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それは幸せ
2008.10.12 Sun
悠也が楽しみにしていた映画も、拓海にはそれほど興味がなかったのか、始まって30分もしないうちに悠也の肩に重みがかかった。
視線をテレビの画面から自分の左肩に視線をずらすと、気持ち良さそうに寝息を立てる拓海の横顔。
疲れてんのかな?
それとも映画、つまんなかったかな?
もうちょっと拓海と話とかすれば良かったかな、とか思っていた悠也だったが、ふと、今日の真琴との会話を思い出し、にんまりと笑った。
肩に寄り掛かった拓海を起こさないように、そーっとローテーブルに乗った自分の携帯電話に手を伸ばす。
拓海が起きていないことを確認すると、携帯電話のカメラを起動させた。
(うひっ)
液晶画面越しに拓海の寝顔を覗く。
カシャ、と、安っぽいシャッターの擬音がして、その寝顔が携帯電話のカメラの中に収まった。
(撮った!)
撮影した画像を保存しようと、ボタンに指を掛けた悠也の手が、不意にキュッと掴まれた。
「ひゃっ!?」
驚きのあまり、悠也は携帯電話を落とし掛けた。
「悠ちゃん、何してんの?」
悠也の手を掴んだのはもちろん拓海で、しっかり目を開けている。
「あ…、起きた?」
慌てつつも、撮った画像を保存しようと、空いている手で携帯電話を操作する悠也。
「何撮ったの? おニイさんに見せてごらん?」
「ヤ」
寝顔の写真を撮ったなんて、絶対に削除しろって言われるに決まってる。悠也は携帯電話を拓海に取られないように、うんと遠くに手を伸ばした。
「ってか、いつから起きてたの?」
「何かウトウトしてたけど、何か悠ちゃんがゴソゴソしてるうちに目ぇ覚めた。で、何撮ったの?」
「寝たふりかよ、悪趣味」
「人の寝顔写真に撮るほうが、よっぽど悪趣味だと思うけど?」
何撮った? って、それもちゃんと気付いてんじゃん。
「ホラ、早く、ケータイ貸してみ?」
「……貸すけど、撮ったヤツ、消すなよ?」
ソファの上で拓海に圧し掛かられたままの悠也は、渋々と拓海に携帯電話を渡した。
それを受け取った拓海は悠也の上から退いて、今しがた撮られた自分の寝顔の写真を開いた。
「……悠ちゃん、こんなもん撮ってどうする気?」
「いいじゃん。もう見ただろ? はい、返して?」
「ダメ、消しなさい」
「あっ! ちょっ…ダメ! 消しちゃダメ!」
そういう約束で拓海に携帯電話を渡したのだ。そう簡単に削除させるわけにはいかない。
悠也は拓海の手から携帯電話を奪い取った。
「悠ちゃん…」
「いいじゃん。よく撮れてる」
「……何でこういうことになったのか、ちゃんと説明しなさい」
携帯電話を取り戻すため、仰向けになった拓海の腹に跨る格好となっていた悠也が、そこから退こうとするより先に、拓海がその腰に腕を回して逃げ出せない状態となっている。
「別に、撮りたかっただけだもん。放せよ」
「誰に唆されたの? 白状してごらん?」
言葉のキツさのわりに、拓海の顔はどことなく緩んでいる。しかも、悠也の腰に回された手も、何だかワサワサ動いてるし。
「くすぐってぇって」
「言わなかったら、もっとするよ?」
「ひゃっひゃっ、やーめーろよー、ひゃあっ、言う、言うからっ!」
