぁそうだな、うん」ニヤリ
真「(まーた、にやけてるし)」
石「別にアイツには何もアプローチしてないけど、そうでなくて好きになった人には、てことなら、結構すぐ行くかもしれないです」

[10] そもそも、一気に襲う派ですか? それとも、友好関係を築いてからじわじわと攻める派ですか?
亮「襲う、て何だよ! 襲わねぇよ!」
祐「この二者択一、選びづらい」
石「さすがに襲いはしないです」
徳「(でも俺は、友好関係を築いてからでもなかったけど…)」
真「(むしろ、敵対関係? みたいだった…)」

[11] 好きな人を横取りされた経験は…。
亮「別にない」
祐「俺も」
徳「ないな」
石「俺もないです」
真「…………………………」
亮「ん? どうした、真大」
真「………………何でもないです……」
徳「(負のオーラが凄すぎるっ!!!)」

[12] あなたが好きな人が、他の誰かとイチャイチャしていたらどうしますか?
亮「相手とその内容による。だってむっちゃん、カズと気持ち悪ぃくらい仲いいし…」
真「確かに、何してるかにもよりますけど、ただ仲いいくらいなら、別にどうもしないかな。何かチューとかそういうのだったら、ぶっ飛ばすかもしれない、いろいろ」
徳「いろいろ!?」
真「翔真くんのことは殴れないと思うんで」
石「(誰を殴る気だ…?)」
祐「俺はまぁ…、多少は妬くと思うけど……殴りはしない」
徳「いや、普通そんなに殴んねぇから。しかもいろいろとか。俺はそうだな…(でも直央くん、そんな友だちいねぇから、イチャイチャとか……あっ、ミヤか! アイツ、直央くんにちょっかい出しやがってっ! ざけんなよっ)」
真「…答えなくても、何考えてんのか、大体想像付きますね。じゃあ石田くんどうぞ」
石「えっと…、好きな人なら妬くと思うけど、水瀬なら……いつものことだから、別に気にしない。気にしてもしょうがないし」
亮「何人もセフレがいるヤツなんだもんな、ソイツ…」

[13] もしかして嫉妬はカナリする方ですか?
亮「いや、そこまでじゃない。全然しないとは言わないけど」
真「ん、俺もそうだと思う」
祐「まぁ人並みだと思う。(和衣はすごいけど…)」
徳「俺もそんなにしないと思う」
真「(嘘ばっかり…)」
石「普通だと思います」

[14] 好きな人と喧嘩をしてしまった経験はありますか? あるなら、どう言ったことでモメたのですか? また、先に謝ったのはどちらですか?
亮「ケンカて言うほどのケンカはしてないと思う。買い物行ってて、むっちゃんが急に機嫌悪くなっちゃったことはあるけど。そんときは理由聞いて、解決した」
真「急に機嫌悪くなる、て…。お腹空いたとか、眠くなっちゃったとか?(あの人なら、ありそう…)」
亮「いや、買った服がかわいいとか、かわいくないとか、そういうことで。だってむっちゃん、かわいいて言われんの、嫌がるから!」
真「(子ども…)えっと俺は……どうだろ、付き合ってからはないかも。付き合うより前なら、いろいろあった」
徳「大っ嫌いだったんだもんな」
祐「俺は、ケンカは……あ、1回ある。睦月のバイトのことで。謝ったのは、2人同時」
真「(何でそんなことで、アンタらがケンカすんだよ。つか、あの人どんだけだよ。すげぇ伝説いっぱい持ってそうだな)」
徳「俺は、ケンカはないな、今のトコ」
石「俺も別にケンカは…。まぁ子どものころとかは、何かあったかもしんないけど」

[15] 好きな人の趣味・好きなことは、自分もマネしよう(合わせよう)と思いますか?
亮「趣味つっても、むっちゃん、趣味らしい趣味もないし……でもまぁ、やりたいことには付き合うし、合わせるよ?」
真「まぁそうですね。趣味て、服の趣味とかのそういうセンスじゃなくて、やることのほう? だとしたら、まぁそこまでは合わせないかもしんないけど、やりたいこととかは一緒にやると思う」
祐「俺も、真似てことはないけど……合わせるよ」
徳「合わせる……いや、合わせないかも。いや、合わせるかな」
石「好きな人の趣味とかなら一緒にやろうとかあるけど、水瀬の趣味に付き合う気はない」
亮「ハッキリしてんなぁ」

[16] ネックレス・指輪、何でもいいです。何かお揃いの"物"を使って、カップルだとをアピールしている/した事がありますか?
亮「ないかもっ…!」
石「そんなにビックリした顔しなくても…」
真「俺はします。お揃いの指輪を買いました」
祐「アピールしたことはないけど、お揃いのは持ってます」
徳「お揃いにはしてないけど、いろいろ俺が買ったのを身に付けさせてる」
亮「それは貢いで…」
徳「違うっ」
真「どっちかって言うと、自己満足なんじゃないですか?」
祐「(2人して、寄ってたかって…。言われっ放しのこの人もこの人だよ…)」
石「俺はそういうの、したことないです。お揃いのとかも買ったことないし」

[17] 立場(受け攻め)が逆転しそうになったことはありますか?
亮「ないです、1回も」
真「させません、そんなこと」
祐「(何か怖い…)俺もないです、そういうことは」
徳「な…ないです(てか、まだそこまでの関係にもなってないし…)」
石「俺もまぁないかな。もし逆がいいなら、そういう相手を見つけると思うし」
亮「いや、そういうの、いちいち明かさなくていいから…」

[18] 好きな人がする、あなたが好きなしぐさはどんなものでしょうか。
亮「何でもかわいいよっ、マジで!」
石「かわいい、て言うと、殴られるんじゃないんでしたっけ?」
亮「でもかわいいの!」
真「うん、確かに何でもカッコいいと思う。ムカつくくらいに」
祐「ムカつきはしないけど、全部かわいいと思う」
徳「そうだよな、全部かわいい!」
石「そうですね(面倒くさいから、そういうことにしておこう)」

[19] のろけ話があれば聞かせてください。
真「さっきの質問で、言っちゃってるようなもんなんで、割愛しましょう」
亮「Σ( ̄Д ̄;)」
徳「(コイツ、凄すぎる…!)」
祐「(言うの恥ずかしいから、よかったけど、すげぇ…)」
石「(結果オーライだけど……すげぇ…)」

[20] あなたが好きな人に望まれていることがあるとすれば、それは何だと思いますか?
亮「俺が、むっちゃんに対して望んでること?」
真「逆じゃないですか? 相手が亮くんに望んでることだと思いますけど」
亮「そ…そっか。いや、何だろ、分かんねぇ…」
真「難しいですよね、この質問。割愛しますか?」
徳「え、これも割愛!?」
真「いや、言いたいことあるなら、言ってもらっていいですけど。何かありますか?」
徳「え…いや、思い付かねぇけど…(だって直央くんの考えてること、俺にしたら、突拍子がなさ過ぎて分かんねぇんだもんっ)」
真「(結局、思い付いてねぇんじゃん…)」
祐「言わなくていいなら、俺もいい」
石「俺も」

[--] お疲れ様でした。
亮「え、終わり!? これでも終わり!? よかったー」
真「めっちゃ長かったですね」
祐「正直疲れた…」
徳「いろんな意味でな」
石「(そういう意味で疲れてんのは、アンタだけだと思うけど…)お疲れ様でした」




 知らない人が集まると、なかなか盛り上がれない男子チーム。
 「受けっ子に20の質問」はこちらからどうぞ。

 質問配布はあなぐら様です。ありがとう!
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投票結果を発表しちゃったり、攻めっ子とか受けっ子にいろいろ質問しちゃったりするぞ企画


 恋三昧内で実施しました「好きカプアンケ」は、2011年12月31日をもちまして、終了しました。
 投票くださったみなさま、本当にありがとうございました。
 拍手やランキングクリックもそうですが、記事下部でなくサイドバーにある投票をしていただくことは手間だっただろうに、たくさんの投票をいただいたうえに、コメントまでいただき、本当に感謝しています。

 そこで!!
 感謝の気持ちを込めまして、投票結果を発表しちゃうぞ企画をお送りいたします!!
 投票総数は、何と864票!! すげー! その頂点に立つのは、どのカプなんでしょうかっ!!??

 ジャカジャカジャカジャカ………………ババンッ!!


1位 451票 祐介×和衣(君といる~)

2位 116票 亮×睦月(君といる~)


3位 85票 徳永×直央(ローンシャーク)

4位 60票 石田×水瀬(高校生男子)
5位 48票 真大×翔真(君といる~)
6位 28票 智紀×慶太(メインカプ)
7位 19票 拓海×悠也(メインカプ)
8位 18票 隼人→湊(君といる~)
9位  7票 蒼一郎×郁雅(君といる~)
9位  7票 遥斗×真琴(メインカプ)

11位 6票 大樹×和哉(恋のはじまり~)
12位 4票 瑛貴×依織 (繁華街~)
12位 4票 蓮×ヒロ(ジキタリス)
14位 3票 中編その他
15位 2票 栗原×水瀬(高校生男子)
15位 2票 朋文×譲(君といる~)
15位 2票 篠崎×片倉 (高校生男子)
18位 1票 短編・掌編その他
18位 1票 貴久×哲也 (アスファルトで~)


 ということで、第1位に輝いたのは、ダントツでゆっちさん×カズちゃんでした~~!!
 すごいんですよ、この2人。投票を始めたときから、ずっと1位をキープし続けてたんです。マジすげぇ。

 あと、すごいと言えば、4位に入った高校生男子の石田くんと水瀬くん。
 最後に更新した2008年8月から投票まで何の更新もなかったのに、なぜかずっと上位に食い込む強さ。
 あまりのことにビックリして、その後、2つのお話を更新しました。

 そしてさらにすごいのが、3位の徳永さんと直央くん。
 この2人、もともとは読み切り中編の1つだったんで、選択肢は「中編その他」だったんですが、続きのお話を書いて長編になったんで、年の途中で選択肢を増やしたんです。
 つまり、他のカプより投票期間が短いの。なのに、最終的には3位となりました!!!

