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その愛を見せてごらん (1)
2009.10.28 Wed
……あ、雨。
ポツリ、ポツリと窓ガラスに当たる雨粒。
(そういえば悠ちゃん、傘持ってったのかな…?)
モソリと毛布の中から抜け出した拓海は、窓のほうを見遣った。
最近コンビニ大好きの悠也は、夜明けとほぼ同時に早速「コンビニ行きたい」と言い出した。
まだ眠い拓海は当然それを断わったのだが、すると悠也は、「まだ寝てていいよ、1人で行ってくるし。何か欲しいもんとか、ある?」とか言う。
それで結局、悠也が1人でコンビニに行くことになったわけで。
悠也に寝ててもいいとは言われたものの、何となく寝付けなくて、拓海はベッドの中でぼんやりと悠也の帰りを待っていた。
(……起きるか…)
拓海がだるい体を起こして、脱ぎっ放しのままになっていたシャツを羽織ると、玄関のほうから鍵を開ける音が響いた。
「お帰りなさい。雨、大丈夫だった?」
「あれ、起きた?」
リビングにやって来た拓海の姿を見つけて、悠也は少し驚いたように眉を上げた。まだ7時だ。拓海自身だって、ちょっと驚く。
でも、そんな時間にコンビニから普通に帰ってくる悠也にも普通にビビるけど。
「悠ちゃん、濡れてんじゃん」
「あ、途中で雨降ってきちゃって」
悠也はいたって普通に答えるけれど、それは決して小雨に当たった程度の濡れ方ではない。
白いシャツは肌に張り付いているし、濡れた前髪の先は細く尖っている。
「何普通に答えてんの! 風邪引くよっ! 寒くない?」
「ちょっと寒いかな…」
「笑ってる場合じゃないでしょ、早く拭かないと、」
「唇、青い?」
「それはプールから上がった子どもでしょ?」
まるで他人事のようにのん気な悠也に、拓海はすっかり毒気を抜かれてしまう。
けれど視線を向けた悠也の唇は、確かにほんのり色をなくしていて、彼の体が本当に冷えているのだと知る。
拓海は思わず悠也の体を抱き締めた。
「ちょ…拓海、濡れ…」
「悠ちゃんの体、すごい冷えてる」
「…ッ」
肩口に顔を埋めていた拓海が、悠也の首筋に舌を這わせた。
「ちょ、待っ…」
「ダメ、待たない」
片手で悠也の背中を抱き、もう片方の手で顎を押さえて唇を奪う。悠也は身を捩って逃げようとしたけれど、拓海はそれを許さず、唇を割って舌を滑り込ませてきた。クチュリ。
「ぅん…、拓海…」
ドサッ……悠也が手にしていたコンビニの袋が床に落ちた。
角度を変えて、深く口付ける。逃げる舌を追い駆けて、絡め合わせて。悠也の足が震える。寒さのせいじゃない。
「はぁ…」
長い口付けから解放されて、悠也は大きく息をついた。
ポツリ、ポツリと窓ガラスに当たる雨粒。
(そういえば悠ちゃん、傘持ってったのかな…?)
モソリと毛布の中から抜け出した拓海は、窓のほうを見遣った。
最近コンビニ大好きの悠也は、夜明けとほぼ同時に早速「コンビニ行きたい」と言い出した。
まだ眠い拓海は当然それを断わったのだが、すると悠也は、「まだ寝てていいよ、1人で行ってくるし。何か欲しいもんとか、ある?」とか言う。
それで結局、悠也が1人でコンビニに行くことになったわけで。
悠也に寝ててもいいとは言われたものの、何となく寝付けなくて、拓海はベッドの中でぼんやりと悠也の帰りを待っていた。
(……起きるか…)
拓海がだるい体を起こして、脱ぎっ放しのままになっていたシャツを羽織ると、玄関のほうから鍵を開ける音が響いた。
「お帰りなさい。雨、大丈夫だった?」
「あれ、起きた?」
リビングにやって来た拓海の姿を見つけて、悠也は少し驚いたように眉を上げた。まだ7時だ。拓海自身だって、ちょっと驚く。
でも、そんな時間にコンビニから普通に帰ってくる悠也にも普通にビビるけど。
「悠ちゃん、濡れてんじゃん」
「あ、途中で雨降ってきちゃって」
悠也はいたって普通に答えるけれど、それは決して小雨に当たった程度の濡れ方ではない。
白いシャツは肌に張り付いているし、濡れた前髪の先は細く尖っている。
「何普通に答えてんの! 風邪引くよっ! 寒くない?」
「ちょっと寒いかな…」
「笑ってる場合じゃないでしょ、早く拭かないと、」
「唇、青い?」
「それはプールから上がった子どもでしょ?」
まるで他人事のようにのん気な悠也に、拓海はすっかり毒気を抜かれてしまう。
けれど視線を向けた悠也の唇は、確かにほんのり色をなくしていて、彼の体が本当に冷えているのだと知る。
拓海は思わず悠也の体を抱き締めた。
「ちょ…拓海、濡れ…」
「悠ちゃんの体、すごい冷えてる」
「…ッ」
肩口に顔を埋めていた拓海が、悠也の首筋に舌を這わせた。
「ちょ、待っ…」
「ダメ、待たない」
片手で悠也の背中を抱き、もう片方の手で顎を押さえて唇を奪う。悠也は身を捩って逃げようとしたけれど、拓海はそれを許さず、唇を割って舌を滑り込ませてきた。クチュリ。
「ぅん…、拓海…」
ドサッ……悠也が手にしていたコンビニの袋が床に落ちた。
角度を変えて、深く口付ける。逃げる舌を追い駆けて、絡め合わせて。悠也の足が震える。寒さのせいじゃない。
「はぁ…」
長い口付けから解放されて、悠也は大きく息をついた。
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柚子季杏 ⇒ きゃ~♪
お久しぶり~!!!
初っ端から何だかガッツリ捕まれちゃった柚子季ですww
悠ちゃ~ん、朝早くからコンビニって!
こりゃ拓ちん夜の頑張りが足りないか(黙れ
短編なのでしょか?続きが楽しみです(*´∀`*)
初っ端から何だかガッツリ捕まれちゃった柚子季ですww
悠ちゃ~ん、朝早くからコンビニって!
こりゃ拓ちん夜の頑張りが足りないか(黙れ
短編なのでしょか?続きが楽しみです(*´∀`*)
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> お久しぶり~!!!
> 初っ端から何だかガッツリ捕まれちゃった柚子季ですww
ありがとうございます~。
忘れたころに登場の、メインカプ悠ちゃんです。
久々ですが、存在感はバッチリですね(笑)
> 悠ちゃ~ん、朝早くからコンビニって!
> こりゃ拓ちん夜の頑張りが足りないか(黙れ
気まぐれ全開ですね。
拓海くんの夜のがんばりは……ねぇ? ←え
コメントありがとうございました!
> 初っ端から何だかガッツリ捕まれちゃった柚子季ですww
ありがとうございます~。
忘れたころに登場の、メインカプ悠ちゃんです。
久々ですが、存在感はバッチリですね(笑)
> 悠ちゃ~ん、朝早くからコンビニって!
> こりゃ拓ちん夜の頑張りが足りないか(黙れ
気まぐれ全開ですね。
拓海くんの夜のがんばりは……ねぇ? ←え
コメントありがとうございました!