背中が敏感な悠也は、拓海の上で腰をくねらせる。
悠也にしてみればもちろん無意識の行動に他ならないが、それを下から眺める拓海はかわいい悠也を堪能して、寝顔の写真がどうとか、そんなことはもう、すっかりどうでもよくなっている。
「拓海のバーカ…」
腰から手を放された悠也は、クッタリと拓海の上に倒れた。
「バカって何だよ。―――で、何に影響されたって?」
「……だってさぁ、真琴がさぁ、すっげぇ見せてくんだもん」
「何を?」
「え、遥斗さんだっけ? アイツの恋人の写真」
「あ?」
「何かさぁ、ケータイでいっぱい撮ってて。いろんなヤツ。そんで、これ俺の宝物! とか言って俺に見せびらかすんだもん。そんで俺に、悠ちゃんは撮らないの? って聞くんだもん」
「はぁ~…」
確かに真琴ならやりそうだ、と、拓海は眉を寄せた。
遥斗も良識ある大人ではあるけれど、こと真琴のことになると、大胆なことをやる人でもあり。
「だからさ、俺も撮りたかったの。拓海の写真撮って、ケータイの中に保存しとくの」
「俺の寝顔を?」
「普通の写真でもいいけど、普通だったら撮らせてくんないじゃん」
「それなら俺は、悠ちゃんが来たときは、うかうか寝てられないってわけ?」
「寝ていいよ。それとも起きてるとき、撮らせてくれる?」
拓海の胸元に顎を置いて、悠也が上目遣いに聞いてくるものだから、拓海はそのかわいい顔に思わず、「うん」と言ってしまいそうになる。
「ダメ。恥ずかしいじゃん」
「恥ずかしくない。はい、撮るよ?」
ニコニコしながら、悠也が携帯電話を構えてくる。
「やめろって。さっき寝顔撮ったんだから、それで満足でしょ?」
「ケチィ」
左手で携帯電話を遮られ、そのまま奪い取られて。
「俺のことケチって言うんだったら、俺にも悠ちゃんのこと撮らせてよ」
「え?」
きょとん。
悠也の顔から笑みが消える。
「そうだなぁ、何の写真がいいかな?」
「え? え? ヤダよ」
自分の携帯電話を手した拓海が、そのレンズを悠也へと向ける。
「俺だって悠ちゃんの写真、宝物にしたいもん。あ、今ちょうどいい体勢だし、悠ちゃんが感じてる顔にしようかな?」
途端に悠也は暴れ出すが、拓海はその手を放してくれない。そればかりか、シャツの裾から入り込んだその手は、背筋を這い上がっていく。
「や、やだよぉ、ひゃあっ」
嫌だと言ったところでやめる拓海ではない。
この後、散々感じさせられまくった悠也は、その顔を写真に撮られまくったのだった。
(もう絶対、拓海の写真撮りたいなんて言わないっ…!)
その後、悠也が密かに誓ったとか、誓わなかったとか。
視線をテレビの画面から自分の左肩に視線をずらすと、気持ち良さそうに寝息を立てる拓海の横顔。
疲れてんのかな?
それとも映画、つまんなかったかな?
もうちょっと拓海と話とかすれば良かったかな、とか思っていた悠也だったが、ふと、今日の真琴との会話を思い出し、にんまりと笑った。
肩に寄り掛かった拓海を起こさないように、そーっとローテーブルに乗った自分の携帯電話に手を伸ばす。
拓海が起きていないことを確認すると、携帯電話のカメラを起動させた。
(うひっ)
液晶画面越しに拓海の寝顔を覗く。
カシャ、と、安っぽいシャッターの擬音がして、その寝顔が携帯電話のカメラの中に収まった。
(撮った!)
