スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
この月が昇らなくなるその日まで、ずっとずっと一緒にいよう
2008.10.17 Fri
夜の海。
人影もなくて、揺れる波にいびつな形の月がポッカリと落ちていた。
こんな時期に『海に行きたい』だなんて言うから、どんだけセンチメンタルな気分に浸ってんだろうって思ってたのに、着いてみれば、悠ちゃんは裸足になって無邪気に波と戯れている。
「拓海ー、何やってんだよー、早くー」
両手を振って俺を呼ぶ悠ちゃん。ホント、子供みたい。
俺は脱ぎ捨てられている悠ちゃんの靴を持って、波打ち際に向かう。
「水、冷たいでしょ?」
「へーき。拓海も」
「俺はいいよ。あーホラ、ジーンズ濡れてる」
適当に捲り上げた悠ちゃんのダメージジーンズは、裾がすっかり濡れてる。俺は悠ちゃんの体を引き寄せた。
「あぁん、何?」
急に腕を引いたもんだから、バランスを崩した悠ちゃんの体は、すっぽりと俺の腕の中に収まる。バシャバシャと水飛沫が上がって、俺のジーンズまで濡れた。
「拓海ー?」
クリクリした目で覗き込んでくる悠ちゃん…………かわいい……。
「もうおしまい。風邪引いちゃうでしょ?」
「何で? 平気なのに」
プクッと頬を膨らませて…………子供みたい。
潮風に揺れる悠ちゃんの髪を梳いて、細い体を抱き締める。
「拓海?」
「好き」
耳元で囁くと、おずおずと悠ちゃんが俺の背中に腕を回してきた。
「俺も、好き、だよ…」
悠ちゃんのふわふわの髪にキスを落として。
「拓海、」
「ん?」
「寒い…」
やっぱりね。
風も冷たいし、水も冷たいし、足は濡れちゃってるし、寒くないわけがない。
「もう、帰ろう?」
「や、」
「寒いんでしょ?」
「寒い……だからもっとギュッとして……」
―――……あっためてくれる?
悠ちゃんは聞こえるか聞こえないかくらいのちっちゃな声でそう言って、俺の肩口に顔をうずめた。
「りょーかい」
月明かりの下。
恥ずかしながらかわいいことを言ってくれる悠ちゃんの体を、抱き締めた。
心地良い体温と、波の音。
悠ちゃんが、いつもあんまりにもなんで、ちょっこっと素直な感じにしてみました。拓海くんのこと、好きなのよ。
人影もなくて、揺れる波にいびつな形の月がポッカリと落ちていた。
こんな時期に『海に行きたい』だなんて言うから、どんだけセンチメンタルな気分に浸ってんだろうって思ってたのに、着いてみれば、悠ちゃんは裸足になって無邪気に波と戯れている。
「拓海ー、何やってんだよー、早くー」
両手を振って俺を呼ぶ悠ちゃん。ホント、子供みたい。
俺は脱ぎ捨てられている悠ちゃんの靴を持って、波打ち際に向かう。
「水、冷たいでしょ?」
「へーき。拓海も」
「俺はいいよ。あーホラ、ジーンズ濡れてる」
適当に捲り上げた悠ちゃんのダメージジーンズは、裾がすっかり濡れてる。俺は悠ちゃんの体を引き寄せた。
「あぁん、何?」
急に腕を引いたもんだから、バランスを崩した悠ちゃんの体は、すっぽりと俺の腕の中に収まる。バシャバシャと水飛沫が上がって、俺のジーンズまで濡れた。
「拓海ー?」
クリクリした目で覗き込んでくる悠ちゃん…………かわいい……。
「もうおしまい。風邪引いちゃうでしょ?」
「何で? 平気なのに」
プクッと頬を膨らませて…………子供みたい。
潮風に揺れる悠ちゃんの髪を梳いて、細い体を抱き締める。
「拓海?」
「好き」
耳元で囁くと、おずおずと悠ちゃんが俺の背中に腕を回してきた。
「俺も、好き、だよ…」
悠ちゃんのふわふわの髪にキスを落として。
「拓海、」
「ん?」
「寒い…」
やっぱりね。
風も冷たいし、水も冷たいし、足は濡れちゃってるし、寒くないわけがない。
「もう、帰ろう?」
「や、」
「寒いんでしょ?」
「寒い……だからもっとギュッとして……」
―――……あっためてくれる?
