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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (115)
2012.01.13 Fri
「そんで? 何があったか、聞かせてくれるんだろうな?」
「…別に何もねぇよ」
「お前、そんなんじゃ今日のトーク全然ダメで、結局俺が全部フォローするはめになるってのに、それでも俺には言えねぇのかよ」
「……」
大和の言い分は、あながち間違いではない。
もっと大勢のグループなら、曲の前のトークで誰が中心となって喋るかいろいろと割り振れるけれど、2人きりのFATEでは、琉がダメなら大和しかいないのだ。
「…分かった、話すよ。でも楽屋に戻ろうぜ。こんなトコで話したくない」
琉はとうとう観念したが、いくら何でもテレビ局のトイレで、こんな話はしたくない。
それに、いくら声を潜めて話しても、誰に聞かれないとも限らないし。
楽屋に戻ると、携帯電話で誰かとやり取りをしていた南條が、チラリと視線を2人に向けて来た。
「それで? 相変わらずハルちゃんからメール来なくて悩んでるわけ?」
「違ぇよ、そうじゃない」
「じゃあ何だよ。琉が悩むなんて、ハルちゃんのことくらいだろ? 何があったんだよ」
「ハルちゃんに告った」
「えっ」
「そんで断られた。それだけ」
ガタン! と音がしてそちらを見れば、南條が持っていた携帯電話を取り落としていた。
南條は驚いた表情で琉と携帯電話を交互に見て、何か言いたそうに口を開いたが、落ちた携帯電話から聞こえてきた声に、慌ててそれを拾うと、受話器の向こうの誰かに謝った。
「え、ちょっ、琉、え? え? え? 何、もっかい言って!?」
「何回も言わせんなよ、傷付いてんだよ、俺だって」
琉の言葉が信じられなくて、大和は焦って聞き返したが、琉は嫌そうに顔を背けた。
でも、そんな。
え、遥希に告白して――――断られた?
「だって、え? 断られた、て……え、何で?」
「何で、て……その理由、今ここで、お前に全部説明しないといけないわけ? 勘弁してよ。ますますテンション下がる」
「だってハルちゃん、お前のこと、超好きそうだったじゃん、好きそう、てか……好きだったじゃん。何で断んの? 何で?」
大和が見る限り、遥希はずっと琉のファンだったと言っていたけれど、それだけでなく、会うたびに琉のことを好きになっていっているのが分かった。
琉に話し掛けられるたび、嬉しそうに顔を綻ばせていた。
遥希が琉のことを好きだってこと、誰が見ても、疑いようのないことだった。
「なのに、何で…?」
「そうだ水落、何で小野田くん、」
話に割り込んできたのは、電話を終えた南條だった。
南條ですら、琉が遥希に振られたことが信じられないようだった。
「水落、」
「…別に大した理由じゃねぇよ。俺じゃ、ハルちゃんの相手に不足だった、てだけのこと」
「…………」
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「…別に何もねぇよ」
「お前、そんなんじゃ今日のトーク全然ダメで、結局俺が全部フォローするはめになるってのに、それでも俺には言えねぇのかよ」
「……」
大和の言い分は、あながち間違いではない。
もっと大勢のグループなら、曲の前のトークで誰が中心となって喋るかいろいろと割り振れるけれど、2人きりのFATEでは、琉がダメなら大和しかいないのだ。
「…分かった、話すよ。でも楽屋に戻ろうぜ。こんなトコで話したくない」
琉はとうとう観念したが、いくら何でもテレビ局のトイレで、こんな話はしたくない。
それに、いくら声を潜めて話しても、誰に聞かれないとも限らないし。
楽屋に戻ると、携帯電話で誰かとやり取りをしていた南條が、チラリと視線を2人に向けて来た。
「それで? 相変わらずハルちゃんからメール来なくて悩んでるわけ?」
「違ぇよ、そうじゃない」
「じゃあ何だよ。琉が悩むなんて、ハルちゃんのことくらいだろ? 何があったんだよ」
「ハルちゃんに告った」
「えっ」
「そんで断られた。それだけ」
ガタン! と音がしてそちらを見れば、南條が持っていた携帯電話を取り落としていた。
南條は驚いた表情で琉と携帯電話を交互に見て、何か言いたそうに口を開いたが、落ちた携帯電話から聞こえてきた声に、慌ててそれを拾うと、受話器の向こうの誰かに謝った。
「え、ちょっ、琉、え? え? え? 何、もっかい言って!?」
「何回も言わせんなよ、傷付いてんだよ、俺だって」
琉の言葉が信じられなくて、大和は焦って聞き返したが、琉は嫌そうに顔を背けた。
でも、そんな。
え、遥希に告白して――――断られた?
「だって、え? 断られた、て……え、何で?」
「何で、て……その理由、今ここで、お前に全部説明しないといけないわけ? 勘弁してよ。ますますテンション下がる」
「だってハルちゃん、お前のこと、超好きそうだったじゃん、好きそう、てか……好きだったじゃん。何で断んの? 何で?」
大和が見る限り、遥希はずっと琉のファンだったと言っていたけれど、それだけでなく、会うたびに琉のことを好きになっていっているのが分かった。
琉に話し掛けられるたび、嬉しそうに顔を綻ばせていた。
遥希が琉のことを好きだってこと、誰が見ても、疑いようのないことだった。
「なのに、何で…?」
「そうだ水落、何で小野田くん、」
話に割り込んできたのは、電話を終えた南條だった。
南條ですら、琉が遥希に振られたことが信じられないようだった。
「水落、」
「…別に大した理由じゃねぇよ。俺じゃ、ハルちゃんの相手に不足だった、てだけのこと」
「…………」
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