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Heavenly Kiss (前編)
2008.02.17 Sun
「はーちゃん、明日も仕事……だよね?」
お休み前のテレフォンタイム。
バレンタインに手作りチョコを渡すぞ作戦を実行すべく、はーちゃんの予定を確認する。
『うん、仕事』
まぁ…分かってたことだけどね。
そんなにあっさり言わなくても。
「撮影? スタジオなの? それとも外?」
『確か屋外だったかな』
「遠く? どこでするの?」
『何、どうしたの、マコ』
「見に行っても……いい?」
『え?』
ちょっとの沈黙。
考えてるのかな?
今までこんなこと、言ったことないもんね。
「ダメ?」
『まぁ…いいとは思うけど…』
「邪魔しないように、おとなしくしてるから! ちゃんといい子にしてるから!」
『分かった、分かった』
だって、学生の俺と違って、はーちゃんは忙しいし。
仕事が終わってから会うってなったら、行ったり来たりする時間もあるから、ちょっとしか一緒にいられないから。
それならこっちから会いに行けば、少しでも一緒にいられるもんね。
それに……はーちゃんが仕事してるトコ、ちゃんと見たことって1回もないし。
「じゃあ、明日、学校が終わったら直行するね!」
『夕方までやってるから、慌てなくても大丈夫だよ』
「分かってる!」
***
はーちゃんは慌てなくても大丈夫って言ったけど、1秒でも早く行きたいから、チャイムが鳴ったら即ダッシュ。
昨日教えてもらった場所に行ったら、何か人だかりっぽくなってるところがあって、すぐにそこだって分かった。
そっと近づけば、はーちゃんのほかに何人かモデルさんがいて、あとカメラマンの人とか、機材持ってる人とか、メイクさんかな、女の人もいる。
「どこだったら、邪魔にならないかな…」
あんまりジロジロ見てたり、ウロウロしてたりしたら、やじ馬かと思われちゃうかな?
どうしよ…。
「はーちゃーん…」
うわー…超カッコいい…。
あの中ではやっぱ、はーちゃんが1番カッコいいよね。
うん、絶対。
何かお家で会うときと、雰囲気違う…。
凛としてるし……あーでもカッコいー……。
「マコ!」
「うわっ!?」
ボーっとしてたら、目の前にいきなりはーちゃんの顔。
ビックリしすぎて、思わず後ろに飛び退いちゃった。
「大丈夫?」
あんまりにも俺がビックリするもんだから、はーちゃんが苦笑してる。
あれ? 撮影は?
「はーちゃん…。あれ?」
「休憩に入ったんだよ。マコ、こっち見てるのに、全然気付いてなかったから。声掛けたらすごいビックリしてるし」
「だってはーちゃん、カッコいいから、見惚れてた」
「大げさだよ」
そう言ってはーちゃんは笑うけど、ううん、全然そんなことない。
すごいカッコいいし。
「早かったね。もう学校終わったの?」
「うん。チャイム鳴って、即ダッシュで来た」
「慌て過ぎて事故るなよ?」
「大丈夫だよ!」
子どもにするみたいに頭を撫で撫でするから、恥ずかしくてつい言い返しちゃう。
ホントはその手、好きなんだけどね。
「もうちょっと撮影あるから、マコ、こっち来て待ってて?」
「え? そっち行ってもいいの?」
「いいよ、おいで」
はーちゃんに言われるがまま、俺は待機してるスタッフさんのほうに行く。
キレイな女の人が2人。
「わ、遥斗くん。誰、そのかわいい子!」
「ヤダ、ホント、かわいい! 遥斗の知り合い?」
「名前は?」
「あ…ぅ…」
いきなり2人に囲まれて、何かどうしていいか分かんない。
困ってはーちゃんを見れば、
「2人とも、マコがビックリして固まっちゃってるから」
て、助け船を出してくれる。
「だって遥斗がかわいい子、連れて来るから」
んん??
かわいいって、俺のこと?
別にかわいくなんかないし!