 ずっと前に書いてから触れられていなかったカプにも票が入るなど、本当に最後まで結果から目を離せない投票となりました。
 ご参加くださったみなさま、本当にありがとうございました。

 上位のカプは、今後お礼のお話をアップしていきますが、まだ書き上がってないんで(ダメ人間)、ひとまずはこちら!
 投票ありがとう企画「攻めっ子に20の質問」アーンド「受けっ子に20の質問」です!!

こちらのリンク先からお楽しみください。
 【攻めっ子に20の質問
 【受けっ子に20の質問
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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (105)


「俺も、もっとお金があって、ちゃんと運転できたら、あの車買っちゃうのに」
「ハルちゃん、影響されすぎ」

 そうやって、CMの効果があって売れ行きが伸びてくれたら、その企業だけでなく、出演者にとっても喜ばしいことだ。
 車はやはり高い買い物だから、他の商品に比べたら、CMを見てすぐに買うに至る品物ではないけれど、遥希みたいに思ってくれる人が1人でも多くいてくれたら嬉しい。

「ハルちゃん、お腹空いた? あそこにコンビニあるけど、寄る? つか、メシがコンビニかよ、て話だけど」
「うぅん、空いてないよ。でも琉、ずっと運転しっ放しでしょ? ちょっと休憩したほうが」
「いや、行きたいトコはもうすぐだから、それは平気だけど。じゃあ通過するよ?」

 日はすっかり暮れて、渋滞は先ほどを思うとだいぶ解消されている。
 確かに琉はずっと運転しているが、2時間ほどのことだし、それも渋滞にはまって時間を食っただけで、そんなに長い距離を乗っているわけでもないから、別に平気だ。

「え、どっか目的地があるの?」

 遥希には、ちょっとドライブしない? と誘っただけで行き先を言っていなかったのだが、本当にただ車を走らせているだけだと、素直に思っていたらしい。

「もうすぐ着くよ」
「ふぅん? でも今どの辺? 俺、どこ行くのも電車か徒歩だから、それ以外だと、どこ向かってんのか全然分かんないんだよね」
「あはは」

 遥希からは全然連絡をくれないから、やっぱり琉のことどうでもいいか、それともウザいと思っているか、どっちかなんだろうなぁ、と思うのに、会って話すと、遥希はすごく楽しそうだから不思議だ。
 これで、気を遣って、はしゃいでみせているんだとしたら、遥希は相当の役者だと思う。

「着いたよ、ハルちゃん」

 もうすぐ着く、の言葉どおり、それから5分もしないうちに、車は速度を緩めて停止した。

「え、どこ? ここ」

 暗い外の様子に戸惑いながらも、遥希は、琉がシートベルトを外したので、わけが分からないながら、車を降りる支度をする。

「ハルちゃん、こっち」

 車を降りても、どうしたらいいのか分からずに立ち尽くしている遥希の腕を引く。
 本当は手を繋ぎたかったけれど、それはさすがに出来ないから。

「暗いから、足元、気を付けてね?」
「う、うん…」

 暗いのと、ここがどこなのか分からないことへの不安からか、答える遥希の声も小さくなっている。
 でも大丈夫。少し砂利っぽくなっている狭いところを抜けたら、すぐ。
 琉が遥希を連れて行きたかったところ。



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カテゴリー:映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。)

映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (106)


「え、琉、ここどこ? ねぇこんなトコ、何が…――――うわぁっ…!」
「はい、とうちゃーく」

 不安げな声を出していた遥希は、いきなり目の前に広がった景色に、思わず驚きの声を上げた。
 ずっと暗かったのは、成長した防風林が月明かりすら遮っていたからで、視界が開けたそこには、夜の海が広がっていた。

「海…」
「ちょっと季節外れだけど」
「キレイ…、すごい…」

 海面に反射する月明かりがキレイで、眩しくて。
 遥希は感嘆の声を漏らした。

「車降りてから、どこ行くんだろう、て心配してたのに、こんなすごいトコ…」
「うん、ゴメン。ここ、ちょっとした穴場なの。向こうにホラ、おっきい階段があって、海岸に降りれるようになってるでしょ? 新しくあっちに階段出来てから、こっちの古いほうは殆ど使われないから、人いねぇの」

 遥希たちのもう少し先には、人のすれ違いもちょっと厳しいような急な階段があって、かつてはその階段を利用して、海岸まで行っていたらしい。
 広くて緩やかな階段が出来てから、こちらは殆ど使われなくなって、だからそこに行くまでも砂利や草がひどい状態になっていたというわけだ。

「でも景色はこっからでもキレイだし、誰もいないからのんびり出来るじゃん?」
「そうだね。すごいキレイ。俺、夜に海来るなんて初めてだから、すごい感動した…」
「そうなの?」
「うん。琉、ありがとう」

 そう言って遥希は、琉に微笑みかけた。
 こんなシチュエーションで、その笑顔は反則だろうと思ったが、琉は遥希を抱き締めたい衝動をグッと堪えた。

「…ここ、お気に入りの場所で、時々来るんだけど、何か、ハルちゃんのこと連れてきたくてさ」
「そ…なの? 俺のこと…?」
「うん。何でか、分かる?」
「……」

 まっすぐに遥希を見つめれば、遥希は困ったように、戸惑ったように、視線を彷徨わせる。
 これ以上言葉を紡いだら、遥希を困らせてしまうだろうか、でももう、この溢れ出す想いを止めることが出来ない。

「ハルちゃんのことが、特別だから」
「え…?」
「ハルちゃんのことが特別で、誰よりも好きだから」

 琉にとっての特別な場所も、特別なことも、好きな人と…………遥希と共有していきたい。
 いろんな景色を一緒に見たり、一緒に感動したり、喜びも悲しみも、みんな分かち合いたい。遥希と一緒に。

「俺、ハルちゃんのことが好きだよ」
「琉…」

 とうとう告げてしまった。
 だって、こんなにも遥希のことが好きだから。

「ハルちゃんのことが好きだから、友だちじゃなくて、恋人として、お付き合いしてください」

 琉の言葉に、遥希はただ、信じられないものを見るかのように、ただ呆然と琉の顔を見つめていた。



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カテゴリー:映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。)

映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (107)


haruki


 千尋は、芸能人て暇なの? なんて言っていたけれど、FATEが出演している車のCMは新しいバージョンは放送され始めたし、来月には新曲も出るから、決して暇ではないはず。
 なのに琉は、変わらず遥希のことを誘ってくれるから、千尋にドМと言われようと、やっぱり琉といたい遥希は、本当に都合の悪いとき以外、琉の誘いは断らない。
 というか、琉に授業やバイトの時間を教えているから、そこに被らないように誘ってくれているんだと思う。

 今日は、琉のカッコいい車でドライブ。
 琉の運転している姿はもう何度か見ているけれど、何回見てもやっぱり格好いい。ペーパードライバーの遥希にしたら、車を運転する人はみんなすごいんだけど、琉が一番カッコいいな。

「けど、琉が運転してるトコ、やっぱカッコいい…」
「え、そう?」
「うん。今、CMで運転してるでしょ? 俺、短いバージョンは録画できたんだけど、肝心の長いバージョンが撮れないんだよー! あれ、めっちゃカッコいいのに!!」
「そ、そう…??」

 思わず遥希がそう口にすれば、琉が意外そうな顔をするから、遥希はつい力いっぱい語ってしまった。
 だって、琉が特にカッコいい仕草をするシーンが、短いバージョンではカットされているのだ。

(あ、琉に笑われちゃった…)

 ただのファンだ、てことにしてるのに、熱くなりすぎてしまっただろうか。
 でも遥希でなくても、ファンだったら大抵みんな思っていることと思うけど。

 最初のころは、緊張ばかりしていた琉との会話も、数を重ねたせいか、前ほど緊張しなくなったし、遥希もたくさん喋れるようになった。
 …ただ、ドキドキだけは、前よりも増すばかりなんだけれど。

「着いたよ、ハルちゃん」

 途中で渋滞していたせいもあって、随分時間が掛かったような気はしたが、琉は疲れたとも言わずに運転し続け(遥希とは変われないから、そう言ったのかもしれないが)、ようやく車はどこかに到着した。

「え、どこ? ここ」

 車は停まったが、暗い外に、他の車も人の気配もないように思える。ここで降りるの? と不安になったが、琉がシートベルトを外したので、遥希もわけが分からないながら車を降りた。
 こんなところに何があるんだろうと思うが、琉が「こっち」と言って、遥希の腕を引いて歩いていくから、不安ながらも後を付いていく。

(琉…手…)

 琉に腕を掴まれ、別に手を繋いでいるわけでもないのに、妙にドキドキしてしまう。
 単に、暗いから危なくないようにそうしてくれているだけなんだろうけど。



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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (108)


「暗いから、足元、気を付けてね?」
「う、うん…」

 暗いし、何だか道も狭くなってきているし、足元も舗装道路から砂利になっている。
 この先に何があるのか、琉は遥希をどこに連れて行こうとしているのか、遥希の不安は増していく。

