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夕暮れラブソング ~甘い運命 番外編
2009.03.01 Sun
コンビニに寄ってから帰ろうと提案したのは晴海のほうで、理由を聞けば、家に何も食べるものがないと言う。
なら、外で食べればいいのに、とも思ったが、別にコンビニに寄ることを拒否する理由もなかったので、晴海と一緒に、家から最寄りのコンビニの前で車を降ろしてもらった。
「……なぁ、」
夕暮れ、コンビニ帰り。人通りの少ない路地裏で、章吾は隣を歩く晴海に声を掛けた。
「何でお前が2つも持ってんの?」
「は?」
唐突な章吾の問いに、晴海は首を傾げた。
「それ! 袋!」
「袋? これのこと?」
晴海が、一纏めにして持っていたコンビニの袋2つを掲げて章吾に見せてやると、彼は黙って頷いた。
袋の1つにはペットボトルのドリンクとデザートが入っていて、もう1つには弁当が入っている。
しかし、なぜ2つ持っているのかと問われても、別に1人で持てない量でも重さでもなく、晴海にしてみたら、どうしてそんなことを聞かれるのかといった思いだ。
「俺も1つ持つ」
「は? 何で? 別に章吾の分まで取ったりしないよ?」
「分かってるよ! そういう意味で言ってんじゃねぇ!」
「……じゃあ、何で?」
「2つあるんだから、1つ貸せよ!」
おもしろくなさそうな顔で片手を差し出す章吾に、晴海は眉を顰める。
どう見ても章吾は不機嫌だ。だが、なぜなのか分からない。そして、どうしてそこまで袋を持ちたがるのかも。
「どうしたの?」
「いいから貸せってば!」
「別にいいけどさ、…………何?」
とりあえず言われるがまま、弁当のほうの袋を章吾に渡した。章吾はそれを奪うように受け取ると、晴海の問いには答えず、さっさと歩いて行く。
「章吾、」
「るせぇ」
「まだ何も言ってないじゃん」
何を言ってもぶっきらぼうに突っ返してくる章吾に、晴海は肩を竦めた。
1つ貸せと言われたコンビニの袋も、そのとおりにしてやったわけだし、章吾の機嫌を損ねるようなまねをした覚えはないのに。
「……別にいいじゃん、お前が俺の分まで持つ必要とかなくね?」
「は?」
少しだけ前を歩く章吾の耳がほんのり赤いのは、この夕陽のせいではないだろう。
「ね、章吾、ちょっと待ってよ!」
「ぁんだよ! うるせぇな!」
満面の笑みで隣に並ぶ晴海の脇腹に、章吾は拳をくれてやる。
「ホント章吾、かわいーんだから」
「―――――ッ、どこが!?」
このいかつい坊主の、どこをどう見て晴海はそんなことを言うのだろうか。それでも少しの素直さがあればまだしも、恋人の前でも、少しも素直になれないのに。
「早く帰ろう、章吾」
「え? ギャッ!」
袋を持っていないほうの手を掴まれて、章吾はまったく以てかわいげのない悲鳴のような声を上げた。
「何す、はるっ…」
「早くしないと日が暮れちゃう」
「知るか! 放せ、バカ!」
「いいから、いいから」
「晴海ー!」
そういう素直じゃないところも好きなんだってこと、まだ、気付いてないのかな?