それに俺、男だし、もう20歳なんだから、かわいいとか、ちょっとヤなんだけど(出来ればカッコいいとかのほうがいいよ)。
ポニーテールで背の高いほうがメイクを担当してるアキさんで、茶髪のショートカットのほうが、衣装とかを担当してるアユミさん。
何かはーちゃんのお仕事が終わるまで、このお姉さまたちと一緒にいなきゃいけないみたい。
はーちゃんのお仕事邪魔しないように、いい子でいなきゃいけないから、しょうがないけど。
「マコちゃんて言うの? 名前」
「ん、真琴、だから、マコ」
「かわいー。ね、いくつなの?」
「えっと、ハタチ」
「はー…さすが20歳は肌の張りが違うわね」
2人からの質問攻め。
出来れば、はーちゃんのこと、見てたいんだけどなぁ。
「マコちゃんもモデルとかしてないの?」
「え? 俺が? まさか!」
だってモデルさんて、はーちゃんみたいにカッコいい人がやるんでしょ?
俺なんてブサイクだもん…。
「かわいいし、スタイルいいから、向いてるかもよ?」
だから、かわいくないし!
もー、お姉さまは、よく分かんない!!
「でも、はーちゃ…、……遥斗、何であんなカッコで撮影してるの? あれって、春物?」
まだ2月なのに、モデルさんたち、半袖だったり薄着だったり。
何でそんなカッコなの??
「実際に雑誌が発売されるのはまだ先だし、ファッション誌の場合、実際の季節よりも先取りで流行とかを伝えるじゃない? だから、夏物の撮影は冬。冬物の撮影は夏なのよ」
「えぇー…じゃあ、季節が真逆ってこと?」
「そうそう」
知らなかったー…。
屋内ならまだしも、この時期、外であのカッコはつらいよねー…。
「だからホント、実際は季節感ゼロよね。半袖のモデルさんに、バレンタインのチョコ渡して」
「夏なの? 冬なの? どっちよ! ていうね」
……。
バレンタインのチョコ。
え? お姉さまたち、はーちゃんにもチョコ渡したの?
「えっと、あの、2人とも、モデルさんに、チョコとか渡すの?」
「え? まぁ一応ね。ホラ、普通の会社で言うところの、同僚みたいなもんだし」
「ま、義理ですけどね」
義理チョコ。
そういえば、お父さんもお兄ちゃんも、会社の女の人からチョコ貰ってくるもんね。
何か、そういう感じってこと?
「遥斗にも、あげた?」
何か普段、"はーちゃん"て呼んでるから、今さら"遥斗"とか言いづらい。
でもこんなトコで、"はーちゃん"なんて言ったら、このお姉さまがたに何て突っ込まれるか分かんない。
「遥斗くんにもあげたわよ」
「義理チョコ?」
俺、何確認してんだ?
「あたしは本命のつもりであげても良かったんだけどね」
「えっ!?」
「あはは、アキ、何言ってんのよ。遥斗、本命チョコは彼女から貰うから、あんたの本命チョコなんか受け取らないわよ」
「あー、そうだよね。彼女いるって言ってたもんね」
え?
本命チョコ?
んん??
彼女?
どういうこと?
確かに俺は本命チョコ、はーちゃんにあげるつもりだけど、チョコのことは内緒にしてるし、だいいち俺は女じゃないもん。"彼女"じゃない。
え…。
俺のほかに、誰か、本命チョコくれるような彼女がいるってこと?
そんなことない……よね?
俺だけだよね?
はーちゃんのこと、信じてていいんだよね?
