2008年12月
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八月 瑠璃色の夕べに君はいない (2)
2008.12.27 Sat
「う…うぇ…」
睦月たちから逃げるようにしてカフェテリアを出た和衣は、行き場もなくて、とりあえず涙を人に見られないように、近くのトイレに駆け込んだ。
(バカバカバカバカバカ! 俺のバカ!!)
むっちゃんにヤキモチ妬いちゃダメだって、そんなことしたって意味がないって、ずっと自分に言い聞かせてきたのに。
あまりにもひどい自分の態度に、和衣は自己嫌悪でいっぱいになった。
(ちゃんと、むっちゃんに謝ろう…)
どうしたって、傷付けたのは自分だし、傷付いたのは睦月だ。このままでいられるはずがない。
和衣は涙でグチャグチャになった顔を洗ってから、みんなのいるであろうカフェテリアに戻ったが、もうそこに4人の姿はなかった。
それならば携帯電話で連絡を…と思って取り出そうとすれば、カバンも何も持っていないことに気が付いた。念のため、先ほど自分たちがいた席に行ってみても、そこには何も残っていない。
おそらく亮たちが持っていったのだろう、だとすればいったん寮に戻ってみるしかない。
和衣が重い足取りで寮に戻ってくれば、自分の部屋の前に睦月が立っていて、慌てて駆け寄った。
「むっちゃん…」
「あ、カズちゃん、お帰り。はい、これ」
差し出されたのは、和衣のカバンだった。
和衣の置いていったカバンを届けに来たら、鍵が掛かっているし、中にも人の気配がないので、外で待っていたらしい。
「あの、むっちゃん、あのっ…」
「ね、中入ってもいい?」
「え? あ、うん…」
和衣が話を切り出そうとするより先、睦月にそう言われて、和衣は急いでドアを開けて中に通した。
「…みんなは?」
「さぁ。自分の部屋じゃない?」
部屋に入った睦月は、試験が終わって早々に帰郷した和衣の相部屋さんのベッドに、どっかりと腰を下ろした。人に勝手にベッドに上がられるのが嫌だと言っていた和衣に、一応気を遣っているらしい。
「あの、むっちゃん、あのっ…………ゴメン、なさい!」
「え、」
いきなり深々と頭を下げて、謝罪の言葉を口にした和衣に、睦月はキョトンと彼を見つめた。
「え、何、カズちゃん」
「だって、さっき…俺、超態度悪かった…」
「うん、結構傷付いた、俺」
「ッ…」
サラリとそう言う睦月に、和衣はキュッと唇を噛んだ。
自分だって友だちに、いきなりあんな態度、取られたくない。
「俺、カズちゃんに何かした? 知らないうちに俺、カズちゃんに嫌われるようなこと、してた? それ聞きたくて来たんだけど……いきなり謝られるから、ちょっとビックリした」
「だって…ゴメンなさい…。何かもう俺…、……ゴメン…」
「謝るってことは、俺のこと、嫌いになったわけじゃないんだ」
「…うん」
そっか、と睦月はベッドから立ち上がった。
「なら、いいや。もしカズちゃんに嫌われたんだとしらたら、ヤダなって思ってたけど、じゃないならいいや」
睦月たちから逃げるようにしてカフェテリアを出た和衣は、行き場もなくて、とりあえず涙を人に見られないように、近くのトイレに駆け込んだ。
(バカバカバカバカバカ! 俺のバカ!!)
むっちゃんにヤキモチ妬いちゃダメだって、そんなことしたって意味がないって、ずっと自分に言い聞かせてきたのに。
あまりにもひどい自分の態度に、和衣は自己嫌悪でいっぱいになった。
(ちゃんと、むっちゃんに謝ろう…)
どうしたって、傷付けたのは自分だし、傷付いたのは睦月だ。このままでいられるはずがない。
和衣は涙でグチャグチャになった顔を洗ってから、みんなのいるであろうカフェテリアに戻ったが、もうそこに4人の姿はなかった。
それならば携帯電話で連絡を…と思って取り出そうとすれば、カバンも何も持っていないことに気が付いた。念のため、先ほど自分たちがいた席に行ってみても、そこには何も残っていない。
おそらく亮たちが持っていったのだろう、だとすればいったん寮に戻ってみるしかない。
和衣が重い足取りで寮に戻ってくれば、自分の部屋の前に睦月が立っていて、慌てて駆け寄った。
「むっちゃん…」
「あ、カズちゃん、お帰り。はい、これ」
差し出されたのは、和衣のカバンだった。
和衣の置いていったカバンを届けに来たら、鍵が掛かっているし、中にも人の気配がないので、外で待っていたらしい。
「あの、むっちゃん、あのっ…」
「ね、中入ってもいい?」
「え? あ、うん…」
和衣が話を切り出そうとするより先、睦月にそう言われて、和衣は急いでドアを開けて中に通した。
「…みんなは?」
「さぁ。自分の部屋じゃない?」
部屋に入った睦月は、試験が終わって早々に帰郷した和衣の相部屋さんのベッドに、どっかりと腰を下ろした。人に勝手にベッドに上がられるのが嫌だと言っていた和衣に、一応気を遣っているらしい。