まぁ、当分教える気もないけどね。
なら、外で食べればいいのに、とも思ったが、別にコンビニに寄ることを拒否する理由もなかったので、晴海と一緒に、家から最寄りのコンビニの前で車を降ろしてもらった。
「……なぁ、」
夕暮れ、コンビニ帰り。人通りの少ない路地裏で、章吾は隣を歩く晴海に声を掛けた。
「何でお前が2つも持ってんの?」
「は?」
唐突な章吾の問いに、晴海は首を傾げた。
「それ! 袋!」
「袋? これのこと?」
晴海が、一纏めにして持っていたコンビニの袋2つを掲げて章吾に見せてやると、彼は黙って頷いた。
袋の1つにはペットボトルのドリンクとデザートが入っていて、もう1つには弁当が入っている。
しかし、なぜ2つ持っているのかと問われても、別に1人で持てない量でも重さでもなく、晴海にしてみたら、どうしてそんなことを聞かれるのかといった思いだ。
「俺も1つ持つ」
「は? 何で? 別に章吾の分まで取ったりしないよ?」
「分かってるよ! そういう意味で言ってんじゃねぇ!」
「……じゃあ、何で?」
「2つあるんだから、1つ貸せよ!」
おもしろくなさそうな顔で片手を差し出す章吾に、晴海は眉を顰める。
どう見ても章吾は不機嫌だ。だが、なぜなのか分からない。そして、どうしてそこまで袋を持ちたがるのかも。
「どうしたの?」
「いいから貸せってば!」
「別にいいけどさ、…………何?」
とりあえず言われるがまま、弁当のほうの袋を章吾に渡した。章吾はそれを奪うように受け取ると、晴海の問いには答えず、さっさと歩いて行く。
「章吾、」
「るせぇ」
「まだ何も言ってないじゃん」
何を言ってもぶっきらぼうに突っ返してくる章吾に、晴海は肩を竦めた。
1つ貸せと言われたコンビニの袋も、そのとおりにしてやったわけだし、章吾の機嫌を損ねるようなまねをした覚えはないのに。
「……別にいいじゃん、お前が俺の分まで持つ必要とかなくね?」
「は?」
少しだけ前を歩く章吾の耳がほんのり赤いのは、この夕陽のせいではないだろう。
「ね、章吾、ちょっと待ってよ!」
「ぁんだよ! うるせぇな!」
満面の笑みで隣に並ぶ晴海の脇腹に、章吾は拳をくれてやる。
「ホント章吾、かわいーんだから」
「―――――ッ、どこが!?」
このいかつい坊主の、どこをどう見て晴海はそんなことを言うのだろうか。それでも少しの素直さがあればまだしも、恋人の前でも、少しも素直になれないのに。
「早く帰ろう、章吾」
「え? ギャッ!」
袋を持っていないほうの手を掴まれて、章吾はまったく以てかわいげのない悲鳴のような声を上げた。
「何す、はるっ…」
「早くしないと日が暮れちゃう」
「知るか! 放せ、バカ!」
「いいから、いいから」
「晴海ー!」
そういう素直じゃないところも好きなんだってこと、まだ、気付いてないのかな?
まぁ、当分教える気もないけどね。
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柚子季杏 ⇒ (///∇//)テレテレ☆
なんすかこの萌える遣り取り!!
モジモジしちゃうよ(笑)
こういう日常の遣り取りって大好きです♪
惚れた欲目、どんなとこも好きって思っちゃうのよねぇ( ´艸`)ムププ♪
急いでお家帰ってどうするの?←
んもぅ~如月さんってば本当柚子季をモジモジさせるのがお上手!w
モジモジしちゃうよ(笑)
こういう日常の遣り取りって大好きです♪
惚れた欲目、どんなとこも好きって思っちゃうのよねぇ( ´艸`)ムププ♪
急いでお家帰ってどうするの?←
んもぅ~如月さんってば本当柚子季をモジモジさせるのがお上手!w
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
さり気なく、荷物を持って上げちゃってる晴海さん。
突っ込まれても気付かないくらい、さり気なしです。
> こういう日常の遣り取りって大好きです♪
ありがとうございます!
私も書くのは大好きなんですが、なかなかアップするチャンスがなく…。
楽しんでもらえれば幸いです。
> 急いでお家帰ってどうするの?←
あっ…。
……ですよね(笑)
コメントありがとうございました!
突っ込まれても気付かないくらい、さり気なしです。
> こういう日常の遣り取りって大好きです♪
ありがとうございます!
私も書くのは大好きなんですが、なかなかアップするチャンスがなく…。
楽しんでもらえれば幸いです。
> 急いでお家帰ってどうするの?←
あっ…。
……ですよね(笑)
コメントありがとうございました!