何か急に心の中がモヤモヤしてきて、イライラ? ムカムカ? よく分かんないけど。
お姉さま2人の話し声も、耳に入って来なくなる。
はーちゃんがカメラに向かって、キレイな顔で笑ってる。
俺の知らない顔。
何かすごく遠くにいる人みたい。
このままずっとはーちゃんのこと見てるのがつらくなって、俺ははーちゃんに内緒でその場を去った。
お姉さまには、もうちょっとで終わるって言われたけど、もう無理…。
お休み前のテレフォンタイム。
バレンタインに手作りチョコを渡すぞ作戦を実行すべく、はーちゃんの予定を確認する。
『うん、仕事』
まぁ…分かってたことだけどね。
そんなにあっさり言わなくても。
「撮影? スタジオなの? それとも外?」
『確か屋外だったかな』
「遠く? どこでするの?」
『何、どうしたの、マコ』
「見に行っても……いい?」
『え?』
ちょっとの沈黙。
考えてるのかな?
今までこんなこと、言ったことないもんね。
「ダメ?」
『まぁ…いいとは思うけど…』
「邪魔しないように、おとなしくしてるから! ちゃんといい子にしてるから!」
『分かった、分かった』
だって、学生の俺と違って、はーちゃんは忙しいし。
仕事が終わってから会うってなったら、行ったり来たりする時間もあるから、ちょっとしか一緒にいられないから。
それならこっちから会いに行けば、少しでも一緒にいられるもんね。
それに……はーちゃんが仕事してるトコ、ちゃんと見たことって1回もないし。
「じゃあ、明日、学校が終わったら直行するね!」
『夕方までやってるから、慌てなくても大丈夫だよ』
「分かってる!」
***
はーちゃんは慌てなくても大丈夫って言ったけど、1秒でも早く行きたいから、チャイムが鳴ったら即ダッシュ。
昨日教えてもらった場所に行ったら、何か人だかりっぽくなってるところがあって、すぐにそこだって分かった。
そっと近づけば、はーちゃんのほかに何人かモデルさんがいて、あとカメラマンの人とか、機材持ってる人とか、メイクさんかな、女の人もいる。
「どこだったら、邪魔にならないかな…」
あんまりジロジロ見てたり、ウロウロしてたりしたら、やじ馬かと思われちゃうかな?
どうしよ…。
「はーちゃーん…」
うわー…超カッコいい…。
あの中ではやっぱ、はーちゃんが1番カッコいいよね。
うん、絶対。
何かお家で会うときと、雰囲気違う…。
凛としてるし……あーでもカッコいー……。
「マコ!」
「うわっ!?」
ボーっとしてたら、目の前にいきなりはーちゃんの顔。
ビックリしすぎて、思わず後ろに飛び退いちゃった。
「大丈夫?」
あんまりにも俺がビックリするもんだから、はーちゃんが苦笑してる。
あれ? 撮影は?
「はーちゃん…。あれ?」
「休憩に入ったんだよ。マコ、こっち見てるのに、全然気付いてなかったから。声掛けたらすごいビックリしてるし」
「だってはーちゃん、カッコいいから、見惚れてた」
「大げさだよ」
そう言ってはーちゃんは笑うけど、ううん、全然そんなことない。
すごいカッコいいし。
「早かったね。もう学校終わったの?」
「うん。チャイム鳴って、即ダッシュで来た」
「慌て過ぎて事故るなよ?」
「大丈夫だよ!」
子どもにするみたいに頭を撫で撫でするから、恥ずかしくてつい言い返しちゃう。
ホントはその手、好きなんだけどね。
「もうちょっと撮影あるから、マコ、こっち来て待ってて?」
「え? そっち行ってもいいの?」
「いいよ、おいで」
はーちゃんに言われるがまま、俺は待機してるスタッフさんのほうに行く。
キレイな女の人が2人。
「わ、遥斗くん。誰、そのかわいい子!」
「ヤダ、ホント、かわいい! 遥斗の知り合い?」
「名前は?」
「あ…ぅ…」
いきなり2人に囲まれて、何かどうしていいか分かんない。
困ってはーちゃんを見れば、
「2人とも、マコがビックリして固まっちゃってるから」
て、助け船を出してくれる。
「だって遥斗がかわいい子、連れて来るから」
んん??
かわいいって、俺のこと?
別にかわいくなんかないし!
