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恋は七転び八起き (64)
2015.11.06 Fri
(だって…、こんなのダメだって…!)
央は今日、決して下心があって槇村の家に来たわけではなくて、本当にもうなす術もなく、どうしていいか分からなくて付いて来ただけなのだけれど、今まで入ったことのなかった槇村の家に入り、風呂を借り、同じシャンプーで頭を洗い、これから一緒に食事もするとなれば、意識しないほうがおかしい。
先週の一件で、さすがに央も、もう槇村のことは諦めざるを得ないとは感じているが、好きだという気持ちが消え失せたわけではないから、降って湧いたようなこの状況に、どうにかなりそうだ。
(槇村くん、優しすぎる…)
顔も見たくないくらい嫌いだと言ったくせに、こんなふうに優しくされたら、勘違いしそうだ。しかも、ちょっとしたドラマか少女漫画のヒーローみたいだったから、何とか押さえ込めようとしている恋心が暴れ出しそうになって、本当に参る。
助けてくれた槇村には大変感謝しているけれど、もう槇村のことを想ったらいけないのならば、こんなに優しくしないでほしい。
「槇村くん…」
槇村のことを考えたら胸が苦しくなって、央は慌てて頭からシャワーを被ってごまかす。別に、泣いてなんかいない。
*****
央が風呂場を出ると、部屋着に着替えた槇村が、キッチンの調理台に向かっていた。
今までスーツ姿の槇村しか見たことがなかったから、ラフな部屋着の槇村はまた違った印象で、けれどそれもすごく格好よかったから、胸の高鳴りがぶり返してくる。
「…着替え、デカかったか」
「えっ?」
央が風呂場から出て来ても、全然央のほうを見なかったから、気付いていないのかと思ったら、よく分からないタイミングで槇村が振り返ったので、央は何だか慌てた。
「着替え、デカくなかった?」
「あぁ…うん、ウエストゆっるゆる」
「うるさい」
槇村が聞いたから正直に答えたのに、なぜか突っ込まれた。もしかしたら、Tシャツのサイズのことを言っていたのだろうか。
央の身長は、恐らく高校生男子の平均的なものだろうが、体重はまったく平均に追い付いていない華奢な体型だから、人から服を借りて、サイズが合わないことはしょっちゅうだ。
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央は今日、決して下心があって槇村の家に来たわけではなくて、本当にもうなす術もなく、どうしていいか分からなくて付いて来ただけなのだけれど、今まで入ったことのなかった槇村の家に入り、風呂を借り、同じシャンプーで頭を洗い、これから一緒に食事もするとなれば、意識しないほうがおかしい。
先週の一件で、さすがに央も、もう槇村のことは諦めざるを得ないとは感じているが、好きだという気持ちが消え失せたわけではないから、降って湧いたようなこの状況に、どうにかなりそうだ。
(槇村くん、優しすぎる…)
顔も見たくないくらい嫌いだと言ったくせに、こんなふうに優しくされたら、勘違いしそうだ。しかも、ちょっとしたドラマか少女漫画のヒーローみたいだったから、何とか押さえ込めようとしている恋心が暴れ出しそうになって、本当に参る。
助けてくれた槇村には大変感謝しているけれど、もう槇村のことを想ったらいけないのならば、こんなに優しくしないでほしい。
「槇村くん…」
槇村のことを考えたら胸が苦しくなって、央は慌てて頭からシャワーを被ってごまかす。別に、泣いてなんかいない。
*****
央が風呂場を出ると、部屋着に着替えた槇村が、キッチンの調理台に向かっていた。
今までスーツ姿の槇村しか見たことがなかったから、ラフな部屋着の槇村はまた違った印象で、けれどそれもすごく格好よかったから、胸の高鳴りがぶり返してくる。
「…着替え、デカかったか」
「えっ?」
央が風呂場から出て来ても、全然央のほうを見なかったから、気付いていないのかと思ったら、よく分からないタイミングで槇村が振り返ったので、央は何だか慌てた。
「着替え、デカくなかった?」
「あぁ…うん、ウエストゆっるゆる」
「うるさい」
槇村が聞いたから正直に答えたのに、なぜか突っ込まれた。もしかしたら、Tシャツのサイズのことを言っていたのだろうか。
央の身長は、恐らく高校生男子の平均的なものだろうが、体重はまったく平均に追い付いていない華奢な体型だから、人から服を借りて、サイズが合わないことはしょっちゅうだ。
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