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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (120)
2012.01.18 Wed
「ね、ちーちゃん、早くご飯行こ? 話はそこで聞くから。ねっ?」
とりあえず、ここにいるとみんなの注目の的だから、ちょっと別の場所に移動したい…と遥希は、唖然としている千尋の背中を押して、適当に近くのファミレスに駆け込んだ。
「はい、メニュー…」
ファミレスで席に案内され、フロア係の女性が下がると、遥希は、おずおずと千尋にメニューを差し出した。
何だか千尋の雰囲気が怖い…。
「――――…………」
「ちーちゃん!」
「…………あー……ゴメンゴメン、あまりのこと過ぎて、ちょっと機能停止してた。はぁ~ビックリした。さすがハルちゃん。俺の想像を遥かに超える次元に生きてるね」
「…………」
その言葉が、全然まったくもって褒め言葉になっていないことは、いくら遥希でも分かる。
ここ、怒っていいところだよね?
「いやだって、今もFATEのファンとか、全然想像つかなかった。水落とそんなことになっちゃったから、普通にファンやめちゃったのかと思ってた。つか、それが普通だよね? 普通、そんななって、今もファンですとか言えないよね?」
「何でよ。何でちーちゃん、俺の価値観、全否定なの?」
「価値観つか……だってさ、ファンて、好きってことでしょ? FATEのこと好きなの? 水落のこと諦めたのに?」
「別に……琉のこと、嫌いになったわけじゃないし」
恋人として一緒にはいられないけれど、別に水落琉という人間を嫌いになったわけではない。
歌もダンスも演技も、そして水落琉という人となりも、すべてが好きだし、FATEのことだって、今も大好きだ。それは変わらない。
「でも、ないわけ? FATEの曲聞くと、水落のこと思い出すとか。水落のこと思い出して、切なくなんないの? 失恋すると、別れた恋人の物とか写真とか、しばらく見たくなかったりするじゃん」
「そうだけど…」
確かに遥希も、前に付き合っていた彼氏の写真とか、プレゼントされたヤツとか、みんな捨てた。
遥希のほうから嫌いになって別れたのなら、怒って捨てるということもあるけれど、相手から別れを切り出されたときは、そういうのを見ると、いろいろ思い出してツラくなるから。
「なのに、何でFATEのCDは買えるわけ? 思っきし水落じゃん。何でそれは平気なの?」
「平気じゃない…」
千尋に言われれば言われるほど、確かに自分の言い分と行動は矛盾しているし、千尋があんなに大きな声を出して呆れ返るのも分かる。
琉とこんなことになる前から予約していたし…というのは、CDを買うときの嬉しそうな顔を見られてしまった今となっては、苦しい言い訳だ。
「でも、いい曲だし…」
「はぁ~~~……、ハルちゃんて、ホンット、計り知れない…」
千尋は感嘆ともつかない声を漏らして、まだ信じられないように、遥希を見ている。
「…いいの。ファンはファンなんだから」
「……」
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とりあえず、ここにいるとみんなの注目の的だから、ちょっと別の場所に移動したい…と遥希は、唖然としている千尋の背中を押して、適当に近くのファミレスに駆け込んだ。
「はい、メニュー…」
ファミレスで席に案内され、フロア係の女性が下がると、遥希は、おずおずと千尋にメニューを差し出した。
何だか千尋の雰囲気が怖い…。
「――――…………」
「ちーちゃん!」
「…………あー……ゴメンゴメン、あまりのこと過ぎて、ちょっと機能停止してた。はぁ~ビックリした。さすがハルちゃん。俺の想像を遥かに超える次元に生きてるね」
「…………」
その言葉が、全然まったくもって褒め言葉になっていないことは、いくら遥希でも分かる。
ここ、怒っていいところだよね?
「いやだって、今もFATEのファンとか、全然想像つかなかった。水落とそんなことになっちゃったから、普通にファンやめちゃったのかと思ってた。つか、それが普通だよね? 普通、そんななって、今もファンですとか言えないよね?」
「何でよ。何でちーちゃん、俺の価値観、全否定なの?」
「価値観つか……だってさ、ファンて、好きってことでしょ? FATEのこと好きなの? 水落のこと諦めたのに?」
「別に……琉のこと、嫌いになったわけじゃないし」
恋人として一緒にはいられないけれど、別に水落琉という人間を嫌いになったわけではない。
歌もダンスも演技も、そして水落琉という人となりも、すべてが好きだし、FATEのことだって、今も大好きだ。それは変わらない。
「でも、ないわけ? FATEの曲聞くと、水落のこと思い出すとか。水落のこと思い出して、切なくなんないの? 失恋すると、別れた恋人の物とか写真とか、しばらく見たくなかったりするじゃん」
「そうだけど…」
確かに遥希も、前に付き合っていた彼氏の写真とか、プレゼントされたヤツとか、みんな捨てた。
遥希のほうから嫌いになって別れたのなら、怒って捨てるということもあるけれど、相手から別れを切り出されたときは、そういうのを見ると、いろいろ思い出してツラくなるから。
「なのに、何でFATEのCDは買えるわけ? 思っきし水落じゃん。何でそれは平気なの?」
「平気じゃない…」
千尋に言われれば言われるほど、確かに自分の言い分と行動は矛盾しているし、千尋があんなに大きな声を出して呆れ返るのも分かる。
琉とこんなことになる前から予約していたし…というのは、CDを買うときの嬉しそうな顔を見られてしまった今となっては、苦しい言い訳だ。
「でも、いい曲だし…」
「はぁ~~~……、ハルちゃんて、ホンット、計り知れない…」
千尋は感嘆ともつかない声を漏らして、まだ信じられないように、遥希を見ている。
「…いいの。ファンはファンなんだから」
「……」
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