「あの、むっちゃん、あのっ…………ゴメン、なさい!」
「え、」
いきなり深々と頭を下げて、謝罪の言葉を口にした和衣に、睦月はキョトンと彼を見つめた。
「え、何、カズちゃん」
「だって、さっき…俺、超態度悪かった…」
「うん、結構傷付いた、俺」
「ッ…」
サラリとそう言う睦月に、和衣はキュッと唇を噛んだ。
自分だって友だちに、いきなりあんな態度、取られたくない。
「俺、カズちゃんに何かした? 知らないうちに俺、カズちゃんに嫌われるようなこと、してた? それ聞きたくて来たんだけど……いきなり謝られるから、ちょっとビックリした」
「だって…ゴメンなさい…。何かもう俺…、……ゴメン…」
「謝るってことは、俺のこと、嫌いになったわけじゃないんだ」
「…うん」
そっか、と睦月はベッドから立ち上がった。
「なら、いいや。もしカズちゃんに嫌われたんだとしらたら、ヤダなって思ってたけど、じゃないならいいや」
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三点リーダの2人
2008.12.28 Sun
(遥斗 + 慶太)
遥斗「…………」
慶太「…………」
遥斗「…どうも」
慶太「はぁ、どうも…」
遥斗「……」
慶太「……」
遥斗「(……話すことが……)」
慶太「(………………ない)」
遥斗「……」
慶太「……」
遥斗「…どうも」
慶太「はぁ、どうも…」
この2人に、共通の話題はないだろうなぁ…。でもお互い気を遣うタイプだから、帰るに帰れない。
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遥斗「…………」
慶太「…………」
遥斗「…どうも」
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遥斗「……」
慶太「……」
遥斗「(……話すことが……)」
慶太「(………………ない)」
遥斗「……」
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遥斗「…どうも」
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八月 瑠璃色の夕べに君はいない (3)
2008.12.28 Sun
「なら、いいや。もしカズちゃんに嫌われたんだとしらたら、ヤダなって思ってたけど、じゃないならいいや」
「…いいの?」
「何が?」
「何で、とか…そういうの」
祐介との仲に、勝手に嫉妬していただなんて、本当は言いたくないけれど。
でも、睦月のことをこれだけ傷付けておいて、何も話さないままでいられるはずはないと思う。
「…ゆっち?」
「え、」
ベッドから降りて床に座った睦月は、和衣の手を引いて、自分の前に座らせた。
「もし違ってたら、ゴメンね? あのさ、カズちゃんが何か俺のこと避けてたのって、ゆっち、関係してる?」
2人しかいない部屋だけれど、もし廊下を通る誰かに聞かれてはと、睦月は声を潜めた。
「むっちゃん…?」
「カズちゃんて、ゆっちのこと好きなの?」
「あ、う…」
真正面に指摘されて、和衣の顔が一気に赤くなる。
これだけ分かりやすければ、今さら否定するまでもなくて、睦月は「やっぱりそうなんだ」と納得している。
「お、俺…そんなに分かりやすい…?」
亮や翔真が睦月に勝手に話したとは思えない。
だとすれば、睦月は自分の態度を見てそう判断したわけで。
そうなると、ひた隠しにしているはずのこの気持ち、何も言わないだけで、実は祐介にバレバレだったのだろうか。
「結構分かりやすいかも。だって俺だけだとわりと普通なのに、俺がゆっちと喋ってると、何か拗ねた顔してるから」
「うぅ…」
「でもゆっち、気付いてないと思うよ。だって、カズちゃんの態度が変だってことも、さっきまで気付いてなかったみたいだし」
意外と鈍感なんだよねー、なんて、祐介が聞いたら、「お前に言われたくない」ときっぱり突っ込まれそうなことを、睦月は無邪気に言い放つ。
和衣にしてみても、態度で祐介にバレてないのは良かったけれど、そこまで全然気付かれていないと言うのも、何だかちょっと切ない。
「前も言ったけどさ、俺とゆっちはただの幼馴染みだから。勝手にヤキモチ妬かれても、ちょっと困る……てか、避けられると、ちょっと傷付くし」
「…ゴメン」
「ん、でも、しょうがないよね。頭で分かってたって、ねぇ?」
そう言って睦月は笑顔を見せるから、もうすでに壊れ切っている和衣の涙腺は、再び涙を零し始めた。
「また泣くー」
「らってー!」
グズグズと鼻を啜っている和衣の顔をティシューで拭ってやれば、優しくされるとさらに涙が出てしまうようで、拭っても拭っても和衣の涙は止まらない。
「もー、明日きっと顔ひどいよー? そんなに泣くと」
「分かってるよぉ!」
和衣だって、いいかげん泣き止みたいのだ。
