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甘い運命 (4)
2009.02.28 Sat
「だって俺、よく章吾のこと見てるんだけど、結構目が合うなぁ、って思ってたんだよね」
「ッ…、ちょっ……は?」
「それってやっぱ、俺の気のせい? 章吾の言うみたいに、俺って自意識過剰なのかな?」
「おい、ちょっ…待てよ」
「何?」
「お前、今何つった?」
聞き捨てならない晴海のセリフに、網の上で肉が焦げるのも気に留めず、章吾は晴海に詰め寄る。
「『俺って自意識過剰なのかなぁ?』」
「そこじゃねぇよ」
「『それってやっぱ、俺の気のせい?』」
「もっと前!」
「もっと前? ……何だっけ?」
「お前はニワトリかっ!? おま、俺のこと見てるって…」
「あぁ、それ。うん、見てるよ。そりゃだって、好きな子のことは見ていたいじゃない? あ、言っちゃった。わっ、焦げてる焦げてる!」
「………………」
とんでもないセリフをサラリと吐いた後、言ったこと自体を認めておきながら、どうしてこの男、焦げた肉の心配なんかしているんだろう。
章吾には、それがたまらなくおかしかった。
「…何笑ってんの? 肉焦げてんのに」
「肉に笑ってんじゃねぇよ。はぐらかすな、バカ晴海」
「いやー、だってはぐらかしたくもなるでしょ。普通告白っていったら、もっとロマンチックな雰囲気の中でやるもんじゃない? それを肉焼いてる最中にうっかり口走っちゃったらねぇ」
うっかり告白して焦っているはずなのに、晴海にはそんな雰囲気まるでなくて、いつもの冷静な彼のままだ。
だから余計に、章吾はその言葉の真意を測り損ねている。
「お前、マジで言ってんの…?」
「うん。あ、もしかして嫌だった? ゴメンねー」
「謝り方に全然心が籠ってねぇ…。てか、何でお前、そんなに普通なの? 今告ったんだろ? 返事とか、気になんねぇの…?」
「いい返事を期待してるよ。あ、悪い返事だとしても、大丈夫、ここの分はちゃんと奢るから。それは約束だからね」
だから遠慮せずに、自分の素直な気持ちを答えて?
「だってお前……水樹…」
「は? 水樹くんがどうしたの?」
お前はずっと、水樹のことを見てただろ?
「俺……お前は水樹のことが好きなのかと思ってた…」
「水樹くんのこと? まぁ、同じゼミだしね」
「それだけ?」
「うん。疑り深いね」
「だって…」
お前はずっと、水樹のこと、見てたじゃないか……。
「だって水樹くん、よく章吾のそばにいるじゃん。それで俺が水樹くんのこと見てると思ったの? ヤダなぁ、俺、そんなに安売りしないよ」
「バカ…」
「ねぇ、それで返事は?」
晴海の視線が居心地悪くて、章吾は視線を彷徨わせた後、俯いた。
「聞きたいな、章吾の口から。俺のこと、好き? 嫌い?」
追い詰められるような、そんな感覚だった。
感情が、溢れ出す。
「好、き…」
肉の焼ける煙の向こう、嬉しそうに笑う晴海の顔が見えた。
*END*
「ッ…、ちょっ……は?」
「それってやっぱ、俺の気のせい? 章吾の言うみたいに、俺って自意識過剰なのかな?」
「おい、ちょっ…待てよ」
「何?」
「お前、今何つった?」
聞き捨てならない晴海のセリフに、網の上で肉が焦げるのも気に留めず、章吾は晴海に詰め寄る。
「『俺って自意識過剰なのかなぁ?』」
「そこじゃねぇよ」
「『それってやっぱ、俺の気のせい?』」
「もっと前!」
「もっと前? ……何だっけ?」
「お前はニワトリかっ!? おま、俺のこと見てるって…」
「あぁ、それ。うん、見てるよ。そりゃだって、好きな子のことは見ていたいじゃない? あ、言っちゃった。わっ、焦げてる焦げてる!」
「………………」
とんでもないセリフをサラリと吐いた後、言ったこと自体を認めておきながら、どうしてこの男、焦げた肉の心配なんかしているんだろう。
章吾には、それがたまらなくおかしかった。
「…何笑ってんの? 肉焦げてんのに」
「肉に笑ってんじゃねぇよ。はぐらかすな、バカ晴海」
「いやー、だってはぐらかしたくもなるでしょ。普通告白っていったら、もっとロマンチックな雰囲気の中でやるもんじゃない? それを肉焼いてる最中にうっかり口走っちゃったらねぇ」
うっかり告白して焦っているはずなのに、晴海にはそんな雰囲気まるでなくて、いつもの冷静な彼のままだ。
だから余計に、章吾はその言葉の真意を測り損ねている。
「お前、マジで言ってんの…?」
「うん。あ、もしかして嫌だった? ゴメンねー」
「謝り方に全然心が籠ってねぇ…。てか、何でお前、そんなに普通なの? 今告ったんだろ? 返事とか、気になんねぇの…?」
「いい返事を期待してるよ。あ、悪い返事だとしても、大丈夫、ここの分はちゃんと奢るから。それは約束だからね」
だから遠慮せずに、自分の素直な気持ちを答えて?
