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wish (12)
2010.01.02 Sat
掛けられた声に、遥琉は顔を上げて辺りを見回したが、周りには声を掛けてきたと思われる、3人組の男たち以外はいない。
「…俺?」
見覚えのない顔に、遥琉は警戒しながら聞き返した。
「そうそう。何か困ってんじゃないの?」
別の男は笑顔のまま遥琉のほうに近付いてきた。
まだ試験にも合格していないダメ天使でも、遥琉だって天使の端くれ。人間の纏っている気配やオーラには敏感だ。
コイツらは、絶対ヤバイ。
「何か用ですか?」
「そんなおっかない顔しないでよー。つーかさ、そんなカッコで寒くないわけ? どっかあったかいとこ行って、遊ばない?」
「遊ばないです。俺、別に寒くないし…」
生真面目に返事をする遥琉に、男たちがバカにしたように笑っている。
これ以上、コイツらには関わりたくない。そう思って、背を向けようとしたが、周りを取り囲まれてしまって、逃げ場がない。
「つーか、何、男の子?」
「いーじゃん、男でも」
「まぁな」
ニヤニヤ笑いながら、男たちは目配せし合っている。
何がいいのか分からないけれど、相手にしたくない。
「なぁなぁ、俺たちと遊ぼーぜ?」
「やめっ…」
馴れ馴れしく肩を組まれて、その嫌悪感に遥琉は、思わずその腕を振り解いた。
大した力だとも思わなかったが、嫌だという思いがよほど現れてしまったのか、振り払われた男は2,3歩後ずさるほどだった。
「てめっ…!」
まさかこんな女みたいな、しかも人間から見たらイカれたような格好をしている男の子に、こんなに力強く払われるとも思っていなかったのだろう、男は遥琉の胸倉を掴んだ。
『きゃんっ!!』
途端、腕の中の子犬が、男に大きく吠えた。
男は大きく舌打ちして、乱暴に遥琉の服から手を離した。その勢いで遥琉はよろけたけれど、今度は背後にいた別の男に掴まった。
「何だよ、この犬」
男が毛布ごと犬を遥琉から取り上げた。
「ちょっ…返してよっ!」
遥琉は、奪われた子犬を何とか取り返そうとするけれど、他方の男に腕を捕まれ、逃れられない。
まさか自分がこの男たちの誘いを断ったせいで、この子犬に万が一のことがあったら、とても耐え切れない。
そんなこと、絶対に嫌だ。
「あんな犬なんてどうでもいいじゃん。それよりさぁ、俺たちと一緒に遊ぼうぜ?」
「やだぁっ、やめてよぉっ!」
遥琉がどんなに手を伸ばしても、男たちは揶揄うように犬を遥琉に近づけたり遠ざけたりする。
「返してっ!!」
「…俺?」
見覚えのない顔に、遥琉は警戒しながら聞き返した。
「そうそう。何か困ってんじゃないの?」
別の男は笑顔のまま遥琉のほうに近付いてきた。
まだ試験にも合格していないダメ天使でも、遥琉だって天使の端くれ。人間の纏っている気配やオーラには敏感だ。
コイツらは、絶対ヤバイ。
「何か用ですか?」
「そんなおっかない顔しないでよー。つーかさ、そんなカッコで寒くないわけ? どっかあったかいとこ行って、遊ばない?」
「遊ばないです。俺、別に寒くないし…」
生真面目に返事をする遥琉に、男たちがバカにしたように笑っている。
これ以上、コイツらには関わりたくない。そう思って、背を向けようとしたが、周りを取り囲まれてしまって、逃げ場がない。
「つーか、何、男の子?」
「いーじゃん、男でも」
「まぁな」
ニヤニヤ笑いながら、男たちは目配せし合っている。
何がいいのか分からないけれど、相手にしたくない。
「なぁなぁ、俺たちと遊ぼーぜ?」
「やめっ…」
馴れ馴れしく肩を組まれて、その嫌悪感に遥琉は、思わずその腕を振り解いた。
大した力だとも思わなかったが、嫌だという思いがよほど現れてしまったのか、振り払われた男は2,3歩後ずさるほどだった。
「てめっ…!」
まさかこんな女みたいな、しかも人間から見たらイカれたような格好をしている男の子に、こんなに力強く払われるとも思っていなかったのだろう、男は遥琉の胸倉を掴んだ。
『きゃんっ!!』
途端、腕の中の子犬が、男に大きく吠えた。
男は大きく舌打ちして、乱暴に遥琉の服から手を離した。その勢いで遥琉はよろけたけれど、今度は背後にいた別の男に掴まった。
「何だよ、この犬」
男が毛布ごと犬を遥琉から取り上げた。
「ちょっ…返してよっ!」
遥琉は、奪われた子犬を何とか取り返そうとするけれど、他方の男に腕を捕まれ、逃れられない。
まさか自分がこの男たちの誘いを断ったせいで、この子犬に万が一のことがあったら、とても耐え切れない。
そんなこと、絶対に嫌だ。
「あんな犬なんてどうでもいいじゃん。それよりさぁ、俺たちと一緒に遊ぼうぜ?」
「やだぁっ、やめてよぉっ!」
遥琉がどんなに手を伸ばしても、男たちは揶揄うように犬を遥琉に近づけたり遠ざけたりする。
「返してっ!!」
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