でも睦月に今までの態度を許してもらえたのと、祐介への気持ちを知ってもらえた安心感で、ちっとも涙は止まってくれない。
「カズちゃんの泣き虫ー」
「違う!」
「違わないー」
「違うってば!」
「…いいの?」
「何が?」
「何で、とか…そういうの」
祐介との仲に、勝手に嫉妬していただなんて、本当は言いたくないけれど。
でも、睦月のことをこれだけ傷付けておいて、何も話さないままでいられるはずはないと思う。
「…ゆっち?」
「え、」
ベッドから降りて床に座った睦月は、和衣の手を引いて、自分の前に座らせた。
「もし違ってたら、ゴメンね? あのさ、カズちゃんが何か俺のこと避けてたのって、ゆっち、関係してる?」
2人しかいない部屋だけれど、もし廊下を通る誰かに聞かれてはと、睦月は声を潜めた。
「むっちゃん…?」
「カズちゃんて、ゆっちのこと好きなの?」
「あ、う…」
真正面に指摘されて、和衣の顔が一気に赤くなる。
これだけ分かりやすければ、今さら否定するまでもなくて、睦月は「やっぱりそうなんだ」と納得している。
「お、俺…そんなに分かりやすい…?」
亮や翔真が睦月に勝手に話したとは思えない。
だとすれば、睦月は自分の態度を見てそう判断したわけで。
そうなると、ひた隠しにしているはずのこの気持ち、何も言わないだけで、実は祐介にバレバレだったのだろうか。
「結構分かりやすいかも。だって俺だけだとわりと普通なのに、俺がゆっちと喋ってると、何か拗ねた顔してるから」
「うぅ…」
「でもゆっち、気付いてないと思うよ。だって、カズちゃんの態度が変だってことも、さっきまで気付いてなかったみたいだし」
意外と鈍感なんだよねー、なんて、祐介が聞いたら、「お前に言われたくない」ときっぱり突っ込まれそうなことを、睦月は無邪気に言い放つ。
和衣にしてみても、態度で祐介にバレてないのは良かったけれど、そこまで全然気付かれていないと言うのも、何だかちょっと切ない。
「前も言ったけどさ、俺とゆっちはただの幼馴染みだから。勝手にヤキモチ妬かれても、ちょっと困る……てか、避けられると、ちょっと傷付くし」
「…ゴメン」
「ん、でも、しょうがないよね。頭で分かってたって、ねぇ?」
そう言って睦月は笑顔を見せるから、もうすでに壊れ切っている和衣の涙腺は、再び涙を零し始めた。
「また泣くー」
「らってー!」
グズグズと鼻を啜っている和衣の顔をティシューで拭ってやれば、優しくされるとさらに涙が出てしまうようで、拭っても拭っても和衣の涙は止まらない。
「もー、明日きっと顔ひどいよー? そんなに泣くと」
「分かってるよぉ!」
和衣だって、いいかげん泣き止みたいのだ。
でも睦月に今までの態度を許してもらえたのと、祐介への気持ちを知ってもらえた安心感で、ちっとも涙は止まってくれない。
「カズちゃんの泣き虫ー」
「違う!」
「違わないー」
「違うってば!」
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女子部
2008.12.29 Mon
(真琴 + アキ + アユミ)
アキ「きゃー、マコちゃん、かわいいvv」
アユミ「マコちゃん華奢だから、こういう服、すっごい似合う!」
真琴「あぅ…(でもこの服は、完全にレディスのような気がする…)」
アキ「髪の毛、弄ってもいい?」
アユミ「こっちの服も着てよ!」
真琴「え? え?」
アキ「はい、ここ座って!」
真琴「ちょっ、あの…」
アユミ「次この服ね?」
真琴「(あーん、はーちゃん、助けてー!!)」
さすがのマコちゃんも、お姉さまがた相手には、太刀打ちできませんでした。ちなみにお姉さま2人は、はーちゃんたちモデルさんのメイクやら衣装を担当してます。
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真琴「え? え?」
アキ「はい、ここ座って!」
真琴「ちょっ、あの…」
アユミ「次この服ね?」
真琴「(あーん、はーちゃん、助けてー!!)」
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八月 瑠璃色の夕べに君はいない (4)
2008.12.29 Mon
当初の予定どおり、お盆になるとまず祐介が実家へと帰り、1日遅れで亮たちも帰ることになった。
「亮の薄情者ー」
「だからしょうがねぇだろ!? 最初からそういう予定だったんだから!」
「亮の卑怯者ー」
「何で!?」
夕べのうちに荷物を纏め切れなかった亮は、朝になって、睦月の恨みがましげな視線を目いっぱい浴びながら、せっせと身支度を整えていた。
「俺のことなんて、どうでもいいんだ…」
「そうじゃなくて!」
あーもう! と、頭を掻き毟る亮を、ベッドの上で膝を抱えている睦月は、ニヤニヤしながら見ている。
