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恋は七転び八起き (63)
2015.11.07 Sat
「心配掛けてゴメンなさい…」
『いや、いいけど…………友だちんち、泊まるんだよね?』
「え、そ…そうだけど?」
念を押すように再度聞かれて、央はギクッとする。もしかして純平は何かに気付いているのかと思ったが、しかし央が今日槇村の家に泊まることになったのは、そもそも槇村に会ったのも偶然だから、そんなわけはないと自分に言い聞かせて、気を落ち着ける。
『…そっか。あんま迷惑掛けたらダメだからね?』
「分かってる」
誰なのかと聞かれて、母親なら知らない人だと言えるが、槇村のことを知っている純平に対しては、その答えは通用しないから、聞かれたらどうしようと内心焦っていたものの、それ以上は聞いて来なかった。
「…じゃあ」
電話を切って何となく振り返ったら、槇村が分かりやすくバッと顔を背けた。央の電話を、ずっと気にしていたのだろう。
槇村のことが好きだいう気持ちだけで突き進んでいた央と違って、槇村はまだ高校生の央との接し方をひどく気にしていたから、やむを得ない事情があったとはいえ、央を家に泊めることになった今の状況は、いろいろと気掛かりに違いない。電話で槇村の名前を出していたら、大変だった。
「お風呂…」
「お、おぅ…」
明らかに動揺しながら、槇村はタオルと着替えを央に渡し、風呂の場所を教えてくれた。央は何となくの想像で、1人暮らしの部屋は風呂とトイレが一緒なのだと思っていたけれど、槇村の部屋は、それが別々だった。
「シャワー、使い方分かるか? シャンプーとか適当に使っていいから……ちょっ!」
汗も掻いたし、電車で不快な思いもしたから、さっさと服を脱いでしまおうと思っただけなのに、央がシャツのボタンを外し始めたら、槇村は慌てて脱衣場を出て行った。
「…意識しすぎ」
槇村のことを好きな央が、槇村の裸にドキドキするのなら話は分かるが、どうして槇村が、央が服を脱ぐのを見て慌てる必要があるのだ。ここまで来ると、かつて高校生と何かあったのではないかと勘繰りたくなる。
央は無造作に制服を脱ぎ散らかして、バスルームに足を踏み入れる。
適当に使っていいと言ったので、遠慮なくシャンプーやらボディソープやらを使うことにしたが、普段央が家で使っているものとは違うそれに、何だかドキドキして来た。だって、槇村もこのシャンプーを使っているのだ。いや、当たり前だけれど。友だちの家に泊まるときだって同じことなのに、槇村の家だと思うと、変に意識してしまう。これでは、槇村のことを言えない。
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『いや、いいけど…………友だちんち、泊まるんだよね?』
「え、そ…そうだけど?」
念を押すように再度聞かれて、央はギクッとする。もしかして純平は何かに気付いているのかと思ったが、しかし央が今日槇村の家に泊まることになったのは、そもそも槇村に会ったのも偶然だから、そんなわけはないと自分に言い聞かせて、気を落ち着ける。
『…そっか。あんま迷惑掛けたらダメだからね?』
「分かってる」
誰なのかと聞かれて、母親なら知らない人だと言えるが、槇村のことを知っている純平に対しては、その答えは通用しないから、聞かれたらどうしようと内心焦っていたものの、それ以上は聞いて来なかった。
「…じゃあ」
電話を切って何となく振り返ったら、槇村が分かりやすくバッと顔を背けた。央の電話を、ずっと気にしていたのだろう。
槇村のことが好きだいう気持ちだけで突き進んでいた央と違って、槇村はまだ高校生の央との接し方をひどく気にしていたから、やむを得ない事情があったとはいえ、央を家に泊めることになった今の状況は、いろいろと気掛かりに違いない。電話で槇村の名前を出していたら、大変だった。
「お風呂…」
「お、おぅ…」
明らかに動揺しながら、槇村はタオルと着替えを央に渡し、風呂の場所を教えてくれた。央は何となくの想像で、1人暮らしの部屋は風呂とトイレが一緒なのだと思っていたけれど、槇村の部屋は、それが別々だった。
「シャワー、使い方分かるか? シャンプーとか適当に使っていいから……ちょっ!」
汗も掻いたし、電車で不快な思いもしたから、さっさと服を脱いでしまおうと思っただけなのに、央がシャツのボタンを外し始めたら、槇村は慌てて脱衣場を出て行った。
「…意識しすぎ」
槇村のことを好きな央が、槇村の裸にドキドキするのなら話は分かるが、どうして槇村が、央が服を脱ぐのを見て慌てる必要があるのだ。ここまで来ると、かつて高校生と何かあったのではないかと勘繰りたくなる。
央は無造作に制服を脱ぎ散らかして、バスルームに足を踏み入れる。
適当に使っていいと言ったので、遠慮なくシャンプーやらボディソープやらを使うことにしたが、普段央が家で使っているものとは違うそれに、何だかドキドキして来た。だって、槇村もこのシャンプーを使っているのだ。いや、当たり前だけれど。友だちの家に泊まるときだって同じことなのに、槇村の家だと思うと、変に意識してしまう。これでは、槇村のことを言えない。
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