それに俺、男だし、もう20歳なんだから、かわいいとか、ちょっとヤなんだけど(出来ればカッコいいとかのほうがいいよ)。
ポニーテールで背の高いほうがメイクを担当してるアキさんで、茶髪のショートカットのほうが、衣装とかを担当してるアユミさん。
何かはーちゃんのお仕事が終わるまで、このお姉さまたちと一緒にいなきゃいけないみたい。
はーちゃんのお仕事邪魔しないように、いい子でいなきゃいけないから、しょうがないけど。
「マコちゃんて言うの? 名前」
「ん、真琴、だから、マコ」
「かわいー。ね、いくつなの?」
「えっと、ハタチ」
「はー…さすが20歳は肌の張りが違うわね」
2人からの質問攻め。
出来れば、はーちゃんのこと、見てたいんだけどなぁ。
「マコちゃんもモデルとかしてないの?」
「え? 俺が? まさか!」
だってモデルさんて、はーちゃんみたいにカッコいい人がやるんでしょ?
俺なんてブサイクだもん…。
「かわいいし、スタイルいいから、向いてるかもよ?」
だから、かわいくないし!
もー、お姉さまは、よく分かんない!!
「でも、はーちゃ…、……遥斗、何であんなカッコで撮影してるの? あれって、春物?」
まだ2月なのに、モデルさんたち、半袖だったり薄着だったり。
何でそんなカッコなの??
「実際に雑誌が発売されるのはまだ先だし、ファッション誌の場合、実際の季節よりも先取りで流行とかを伝えるじゃない? だから、夏物の撮影は冬。冬物の撮影は夏なのよ」
「えぇー…じゃあ、季節が真逆ってこと?」
「そうそう」
知らなかったー…。
屋内ならまだしも、この時期、外であのカッコはつらいよねー…。
「だからホント、実際は季節感ゼロよね。半袖のモデルさんに、バレンタインのチョコ渡して」
「夏なの? 冬なの? どっちよ! ていうね」
……。
バレンタインのチョコ。
え? お姉さまたち、はーちゃんにもチョコ渡したの?
「えっと、あの、2人とも、モデルさんに、チョコとか渡すの?」
「え? まぁ一応ね。ホラ、普通の会社で言うところの、同僚みたいなもんだし」
「ま、義理ですけどね」
義理チョコ。
そういえば、お父さんもお兄ちゃんも、会社の女の人からチョコ貰ってくるもんね。
何か、そういう感じってこと?
「遥斗にも、あげた?」
何か普段、"はーちゃん"て呼んでるから、今さら"遥斗"とか言いづらい。
でもこんなトコで、"はーちゃん"なんて言ったら、このお姉さまがたに何て突っ込まれるか分かんない。
「遥斗くんにもあげたわよ」
「義理チョコ?」
俺、何確認してんだ?
「あたしは本命のつもりであげても良かったんだけどね」
「えっ!?」
「あはは、アキ、何言ってんのよ。遥斗、本命チョコは彼女から貰うから、あんたの本命チョコなんか受け取らないわよ」
「あー、そうだよね。彼女いるって言ってたもんね」
え?
本命チョコ?
んん??
彼女?
どういうこと?
確かに俺は本命チョコ、はーちゃんにあげるつもりだけど、チョコのことは内緒にしてるし、だいいち俺は女じゃないもん。"彼女"じゃない。
え…。
俺のほかに、誰か、本命チョコくれるような彼女がいるってこと?
そんなことない……よね?
俺だけだよね?
はーちゃんのこと、信じてていいんだよね?
何か急に心の中がモヤモヤしてきて、イライラ? ムカムカ? よく分かんないけど。
お姉さま2人の話し声も、耳に入って来なくなる。
はーちゃんがカメラに向かって、キレイな顔で笑ってる。
俺の知らない顔。
何かすごく遠くにいる人みたい。
このままずっとはーちゃんのこと見てるのがつらくなって、俺ははーちゃんに内緒でその場を去った。
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