撮影した画像を保存しようと、ボタンに指を掛けた悠也の手が、不意にキュッと掴まれた。
「ひゃっ!?」
驚きのあまり、悠也は携帯電話を落とし掛けた。
「悠ちゃん、何してんの?」
悠也の手を掴んだのはもちろん拓海で、しっかり目を開けている。
「あ…、起きた?」
慌てつつも、撮った画像を保存しようと、空いている手で携帯電話を操作する悠也。
「何撮ったの? おニイさんに見せてごらん?」
「ヤ」
寝顔の写真を撮ったなんて、絶対に削除しろって言われるに決まってる。悠也は携帯電話を拓海に取られないように、うんと遠くに手を伸ばした。
「ってか、いつから起きてたの?」
「何かウトウトしてたけど、何か悠ちゃんがゴソゴソしてるうちに目ぇ覚めた。で、何撮ったの?」
「寝たふりかよ、悪趣味」
「人の寝顔写真に撮るほうが、よっぽど悪趣味だと思うけど?」
何撮った? って、それもちゃんと気付いてんじゃん。
「ホラ、早く、ケータイ貸してみ?」
「……貸すけど、撮ったヤツ、消すなよ?」
ソファの上で拓海に圧し掛かられたままの悠也は、渋々と拓海に携帯電話を渡した。
それを受け取った拓海は悠也の上から退いて、今しがた撮られた自分の寝顔の写真を開いた。
「……悠ちゃん、こんなもん撮ってどうする気?」
「いいじゃん。もう見ただろ? はい、返して?」
「ダメ、消しなさい」
「あっ! ちょっ…ダメ! 消しちゃダメ!」
そういう約束で拓海に携帯電話を渡したのだ。そう簡単に削除させるわけにはいかない。
悠也は拓海の手から携帯電話を奪い取った。
「悠ちゃん…」
「いいじゃん。よく撮れてる」
「……何でこういうことになったのか、ちゃんと説明しなさい」
携帯電話を取り戻すため、仰向けになった拓海の腹に跨る格好となっていた悠也が、そこから退こうとするより先に、拓海がその腰に腕を回して逃げ出せない状態となっている。
「別に、撮りたかっただけだもん。放せよ」
「誰に唆されたの? 白状してごらん?」
言葉のキツさのわりに、拓海の顔はどことなく緩んでいる。しかも、悠也の腰に回された手も、何だかワサワサ動いてるし。
「くすぐってぇって」
「言わなかったら、もっとするよ?」
「ひゃっひゃっ、やーめーろよー、ひゃあっ、言う、言うからっ!」
背中が敏感な悠也は、拓海の上で腰をくねらせる。
悠也にしてみればもちろん無意識の行動に他ならないが、それを下から眺める拓海はかわいい悠也を堪能して、寝顔の写真がどうとか、そんなことはもう、すっかりどうでもよくなっている。
「拓海のバーカ…」
腰から手を放された悠也は、クッタリと拓海の上に倒れた。
「バカって何だよ。―――で、何に影響されたって?」
「……だってさぁ、真琴がさぁ、すっげぇ見せてくんだもん」
「何を?」
「え、遥斗さんだっけ? アイツの恋人の写真」
「あ?」
「何かさぁ、ケータイでいっぱい撮ってて。いろんなヤツ。そんで、これ俺の宝物! とか言って俺に見せびらかすんだもん。そんで俺に、悠ちゃんは撮らないの? って聞くんだもん」
「はぁ~…」
確かに真琴ならやりそうだ、と、拓海は眉を寄せた。
遥斗も良識ある大人ではあるけれど、こと真琴のことになると、大胆なことをやる人でもあり。
「だからさ、俺も撮りたかったの。拓海の写真撮って、ケータイの中に保存しとくの」
「俺の寝顔を?」
「普通の写真でもいいけど、普通だったら撮らせてくんないじゃん」
「それなら俺は、悠ちゃんが来たときは、うかうか寝てられないってわけ?」
「寝ていいよ。それとも起きてるとき、撮らせてくれる?」
拓海の胸元に顎を置いて、悠也が上目遣いに聞いてくるものだから、拓海はそのかわいい顔に思わず、「うん」と言ってしまいそうになる。
「ダメ。恥ずかしいじゃん」
「恥ずかしくない。はい、撮るよ?」
ニコニコしながら、悠也が携帯電話を構えてくる。
「やめろって。さっき寝顔撮ったんだから、それで満足でしょ?」
「ケチィ」
左手で携帯電話を遮られ、そのまま奪い取られて。
「俺のことケチって言うんだったら、俺にも悠ちゃんのこと撮らせてよ」
「え?」
きょとん。
悠也の顔から笑みが消える。
「そうだなぁ、何の写真がいいかな?」
「え? え? ヤダよ」
自分の携帯電話を手した拓海が、そのレンズを悠也へと向ける。
「俺だって悠ちゃんの写真、宝物にしたいもん。あ、今ちょうどいい体勢だし、悠ちゃんが感じてる顔にしようかな?」
途端に悠也は暴れ出すが、拓海はその手を放してくれない。そればかりか、シャツの裾から入り込んだその手は、背筋を這い上がっていく。
「や、やだよぉ、ひゃあっ」
嫌だと言ったところでやめる拓海ではない。
この後、散々感じさせられまくった悠也は、その顔を写真に撮られまくったのだった。
(もう絶対、拓海の写真撮りたいなんて言わないっ…!)