みんなに置いていかれて確かに寂しいは寂しいが、うっかりバイトを入れてしまったのは自分が悪いし、最初から決まっていた亮たちの予定を、今さら自分のわがままで変更させる気もない。
ただ、憂さ晴らしに、亮をからかって遊んでいるだけなのだ。
「亮」
「何!?」
「おみやげ買ってきてね?」
「…………」
今度は何だと振り返った亮は、ベッドの上でにっこりと笑っている睦月に、ようやく今までのことが、本気で拗ねているからではなく、単なる演技だということに気が付いた。
「睦月…」
すっかり言葉を失っている亮に、睦月はベッドの上で笑い転げている。
いったい何のために、朝からどうでもいい罪悪感に駆られていたのだと、どっと疲れが湧く。
「亮ー、まだー?」
ノックもせずに部屋にやって来たのは、和衣だった。その後ろに翔真もいる。
もちろん2人とも、昨日のうちにちゃんと支度しているので、朝からずっと亮のことを待っているのだ。
「むっちゃん、ずいぶんご機嫌だね、どうしたの?」
「何でもないよー」
亮の身支度を手伝う気はまったくないようで、睦月は笑いが止まってもまだ、ベッドでゴロゴロしていた。
「何で帰るのー? 新幹線? 暇だからお見送りしようかな」
「むっちゃんバイトは?」
「夕方から」
もちろん睦月には亮たち以外にも友人はいるが、やはり同様に、夏休みになると実家に帰ってしまう者が殆どで、バイトが始まるまでの中途半端な時間に、気安く遊びに誘える者がいないのだ。
「駅まで来る?」
「んー…でも外、暑そう…」
あの照り付ける日差しを見ると、それでも扇風機1台が精いっぱい稼働しているこの部屋のほうがまだ涼しい気がして、睦月は自分から言っておきながら、躊躇するようなセリフを吐いた。
「あー…でもお腹空いたから、やっぱ行こうかなー」
「どっちにすんの? てか、むっちゃん、コンビニのおにぎりとかばっか食ってちゃダメだよ?」
「う…」
昨日の朝、寮を出るときに、祐介が睦月にしっかりと言い聞かせていったセリフを、今日になって和衣に繰り返されて、睦月は言葉に詰まる。
体のことを心配してくれているのは分かるし有り難いが、誰もが認める不器用キング睦月にとって、自炊などとても無理なお話で。
「違うの! 帰り、スーパー寄って、買い物して帰るの!」
未だかつて睦月の口から聞いたこともないような言葉が飛び出して、勢い任せのセリフとはいえ、よく言ったものだと3人は顔を見合わせた。
「やっぱ亮、残っててあげなよー、むっちゃんのご飯係で」
「ちょっ、えぇ!?」
確かに入学して3か月半、睦月が1人で台所に立った姿は1度も見たことがない。無謀にもチャレンジしようとして、結局ダメで、祐介のところへ駆け込んだ形跡なら、何度か目撃しているが。
「大丈夫だって。ちゃんとする。約束する!」
「ホントかなー…?」
どこまで当てになるか分からない睦月の言葉を不安に思いつつ、3人は寮を出ていった。
「亮の薄情者ー」
「だからしょうがねぇだろ!? 最初からそういう予定だったんだから!」
「亮の卑怯者ー」
「何で!?」
夕べのうちに荷物を纏め切れなかった亮は、朝になって、睦月の恨みがましげな視線を目いっぱい浴びながら、せっせと身支度を整えていた。
「俺のことなんて、どうでもいいんだ…」
「そうじゃなくて!」
あーもう! と、頭を掻き毟る亮を、ベッドの上で膝を抱えている睦月は、ニヤニヤしながら見ている。
みんなに置いていかれて確かに寂しいは寂しいが、うっかりバイトを入れてしまったのは自分が悪いし、最初から決まっていた亮たちの予定を、今さら自分のわがままで変更させる気もない。
ただ、憂さ晴らしに、亮をからかって遊んでいるだけなのだ。
「亮」
「何!?」
「おみやげ買ってきてね?」
「…………」
今度は何だと振り返った亮は、ベッドの上でにっこりと笑っている睦月に、ようやく今までのことが、本気で拗ねているからではなく、単なる演技だということに気が付いた。
「睦月…」
すっかり言葉を失っている亮に、睦月はベッドの上で笑い転げている。
いったい何のために、朝からどうでもいい罪悪感に駆られていたのだと、どっと疲れが湧く。
「亮ー、まだー?」
ノックもせずに部屋にやって来たのは、和衣だった。その後ろに翔真もいる。
もちろん2人とも、昨日のうちにちゃんと支度しているので、朝からずっと亮のことを待っているのだ。
「むっちゃん、ずいぶんご機嫌だね、どうしたの?」
「何でもないよー」
亮の身支度を手伝う気はまったくないようで、睦月は笑いが止まってもまだ、ベッドでゴロゴロしていた。
「何で帰るのー? 新幹線? 暇だからお見送りしようかな」
「むっちゃんバイトは?」
「夕方から」
もちろん睦月には亮たち以外にも友人はいるが、やはり同様に、夏休みになると実家に帰ってしまう者が殆どで、バイトが始まるまでの中途半端な時間に、気安く遊びに誘える者がいないのだ。
「駅まで来る?」
「んー…でも外、暑そう…」
