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八月 瑠璃色の夕べに君はいない (3)
2008.12.28 Sun
「なら、いいや。もしカズちゃんに嫌われたんだとしらたら、ヤダなって思ってたけど、じゃないならいいや」
「…いいの?」
「何が?」
「何で、とか…そういうの」
祐介との仲に、勝手に嫉妬していただなんて、本当は言いたくないけれど。
でも、睦月のことをこれだけ傷付けておいて、何も話さないままでいられるはずはないと思う。
「…ゆっち?」
「え、」
ベッドから降りて床に座った睦月は、和衣の手を引いて、自分の前に座らせた。
「もし違ってたら、ゴメンね? あのさ、カズちゃんが何か俺のこと避けてたのって、ゆっち、関係してる?」
2人しかいない部屋だけれど、もし廊下を通る誰かに聞かれてはと、睦月は声を潜めた。
「むっちゃん…?」
「カズちゃんて、ゆっちのこと好きなの?」
「あ、う…」
真正面に指摘されて、和衣の顔が一気に赤くなる。
これだけ分かりやすければ、今さら否定するまでもなくて、睦月は「やっぱりそうなんだ」と納得している。
「お、俺…そんなに分かりやすい…?」
亮や翔真が睦月に勝手に話したとは思えない。
だとすれば、睦月は自分の態度を見てそう判断したわけで。
そうなると、ひた隠しにしているはずのこの気持ち、何も言わないだけで、実は祐介にバレバレだったのだろうか。
「結構分かりやすいかも。だって俺だけだとわりと普通なのに、俺がゆっちと喋ってると、何か拗ねた顔してるから」
「うぅ…」
「でもゆっち、気付いてないと思うよ。だって、カズちゃんの態度が変だってことも、さっきまで気付いてなかったみたいだし」
意外と鈍感なんだよねー、なんて、祐介が聞いたら、「お前に言われたくない」ときっぱり突っ込まれそうなことを、睦月は無邪気に言い放つ。
和衣にしてみても、態度で祐介にバレてないのは良かったけれど、そこまで全然気付かれていないと言うのも、何だかちょっと切ない。
「前も言ったけどさ、俺とゆっちはただの幼馴染みだから。勝手にヤキモチ妬かれても、ちょっと困る……てか、避けられると、ちょっと傷付くし」
「…ゴメン」
「ん、でも、しょうがないよね。頭で分かってたって、ねぇ?」
そう言って睦月は笑顔を見せるから、もうすでに壊れ切っている和衣の涙腺は、再び涙を零し始めた。
「また泣くー」
「らってー!」
グズグズと鼻を啜っている和衣の顔をティシューで拭ってやれば、優しくされるとさらに涙が出てしまうようで、拭っても拭っても和衣の涙は止まらない。
「もー、明日きっと顔ひどいよー? そんなに泣くと」
「分かってるよぉ!」
和衣だって、いいかげん泣き止みたいのだ。
でも睦月に今までの態度を許してもらえたのと、祐介への気持ちを知ってもらえた安心感で、ちっとも涙は止まってくれない。
「カズちゃんの泣き虫ー」
「違う!」
「違わないー」
「違うってば!」
「…いいの?」
「何が?」
「何で、とか…そういうの」
祐介との仲に、勝手に嫉妬していただなんて、本当は言いたくないけれど。
でも、睦月のことをこれだけ傷付けておいて、何も話さないままでいられるはずはないと思う。
「…ゆっち?」
「え、」
ベッドから降りて床に座った睦月は、和衣の手を引いて、自分の前に座らせた。
「もし違ってたら、ゴメンね? あのさ、カズちゃんが何か俺のこと避けてたのって、ゆっち、関係してる?」
2人しかいない部屋だけれど、もし廊下を通る誰かに聞かれてはと、睦月は声を潜めた。
「むっちゃん…?」
「カズちゃんて、ゆっちのこと好きなの?」
「あ、う…」
真正面に指摘されて、和衣の顔が一気に赤くなる。
これだけ分かりやすければ、今さら否定するまでもなくて、睦月は「やっぱりそうなんだ」と納得している。
「お、俺…そんなに分かりやすい…?」
亮や翔真が睦月に勝手に話したとは思えない。
だとすれば、睦月は自分の態度を見てそう判断したわけで。
そうなると、ひた隠しにしているはずのこの気持ち、何も言わないだけで、実は祐介にバレバレだったのだろうか。