「だってお前……水樹…」
「は? 水樹くんがどうしたの?」
お前はずっと、水樹のことを見てただろ?
「俺……お前は水樹のことが好きなのかと思ってた…」
「水樹くんのこと? まぁ、同じゼミだしね」
「それだけ?」
「うん。疑り深いね」
「だって…」
お前はずっと、水樹のこと、見てたじゃないか……。
「だって水樹くん、よく章吾のそばにいるじゃん。それで俺が水樹くんのこと見てると思ったの? ヤダなぁ、俺、そんなに安売りしないよ」
「バカ…」
「ねぇ、それで返事は?」
晴海の視線が居心地悪くて、章吾は視線を彷徨わせた後、俯いた。
「聞きたいな、章吾の口から。俺のこと、好き? 嫌い?」
追い詰められるような、そんな感覚だった。
感情が、溢れ出す。
「好、き…」
肉の焼ける煙の向こう、嬉しそうに笑う晴海の顔が見えた。
*END*
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COMMENT-FORM
伽羅 ⇒ キャ(ハ*))((*ノノ)キャ
柚子季杏 ⇒ うは♪
さり気無く誘導されてるww
可愛いーー!
章吾くんはネコたんですか?
晴海くんが攻めたん??
んもぅ~どっちも可愛いなぁ(*´∀`*)
この後が気になります…いいところでお仕舞いなんて~!
如月さんのイケズゥ(←笑
可愛いーー!
章吾くんはネコたんですか?
晴海くんが攻めたん??
んもぅ~どっちも可愛いなぁ(*´∀`*)
この後が気になります…いいところでお仕舞いなんて~!
如月さんのイケズゥ(←笑
りり ⇒ わ~~~
こうだったらいいのにな~という絶妙なところにおとしてくれる
感じがたまりませんですねえ。
それにしても、このしれっと肉や来ながら告白してる晴海くん
さり気なく押しの強いところといい、ものすごく好きかも…。
章悟くん、自分を見ていた視線を、水樹くん見てると勘違い
してたんですね。
おつきあい開始後の彼らにも会いたいです!
完結お疲れさまでした。
感じがたまりませんですねえ。
それにしても、このしれっと肉や来ながら告白してる晴海くん
さり気なく押しの強いところといい、ものすごく好きかも…。
章悟くん、自分を見ていた視線を、水樹くん見てると勘違い
してたんですね。
おつきあい開始後の彼らにも会いたいです!
完結お疲れさまでした。
如月久美子 ⇒ >伽羅さん
肉を焼きながら、しれっと告白しちゃいましたvv
金髪坊主でも、心は乙女。
かわいいなんて……ありがとうございます!
コメントありがとうございました!
金髪坊主でも、心は乙女。
かわいいなんて……ありがとうございます!
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
何だかいいように誘導されてます。
しれっとね。
はい。
金髪坊主ですが、章吾さん、ネコたんですvv
> この後が気になります…いいところでお仕舞いなんて~!
調子に乗って、番外編も載せちゃいました!
コメントありがとうございました!
しれっとね。
はい。
金髪坊主ですが、章吾さん、ネコたんですvv
> この後が気になります…いいところでお仕舞いなんて~!
調子に乗って、番外編も載せちゃいました!
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >りりさん
> さり気なく押しの強いところといい、ものすごく好きかも…。
ものすごいしれっと告白しちゃいました。
晴海さん、思わず告っちゃったとは言ってますが、計算だったような気がしてならない私です…(爆)
> おつきあい開始後の彼らにも会いたいです!
てことで、調子に乗って、番外編もアップです。
コメントありがとうございました!
ものすごいしれっと告白しちゃいました。
晴海さん、思わず告っちゃったとは言ってますが、計算だったような気がしてならない私です…(爆)
> おつきあい開始後の彼らにも会いたいです!
てことで、調子に乗って、番外編もアップです。
コメントありがとうございました!