「え、琉、ここどこ? ねぇこんなトコ、何が…――――うわぁっ…!」
「はい、とうちゃーく」

 不安が募って、遥希はやたらと琉に話し掛けていたのだが、琉に『到着』と言われて顔を上げたら、目の前には夜の海が広がっていて、遥希は思わず声を上げた。

「海…」
「ちょっと季節外れだけど」
「キレイ…、すごい…」

 海で楽しむにはもう、ちょっと肌寒い季節だけれど、海面には月の明かりが反射して、キラキラと輝いている。
 琉が言うには、ここは、新しく海岸に降りる階段が出来て以来、殆ど使われなくなった通路で、海を見るのにちょっとした穴場になっているらしい。

「でも景色はこっからでもキレイだし、誰もいないからのんびり出来るじゃん?」
「そうだね。すごいキレイ。俺、夜に海来るなんて初めてだから、すごい感動した…」

 遥希は、友だちとも、今まで付き合った人とも、昼間に普通に遊びに来たことはあるけれど、夜の海に来たのは初めて。
 こんなにキレイで感動的で、ロマンチックだったなんて。

「琉、ありがとう」

 忙しいのに、わざわざ遥希をこんなところに連れて来てくれて、ありがとう。
 何で遥希を連れて来てくれたのかは分からないけれど、でも琉と一緒にこんなすてきな景色を見れて、すごく嬉しい。

「…ここ、お気に入りの場所で、時々来るんだけど、何か、ハルちゃんのこと連れてきたくてさ」
「そ…なの? 俺のこと…?」
「うん。何でか、分かる?」
「……」

 あんまりにも琉がまっすぐに遥希のことを見つめて来るから、心の中がザワザワしてきて、遥希は目を逸らさずにはいられなかった。

 何で遥希を連れて来てくれたの?
 その答えを知りたい、知りたくない…………言わないで。

「ハルちゃんのことが、特別だから」
「え…?」



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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (109)


 言わないで。

「ハルちゃんのことが特別で、誰よりも好きだから」

 それ以上は、言わないで。

「俺、ハルちゃんのことが好きだよ」
「琉…」
「ハルちゃんのことが好きだから、友だちじゃなくて、恋人として、お付き合いしてください」

 とうとう告げられてしまった言葉に、遥希は絶句した。
 琉が、遥希のこと、好き。
 千尋にどんなにからかわれても、唆されても、絶対にそんなことないと言って、信じずに否定してきたのに。

 だって、そんな。
 嬉しいけど、すごく嬉しいけれど、でもだって、困る。
 琉は芸能人だし、恋人なんか簡単に作っちゃダメなのに、遥希は男だし。それに…琉はノン気だから、きっといつか、遥希よりも女の人が良くなるに決まっている。

「…ゴメンね、ハルちゃん」
「え…?」

 伸びて来た琉の手が、遥希の頬に触れた。
 伝い落ちた涙を、拭ってくれたのだ。

「ゴメン、困らせるつもりはないんだけど、でも、ハルちゃんのこと好きだから、伝えたかった」
「琉…」

 こんなにも優しい手。
 いつも、遥希のことを気に掛けてくれていた。

「答え、聞かせてくれる?」
「それは…」
「…大丈夫。NOでも、怒ってこんなトコにハルちゃんのこと置いて帰ったりしないから、教えて?」

 遥希の涙を拭った琉の手は、遥希のことを抱き締めたそうにしたけれど、そうはせずに離れていった。

 答えなければ、と思うのに、言葉が喉に貼り付いて、何も出て来ない。
 だってこんなの、想定外だ。
 琉に恋愛感情はないと思っていたから、遥希はただ、自分の気持ちを抑えることしか考えていなかった。琉から告白されたときに返す言葉なんて、何も考えていなかった。

「ハルちゃんの気持ちが知りたい。ハルちゃん、俺のこと、どう思ってるの?」
「琉の、こと…?」

 琉のことは、好き――――でも。
 でも、それだけじゃダメだ。



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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (110)


「ハルちゃん?」
「琉のことは…………好き、だけど…、…………琉とはお付き合い、出来ない」

 声を震わせながら何とか言い切ったら、遥希を見つめていた琉は、ひどく傷付いた顔をしたので、遥希の胸も痛くなった。

「…やっぱり俺のことは、友だちとしてしか、見られない?」
「…………」

 その問いには、首を振った。
 友だちとしてしか見られないんじゃなくて、友だちとして見ようと思っても、叶わなかったくらいだ。

「琉のことは、友だち以上に……好き」
「…でも、付き合ってはくれないの?」
「…」
「何で、て聞いてもいい?」

 問い詰めるわけではない、優しい琉の声。
 きっと、理不尽なことを言う遥希に、困っているはずなのに。

「…琉は芸能人だから…、男の恋人なんか、いちゃダメ…」
「それが理由?」

 そんな理由では納得できないのか、琉は眉を寄せている。琉だって子どもではないから、それが理解できずに、遥希に想いを告げてきたわけではないはずだから。
 だってそんなの、遥希が琉の立場だとしたって、納得できない。

 …結局は、琉のせいじゃない。
 琉が芸能人だからなんて、そんなの言い訳でしかない。
 本当は、遥希が弱いだけ…。

「…琉はゲイじゃないから…、きっといつか、女の人のほうが良くなる、から…」
「だから、ダメなの?」
「…ん」

 琉の顔を見ているのがツラくなって、遥希は頷いたきり、顔を上げられなくなった。
 でもそれは、千尋に改めて指摘されるまでもなく、心のどこかで、遥希がずっと思っていたこと。
 琉だけじゃない、最初は好きだって言ってくれても、みんな最後にはやっぱり女の人のほうがいいて言う。あのときの、自分を否定されるような思いは、もうしたくない。

「でも俺は、ハルちゃんのことが好きだよ? ずっと、ハルちゃんのことだけ、愛してる」
「…」

 琉の言葉が、じんわりと遥希の中に染み込んでくる。
 嘘偽りない、琉の正直な気持ち。

 ――――でも。



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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (111)


「ダメ…」

 遥希の答えは決まっている。
 どんなに琉のことが好きだでも、琉とは付き合えない。
 琉も今は、物珍しさとかでそんな気になっているけれど、きっとそのうち、ただの思い違いだった、て気付く。好きだと思っている気持ちも引いていく――――熱が冷めるように。

「ハルちゃん、俺のこと、友だち以上に好きだって言ってくれた…。でもダメなの?」
「ダ、メ…」

 精一杯声を絞り出して、俯いたまま遥希は首を振った。
 そうでないと、琉のことが好きだって言って、その胸に飛び込んでしまいそうになるから。

 遠くに、波の音が聞こえる。
 琉は何も言わない。
 次の言葉を考えているのか、それともこんな強情な遥希に、呆れてしまったのか――――でも、それでいい。そのまま遥希のこと、嫌いになって、忘れてしまって。

「…それが、ハルちゃんの答えなんだね」

 しばらくの沈黙の後、琉が静かに言った。
 落胆でも失望でもなく、でもすべてを諦めたような声だった。

「…ゴメンなさい、琉っ…」

 琉の声は、話すときも、歌うときも、いつも優しくて甘くて……大好きな声。
 そんな琉に、こんな声を出させているのが自分なのかと思ったら、居た堪れなくなる。今さらなのに、涙が溢れる。

「謝んないで? 俺こそ、ゴメン。ずっとハルちゃんのこと、困らせてたね」
「ちが…」

 琉は何も悪くない。
 …遥希が弱いだけ。
 琉と一緒にいた日々、ずっとずっと幸せだった。メールもすごく嬉しかった。琉のこと、大好きだった。何にも、困ってない。困らせてたのは、遥希のほうなのに。

 溢れ出す想いは、けれど言葉にはならず、代わりに涙が零れ落ちた。
 何で涙が出るんだろう、でも止まらない。

「ハルちゃん…」

 泣きじゃくる遥希の体が、ふわりと温もりに包まれる。
 琉に抱き締められたのだと気付くのに、そう時間は掛からなかった。

 初めて知った、琉の腕の強さと温かさ。
 遥希も、琉の背中に腕を回せば、やっぱりやり直せる? 琉のこと好きだから、これからも一緒にいたいって、言い直せる? ――――俺、琉のことが好きだよ。



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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (112)


「…ゴメン、こんなの俺のワガママだよな」

 ゆっくりと解かれる、琉の腕。
 冷たい海風が、吹き抜けた。

「…もう、帰ろっか」

 琉は、涙でグショグショの遥希の頬を拭うと、その腕を取った。
 え、と思って遥希が顔を上げたら、琉は眉を下げ、「ゴメン、足元暗いから…」と言った。琉は何度も来ているから平気だけれど、初めて来た遥希には、暗すぎて歩くのが危ないから。それだけのこと。
 もし遥希が、琉の告白にOKをしていたら、きっと腕を掴むその意味も、変わっていたのかもしれないけれど。

「ハルちゃん、寒くない? 風冷たいから、結構体冷えたでしょ?」
「…大丈夫」

 車の中、会話はそれきりで、後はずっと無言だった。
 行くときは渋滞のせいで時間が掛かったけれど、帰りは空いていたから、あっという間に見慣れた景色が広がってきた。

 琉は、遥希の家に上がったことはないけれど、時々家に送ってくれたこともあったから、場所なら分かっている。
 何も言わずに琉は、一番近い出入り口のところに、車を停めてくれた。

「…送ってくれて、ありがとう」
「ん…」

 シートベルトを外そうとして、けれど遥希の手は震えていて、うまく出来ない。
 遥希が焦っていたら、琉の手が伸びて来て、シートベルトを外してくれて――――遥希がありがとうと言おうとするより先、その手が遥希の手首を掴んだ。

