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恋と呼ぶにはまだ早い (9)
2012.12.30 Sun
「お前、ハルちゃんが来る日、ちゃんと脱げよ?」
「は?」
体を少し大和のほうに傾けて、琉はボソッとその耳元で囁く。
ファンを虜にするその甘い声も、悪友である大和にしたらいつものことなので、特に心動かされることはない。ただ、言っていることが意味不明なので、何事? と視線は向けるが。
「『ちーちゃん』がお前の裸、見たがってんだって~」
ニヤリ。
口元を歪めて、琉は大和を見遣る。
ポカンとした表情の大和は、まだ琉の言った言葉の意味を理解し切れていないのだろう。
「ちょっ、おまっ…」
「終わった後、ハルちゃんと一緒に楽屋来るからさぁ、たぁ~っぷり見せてやってよ、お前のその鍛え抜かれた、は・だ・か」
「てめぇ~…」
今までの仕返しとばかりにニヤニヤと言ってくる琉に、大和は、してやられた! と思ったが、もう遅い。
まさか自分の知らないところで、こんな形で出しに使われていたとは。
「どうせお前の入れ知恵だろ?」
まさか遥希が自分で思い付いて、そんなこと言うとは思えない。
きっと、千尋と行きたいけれど乗り気になってくれない、と遥希に相談されて、琉が唆したに違いない。
「だってハルちゃんに楽しんでもらいたいし~。まぁいいじゃん、脱ぐのはいつものことだし」
「てめぇはよぉ…」
琉の言うとおり、コンサートのアンコールともなれば、衣装を脱ぎ捨て上半身裸になるのは常だから別にいいけれど、琉にいちいち言われるのが、何だか癪に障る。
「でも大和、何だかんだで千尋くん? のこと、気に入ってたじゃん?」
「お前、いまだにちーちゃんのこと、呼び方定まってねぇの? 『千尋くん?』とか、ちょっと微妙な感じで呼ぶなよ」
「だってアイツ微妙だもんっ!」
「そう? ちーちゃん、かわいいじゃん」
「はぁ?」
琉としては、今まで男でかわいいと思ったのは遥希しかいないから、千尋がかわいいかどうかはよく分からないけれど、琉と違って大和は千尋のことを気に入っているらしい。
一体どこがいいんだか。
「ま、大和がアイツのこと気に入ってんなら、余計何も問題ないじゃん。大和が脱いどきゃ、アイツのご機嫌取りになるんだし」
「おい、そういうつもりなら、貸し1だからな」
「分かってるって」
このことで借りを作っても、相手が大和なら、別に構わない。
だって、これからも遥希と良好な関係を続けていくためには、どうしたって千尋の機嫌を取っておく必要があるから。
「んふふ、ドーム公演、楽しみだー」
『ハルちゃんのために歌うよ』と言えば、『それは嬉しいけど、ドームに来てるファンの子みんなのために歌って?』と真面目な顔で言ってくる恋人だ。
邪なことばかり思っていたら怒られそうだ、と琉は顔を引き締めた。
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「は?」
体を少し大和のほうに傾けて、琉はボソッとその耳元で囁く。
ファンを虜にするその甘い声も、悪友である大和にしたらいつものことなので、特に心動かされることはない。ただ、言っていることが意味不明なので、何事? と視線は向けるが。
「『ちーちゃん』がお前の裸、見たがってんだって~」
ニヤリ。
口元を歪めて、琉は大和を見遣る。
ポカンとした表情の大和は、まだ琉の言った言葉の意味を理解し切れていないのだろう。
「ちょっ、おまっ…」
「終わった後、ハルちゃんと一緒に楽屋来るからさぁ、たぁ~っぷり見せてやってよ、お前のその鍛え抜かれた、は・だ・か」
「てめぇ~…」
今までの仕返しとばかりにニヤニヤと言ってくる琉に、大和は、してやられた! と思ったが、もう遅い。
まさか自分の知らないところで、こんな形で出しに使われていたとは。
「どうせお前の入れ知恵だろ?」
まさか遥希が自分で思い付いて、そんなこと言うとは思えない。