あの照り付ける日差しを見ると、それでも扇風機1台が精いっぱい稼働しているこの部屋のほうがまだ涼しい気がして、睦月は自分から言っておきながら、躊躇するようなセリフを吐いた。
「あー…でもお腹空いたから、やっぱ行こうかなー」
「どっちにすんの? てか、むっちゃん、コンビニのおにぎりとかばっか食ってちゃダメだよ?」
「う…」
昨日の朝、寮を出るときに、祐介が睦月にしっかりと言い聞かせていったセリフを、今日になって和衣に繰り返されて、睦月は言葉に詰まる。
体のことを心配してくれているのは分かるし有り難いが、誰もが認める不器用キング睦月にとって、自炊などとても無理なお話で。
「違うの! 帰り、スーパー寄って、買い物して帰るの!」
未だかつて睦月の口から聞いたこともないような言葉が飛び出して、勢い任せのセリフとはいえ、よく言ったものだと3人は顔を見合わせた。
「やっぱ亮、残っててあげなよー、むっちゃんのご飯係で」
「ちょっ、えぇ!?」
確かに入学して3か月半、睦月が1人で台所に立った姿は1度も見たことがない。無謀にもチャレンジしようとして、結局ダメで、祐介のところへ駆け込んだ形跡なら、何度か目撃しているが。
「大丈夫だって。ちゃんとする。約束する!」
「ホントかなー…?」
どこまで当てになるか分からない睦月の言葉を不安に思いつつ、3人は寮を出ていった。
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年上の威厳
2008.12.30 Tue
(慶太 + 歩)
歩「慶太ー、ここ分かんない」
慶太「え? …て、ほんの5分前に教えたろうが!」
歩「そうだっけ? 忘れちゃった、あはは」
慶太「だからー」
*****
慶太「歩、明日課題忘れんなよ?」
歩「課題って何だっけ?」
慶太「先週出ただろ! 倫理学!」
歩「あ、忘れてた」
慶太「お前はー」
*****
歩「ズビッ…」
慶太「風邪引いた?」
歩「うーん…朝起きたら、ふとん蹴っ飛ばして寝てたんだよねー」
慶太「子どもか!」
拓海「……歩、年上の威厳、ゼロだな…」
1年浪人の歩くんは、一応慶タンより年上です。
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慶太「え? …て、ほんの5分前に教えたろうが!」
歩「そうだっけ? 忘れちゃった、あはは」
慶太「だからー」
*****
慶太「歩、明日課題忘れんなよ?」
歩「課題って何だっけ?」
慶太「先週出ただろ! 倫理学!」
歩「あ、忘れてた」
慶太「お前はー」
*****
歩「ズビッ…」
慶太「風邪引いた?」
歩「うーん…朝起きたら、ふとん蹴っ飛ばして寝てたんだよねー」
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拓海「……歩、年上の威厳、ゼロだな…」
1年浪人の歩くんは、一応慶タンより年上です。
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八月 瑠璃色の夕べに君はいない (5)
2008.12.30 Tue
3人の実家は、大学のある都市から電車と新幹線を乗り継いで、2時間ほどで着く。
帰省ラッシュに巻き込まれまいと、値は張るが新幹線は指定席の切符を買っておいたので、朝からバタバタして疲れていた亮には、本当に有り難かった。
和衣と翔真は、他の乗客の邪魔にならない程度に何か喋っていたが、亮は発車早々、爆睡を始めた。
「…コイツさぁ、起きてりゃ男前なのにな」
非常に残念そうな声を上げたのは翔真で、見れば亮は口をポカンと大きく開けたまま眠っている。確かに残念な姿だった。
*****
お盆のこの時期、自分たちと同じように、進学や就職で故郷を離れていた同級生たちが帰って来ていて、プチ同級会のような雰囲気だった。
懐かしいと言っても、3か月半ぶりに見る顔ばかりだ。
それでも会って話すのは楽しくて、結局、実家に帰ってから3日間は、睦月にメールをするのを忘れていた。
別に恋人同士でもないし、日にちを空けずにメールをしないからと言って大したことではないが、出掛けに睦月から、「俺、暇なんだから、みんな積極的にメールしてきてよー」と言われていたのを思い出して、ちょっと焦った。
「でも、むっちゃんからも、何のメールも来ないけどね」
そう言って苦笑したのは、翔真だった。
近所の河川敷を3人で歩きながら、ふと話題に睦月のことが上った。
「このまま帰ったら、絶対拗ねてそう…。そのときは亮が犠牲になってね」
「何でよ!?」
3人が帰ったときの睦月の反応が容易に想像できて、思わずみんなで吹き出した。
「あ。あのさー、ちょっと聞いてほしい話あるんだけど、……いい?」
和衣の言葉に、亮と翔真は顔を見合わせてから、河川敷の土手に腰を下ろした。
「あのね、あのね」