悠ちゃんは聞こえるか聞こえないかくらいのちっちゃな声でそう言って、俺の肩口に顔をうずめた。
「りょーかい」
月明かりの下。
恥ずかしながらかわいいことを言ってくれる悠ちゃんの体を、抱き締めた。
心地良い体温と、波の音。
悠ちゃんが、いつもあんまりにもなんで、ちょっこっと素直な感じにしてみました。拓海くんのこと、好きなのよ。
- 関連記事
-
- Sweet Morning (前編) (2009/03/02)
- この月が昇らなくなるその日まで、ずっとずっと一緒にいよう (2008/10/17)
- それは幸せ (2008/10/12)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
コメントの投稿はこちらから ♥
COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ (●´д`●´д`●´д`●)ポポポッ
なんすかなんすかなんかーー!!
あぁ~~朝から悶える・・・・・。
素直な悠ちゃん、可愛い~!
ツンデレ最高♪って、悠ちゃんのための言葉すね( ´艸`)ムププ♪
あぁ~~朝から悶える・・・・・。
素直な悠ちゃん、可愛い~!
ツンデレ最高♪って、悠ちゃんのための言葉すね( ´艸`)ムププ♪
りり ⇒ おはようございます!
さとうかずみ ⇒ こんにちは~
月ノ ⇒ はあぁ~
悠ちゃんが・・・悠ちゃんが・・・・・(悶)
拓海君もこりゃあ甘やかしたくなるわな。うん。
でも素直な悠ちゃんも可愛いな~。
こういう系も萌えます~♪
拓海君もこりゃあ甘やかしたくなるわな。うん。
でも素直な悠ちゃんも可愛いな~。
こういう系も萌えます~♪
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
まさにツンデレの神様、悠ちゃん!
こういうときは素直になるんです!!
いや、何か普段が普段なんで、ここぞとばかりに素直にさせてみました。
コメントありがとうございました!!
こういうときは素直になるんです!!
いや、何か普段が普段なんで、ここぞとばかりに素直にさせてみました。
コメントありがとうございました!!
如月久美子 ⇒ >りりさん
悠ちゃん、子どもですよね~。
メインカプの中では、彼が最年長の24歳なんですが(苦笑)
何だかんだで、拓海くん大好き(笑)
コメントありがとうございました!!
メインカプの中では、彼が最年長の24歳なんですが(苦笑)
何だかんだで、拓海くん大好き(笑)
コメントありがとうございました!!
如月久美子 ⇒ >さとうさん
初めまして。
ご訪問、ありがとうございます!
一人称で情景描写とか、無謀なことをしていると思ってたんですが、そう言ってもらえて、嬉しいです~(涙)
コメントありがとうございました!!
ご訪問、ありがとうございます!
一人称で情景描写とか、無謀なことをしていると思ってたんですが、そう言ってもらえて、嬉しいです~(涙)
コメントありがとうございました!!
如月久美子 ⇒ >月ノさん
月ノさんの、萌え、いただきました~!!!
ツンデレの神様、ここに降臨です!
こんな素直な顔されるから、拓海くんもついつい甘やかしちゃうわけで。
手のひらで転がされてる、てまさにこのことかと。
コメントありがとうございました!!
ツンデレの神様、ここに降臨です!
こんな素直な顔されるから、拓海くんもついつい甘やかしちゃうわけで。
手のひらで転がされてる、てまさにこのことかと。
コメントありがとうございました!!