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恋は七転び八起き (65)
2015.11.09 Mon
「いっぱい食わないと、おっきくなれないぞ」
「槇村くん、お母さんみたい」
先ほども思ったことを、今度は口にしてみる。だってそのセリフ、まさに央がよく母親から言われていることだ。兄の純平が、どちらかといえば背が高いほうだし、好き嫌いの多い央と違って、何でもおいしく食べるから、つい言ってしまうのだろう。
「後で洗濯機回すから、服、置いとけよ。一緒に洗う」
「え、そんなのいいよ。このまま持って帰るし」
央が脱いだ服を手にしていたのを見て、槇村はそう言ってくれたけれど、央は遠慮した。風呂やご飯はともかく、洗濯くらい今すぐにしなくても、どうにかなるものではない。これ以上槇村の手を煩わすのは気が引けた。
それに、槇村が拭いてくれたとはいえ、央の制服のズボンは、見知らぬ男の精液が掛けられたのだ。他の洗濯物と一緒に洗うのは申し訳ない。
「持って帰る? そのまま持って帰ってもいいけど、俺の服、デカいだろ? 大丈夫か?」
「え?」
「え? いや、持って帰るて、着て帰るわけじゃないよな? 他に着替え持ってないだろ? お前、何着て帰る気だ」
「………………あ、そっか!」
槇村にそこまで説明されて、央はようやく言わんとすることに気が付いた。制服を洗濯しないまま持って帰るのと、槇村の服が央にとって大きいのと何の関係があるのかと思っていたが、他に着る服がない以上、槇村の服を借りるしかないのだから、大いに関係していた。
まぁ、気持ち悪いけれど、洗濯していない服を着て帰ることも出来るが、さすがに脱いだ下着をもう1度穿く気にはなれない…。
「サイズの合いそうなの、探しとく。趣味まで合うかどうか分からないけど」
槇村も、そこまで央の服の洗濯に拘っていたわけではないようで、央が何も言えずにいたら、結局槇村から服を借りることになっていた。特に拒む理由もないので、央も何となく頷いたが、しかしその直後、迂闊な返事に後悔した。
借りたからには、いずれ返さなければならないが、その返し方が分からない。今日はこんなことがあって央を家に泊めてくれたけれど、槇村はもう央に会いたくないだろうから、直接返しには来られないし、純平に頼むとすれば、今日槇村の家に泊まったことを話さなければならない。
「ぅん? どうした?」
「あ、いや、やっぱいい、服…」
「大丈夫だって、そんな変な服じゃないから。あー…まぁ、高校生の好みとは合わないか」
槇村は、央が服を借りたがらないのは、飽くまで槇村の服のセンスの問題だと思っているようだが、そういうことではない。槇村はきめ細かな性格はしているが、こんなところでちょっと抜けている。いや、むしろ央が、余計なことまで考え過ぎなのだろうか。
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「槇村くん、お母さんみたい」
先ほども思ったことを、今度は口にしてみる。だってそのセリフ、まさに央がよく母親から言われていることだ。兄の純平が、どちらかといえば背が高いほうだし、好き嫌いの多い央と違って、何でもおいしく食べるから、つい言ってしまうのだろう。
「後で洗濯機回すから、服、置いとけよ。一緒に洗う」
「え、そんなのいいよ。このまま持って帰るし」
央が脱いだ服を手にしていたのを見て、槇村はそう言ってくれたけれど、央は遠慮した。風呂やご飯はともかく、洗濯くらい今すぐにしなくても、どうにかなるものではない。これ以上槇村の手を煩わすのは気が引けた。
それに、槇村が拭いてくれたとはいえ、央の制服のズボンは、見知らぬ男の精液が掛けられたのだ。他の洗濯物と一緒に洗うのは申し訳ない。
「持って帰る? そのまま持って帰ってもいいけど、俺の服、デカいだろ? 大丈夫か?」
「え?」
「え? いや、持って帰るて、着て帰るわけじゃないよな? 他に着替え持ってないだろ? お前、何着て帰る気だ」
「………………あ、そっか!」
槇村にそこまで説明されて、央はようやく言わんとすることに気が付いた。制服を洗濯しないまま持って帰るのと、槇村の服が央にとって大きいのと何の関係があるのかと思っていたが、他に着る服がない以上、槇村の服を借りるしかないのだから、大いに関係していた。
まぁ、気持ち悪いけれど、洗濯していない服を着て帰ることも出来るが、さすがに脱いだ下着をもう1度穿く気にはなれない…。
「サイズの合いそうなの、探しとく。趣味まで合うかどうか分からないけど」
槇村も、そこまで央の服の洗濯に拘っていたわけではないようで、央が何も言えずにいたら、結局槇村から服を借りることになっていた。特に拒む理由もないので、央も何となく頷いたが、しかしその直後、迂闊な返事に後悔した。
借りたからには、いずれ返さなければならないが、その返し方が分からない。今日はこんなことがあって央を家に泊めてくれたけれど、槇村はもう央に会いたくないだろうから、直接返しには来られないし、純平に頼むとすれば、今日槇村の家に泊まったことを話さなければならない。
「ぅん? どうした?」
「あ、いや、やっぱいい、服…」
「大丈夫だって、そんな変な服じゃないから。あー…まぁ、高校生の好みとは合わないか」
槇村は、央が服を借りたがらないのは、飽くまで槇村の服のセンスの問題だと思っているようだが、そういうことではない。槇村はきめ細かな性格はしているが、こんなところでちょっと抜けている。いや、むしろ央が、余計なことまで考え過ぎなのだろうか。
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