「…ハルちゃん、」

 琉の顔をが近付く。
 キスされる――――そう思った琉の唇は、けれど、そっと遥希の濡れた頬に触れただけだった。

「琉…」
「…………」

 何か言おうとしたのか、開きかけた琉の唇は、何も言葉を紡がないうちに、閉じられた。
 遥希の手首を掴んでいた手が、離れる。

「…琉、ありがとう…。俺なんかのこと、好きになってくれて…」

 車を降りると遥希は、琉のほうを振り返ることのないまま、ダッシュで自分の部屋まで駆けて行った。



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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (113)


ryu


 恋がいつもハッピーエンドなわけじゃない。
 片想いが、いつも実るわけじゃない。
 現実が、ドラマのように都合よく進むわけじゃないことは、琉だってよく分かっている。

 だから、この恋心が儚く散ってしまうことだって、思っていなかったばかりじゃないんだ、でも――――お互いに好き合っていても一緒にいられないなんて、考えてもいなかった。

(――――痛ぇ…)

 車のドアを閉めた後、1度もこちらを振り返ることなく部屋まで駆けて行った遥希の背中を、琉は最後まで見送ると、そのままハンドルに突っ伏した。
 目を閉じれば、遥希の泣き顔ばかりが浮かんできた。
 どうしてだろう、遥希の笑っている顔が好きなのにな。なのに、泣かせてしまった。

 最後、シートベルトを外そうとする遥希の手を取って引き寄せて、……キスして、奪おうとした。やっぱり遥希が欲しい、て。
 でも出来なかった。
 頬にキスしたのは、琉の精一杯の理性。

『…琉はゲイじゃないから…、きっといつか、女の人のほうが良くなる、から…』

 琉が芸能人だから、というのだけが断る理由なのだとしたら、そんなの絶対に納得できなくて、何としてでも遥希のことを説得しようとしたと思う。
 でも、そう言った遥希の顔が、あまりにもツラそうで、その後、必死に『ダメ』と言った遥希の声が、あまりにも悲痛に満ちていたから。
 …だからもう、何も言えなくなってしまった。

 いつか遥希よりも女の人のほうが良くなる……そんな『いつか』なんて、来るか来ないかも分からないのに。
 でも、未来に怯える遥希を納得させるだけの言葉を、琉は持っていなかった。

 ならば、この想いを伝えなければよかったのだろうか。
 そうすれば、少なくとも友だちとしては、ずっと一緒にいられた。今までみたいに、遊んだりご飯を食べに行ったりし続けることが出来た。

 …遥希が、車のCM、長いバージョンが録画できないんだよ~! て悔しそうに言っていた、あの瞬間まで時間が戻らないかな。渋滞にはまってしまった、あのときでもいい。
 行き先を変更して、当てのないただのドライブにして、どこまでも車を走らせて――――そうすれば、琉はまだ、遥希と『友だち』でいられた。

 でもそんなの……琉が耐えられない。
 こんなに強く遥希のことを想っているのに、友だちでなんかいられない。

 やっぱり琉と遥希は、こうなる運命だったのだ。

「ハルちゃん…」

 ねぇ、今駆け込んだ部屋の中、遥希は1人で泣いてるの? 琉のせいで。
 やっぱりあのとき、手を離すんじゃなかった。泣いている遥希を、ずっと抱き締めていればよかった。ずっと離さずにいればよかった――――でももう遅い。
 遥希は、この手の中をすり抜けて行ってしまった。

 まるで波にさらわれた、砂の城。



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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (114)


*****

 新曲の発売日が近づくと、プロモーションのため、テレビ出演も多くなる。
 もともと歌とダンスが好きで飛び込んだ世界、そこで演技を覚えて好きになっただけだから、バラエティ番組も、音楽番組のトークですら、本当は苦手。
 けれど、琉たちの姿を見たいと思ってくれるファンの子がいると思えば、嫌だの苦手だのは言っていられないから、笑顔でがんばる――――アイドルだから。

 でも、アイドル以前に人間だから、笑おうと思ったって、笑えないときだってある。

「琉、ちょっと便所行ってくるか?」
「…………は?」

 生放送の音楽番組の出演を前に、楽屋にいた琉に、マネージャーの南條がそう声を掛けて来た。
 確かに番組が始まる前に用は足すけれど、何でそんなことを今さら南條に言われなければならないのかと、意味が分からなくて、琉だけでなく大和も眉を寄せた。

「便所行って、鏡見て来い。すげぇ顔してるから。リハーサル始まる前に、顔洗っとけよ」
「……」

 南條は基本的に、ヘタレでビビりで押しに弱い、かわいそうなマネージャーだけれど、FATEをここまでのスーパーアイドルに押し上げただけのことはある、凄腕の男だ。
 見ているところは見ているし、厳しいところは厳しい。

 もちろん楽屋にも鏡はあるけれど、1人になって頭を冷やせということなのだろう。琉は言われたとおりに楽屋を出て、一番近くのトイレに向かった。
 鏡に映った自分の顔は、確かにひどいものだった。南條でなくたって、何か言いたくなる。

 ゴシップ誌の中じゃ、日替わりで違う女の子と恋をしている百戦錬磨の水落琉も、本気で恋に落ちたたった1人の相手に振られただけで、このザマだ。
 結局は、ただの男でしかない。

(ひでぇ顔…)

 目の下の隈はメイクで隠せるとして、大体、表情が死んでいる。無理に口の端を上げて笑顔を作ってみても、全然ダメだし。
 …さすがにこんな顔、ファンの子には見せられない。

 琉は溜め息を零して、冷たい水でザバザバと顔を洗った。

「ホントに顔洗ってるし」
「…大和」

 顔を上げれば、とっても呆れた顔の大和が、出入り口のドアのところに立っていた。

「お前、そんな顔ビッショリにして、どうやって楽屋まで戻る気?」
「……」
「ホラ」

 大和はタオルを琉に手渡した。
 それは琉のものだったから、荷物の中から勝手に出したのだろう。相手が大和だから、その辺のところは、別に気にしないけど。



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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (115)


「そんで? 何があったか、聞かせてくれるんだろうな?」
「…別に何もねぇよ」
「お前、そんなんじゃ今日のトーク全然ダメで、結局俺が全部フォローするはめになるってのに、それでも俺には言えねぇのかよ」
「……」

 大和の言い分は、あながち間違いではない。
 もっと大勢のグループなら、曲の前のトークで誰が中心となって喋るかいろいろと割り振れるけれど、2人きりのFATEでは、琉がダメなら大和しかいないのだ。

「…分かった、話すよ。でも楽屋に戻ろうぜ。こんなトコで話したくない」

 琉はとうとう観念したが、いくら何でもテレビ局のトイレで、こんな話はしたくない。
 それに、いくら声を潜めて話しても、誰に聞かれないとも限らないし。

 楽屋に戻ると、携帯電話で誰かとやり取りをしていた南條が、チラリと視線を2人に向けて来た。

「それで? 相変わらずハルちゃんからメール来なくて悩んでるわけ?」
「違ぇよ、そうじゃない」
「じゃあ何だよ。琉が悩むなんて、ハルちゃんのことくらいだろ? 何があったんだよ」
「ハルちゃんに告った」
「えっ」
「そんで断られた。それだけ」

 ガタン! と音がしてそちらを見れば、南條が持っていた携帯電話を取り落としていた。
 南條は驚いた表情で琉と携帯電話を交互に見て、何か言いたそうに口を開いたが、落ちた携帯電話から聞こえてきた声に、慌ててそれを拾うと、受話器の向こうの誰かに謝った。

「え、ちょっ、琉、え? え? え? 何、もっかい言って!?」
「何回も言わせんなよ、傷付いてんだよ、俺だって」

 琉の言葉が信じられなくて、大和は焦って聞き返したが、琉は嫌そうに顔を背けた。
 でも、そんな。
 え、遥希に告白して――――断られた?

「だって、え? 断られた、て……え、何で?」
「何で、て……その理由、今ここで、お前に全部説明しないといけないわけ? 勘弁してよ。ますますテンション下がる」
「だってハルちゃん、お前のこと、超好きそうだったじゃん、好きそう、てか……好きだったじゃん。何で断んの? 何で?」

 大和が見る限り、遥希はずっと琉のファンだったと言っていたけれど、それだけでなく、会うたびに琉のことを好きになっていっているのが分かった。
 琉に話し掛けられるたび、嬉しそうに顔を綻ばせていた。
 遥希が琉のことを好きだってこと、誰が見ても、疑いようのないことだった。

「なのに、何で…?」
「そうだ水落、何で小野田くん、」

 話に割り込んできたのは、電話を終えた南條だった。
 南條ですら、琉が遥希に振られたことが信じられないようだった。

「水落、」
「…別に大した理由じゃねぇよ。俺じゃ、ハルちゃんの相手に不足だった、てだけのこと」
「…………」



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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (116)


haruki


 琉の車から降りた後、逃げるように自分の部屋に駆け込んで、ドアが閉まると同時にその場に蹲って泣いた。
 胸が痛い、痛い、痛い。

 でも、後悔はしていない。
 遥希は琉の恋人として、その横には立てないんだから…………これでよかった。

(でも琉も、ツラそうな顔してた…)

 優しく笑っている琉の顔を思い出そうとしても、浮かんでくるのはツラそうに歪めた表情ばかり。けれど、琉にそんな顔をさせたのは、他ならぬ遥希だ。
 そう思うたびに、新しい涙が溢れてくる。
 泣いても泣いても涙は枯れなくて、遥希は一晩中、そこで泣きじゃくった。

 さすがに翌朝は、ひどい顔だった。
 とても人前に出れたものではないので、遥希は学校をサボった。出たところで、授業の内容が頭に入るとも思えなかったし。

 1日中ベッドの上で、何をするでもなくただボンヤリと過ごした。
 夕方になってバイトがあることを思い出し、さすがにこちらはサボれないので、遥希はメガネでごまかすことにして、バイト先のコンビニに向かった。
 メガネは、『今の時代はメガネ男子なんだから!』とか何とか言って、去年の誕生日に千尋がプレゼントしてくれた伊達メガネで、ちょっと値のいいヤツらしい。
 実のところ、貰ってから掛けるのは初めてだったのだが、バイト先では概ね好評だった。