一応、自分が話し手となることを意識してか、和衣は座った2人の間に体を割り込ませてきたので、面倒くさいと思いつつ、亮と翔真は少し間を開けてやった。
「実は……祐介が好きだってこと、むっちゃんにバレちゃった」
「えっ…」
「、」
さすがにこの告白には、2人とも固まった。
あの一件以来、和衣と睦月が仲直りしたことは知っていたが、まさか勢いで話してしまったのだろうが。
にしても、睦月の順応力には驚かされる。
自分たちは長い付き合いの腐れ縁だから、和衣の性癖云々についてどうこう言うつもりはないが、知り合って3か月半の友人から打ち明けるられるにしては、かなりへヴィな話だっただろうに。
「うぅん、何かバレてた。むっちゃんのほうから、好きなんでしょ? て言われた」
「マジで?」
「うん。何か俺、すげぇ分かりやすかったみたい」
そう言って和衣は苦笑したが、確かに睦月と祐介を前にした和衣の態度は、少しあからさま過ぎた。
ちなみに祐介は全然気付いてないみたいだってー、と睦月から教えられた情報をこっそり打ち明れば、亮も翔真も、アイツそういうの鈍そうだからなー、なんて言い出す始末。
「で、睦月、何か言ってた?」
「ん? 応援するとは言ってくれたよ」
「そうなんだ、良かったな」
「うん」
まだ和衣の想いが祐介に届いたわけではない。
祐介が、同性愛についてどう思っているかも分からない。
ましてや、男である和衣を、そういう対象として見てくれるかどうかも分からない。
けれど、何となく一区切りが付いたような気がして、和衣の心は前よりも少し晴れやかだった。
「あ、あそこ、月出てる」
翔真が指差した空、まだ日の沈んでいない青とも紫とも言えない色の空に、薄くぽっかりと月が浮かんでいる。
「戻ったらさー、きっとこういうの、見れないんだろうねー」
いわゆる"空がない"と言われるその場所では、こんな風に並んで月を見ることなど、きっとないだろう。
亮はぼんやりと、今ここにいない睦月のことを思った。
隣に、睦月も座っていたらいいのにな。
帰省ラッシュに巻き込まれまいと、値は張るが新幹線は指定席の切符を買っておいたので、朝からバタバタして疲れていた亮には、本当に有り難かった。
和衣と翔真は、他の乗客の邪魔にならない程度に何か喋っていたが、亮は発車早々、爆睡を始めた。
「…コイツさぁ、起きてりゃ男前なのにな」
非常に残念そうな声を上げたのは翔真で、見れば亮は口をポカンと大きく開けたまま眠っている。確かに残念な姿だった。
*****
お盆のこの時期、自分たちと同じように、進学や就職で故郷を離れていた同級生たちが帰って来ていて、プチ同級会のような雰囲気だった。
懐かしいと言っても、3か月半ぶりに見る顔ばかりだ。
それでも会って話すのは楽しくて、結局、実家に帰ってから3日間は、睦月にメールをするのを忘れていた。
別に恋人同士でもないし、日にちを空けずにメールをしないからと言って大したことではないが、出掛けに睦月から、「俺、暇なんだから、みんな積極的にメールしてきてよー」と言われていたのを思い出して、ちょっと焦った。
「でも、むっちゃんからも、何のメールも来ないけどね」
そう言って苦笑したのは、翔真だった。
近所の河川敷を3人で歩きながら、ふと話題に睦月のことが上った。
「このまま帰ったら、絶対拗ねてそう…。そのときは亮が犠牲になってね」
「何でよ!?」
3人が帰ったときの睦月の反応が容易に想像できて、思わずみんなで吹き出した。
「あ。あのさー、ちょっと聞いてほしい話あるんだけど、……いい?」
和衣の言葉に、亮と翔真は顔を見合わせてから、河川敷の土手に腰を下ろした。
「あのね、あのね」
一応、自分が話し手となることを意識してか、和衣は座った2人の間に体を割り込ませてきたので、面倒くさいと思いつつ、亮と翔真は少し間を開けてやった。
「実は……祐介が好きだってこと、むっちゃんにバレちゃった」
「えっ…」
「、」
さすがにこの告白には、2人とも固まった。
あの一件以来、和衣と睦月が仲直りしたことは知っていたが、まさか勢いで話してしまったのだろうが。
にしても、睦月の順応力には驚かされる。
自分たちは長い付き合いの腐れ縁だから、和衣の性癖云々についてどうこう言うつもりはないが、知り合って3か月半の友人から打ち明けるられるにしては、かなりへヴィな話だっただろうに。
「うぅん、何かバレてた。むっちゃんのほうから、好きなんでしょ? て言われた」
「マジで?」
「うん。何か俺、すげぇ分かりやすかったみたい」
そう言って和衣は苦笑したが、確かに睦月と祐介を前にした和衣の態度は、少しあからさま過ぎた。
ちなみに祐介は全然気付いてないみたいだってー、と睦月から教えられた情報をこっそり打ち明れば、亮も翔真も、アイツそういうの鈍そうだからなー、なんて言い出す始末。
「で、睦月、何か言ってた?」
「ん? 応援するとは言ってくれたよ」
「そうなんだ、良かったな」
「うん」
まだ和衣の想いが祐介に届いたわけではない。