その後、悠也が密かに誓ったとか、誓わなかったとか。
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COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ 久し振りの
悠ちゃんと拓~~♪♪
もうそれだけで幸せっス(え?
また可愛いじゃれあいを・・・( ´艸`)ムププ♪
マコちゃんに見せびらかされて悔しくなっちゃったんすねぇ~かわいいなぁ~~♪♪
感じてる顔の写メ・・・ゴクリ。
もぅ~~~見たいじゃないですか!!ww
*************
本当、如月さんとは萌えのポインツが重なり合う部分多いすよね(●´∀`人´∀`●)ネェェッン☆★
何だか嬉しいです~キャッ(/∀\*))★
もうそれだけで幸せっス(え?
また可愛いじゃれあいを・・・( ´艸`)ムププ♪
マコちゃんに見せびらかされて悔しくなっちゃったんすねぇ~かわいいなぁ~~♪♪
感じてる顔の写メ・・・ゴクリ。
もぅ~~~見たいじゃないですか!!ww
*************
本当、如月さんとは萌えのポインツが重なり合う部分多いすよね(●´∀`人´∀`●)ネェェッン☆★
何だか嬉しいです~キャッ(/∀\*))★
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
短編祭りを終えたのに、また短い話を書いてる私……進歩がないっす。
でも久々登場のこの2人です。
一体誰が、悠ちゃんのほうが年上だと思うんでしょう。。。
悠ちゃんの感じてる写メ……出来ることなら待ち受け画面に……と思ったのは、きっと私だけではないと信じてます!!
柚子季さんと萌えポインツ重なって、私も嬉し~~~!!!
コメントありがとうございました!!!
でも久々登場のこの2人です。
一体誰が、悠ちゃんのほうが年上だと思うんでしょう。。。
悠ちゃんの感じてる写メ……出来ることなら待ち受け画面に……と思ったのは、きっと私だけではないと信じてます!!
柚子季さんと萌えポインツ重なって、私も嬉し~~~!!!
コメントありがとうございました!!!
月ノ ⇒ 悠ちゃん可愛い~
悠ちゃんと拓海くんを久しぶりに見ました。
可愛かったです♪
もー、どんぴしゃど真ん中です!
写真ネタ私も使ってみようかなぁ・・・。
なんて考えてます。
可愛かったです♪
もー、どんぴしゃど真ん中です!
写真ネタ私も使ってみようかなぁ・・・。
なんて考えてます。
如月久美子 ⇒ >月ノさん
初めまして!
悠ちゃん、気に入ってくださって、ありがとうございます!
相変わらず、全然年上ぽくない悠ちゃん……マコちゃんに触発されてます(苦笑)
ドンピシャ真ん中!
コメントありがとうございました!
悠ちゃん、気に入ってくださって、ありがとうございます!
相変わらず、全然年上ぽくない悠ちゃん……マコちゃんに触発されてます(苦笑)
ドンピシャ真ん中!
コメントありがとうございました!