きっと、千尋と行きたいけれど乗り気になってくれない、と遥希に相談されて、琉が唆したに違いない。
「だってハルちゃんに楽しんでもらいたいし~。まぁいいじゃん、脱ぐのはいつものことだし」
「てめぇはよぉ…」
琉の言うとおり、コンサートのアンコールともなれば、衣装を脱ぎ捨て上半身裸になるのは常だから別にいいけれど、琉にいちいち言われるのが、何だか癪に障る。
「でも大和、何だかんだで千尋くん? のこと、気に入ってたじゃん?」
「お前、いまだにちーちゃんのこと、呼び方定まってねぇの? 『千尋くん?』とか、ちょっと微妙な感じで呼ぶなよ」
「だってアイツ微妙だもんっ!」
「そう? ちーちゃん、かわいいじゃん」
「はぁ?」
琉としては、今まで男でかわいいと思ったのは遥希しかいないから、千尋がかわいいかどうかはよく分からないけれど、琉と違って大和は千尋のことを気に入っているらしい。
一体どこがいいんだか。
「ま、大和がアイツのこと気に入ってんなら、余計何も問題ないじゃん。大和が脱いどきゃ、アイツのご機嫌取りになるんだし」
「おい、そういうつもりなら、貸し1だからな」
「分かってるって」
このことで借りを作っても、相手が大和なら、別に構わない。
だって、これからも遥希と良好な関係を続けていくためには、どうしたって千尋の機嫌を取っておく必要があるから。
「んふふ、ドーム公演、楽しみだー」
『ハルちゃんのために歌うよ』と言えば、『それは嬉しいけど、ドームに来てるファンの子みんなのために歌って?』と真面目な顔で言ってくる恋人だ。
邪なことばかり思っていたら怒られそうだ、と琉は顔を引き締めた。
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けいったん ⇒
琉ったら 「ちゃんと 脱げよ」って
ほんと 遥ちゃんを喜ばす為なら 何でも利用しちゃうんだぁー
まぁ 大和が 千尋を気に入ってるなら 別に いいけどね!
もしかして これは 新たな恋の始まり??
でも 作品のタイトルが…
σ( ̄、 ̄=)ンート...byebye☆
ほんと 遥ちゃんを喜ばす為なら 何でも利用しちゃうんだぁー
まぁ 大和が 千尋を気に入ってるなら 別に いいけどね!
もしかして これは 新たな恋の始まり??
でも 作品のタイトルが…
σ( ̄、 ̄=)ンート...byebye☆
- |2012.12.30
- |Sun
- |14:28
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
琉タンも、何だかんだでチャッカリしてます(笑)
だって、大好きなハルちゃんのためですからね(*^_^*)
けど、大和くんは何気にちーちゃんのこと気に入ってますから、喜んで脱いじゃうかもですね!
> もしかして これは 新たな恋の始まり??
> でも 作品のタイトルが…
えへへ。
気になる作品タイトル。
果たしてこれは、新しい恋の始まりになるのか!?
お楽しみにです!
けいったんさん、今年も大変お世話になりました。
いつもコメント大変励まされましたし、かわいい絵文字にも癒されました。
来年もまた、よろしくお願いいたします。
コメントありがとうございました!
だって、大好きなハルちゃんのためですからね(*^_^*)
けど、大和くんは何気にちーちゃんのこと気に入ってますから、喜んで脱いじゃうかもですね!
> もしかして これは 新たな恋の始まり??
> でも 作品のタイトルが…
えへへ。
気になる作品タイトル。
果たしてこれは、新しい恋の始まりになるのか!?
お楽しみにです!
けいったんさん、今年も大変お世話になりました。
いつもコメント大変励まされましたし、かわいい絵文字にも癒されました。
来年もまた、よろしくお願いいたします。
コメントありがとうございました!
- |2012.12.31
- |Mon
- |17:36
- |URL
- |EDIT|