祐介が、同性愛についてどう思っているかも分からない。
ましてや、男である和衣を、そういう対象として見てくれるかどうかも分からない。
けれど、何となく一区切りが付いたような気がして、和衣の心は前よりも少し晴れやかだった。
「あ、あそこ、月出てる」
翔真が指差した空、まだ日の沈んでいない青とも紫とも言えない色の空に、薄くぽっかりと月が浮かんでいる。
「戻ったらさー、きっとこういうの、見れないんだろうねー」
いわゆる"空がない"と言われるその場所では、こんな風に並んで月を見ることなど、きっとないだろう。
亮はぼんやりと、今ここにいない睦月のことを思った。
隣に、睦月も座っていたらいいのにな。
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橘悠也という男
2008.12.30 Tue
(悠也 + 遥斗 + 智紀)
悠也「遅ぇーな、拓海のヤツ」←椅子に座って、足ブラブラ
遥斗「大学の用事とか言ってましたけど」
悠也「真琴も?」
遥斗「えぇ」
悠也「大学って忙しいんだな」
遥斗「ですね」
悠也「…………(ジー…)」←智紀に視線
智紀「え、何?」
悠也「お前、大学生じゃねぇの?」
智紀「そうだけど」
悠也「何でお前だけ暇そうなの?」
智紀「ひまっ…ちが、アイツらは、何か役員やってんの!」
悠也「へぇ」←聞いといて、興味なし
智紀「ッ…」
悠也「あー、暇ー」←足ブラブラ
智紀「(アンタのほうが暇そうじゃん…!)」
悠也「暇ー、ひまひまひまー…」
ガンッ!
悠也「イッテ! もー!」←テーブルに足ぶつけた
遥斗「…………」
智紀「…………」
3カプの中で最年長の悠ちゃんですが、やってることはたぶん最年少。
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悠也「遅ぇーな、拓海のヤツ」←椅子に座って、足ブラブラ
遥斗「大学の用事とか言ってましたけど」
悠也「真琴も?」
遥斗「えぇ」
悠也「大学って忙しいんだな」
遥斗「ですね」
悠也「…………(ジー…)」←智紀に視線
智紀「え、何?」
悠也「お前、大学生じゃねぇの?」
智紀「そうだけど」
悠也「何でお前だけ暇そうなの?」
智紀「ひまっ…ちが、アイツらは、何か役員やってんの!」
悠也「へぇ」←聞いといて、興味なし
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悠也「あー、暇ー」←足ブラブラ
智紀「(アンタのほうが暇そうじゃん…!)」
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不憫だとか言わないで (昨日の続き)
2008.12.31 Wed
(拓海 + 真琴 + 慶太 + 遥斗 + 智紀)
拓海「やっと終わった…」
慶太「遅くなっちゃいましたね」
真琴「うー疲れた…。あ、はーちゃん! お待たせ!」←待っていた遥斗に抱き付き
慶太「すいません、お待たせしました」←さすがに抱き付くまでは出来ない
拓海「…………。……え?」←悠ちゃん、いない
遥斗「……」
智紀「……」
慶太「……」
真琴「……。悠ちゃんは?」
遥斗「えっと…」
智紀「帰った、かな…?」
拓海「…………」
真琴「悠ちゃん、待つのとか、嫌いだもんね」
遥斗「一応、止めたんだけど…」
まぁ…そういうことです。いや、愛情はあるんですよ、悠ちゃんにも。
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拓海「やっと終わった…」
慶太「遅くなっちゃいましたね」
真琴「うー疲れた…。あ、はーちゃん! お待たせ!」←待っていた遥斗に抱き付き
慶太「すいません、お待たせしました」←さすがに抱き付くまでは出来ない
拓海「…………。……え?」←悠ちゃん、いない
遥斗「……」
智紀「……」
慶太「……」
真琴「……。悠ちゃんは?」
遥斗「えっと…」
智紀「帰った、かな…?」
拓海「…………」
真琴「悠ちゃん、待つのとか、嫌いだもんね」
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九月 じりじりと焦がれる初秋 (1)
2008.12.31 Wed
お盆が終わって戻って来てみれば、睦月は案の定、最初の1食で自炊を諦め、コンビニか外食か、友だちのところに食べに行くかの繰り返しで、お盆の期間を凌いでいたらしい。
もちろんそれはすぐに祐介にバレて、睦月は子どものように怒られてしまった。
「もーさぁ、カズちゃん、あんなガミガミ小姑みたいなヤツの、どこがいいの!?」
バイトが終わって、控え室で帰り支度をしながらも、睦月の怒りは収まらない。それでも仕事中はスマイルでがんばっていたのだから、少しは成長したのだろう。
「でもむっちゃんも……1週間コンビニとか、あり得なくない?」