「結構分かりやすいかも。だって俺だけだとわりと普通なのに、俺がゆっちと喋ってると、何か拗ねた顔してるから」
「うぅ…」
「でもゆっち、気付いてないと思うよ。だって、カズちゃんの態度が変だってことも、さっきまで気付いてなかったみたいだし」
意外と鈍感なんだよねー、なんて、祐介が聞いたら、「お前に言われたくない」ときっぱり突っ込まれそうなことを、睦月は無邪気に言い放つ。
和衣にしてみても、態度で祐介にバレてないのは良かったけれど、そこまで全然気付かれていないと言うのも、何だかちょっと切ない。
「前も言ったけどさ、俺とゆっちはただの幼馴染みだから。勝手にヤキモチ妬かれても、ちょっと困る……てか、避けられると、ちょっと傷付くし」
「…ゴメン」
「ん、でも、しょうがないよね。頭で分かってたって、ねぇ?」
そう言って睦月は笑顔を見せるから、もうすでに壊れ切っている和衣の涙腺は、再び涙を零し始めた。
「また泣くー」
「らってー!」
グズグズと鼻を啜っている和衣の顔をティシューで拭ってやれば、優しくされるとさらに涙が出てしまうようで、拭っても拭っても和衣の涙は止まらない。
「もー、明日きっと顔ひどいよー? そんなに泣くと」
「分かってるよぉ!」
和衣だって、いいかげん泣き止みたいのだ。
でも睦月に今までの態度を許してもらえたのと、祐介への気持ちを知ってもらえた安心感で、ちっとも涙は止まってくれない。
「カズちゃんの泣き虫ー」
「違う!」
「違わないー」
「違うってば!」
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COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ あぁあん♪
この子犬か子猫がじゃれあってるような感じはなんでしょう!!
くぅ~~~萌える!!
むっちゃん意外と鋭かったですね(*´∀`*)
カズちゃんが泣いちゃうのも分かるなぁ~。
ずっと罪悪感抱えながら、でも止められなくて悩んでて。
さぁさぁ、今後どうなるのか!!
くぅ~~~萌える!!
むっちゃん意外と鋭かったですね(*´∀`*)
カズちゃんが泣いちゃうのも分かるなぁ~。
ずっと罪悪感抱えながら、でも止められなくて悩んでて。
さぁさぁ、今後どうなるのか!!
りり ⇒ はぁ~かあわいいぃ~
かわゆい…。
まさに子猫たんがじゃれあってる…
前足ですりすりしてる感じ。
川井すぎるよう(誤変換のままでいってみました
むっちゃんには伝わったけど肝心のゆっちは?
まさに子猫たんがじゃれあってる…
前足ですりすりしてる感じ。
川井すぎるよう(誤変換のままでいってみました
むっちゃんには伝わったけど肝心のゆっちは?
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
ザ・かわい子ちゃんズ。
モフモフっとした小動物を想像していただければ…。
むっちゃんもむっちゃんなりに、いろいろ考えたんでしょうね。
自分の限りなく少ない恋愛経験値をフル活用して…。
これでようやく1つお話が動いた感じです。
まだまだ先は長いですが…。
コメントありがとうございました!
モフモフっとした小動物を想像していただければ…。
むっちゃんもむっちゃんなりに、いろいろ考えたんでしょうね。
自分の限りなく少ない恋愛経験値をフル活用して…。
これでようやく1つお話が動いた感じです。
まだまだ先は長いですが…。
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >りりさん
ニャンコちゃんズ。
>前足ですりすりしてる感じ。
むはっ。
想像して、ますます萌え~!!
すりすり…。
ゆっちのほうは……むっちゃん曰く、「鈍感」なんで、ねぇ…?
コメントありがとうございました!
>前足ですりすりしてる感じ。
むはっ。
想像して、ますます萌え~!!
すりすり…。
ゆっちのほうは……むっちゃん曰く、「鈍感」なんで、ねぇ…?
コメントありがとうございました!