 バイトが終わって駅まで向かう途中、ふと駅までの近道になる路地に目をやった。
 ここが、初めて琉と会った場所。
 終電に遅れそうになった遥希が、駅まで近道しようとして駆け込んだら、前から来た琉にぶつかって、正面衝突して。落とした携帯電話を、互いに取り違えて行った。
 あれが、すべての始まりだ。

 あのときは、琉に似た人に会えたって、それだけで大喜びした。
 でもそれは、『琉に似た人』じゃなくて、本物の琉だった。携帯電話を拾ってくれたお礼にご飯をごちそうになって、携帯電話のアドレスも交換した。
 すべてが、夢のようだった。

(全部……夢だったらよかったのに)

 琉に会ったことも、一緒に過ごした日々も。
 みんなみんな夢だったら、そしたら…。

「琉…」

 あのときのように、この暗い路地の向こうから琉が駆けてくるんじゃないかって、一瞬そんなふうに思ってしまって、遥希は自分のバカさ加減に呆れた。
 あの手を離したのは、自分のほうなのに…。



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*****

「――――は…?」

 千尋の第一声は、それだけだった。
 一緒に出掛ける約束に、遥希の家まで迎えに来てくれた千尋を家に上げ、『腹減ったー』と喚いてうるさい千尋を宥めながら話を切り出したら、たった一言、それだけ。

「は? え、ハルちゃん、ゴメン、もっかい言って?」
「だから、琉に好きだって言われたから、断ったんだってば…」
「はぁ~~~~~?????」

 何回も言うのは嫌だったけれど、仕方なく遥希が繰り返したら、千尋がすごい声を出した。
 さっき隣の部屋の人が帰って来た音がしたから、あまり大きな声を出すと、聞こえてしまう。

「ちょ…ちーちゃん、声大きい」
「だってビビるじゃん、そんなん言われたら。いや、水落がハルちゃんに告ったのは全然ビビんないけど、ハルちゃんがそれ断ったって、何それ、意味分かんない」
「意味分かんなくないよ」
「分かんないよ、何それ」

 千尋はポカンとなって、バナナを剥く手を止めてしまった(体を鍛えるときの栄養補給とか言って、持ち歩いているらしい。これからご飯食べに行くのに)。

「だってハルちゃん、水落が自分のこと、友だちとしてしか見てくんないから、自分の恋愛感情は断ち切って、友だちとして一緒にいることにしたんでしょ? 水落がLOVEでハルちゃんのこと好きなら、別に断る理由、ないじゃん」
「あるよ。琉は芸能人だし……ゲイじゃない」
「それ、水落にもそう言ったの?」
「言った」
「それで水落、納得したの?」
「した……と思う」

 琉が芸能人だから、ということではあまり納得していないようだったけれど、琉はゲイじゃないから、きっといつか女の人のほうが良くなる、と言ったら、納得せざるを得なかったみたい。
 でも、琉が納得しようとしまいと、それは遥希の本心だから。

「はぁ~~~…、そうですか…。で? それでハルちゃんは、傷付かずに済んだ?」
「え?」
「だって、いつか水落が女のほうがよくなって、ハルちゃん捨てられちゃうから、それで傷付かないように、水落とは友だちでいる、つってたじゃん。結局そうなったわけでしょ? まぁ、振っといて友だちにはなれないかもだけど」

 傷付かないで…?
 あぁ、確かに遥希は千尋にそう言っていた。いつか琉が、遥希でなく女の人のほうが良くなってしまったら、結局は傷付くから、なら最初から付き合わないほうがいい、て。
 傷付きたくないから、遥希がそうならないために思っていたとおりの行動をしてみた。

 で、結果は?



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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (118)


「結局、大泣きするほど傷付いたんでしょ?」
「なっ…」
「いやだって、去年俺が誕プレで上げたっきり、全然掛けてくれなかったメガネ、掛けたんでしょ? 泣いて目が腫れたから。メガネ、そこ出てる」
「あ…」

 琉と別れた後、すごく泣いたこと、千尋には言っていなかったし、千尋と会ったのだって、目の腫れが引いてからなのに、何で分かったのかと思えば、千尋の観察力の賜物だった。

「好きなのに別れれば、そりゃ普通傷付くよね。でもまぁハルちゃんの想像の中じゃ、いつか水落は女に走って、ハルちゃんは捨てられて傷付くことになってるわけだから、傷付くのが早いか遅いかの違いだけか」

 千尋は、ただ事実だけをそう言ってのけたけれど、その裏に、『もしかしたら』の未来を含んでいるのが分かって、遥希は目を逸らした。
 もしかしたら、未来の琉は、女の人のほうが良くなるということもなく、ずっと遥希のことを愛し続けているかもしれない、てこと。それならば、遥希は何も傷付かない。
 そんな未来も、あったかもしれない。

「…今さらそんなこと言ったって、遅いもん。もう琉に『付き合えない』て言っちゃったんだし」
「何も言ってないじゃん。つかハルちゃんが決めたことだし、別に何も言う気ないよ。バカなことしたなぁ、とは思うけど」

 バカなこと、したんだろうか。
 遥希は自分が傷付きたくないのと、琉に迷惑を掛けないために、最善の方法を選んだまでだ。それが正しいのかなんて分からないけど……遥希には、それしか思い浮かばなかった。

「…ハルちゃん」
「ぅん?」

 千尋がおいでおいでと手招きするので、遥希が素直に近付けば、ギュッてされて、頭をよしよしと撫でられる。
 温かい腕。
 …でもやっぱり、琉とは違う温もり。

「ハルちゃんが自分で決めたことなんだから、もうこれ以上、後悔すんなよ。したってどうにもなんないし、何も始まんないんだから」
「…ん」
「もう泣かないの。もう十分泣いたんだから。別れた男のために大泣きして、目腫らしてブサイクになるなんて、もったいないでしょ?」
「ブサ…」
「分かった?」
「……」
「分かったの? ハルちゃん」
「分かった…」

 『ブサイク』という部分はちょっと引っ掛かるけれど、千尋の言うことは尤もだと思って、しっかりと目を見て尋ねる千尋に、遥希はコクッと頷いた。
 あんなにツラい思いをして、ツラい思いをさせて琉と決別したのに、遥希がいつまでも琉に捕らわれていたのでは、何にもならない。

「じゃ、ハルちゃん、ご飯食べ行こ?」
「え?」
「おいしいもの食べて、失恋したことなんか、早く忘れちゃお?」

 そう言って腕を解いた千尋は、笑って、もう1度頭をよしよししてくれた。



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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (119)


 千尋は『腹が減った』とうるさかったが、遥希は買いたいCDがあったので、先にCDショップに向かった。

「もー、どうせCDなんで家に帰んなきゃ聴けないんだから、CD買うのなんて、ご飯の後だっていいじゃん」
「だって予約してる店の前通るんだもん。先に買わせてよ」
「まぁいいけどさ。つかハルちゃん、CD、店に予約してまで買うんだね。ネットとかで買わねぇんだ?」
「だってお店で予約すると、前日には買えるんだもん。早く欲しいじゃん」

 千尋も音楽は好きだけれど、最近はデータをダウンロードするだけで、わざわざCDを買うまでしないことのほうが多いので、遥希の熱の入れように驚いている。
 遥希がワクワクしながら、財布の中から予約したCDの引換券を取り出してレジに向かうと、新譜の視聴をしに行こうとしていた千尋が、『え?』という顔で遥希の後を付いてきた。

「ハルちゃん、予約してたCDて…」
「ん? えっと、FATEの新しいCD予約してた、小野田ですが…」

 背後から覗き込んでくる千尋を気にしながらも、遥希は券と引き換えにCDを受け取った。
 FATEの新曲。
 ずっと楽しみにしていたヤツだ。

「お待たせ、ちーちゃん。ご飯行こ?」

 CDを受け取ってご機嫌の遥希が千尋を振り返れば、なぜか千尋は口をあんぐりと開けたまま呆然としていた。
 どうしてそんな顔? と思いつつも、店を出る。

「ねぇハルちゃん、それ、FATEのCDだよね?」
「そうだよ」
「え、嘘でしょ? FATEのCD買ったの? 何で? 何で?」
「何で、て」

 隣を歩く千尋が、驚いたような不思議そうな顔で尋ねてくる。
 遥希がFATEのファンで、もう随分前からCDを買い揃えていることなら知っているはずなのに、何でそんなことを今さら聞くんだろう。

「そんな、俺がFATEのファンなの、もうずっと前からじゃん。急にどうしたの、ちーちゃん」
「いや、だって…。え、まさかハルちゃん、今もまだFATEのファンとか言わないよね?」
「え、ファンだよ?」

 遥希が答えたら、千尋はポカンと口を開け、瞳を見開いたけれど、次の瞬間、「はぁ~~~~~~!!!???」と、遥希の家で出したのよりも、ずっと大きい声を上げた。
 それには、もちろん遥希も驚いたが、周りにいた人たちもギョッとして、2人に視線を向けてくる。

「ちょっ…ちーちゃん!」
「何言ってんのハルちゃん、バッカじゃないのっっ!?」
「な、何が?」

 遥希はただ、千尋の質問に答えただけで、変なことを言ったつもりは何もないのに、どうして突然バカ呼ばわり?
 しかも、突然大きな声を上げたと思ったら、今度は絶句してしまうから、遥希はどうしていいか分からなくなる。



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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (120)


「ね、ちーちゃん、早くご飯行こ? 話はそこで聞くから。ねっ?」

 とりあえず、ここにいるとみんなの注目の的だから、ちょっと別の場所に移動したい…と遥希は、唖然としている千尋の背中を押して、適当に近くのファミレスに駆け込んだ。

「はい、メニュー…」

 ファミレスで席に案内され、フロア係の女性が下がると、遥希は、おずおずと千尋にメニューを差し出した。
 何だか千尋の雰囲気が怖い…。

「――――…………」
「ちーちゃん!」
「…………あー……ゴメンゴメン、あまりのこと過ぎて、ちょっと機能停止してた。はぁ~ビックリした。さすがハルちゃん。俺の想像を遥かに超える次元に生きてるね」
「…………」

 その言葉が、全然まったくもって褒め言葉になっていないことは、いくら遥希でも分かる。
 ここ、怒っていいところだよね?