「だってお腹空くじゃん、食べなきゃ」
「普通の人はそこで、じゃあ自分で作ろう、てなるんだよ」
和衣にまで窘(たしな)められて、睦月は拗ねたように唇を突き出した。
「あ、でもあの人! あの人、しょっちゅうコンビニ来るじゃん! 大人なのに」
「あぁ、あの冷やしラーメン男?」
「うん」
ここで2人が言う「冷やしラーメン男」とは、睦月たちがバイトをしているときによく来るサラリーマン風の男性で、毎回買うのは冷やしラーメンとペットボトルのお茶。時々それプラス雑誌。
不特定多数の客が出入りするコンビニで、顔を覚えられるまでになるには相当のことだが、2人が店にいる週5日のうち3日から4日、多いときには毎日やって来て、冷やしラーメンを買っていけば、さすがに顔馴染みになってしまう。
「むっちゃん、もっと仲良くなって聞いてみなよ。『毎日コンビニの弁当食ってるんですかー?』て」
「えー?」
「『それで怒られたりしないんですかー?』てさ」
「やだよー」
冷やしラーメン男は、睦月たちよりいくらか年上のようだが、朝食でもなく、昼食とも言えない、午後の半端な時間にコンビニで買い物をしていくので、営業か何かの人で、そんな時間にしかご飯が食べられないのだろうと、2人は勝手に想像していた。
顔馴染みの客とはいえ、あいさつをする程度で、そんなことを突っ込んで聞けるほどの仲ではなくて、実は彼の本当の名前すら知らない。
「あ、傘置いてきちゃった! ちょっと待ってて」
2人して、ケラケラ笑いながら店を出たところで、睦月の手にしていた傘を見て、自分の手元に持ってきたはずの傘がないことに気が付いた和衣が、再び店に中に戻っていった。
睦月は来客の邪魔にならないように、ドアから少し離れて、店の軒下で和衣のことを待つ。
ぐずついた空。
強くなって来た風に、睦月は心の中がざわついて、店内に戻って和衣を待とうとしたが、それより先に掛けられた声に、顔を上げた。
「あ、やぁ、ども」
ちょうど噂になっていた「冷やしラーメン男」だ。
「あ、どうも…」
「今日はもうバイト、終わっちゃったんすか?」
睦月が軽く会釈すれば、冷やしラーメン男が話し掛けてきた。
もちろんそれはすぐに祐介にバレて、睦月は子どものように怒られてしまった。
「もーさぁ、カズちゃん、あんなガミガミ小姑みたいなヤツの、どこがいいの!?」
バイトが終わって、控え室で帰り支度をしながらも、睦月の怒りは収まらない。それでも仕事中はスマイルでがんばっていたのだから、少しは成長したのだろう。
「でもむっちゃんも……1週間コンビニとか、あり得なくない?」
「だってお腹空くじゃん、食べなきゃ」
「普通の人はそこで、じゃあ自分で作ろう、てなるんだよ」
和衣にまで窘(たしな)められて、睦月は拗ねたように唇を突き出した。
「あ、でもあの人! あの人、しょっちゅうコンビニ来るじゃん! 大人なのに」
「あぁ、あの冷やしラーメン男?」
「うん」
ここで2人が言う「冷やしラーメン男」とは、睦月たちがバイトをしているときによく来るサラリーマン風の男性で、毎回買うのは冷やしラーメンとペットボトルのお茶。時々それプラス雑誌。
不特定多数の客が出入りするコンビニで、顔を覚えられるまでになるには相当のことだが、2人が店にいる週5日のうち3日から4日、多いときには毎日やって来て、冷やしラーメンを買っていけば、さすがに顔馴染みになってしまう。
「むっちゃん、もっと仲良くなって聞いてみなよ。『毎日コンビニの弁当食ってるんですかー?』て」
「えー?」
「『それで怒られたりしないんですかー?』てさ」
「やだよー」
冷やしラーメン男は、睦月たちよりいくらか年上のようだが、朝食でもなく、昼食とも言えない、午後の半端な時間にコンビニで買い物をしていくので、営業か何かの人で、そんな時間にしかご飯が食べられないのだろうと、2人は勝手に想像していた。
顔馴染みの客とはいえ、あいさつをする程度で、そんなことを突っ込んで聞けるほどの仲ではなくて、実は彼の本当の名前すら知らない。
「あ、傘置いてきちゃった! ちょっと待ってて」
2人して、ケラケラ笑いながら店を出たところで、睦月の手にしていた傘を見て、自分の手元に持ってきたはずの傘がないことに気が付いた和衣が、再び店に中に戻っていった。
睦月は来客の邪魔にならないように、ドアから少し離れて、店の軒下で和衣のことを待つ。
ぐずついた空。
強くなって来た風に、睦月は心の中がざわついて、店内に戻って和衣を待とうとしたが、それより先に掛けられた声に、顔を上げた。
「あ、やぁ、ども」
ちょうど噂になっていた「冷やしラーメン男」だ。
「あ、どうも…」
「今日はもうバイト、終わっちゃったんすか?」
睦月が軽く会釈すれば、冷やしラーメン男が話し掛けてきた。
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