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Sweet Morning (前編)
2009.03.02 Mon
「……どこ行くんだよ」
ベッドを降りてジーンズを穿き、シャツ着ようとしたところで、てっきり寝ているものだとばかり思っていた悠也が、拓海の背中に声を掛けた。
「起きてたの?」
「今、起きた。ねぇ、どこ行くの?」
頭までシーツを被って、目の辺りだけちょこんと覗かせて、本人には悪いが果てしなくかわいい。
「かわいい」なんて口に出そうものなら、その100倍も文句が返って来るのが目に見えているので何も言わないが。
「コンビニ。タバコ切れたから」
テーブルの上の、空になって潰したタバコのボックスを悠也に見せた。
「行くな」
「へ?」
「行くなっつってんの!」
ベッドの上で丸まったまま、悠也は声を張り上げた。
「冷蔵庫の中、何もないから、ついでに買ってくるけど? 腹減ってるでしょ?」
「でも行くな」
昨日の夜はろくに食事も出来なかったから(そうした原因を作ったのは、帰るなり悠也を求めた拓海なのだけれど)、悠也が寝ているうちに朝食を買ってきてやろうと思ったのだが…。
「しょうがないなぁ」
とりあえず手にしたシャツを羽織って、拓海はベッドの端に腰を下ろした。
「どうしたの? 朝からゴキゲンナナメだね」
「別に。眠いだけだし」
そう言う悠也の瞳はトロンとしていて、まぶたも重そうで、いつまた寝入ってもおかしくはない状態なのに。
「だったらもう少し寝てなよ」
その間にコンビニ行ってくるし―――癖の付いた悠也の髪に指を絡ませながらそう言っても、悠也は「行くな」と繰り返す。
拓海も「しょうがねぇなぁ」と繰り返し、溜め息をつく。
その瞬間。
「ひゃあっ!」
普段の拓海からは想像もつかないような声が、その口をついて出た。
「何すんだよっ!」
声を荒げながら、拓海は開いていたシャツの前を手で押さえた。悠也が、肌蹴ていた拓海のわき腹をギュッと鷲掴みにしたのだ。
「だって、すげぇ腹筋だなぁと思って」
何の悪びれたふうもなく、悠也は無邪気な笑顔を見せた。
かわいい顔に見合わず、筋肉大好きな悠也の相変わらずな発言。
鍛え方からしたら、悠也のほうが格段に上を行っているが、どうやら自分は筋肉の付きやすい体質をしているのか、いつも悠也に羨ましがられているのだ。
「悠ちゃんねぇ…、あんまりかわいいこと言ってると、朝から襲っちゃうよ?」
シーツから出ていた悠也の左手を掴んで、シーツをはがすと、その細い体を組み敷く。そして口付けようとした瞬間、
「ダメ!」
近づいてきた顔を、空いていた右手で押さえた。
「おい…」
「ダーメ!」
いきなりお預けを食らわされた拓海は不満そうな顔をしているが、悠也は構うことなくシーツを奪い返して、ベッドの隅に転がって逃げた。
ベッドを降りてジーンズを穿き、シャツ着ようとしたところで、てっきり寝ているものだとばかり思っていた悠也が、拓海の背中に声を掛けた。
「起きてたの?」
「今、起きた。ねぇ、どこ行くの?」
頭までシーツを被って、目の辺りだけちょこんと覗かせて、本人には悪いが果てしなくかわいい。
「かわいい」なんて口に出そうものなら、その100倍も文句が返って来るのが目に見えているので何も言わないが。
「コンビニ。タバコ切れたから」
テーブルの上の、空になって潰したタバコのボックスを悠也に見せた。
「行くな」
「へ?」
「行くなっつってんの!」
ベッドの上で丸まったまま、悠也は声を張り上げた。
「冷蔵庫の中、何もないから、ついでに買ってくるけど? 腹減ってるでしょ?」
「でも行くな」
昨日の夜はろくに食事も出来なかったから(そうした原因を作ったのは、帰るなり悠也を求めた拓海なのだけれど)、悠也が寝ているうちに朝食を買ってきてやろうと思ったのだが…。
「しょうがないなぁ」
とりあえず手にしたシャツを羽織って、拓海はベッドの端に腰を下ろした。
「どうしたの? 朝からゴキゲンナナメだね」
「別に。眠いだけだし」
そう言う悠也の瞳はトロンとしていて、まぶたも重そうで、いつまた寝入ってもおかしくはない状態なのに。
「だったらもう少し寝てなよ」
その間にコンビニ行ってくるし―――癖の付いた悠也の髪に指を絡ませながらそう言っても、悠也は「行くな」と繰り返す。
拓海も「しょうがねぇなぁ」と繰り返し、溜め息をつく。
その瞬間。
「ひゃあっ!」
普段の拓海からは想像もつかないような声が、その口をついて出た。
「何すんだよっ!」
声を荒げながら、拓海は開いていたシャツの前を手で押さえた。悠也が、肌蹴ていた拓海のわき腹をギュッと鷲掴みにしたのだ。
「だって、すげぇ腹筋だなぁと思って」
何の悪びれたふうもなく、悠也は無邪気な笑顔を見せた。
かわいい顔に見合わず、筋肉大好きな悠也の相変わらずな発言。
鍛え方からしたら、悠也のほうが格段に上を行っているが、どうやら自分は筋肉の付きやすい体質をしているのか、いつも悠也に羨ましがられているのだ。
「悠ちゃんねぇ…、あんまりかわいいこと言ってると、朝から襲っちゃうよ?」
シーツから出ていた悠也の左手を掴んで、シーツをはがすと、その細い体を組み敷く。そして口付けようとした瞬間、
「ダメ!」
近づいてきた顔を、空いていた右手で押さえた。
「おい…」
「ダーメ!」
いきなりお預けを食らわされた拓海は不満そうな顔をしているが、悠也は構うことなくシーツを奪い返して、ベッドの隅に転がって逃げた。
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- Sweet Morning (後編) (2009/03/03)
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COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ あぁああぁあ!