「いやだって、今もFATEのファンとか、全然想像つかなかった。水落とそんなことになっちゃったから、普通にファンやめちゃったのかと思ってた。つか、それが普通だよね? 普通、そんななって、今もファンですとか言えないよね?」
「何でよ。何でちーちゃん、俺の価値観、全否定なの?」
「価値観つか……だってさ、ファンて、好きってことでしょ? FATEのこと好きなの? 水落のこと諦めたのに?」
「別に……琉のこと、嫌いになったわけじゃないし」

 恋人として一緒にはいられないけれど、別に水落琉という人間を嫌いになったわけではない。
 歌もダンスも演技も、そして水落琉という人となりも、すべてが好きだし、FATEのことだって、今も大好きだ。それは変わらない。

「でも、ないわけ? FATEの曲聞くと、水落のこと思い出すとか。水落のこと思い出して、切なくなんないの? 失恋すると、別れた恋人の物とか写真とか、しばらく見たくなかったりするじゃん」
「そうだけど…」

 確かに遥希も、前に付き合っていた彼氏の写真とか、プレゼントされたヤツとか、みんな捨てた。
 遥希のほうから嫌いになって別れたのなら、怒って捨てるということもあるけれど、相手から別れを切り出されたときは、そういうのを見ると、いろいろ思い出してツラくなるから。

「なのに、何でFATEのCDは買えるわけ? 思っきし水落じゃん。何でそれは平気なの?」
「平気じゃない…」

 千尋に言われれば言われるほど、確かに自分の言い分と行動は矛盾しているし、千尋があんなに大きな声を出して呆れ返るのも分かる。
 琉とこんなことになる前から予約していたし…というのは、CDを買うときの嬉しそうな顔を見られてしまった今となっては、苦しい言い訳だ。

「でも、いい曲だし…」
「はぁ~~~……、ハルちゃんて、ホンット、計り知れない…」

 千尋は感嘆ともつかない声を漏らして、まだ信じられないように、遥希を見ている。

「…いいの。ファンはファンなんだから」
「……」



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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (121)


 ハルちゃんて意味分かんない…を連発しながらも、千尋は旺盛な食欲で、ハンバーグステーキを平らげていく。
 それ以外に頼んだフライドポテトをちょこちょこつまんでいたら、何だかお腹がいっぱいになって来て、遥希はグラタンを半分ぐらい食べたところで、フォークが止まっていた。

「ハルちゃん、相変わらず食わないね。よくそれで持つよね」
「…ん。ちーちゃんは超食うのに、全然太んないよね、すごい」
「だって鍛えてるもん」

 むん、と千尋が腕を曲げて力こぶを見せてくれるが、服の上からなので、いまいちよく分からない。
 でも千尋が、筋肉をつけるためにがんばっているのは知っているから、一応、「すごい」とは言っておく。

「ハルちゃんも、ちゃんとご飯食べて、筋肉付けたほうがいいよ? がっつりマッチョじゃなくたって、ちょっとくらい筋肉付いてたほうがモテるんだから!」
「分かってるってば」

 筋肉大好きの千尋に言われると、ちょっと大げさかな、という気がしないでもないが、細マッチョとか流行っているから、やっぱり筋肉はもう少し欲しいかも。

「…んぁ? あ、ゴメン、電話…」

 着信を告げる携帯電話に、千尋は遥希に一言謝って取り出すと、表示されている名前に一瞬だけ眉を寄せてから、電話に出た。
 お腹いっぱい気味の遥希は、その間にドリンクバーを取りに行く。あの日以来、何となくコーラはトラウマなので、無難にオレンジジュースにしておいた。

 戻ってくれば、千尋はもう電話を終えていた。

「ゴメン、ハルちゃん。これから俺の友だちがちょっとここ来るんだけど」
「え、ちーちゃんのお友だち?」
「何か俺んち来たかったみたいだけど、今メシ食いに来てる、つったら、どこ? とか言うから、場所言ったら、こっち来るほうが近いとかっつって」
「そうなの?」
「ゴメンね、やっぱヤダよね? ハルちゃんにいいかどうか聞いてから返事しようとしたのに、アイツ、さっさと電話切っちゃうから」

 やっぱ断る、と言って千尋が再び携帯電話を取り出すから、遥希は「別にいいよ」と言って、千尋が電話しようとするのを止めた。

「え、いいの? 何か面倒くさくない?」
「俺は別にいいけど……その人のほうこそ、俺がいて嫌じゃないかな? ちーちゃんしかいないと思ってんのに、知らない人がいて。わざわざ会いに来るってことは、何か話があるとか、用事があるんじゃ…」
「いや、ファミレスいるつったのに、俺が1人でいるとか思ってないんじゃない? 俺、どんだけ寂しい子だと思われてんの?」
「あはは」

 遥希は、1人ファミレスも平気な人なんだけどな。
 でもまぁ、千尋が構わないと言うのなら、帰らずに残っていよう。それで、その人が来て、遥希がいるのが迷惑そうなら、この場はお開きにすればいい。



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 それから2人で話をしていると(主に千尋の筋肉話)、15分もしないうちに、千尋の友人だという男がやって来た。

「千尋、ゴメン、お待た…」
「え、南條さん?」

 2人の座っていた席位置の関係で、遥希のほうが先に、やって来た人物に気が付いた。だが、俄かには信じられなかった。
 だって、やって来たのは、千尋の高校来の友人であり、そしてFATEのマネージャーでもある南條だったのだ。

「えっ、小野田くん!?」

 いきなり登場した南條に、遥希はもちろん驚いたが、南條のほうも、遥希の存在に気が付いて、仰天している。
 そして千尋といえば、遥希と南條が知り合いである様子に、今さらながらに、『え、何で?』という顔をしていて、1人で違った意味で驚いていた。

「何で南條さんが…? え、もしかして、これから来るっつってたちーちゃんのお友だちって、南條さん!?」
「え、うん、そうだけど。え、ハルちゃん、南條のこと知ってたっけ?」
「何言ってんの、ちーちゃん! 前に琉の家に泊まったとき…」

 遥希たちの席は一番壁際で、反対側の隣も、テーブルを2つと仕切り版を挟んだ向こうに、元気のいいおばさまグループがいるだけだし、店内はざわついているから、話し声は聞き取れないだろうけど、遥希は念のため、『琉』という名前を出すときは、声を小さくした。

「あぁ、あんとき会ったんだっけ。2人とも」

 千尋は、本気でそのときのことを忘れていたのか、遥希から、2人して琉の家に泊めてもらったとき、南條に会ったことを聞かされ、ようやく納得した。

「え、千尋、お前だけじゃなかったの? 小野田くんいるなら、何で言ってくれなかったんだよ」
「言おうとしたけど、お前がさっさと電話切ったんだろ。つか俺、1人でファミレスとか来ねぇし」

 同じく驚いている様子の南條は、そう言いながら隣の席から椅子を引っ張って来て、千尋のそばに座った。

「あ…あの、俺、お邪魔ならこれで帰ります。ご飯、もう食べたし…」

 南條の口振りに、自分の存在が邪魔なのだということを悟った遥希は、急いで荷物をしまうと、伝票を掴んで立とうとしたが、しかしそれは、意外にも南條によって阻まれた。

「いや、全然邪魔じゃないよ。ゴメン、そんなふうに聞こえたら。そうじゃなくて、どっちかっつーと、小野田くんに用事があったつーか…」
「え、俺に?」
「うん。小野田くんに話があったんだけど、連絡先も分かんないから、千尋に言って話伝えてもらうか、会えるように連絡付けてもらおうかと思って」

 意外にも、南條の用事のある相手が自分だと分かって、遥希は戸惑った。
 だって千尋に用事があるのだとしたら、友人だし、普段からよく会っているようだから、いろいろあるだろうけど、遥希と南條の接点なんて、どう考えても琉のことしかない。



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「え…あの、何ですか…?」
「実は……俺がこんなこと言うのもアレなんだけど…、」

 南條は周囲を気にしつつ、一段と声を小さくして、まるで内緒話をするかのように、遥希のほうに少し身を乗り出した。

「その…、アイツとまた会ってもらうことって……出来ないのかな?」
「…………え……」

 確かに遥希の予想どおり、南條の話は琉に関するものだった。
 けれどその内容は、遥希が考えてもみないものだったので、思わず言葉を失ってしまった。

「小野田くんとアイツが、その…別れた、つーか……その、」
「ハルちゃんが振っちゃったの」
「いや、分かって…!」

 気を遣って、どう言えば遠回しな、遥希があまり嫌な思いをしないで済む言い方になるか考えていたのに、千尋が横からハッキリと言ってくるから、南條は慌てて千尋に突っ込んだ。

「あの、だから…、俺が口出しするのも変な話なんだけど、アイツ、そのことでかなり参っちゃってて…」
「……」
「いや、もちろん、小野田くんがアイツに愛想尽かしたとか、もう会いたくないって言うなら、無理強いはしないんだけど、少しでもまだ、アイツのこと気に掛けててくれるなら…………ダメかな?」

 南條に真剣な目で見つめられ、けれど遥希は、返答に詰まってしまった。
 どうしてマネージャーである南條が、そんなこと? 普通、アイドルのマネージャーだったら、琉に男の恋人がいるなんて、必死で別れさせようとするものなんじゃないの?

