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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (126)
2012.01.24 Tue
ファミレスを出てから、どうやって帰って来たのか分からないけれど、気付いたら遥希は家にいた。
千尋と南條とは、ファミレスの前で別れた気がするけれど、あの後2人がどうしたのかは分からない。もしかしたら、そのまま琉のところへ行ったのかも…。
遥希は、閉じたドアに背中を預けたが、足の力が抜けてしまい、ズルズルとその場にへたり込んでしまった。
(知らなかった…、ちーちゃんが琉のこと好きだったなんて…)
千尋は、毒を吐きつつも、いつも遥希の恋を応援してくれていたから。
けれどもし、ずっと前から琉のことが好きだったのなら、知らなかったとはいえ、遥希は琉とのこと、随分千尋に相談していたから、嫌だっただろうな。
遥希に、琉のことは好きだけど友だちでいる、と言われたときとか。
いっそ、遥希が琉と付き合ってしまえば諦められたものを、グズグズしている遥希のそばで、千尋は想いを告げることも出来ずに、歯痒かったに違いない。
でもこれで、ようやく千尋は幸せになれる。
琉が千尋のことをどう思っているのかは分からないけれど、千尋はかわいいし、才能もあるし、遥希と違って魅力的だから、きっとすぐに好きになってしまうだろう。
琉と千尋が晴れて恋人同士になったときには、遥希は一体どんな顔をして2人に会ったらいいのかな。やっぱり『おめでとう』と言うべき? 笑顔で?
いや、もう琉には会えないのか。芸能人とただのファンでしかないから。
何だか息苦しい。
胸が苦しくて、息が詰まりそう。
「うぅっ…」
膝を抱えたら、ボロボロと涙が溢れて来た。
涙なんて、あのとき枯れ果ててしまったと思ったのに。
何で自分は泣いているんだろう、と思う。
互いにどんなに好きでも、やっぱり遥希と琉は一緒にはいられないから…て、琉への想いを断ち切って、琉からの告白も断ったのは、紛れもなく遥希自身なのに。
南條からも、琉に会ってほしいと言われたのに、それすらも拒んで。
琉と遥希が別々の道を進むことになった以上、いつかは琉に別の恋人が出来るのは当然のことだし、それによって自分が少なからずショックを受けることも分かっていた。
なのに、胸が痛くて堪らない。
そんな覚悟なんか、全然出来ていなかった。
「琉っ…」
やっぱり、琉が好きだ。
好きになっちゃダメだって分かっていたのに、琉の優しさに触れるたび、あの笑顔を見るたび、メールを受信するたび、どんどん好きになっていった。
琉に好きだと言われたとき、本当に本当に嬉しかった。
(なのに俺は…)
あの温かな手を、自分から手放してしまった。
最後に抱き締めてくれた、琉の腕の力強さも温もりも、もう遥希のものではない。
全部遥希が決めたことなのに、胸が痛い――――。
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千尋と南條とは、ファミレスの前で別れた気がするけれど、あの後2人がどうしたのかは分からない。もしかしたら、そのまま琉のところへ行ったのかも…。
遥希は、閉じたドアに背中を預けたが、足の力が抜けてしまい、ズルズルとその場にへたり込んでしまった。
(知らなかった…、ちーちゃんが琉のこと好きだったなんて…)
千尋は、毒を吐きつつも、いつも遥希の恋を応援してくれていたから。
けれどもし、ずっと前から琉のことが好きだったのなら、知らなかったとはいえ、遥希は琉とのこと、随分千尋に相談していたから、嫌だっただろうな。
遥希に、琉のことは好きだけど友だちでいる、と言われたときとか。
いっそ、遥希が琉と付き合ってしまえば諦められたものを、グズグズしている遥希のそばで、千尋は想いを告げることも出来ずに、歯痒かったに違いない。
でもこれで、ようやく千尋は幸せになれる。
琉が千尋のことをどう思っているのかは分からないけれど、千尋はかわいいし、才能もあるし、遥希と違って魅力的だから、きっとすぐに好きになってしまうだろう。
琉と千尋が晴れて恋人同士になったときには、遥希は一体どんな顔をして2人に会ったらいいのかな。やっぱり『おめでとう』と言うべき? 笑顔で?
いや、もう琉には会えないのか。芸能人とただのファンでしかないから。
何だか息苦しい。
胸が苦しくて、息が詰まりそう。
「うぅっ…」
膝を抱えたら、ボロボロと涙が溢れて来た。
涙なんて、あのとき枯れ果ててしまったと思ったのに。
何で自分は泣いているんだろう、と思う。
互いにどんなに好きでも、やっぱり遥希と琉は一緒にはいられないから…て、琉への想いを断ち切って、琉からの告白も断ったのは、紛れもなく遥希自身なのに。
南條からも、琉に会ってほしいと言われたのに、それすらも拒んで。
琉と遥希が別々の道を進むことになった以上、いつかは琉に別の恋人が出来るのは当然のことだし、それによって自分が少なからずショックを受けることも分かっていた。
なのに、胸が痛くて堪らない。
そんな覚悟なんか、全然出来ていなかった。
「琉っ…」
やっぱり、琉が好きだ。
好きになっちゃダメだって分かっていたのに、琉の優しさに触れるたび、あの笑顔を見るたび、メールを受信するたび、どんどん好きになっていった。
琉に好きだと言われたとき、本当に本当に嬉しかった。
(なのに俺は…)
あの温かな手を、自分から手放してしまった。
最後に抱き締めてくれた、琉の腕の力強さも温もりも、もう遥希のものではない。
全部遥希が決めたことなのに、胸が痛い――――。
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COMMENT-FORM
りんこ ⇒ あ~切ないね
とうとう…自分の思いの大きさに気づいちゃったハルちゃん。
切ないね~
でもこれぞラブロマンスの醍醐味みたいな。
傷心の琉がちーちゃんにフラフラっとなんてないだろうけど、そこは如月先生よろしくお願いします
まだまだ春は遠いけど
タイトルの最後はハッピーエンドに励まされてます。
大和くんもいいスパイスになってね~
切ないね~
でもこれぞラブロマンスの醍醐味みたいな。
傷心の琉がちーちゃんにフラフラっとなんてないだろうけど、そこは如月先生よろしくお願いします
まだまだ春は遠いけど
タイトルの最後はハッピーエンドに励まされてます。
大和くんもいいスパイスになってね~
- |2012.01.24
- |Tue
- |13:55
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >りんこさん
後悔しないと選んだ道なのに、結局傷付いて、激しく後悔しているハルちゃんです。
もう、読んでくださってるみなさん、あぅっ…てさせてしまって、ゴメンナサイ(>_<) て気持ちでいっぱいなんですが、ラブロマンスの醍醐味、とか言ってもらえて、ちょっと救われました。。。
まだまだ春の遠そうな2人ですが、最期まで見捨てずお付き合いくださいね。
コメントありがとうございました!
もう、読んでくださってるみなさん、あぅっ…てさせてしまって、ゴメンナサイ(>_<) て気持ちでいっぱいなんですが、ラブロマンスの醍醐味、とか言ってもらえて、ちょっと救われました。。。
まだまだ春の遠そうな2人ですが、最期まで見捨てずお付き合いくださいね。
コメントありがとうございました!
- |2012.01.24
- |Tue
- |22:40
- |URL
- |EDIT|