久々の2人に思わず手が動く(汗
読み逃げさせていただこうかと思ってたのに~(´∀`;)
んもぅ~~~拓海…好きだww
悠ちゃんも相変わらず強いですねwww
悠ちゃんの「行くな」に秘められたものはなんだろ~?
単に寂しい??
いやん、気になる~~!!
読み逃げさせていただこうかと思ってたのに~(´∀`;)
んもぅ~~~拓海…好きだww
悠ちゃんも相変わらず強いですねwww
悠ちゃんの「行くな」に秘められたものはなんだろ~?
単に寂しい??
いやん、気になる~~!!
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> 久々の2人に思わず手が動く(汗
> 読み逃げさせていただこうかと思ってたのに~(´∀`;)
ひぃ…私も、携帯からだったので、柚子季さんとこ読み逃げだったのに、すみませんっ…!
(携帯で文字打つの苦手…)
> 悠ちゃんも相変わらず強いですねwww
かわいい顔して、ホントに女王様ですよ、悠ちゃんは。
「行くな」の真相は、後編で明らかになります~。
コメントありがとうございました!
> 読み逃げさせていただこうかと思ってたのに~(´∀`;)
ひぃ…私も、携帯からだったので、柚子季さんとこ読み逃げだったのに、すみませんっ…!
(携帯で文字打つの苦手…)
> 悠ちゃんも相変わらず強いですねwww
かわいい顔して、ホントに女王様ですよ、悠ちゃんは。
「行くな」の真相は、後編で明らかになります~。
コメントありがとうございました!
りり ⇒ 久々のこのふたり
お帰りなさいませ如月さま!&このカプ!!
悠ちゃん触っておいてダメ、て…(笑
相変わらずな女王様っぷりが可愛いです。
腹筋フェチ、罪なんだから!
また会えて嬉しいです。
こういう風に、短めのストーリーがシリーズになっているのも楽しいですね。
懐かしいお友達に会えた、みたいな感じです。
悠ちゃん触っておいてダメ、て…(笑
相変わらずな女王様っぷりが可愛いです。
腹筋フェチ、罪なんだから!
また会えて嬉しいです。
こういう風に、短めのストーリーがシリーズになっているのも楽しいですね。
懐かしいお友達に会えた、みたいな感じです。
如月久美子 ⇒ >りりさん
久々にツンデレの神様が降臨しました。
かわいい顔して筋肉大好き! 拓海の腹筋大好き! →好きだから触っちゃえ! の分かりやすい悠ちゃんの行動。
罪な男です。
> こういう風に、短めのストーリーがシリーズになっているのも楽しいですね。
> 懐かしいお友達に会えた、みたいな感じです。
ありがとうございます。
懐かしいお友達に~、なんて、素敵な言葉で表現してもらえて、とっても嬉しいです~。
コメントありがとうございました!
かわいい顔して筋肉大好き! 拓海の腹筋大好き! →好きだから触っちゃえ! の分かりやすい悠ちゃんの行動。
罪な男です。
> こういう風に、短めのストーリーがシリーズになっているのも楽しいですね。
> 懐かしいお友達に会えた、みたいな感じです。
ありがとうございます。
懐かしいお友達に~、なんて、素敵な言葉で表現してもらえて、とっても嬉しいです~。
コメントありがとうございました!