「つか南條、お前って、アイツから恋愛相談みたいの受けるわけ? どっちかっつーと、お前よりアイツのほうが恋愛経験豊富そうなのに」
「うるさい! 別にアイツからは何も言われてないよ。いや、その…小野田くんに振られた、て話は聞いたけど、それ以上のことは。何も言われてないけど、もう見てらんないくらいひどくて…」

 千尋の言葉に突っ込みを入れつつ、南條は、マネジメントするアイドルの様子について、深刻そうに語ってくれた。
 琉はプロとして、嫌な顔をすることも、手を抜くこともなく、与えられた仕事はきちんとこなしているのだけれど、とにかく表情が死んでいるのだという。
 パッと見には分からなくても、ファンの子なら、様子がおかしいのに気付いてしまうレベルで。
 それに、今はメイクでごまかせているけれど、目の下の隈もひどいし、顔の色つやも悪くなる一方。寝ていないのは、一目瞭然らしい。

「そんなにひどい顔で、テレビ出てんの? アイツ。ハルちゃん、気が付いた?」
「え…、まだ…見てないから…」
「見てないの?」

 最近FATEが出演した番組を、遥希は、琉とこんなふうになる前に録画予約をしていたけれど、それきりまだ見ていなかった。
 そういえば昨日、生放送の音楽番組があったけれど、一体どんな様子だったんだろう。



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「つかさ、それ…ハルちゃんが会えば、どうにかなるの? だってハルちゃん、アイツのこと振ったんだよ?」
「いや、そうなんだけど…。もし、アイツのことが嫌いで振っちゃったんなら、俺もこんなこと頼まないけど、そうじゃないなら…」

 千尋の尤もな言い分に、しかし南條も食い下がった。
 南條は、遥希が琉のことを振った、という事実しか知らないというのに、遥希が琉のことを嫌いになったから振ってしまったのだ、というふうには思っていないようだった。
 確かにそれは、間違いではないけれど。

「小野田くんが嫌なのを無理にとは言わないけど…、でも、一応、無理を承知で来てみたんだ」

 …琉の調子、そんなに悪いの?
 遥希が、琉と一緒にいられない、て言ったから?
 でも、今はツラくても、そのほうがいいに決まっているのに。遥希は、琉とずっと一緒にはいられないんだから。

「…ゴメンなさい、やっぱり無理です…」
「……」

 遥希の答えに、南條はひどく落胆した。
 自分がバカみたいな頼み事をしているのは百も承知の上だっただろうが、どこかで遥希のOKの答えを期待していたに違いないから。

「しょうがないよ、南條。ハルちゃんはもう、ただのFATEのファンでしかないんだから」
「…そう」

 千尋にまでそう言われ、南條は溜め息を零しつつも、これ以上頼むのを諦める決心をしたらしい。
 変なことを頼んでゴメン、と、寂しそうな目で謝った。

「ていうかさ、なら俺が会う」
「は?」

 無理ならしょうがない…と、南條が諦めて立ち上がろうとしたら、なぜか千尋が、いきなりそんな突拍子もないことを提案したので、南條はわけが分からず眉を寄せた。
 遥希だって、意味が分からない。

「ハルちゃんはもう、ただのファンになっちゃったから今さらでしょ? だから俺がアイツのこと、慰めてあげるの」
「はい? え、お前が? つか、お前が会って、何の慰めになんの?」
「だって俺、アイツのこと、好きだもん」
「!!!???」
「ぶはっ!」

 千尋のあまりにも突然すぎる告白に、南條は変な顔で固まって、遥希は氷で薄まったオレンジジュースを吹き零した。



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「ちょっ、ハルちゃん、きったな…! 何してんの、もぉー」

 オレンジジュースの飛び散ったテーブルに、千尋は呆れ顔でおしぼりを放った。
 しかし遥希はそれを手にすることも出来ずに、呆然となってしまう。だって、そんな。

「え…ちーちゃん、何て…?」

 何か……聞き間違いだよね?
 それか、何か別の意味があるとか? 見解の相違的な。

「だから俺、アイツのこと、好きなの。…水落のこと」
「好き、て…」
「もちろん、そういう意味で。LOVEで」
「――――…………」

 遥希に聞き返され、千尋はハッキリとそう答えた。
 恋愛感情を持って、琉のことが好きだと。

「え、嘘でしょ…?」

 千尋は結構いつも、どうでもいい嘘をつくことが多いから。
 今だって、そういうことなんでしょ?
 タチの悪い冗談だけど、でも今だったら、まだそれで済ませられる。冗談で、済ませられるから――――。

「最初はさ、別にどうでもよかったんだけど、ハルちゃんからいろいろ話聞いたり、実際に自分で会ったりするうちに…。でも、ハルちゃんがアイツのこと好きだって分かってたから、言い出せなくて…」
「……」
「けどハルちゃん、もうアイツに会わないんだよね? いや、今までも、もう会わない的なことは言ってたけど、何か未練があるっぽかったからさ、やっぱ諦め切れないのかな、て。でも南條が頼んでも『無理』て言うてことは、ホントにもう会う気がないってことでしょ? なら俺、もう我慢しなくてもいいよね?」
「え…、あ、うん…」

 まっすぐに見つめてくる千尋の瞳は、冗談なんか言っているものではなくて、ハッキリと告げられる千尋の想いに、気付けば遥希は頷いていた。

「ハルちゃんは、アイツが芸能人だからとか、ゲイじゃないから、て諦めたけど、俺はそんなの気にしないかんね。少しの可能性にだって、賭けるんだから」

 千尋の瞳に、迷いはない。
 恋のチャンスを、ものにするために。
 …それは、遥希が持ち得なかったもの。

「じゃ、今日のここの分は、ハルちゃんを慰めるためにも俺が奢ってあげるね。その代わり、俺がアイツとうまくいったら、お祝いで何か奢ってよね、ハルちゃん」

 そう言って千尋は会計伝票を手に取ると、にっこりとほほ笑んだ。



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 ファミレスを出てから、どうやって帰って来たのか分からないけれど、気付いたら遥希は家にいた。
 千尋と南條とは、ファミレスの前で別れた気がするけれど、あの後2人がどうしたのかは分からない。もしかしたら、そのまま琉のところへ行ったのかも…。

 遥希は、閉じたドアに背中を預けたが、足の力が抜けてしまい、ズルズルとその場にへたり込んでしまった。

(知らなかった…、ちーちゃんが琉のこと好きだったなんて…)

 千尋は、毒を吐きつつも、いつも遥希の恋を応援してくれていたから。
 けれどもし、ずっと前から琉のことが好きだったのなら、知らなかったとはいえ、遥希は琉とのこと、随分千尋に相談していたから、嫌だっただろうな。
 遥希に、琉のことは好きだけど友だちでいる、と言われたときとか。
 いっそ、遥希が琉と付き合ってしまえば諦められたものを、グズグズしている遥希のそばで、千尋は想いを告げることも出来ずに、歯痒かったに違いない。

 でもこれで、ようやく千尋は幸せになれる。
 琉が千尋のことをどう思っているのかは分からないけれど、千尋はかわいいし、才能もあるし、遥希と違って魅力的だから、きっとすぐに好きになってしまうだろう。

 琉と千尋が晴れて恋人同士になったときには、遥希は一体どんな顔をして2人に会ったらいいのかな。やっぱり『おめでとう』と言うべき? 笑顔で?
 いや、もう琉には会えないのか。芸能人とただのファンでしかないから。

 何だか息苦しい。
 胸が苦しくて、息が詰まりそう。

「うぅっ…」

 膝を抱えたら、ボロボロと涙が溢れて来た。
 涙なんて、あのとき枯れ果ててしまったと思ったのに。

 何で自分は泣いているんだろう、と思う。
 互いにどんなに好きでも、やっぱり遥希と琉は一緒にはいられないから…て、琉への想いを断ち切って、琉からの告白も断ったのは、紛れもなく遥希自身なのに。
 南條からも、琉に会ってほしいと言われたのに、それすらも拒んで。

 琉と遥希が別々の道を進むことになった以上、いつかは琉に別の恋人が出来るのは当然のことだし、それによって自分が少なからずショックを受けることも分かっていた。
 なのに、胸が痛くて堪らない。
 そんな覚悟なんか、全然出来ていなかった。

「琉っ…」

 やっぱり、琉が好きだ。
 好きになっちゃダメだって分かっていたのに、琉の優しさに触れるたび、あの笑顔を見るたび、メールを受信するたび、どんどん好きになっていった。
 琉に好きだと言われたとき、本当に本当に嬉しかった。

(なのに俺は…)

 あの温かな手を、自分から手放してしまった。
 最後に抱き締めてくれた、琉の腕の力強さも温もりも、もう遥希のものではない。

 全部遥希が決めたことなのに、胸が痛い――――。



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 このままどうしていいかも分からず、部屋の中に入ろうにも立ち上がる力すらなくて、身勝手にもショックを受けている遥希は、ただ玄関に蹲ったまま動けない。

 明日は2時間目から学校だし、その後バイトもあるし、こんなに泣いたら、またメガネ掛けて行かなきゃいけなくなっちゃう。…千尋がくれたメガネ。
 自分で決めたことなんだから、これ以上後悔するな、て千尋が言っていた。

(ちーちゃん…)



 ―――――ピンポンピンポンピンポンピンポンダンダンダンダンダンッ!!



「ひぁっ!?」

 別れ際の千尋の笑顔が浮かんで、また切なくなっていたら、突然チャイムが連打された上、ノックというには激しすぎる勢いでドアが叩かれたので、遥希は思い切り竦み上がった。
 まるでドラマである闇金の取り立てのようで、怖くて、遥希は息を殺してドアを振り返った。

「な…何?」

 もちろん遥希には、こんなことをされる覚えなんてないので、相手が部屋を間違えているのだろう。
 しかし、遥希は今こんなグズグズの状態だから人に会いたくないし、ヤバそうな人だったら怖いので、その間違いを指摘するのはやめて、居留守を使うことにした。
 ホント、ロクなことがない日は、そういうことばかりが続くものだ。

「はぁ…最悪…」

 居留守を使う、と決めたのに、チャイムとノックはなかなか止まない。
 このままでは近所迷惑……というか、遥希が何か変なことをしたと周りに誤解されてしまう。そう思って、遥希は、仕方なくドアを開けようとした。

『ハルちゃん、いないの…!?』

 、!? え?

 開けようとしたドアの向こう、聞こえてきたのは、遥希を呼ぶ声。
 誰かの部屋と間違われているのだとばかり思っていた遥希は、ビックリして固まってしまった。こんな怖いことをする知り合いなんて、遥希が知る限りいない。
 でも、『ハルちゃん』て…。

 闇金の取り立てのような真似をする知り合いもいないはずだが。遥希のことを『ハルちゃん』なんてかわいいあだ名で呼ぶ知り合いも、そう多くはない。
 しかもその声に、遥希は聞き覚えがあった。

(でも、そんなわけ、ない…)



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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (128)


 遥希は、ノブに手を掛けたまま、動けない。しかしその間にも、チャイムが鳴ったり、ドアがノックされたり、ノブをガチャガチャと回されたり。
 そんな焦った様子で、まるで遥希に会いたいみたい…。

『ハルちゃん…!』

 もう1度名前を呼ばれて、遥希は息を飲んだ。
 やっぱりこの声は、琉だ。

「何で…?」

 何で琉が、遥希のところに会いに来るの?
 だって琉は、千尋と…。

 頭の中をたくさんの疑問がグルグルと渦巻いたが、その答えを1つも見つけ出せないまま、遥希はサムターンを回した。
 すると、遥希がノブを回すよりも先に、外側から勢いよくドアが開けられて、


「ハルちゃん!」


 琉が飛び込んできた。



「え…」

 先ほどまでのチャイムとノックにビックリしていたところに加えて、もう会うはずのないと思っていた琉が目の前に現れたものだから、遥希はすっかり機能停止してしまった。

「ハルちゃん! ヤダよ、何で俺よりアイツを選ぶの!? そんなの絶対ヤダ! もう1度考え直して! 俺を選んで…!」
「へ…?」

 呆然としている遥希の肩を掴んでガクガクしながら必死に懇願してくる琉に、遥希はまったく思考が付いていかず、ただ揺さぶられるがままに、なっている。
 だって、琉がここにいる意味も分からないが、言っていることの意味も分からない。
 遥希が一体いつ、琉でない誰かを選んだのだろう。

「ちょっ…琉…」

 あんまりにも揺さぶられ過ぎて、首が痛くなってきたところで、遥希はようやく正気を取り戻してきた。

「え、えっ、ちょっ、琉、何でこんなトコ…!?」
「だってハルちゃんが、俺を捨ててアイツと付き合うとか、何でそんなっ」
「ちょっちょっ待って! 待ってよ、俺誰とも……てか、ちょっシーッ! 琉、話なら中で聞くから、ちょっと静かにして! シーッ!!」



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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (129)


 ここは琉の住む高級マンションと違って、室内にいて、隣の部屋の物音も聞こえてくるが、ドアを隔てた外の廊下の声や物音だって聞こえてくるのだ。
 あんまり騒がれたら近所迷惑だし、もし誰かが部屋から出て来て、琉がいるのを見られたら…。

 遥希は焦って、今まで1度も部屋に上げたことのなかった琉を、勢いで思わず引き入れてしまった。

「ハルちゃん…」

 ドアが閉まって、琉が騒ぐのをやめたせいで、急にシンッ…となってしまう。
 静かになったら、遥希は自分のしたことにハッと気が付いて、慌てて琉の腕から手を離した。

「えっと…琉、どうして…? てか、俺が誰と付き合うって? 琉こそ、ちーちゃんのこと、いいの?」

 遥希は、もしかしたらこれから先のいつか、琉でない誰かとお付き合いするようなことがあるかもしれないけれど、今のところ、そんな相手は誰もいない。
 つい今し方まで、琉を想って泣いていたというのに。

 それよりも、琉こそ千尋のことはいいのだろうか。
 琉のこと、慰めに行くって……そこで千尋は、琉に告白したんじゃないの?

「そうだよ、アイツだよ、千尋! ハルちゃん、やっぱり俺よりアイツのほうがいいの!? 何で?」
「え? は? アイツて誰? ちーちゃんが何? ゴメ……意味が分かんない」
「千尋だよ、千尋! つか、ここに来てんじゃないの?」
「え、ちーちゃんが? 何でここに? ちーちゃん、琉のトコに…」

 どうも、琉と話が噛み合っていない気がする。
 ファミレスを出た後、千尋は南條と一緒に琉のところに向かったはずで、遥希は1人で家まで帰って来たのだ。
 しかも、琉の言う『アイツ』が千尋のことだとしたら、遥希は琉でなく千尋を選んだということで…………何でそういうことに?

「琉、ちょっと落ち着いて? ちゃんと話して? ちーちゃんなんて、ここ来てないし」
「えぇ…??」

 興奮していて、少しも話を聞いてくれそうもない琉に、遥希は少し背伸びをして目線を合わせ、ゆっくりとそう言い聞かせた。

「琉、どうしたの? ちーちゃんと何かあったの? ちーちゃん、琉に会いに行ったんでしょ?」
「あぁ、来たよ。そんで、ハルちゃんに告るとか何とか言いやがって…」
「はぁっ!?」

 今度は遥希は大きな声を出す番だ。
 千尋が、遥希に告白する? だって千尋は琉のことが好きで、遥希に振られた琉を慰めに行く、て…。

「琉こそ、ちーちゃんと付き合うんじゃないの??」
「はぁ~~~~??? 何で俺がアイツなんかと付き合わなきゃなんないわけ!?」
「俺だって、ちーちゃんとお付き合いなんかしないし!」

「「はぁ~~~~~!!!???」」

 壁が薄いから、うるさくしたら隣の部屋に聞こえる、と言っているのに、2人して揃って大きな声を出し、ポカンと口を開けた。



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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (130)


ryu & haruki


 落ち着いて琉の話を聞いてみると、やはり千尋は、ファミレスで遥希と別れた後、南條と一緒に琉の家に向かったらしい。
 やって来た千尋は、テレビ用でない、露骨に不機嫌そうな顔をした琉に臆することなく、遥希にもう1度アタックするつもりがないのか、尋ねて来たという。
 琉としては、出来ることならそうしたいけれど、遥希の決心が固いことは分かっていたので、これ以上は無理だと言えば、千尋は不敵な笑みで琉を見た(千尋が本当にそんな顔をしたかどうかは分からない、とにかく琉にはそう見えたらしい)。

『ふぅん。じゃあもう俺、水落のこと、気にしなくていいんだ』
『…どういう意味?』
『俺、ハルちゃんのこと、好きなんだよね。あ、もちろんLOVEて意味で』
『はぁっ!?』

 千尋のことは、ゲイとはいえ、遥希とはただの友だちだと思っていた琉は、あまりにも思い掛けない千尋の言葉に、大きな声を上げた。
 しかし、千尋の表情は、冗談を言っているような顔ではなかった。本気だと、すぐに分かった。

『ハルちゃんとはずーっと友だちだったから、そんなふうに考えたことなかったんだけど…、お前が現れたら、ハルちゃん、お前のこと好きになっちゃって、俺といるより、お前と一緒にいる時間のほうが多くなっちゃうんだもん。…離れてみて、やっと気が付いたんだ』
『…………』
『ハルちゃんが好き、て』

 千尋のその言葉は、琉の胸に大きく突き刺さった。
 思わず千尋から目を逸らしそうになったけれど、そうすることは出来なかった。

『最初は、水落がハルちゃんと付き合うなんて、見込みないから大丈夫、て思ってたんだけど、何かお前もハルちゃんのこと超好きみたいだし、そうなると相思相愛じゃん? だから俺、諦めるしかない、て思ってたのに…』
『……』
『なのにハルちゃん、水落に告られたけど、断ったって言うから。…なら、俺にもチャンスがあるな、て思って』

 …チャンス。
 そう、これは千尋にとってのチャンスだ。
 琉には、絶望への扉でしかないけれど。

『…ハルちゃんに、告る、てこと?』
『そのつもり。だから念のために確認に来たの、水落の気持ち』
『俺の…?』
『だってハルちゃん、自分で水落のこと振っといて、ファンはファンだから、てお前らのCD買っちゃうんだもん。そんなの聴いたら、お前のこと思い出してツラくなるだけなのにね。まぁあの子、かなりのドМだからしょうがないけど』

 CD、買ってくれたの?
 一緒にはいられない、て言って、傷付いて泣いていたのに。
 …まだファンでいてくれるの?

『で、いいんだよね? ハルちゃんには、もうアタックしないんだよね?』
『え…』
『だって、せっかく俺が傷心のハルちゃん慰めてお付き合いすることになったのに、後になって水落が、やっぱハルちゃんのこと好き! とか言って現れたら、ハルちゃん、またお前のほうがいいとか言い出しかねないもん』

 遥希と千尋が、付き合う?
 恋人同士になるの? ――――俺が今、ハルちゃんのことを諦めたら。



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