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恋と呼ぶにはまだ早い (8)
2012.12.29 Sat
「最初は、終わった後も遠慮してたんだよ、ハルちゃん。『疲れてるのに悪いよ』とか、『俺、関係ないのに行っていいの?』とか言ってさ」
「んー、なかなかハルちゃんらしいねぇ」
それでも琉が、遥希に会いたいのだと言って説き伏せたら、ようやく遥希も説得されて、嬉しそうに『ありがとう、琉…』と微笑んだのだ。
あのときの遥希の顔ったら!
(もうマジかわいかった…!)
何かと遠慮することの多い遥希に、逆に琉が焦れることもあるんだけれど、そんなの、遥希の笑顔1つでどうにでもなってしまうのだ。
「だからとりあえず、ドーム中日だけはよろしくね、南條ー」
「はいはい。よろしくしますけど、くれぐれも羽目を外さないように! 次の日もコンサートがあるんだからな」
「分かってますよ」
琉がよろしくお願いしているのは、コンサートが終わってから遥希が楽屋に来るまでの手筈もだが、まさか楽屋訪問だけで遥希を帰す気など更々ないので、もちろんその後のことだ。
都内での公演は自宅から通える距離感だけれど、2人の体調管理と、マネジメントのしやすさと、タチの悪いファン対策として、3daysのときはホテルに宿泊する事にしているから。
「何だよ、結局ラブラブかよー。ムカつく!」
先ほどまで琉をからかって楽しんでいた大和は、一転、琉が幸せそうに顔を綻ばせたので、おもしろくなさそうにサングラスを掛け直すと、フロントシートを蹴飛ばす真似をした。
遥希のことで、琉に対して本気で苛立つことはないけれど、ただいまシングルの身としては、いくら親友とはいえ、無邪気に惚気られるのはおもしろくないのだ。
「あ、そういえば、千尋…くん? と一緒に来るってよ、ハルちゃん」
「千尋くん? あ、ちーちゃん?」
相変わらず、遥希の親友である千尋のことは、嫌いではないけれどちょっと苦手かも…の琉は、『千尋くん』と呼ぶのも何となく微妙な感じで、千尋の名前を出した。
初めて会ったときから、千尋のことを『ちーちゃん』と呼んでいる大和は、最初、『千尋』という名前にピンと来ていなかったが、すぐに顔を思い出したようで、いきなり苦笑した。
「そうなんだー、ちーちゃんも来るんだー」
「何かハルちゃん、がんばって説得したらしい」
「説得? 何ちーちゃん、そんなに来たくなかったの? 俺らのコンサート」
「いや…女の子ばっかじゃん? お客さん。そんなトコに男2人で行く、つーのが…」
遥希にその話を聞かされたとき、確かにそれはそうかも…と、珍しく琉は千尋の意見に同調した。
FATEのファンは大半が女の子だけれど、中には、純粋にその音楽が好きだという男性ファンもいる。しかしそうした男性がコンサートに来るとしたら、やはり女性と一緒だろう。
今まで全国各地で何度となくコンサートをして、何十万、何百万という観客を動員してきたFATEだけれど、男2人組はかなりレアだ。
しかし、かといって、いくらゲイとはいえ、遥希が女性同伴でコンサートに来て素直に喜べるかといったら、そんなわけもないので、やはり千尋と一緒で正解だと思う。
「ハルちゃんが、がんばってちーちゃんのこと説得したの? 何か想像付かない」
千尋と遥希の揃ったところを見たのは、クラブで2人を救出して琉の家に連れて行ったときだけなのだが、あのときの2人の感じからして、とても遥希が千尋を説得できるとは思えないのだが。
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「んー、なかなかハルちゃんらしいねぇ」
それでも琉が、遥希に会いたいのだと言って説き伏せたら、ようやく遥希も説得されて、嬉しそうに『ありがとう、琉…』と微笑んだのだ。
あのときの遥希の顔ったら!
(もうマジかわいかった…!)
何かと遠慮することの多い遥希に、逆に琉が焦れることもあるんだけれど、そんなの、遥希の笑顔1つでどうにでもなってしまうのだ。
「だからとりあえず、ドーム中日だけはよろしくね、南條ー」
「はいはい。よろしくしますけど、くれぐれも羽目を外さないように! 次の日もコンサートがあるんだからな」
「分かってますよ」
琉がよろしくお願いしているのは、コンサートが終わってから遥希が楽屋に来るまでの手筈もだが、まさか楽屋訪問だけで遥希を帰す気など更々ないので、もちろんその後のことだ。
都内での公演は自宅から通える距離感だけれど、2人の体調管理と、マネジメントのしやすさと、タチの悪いファン対策として、3daysのときはホテルに宿泊する事にしているから。
「何だよ、結局ラブラブかよー。ムカつく!」
先ほどまで琉をからかって楽しんでいた大和は、一転、琉が幸せそうに顔を綻ばせたので、おもしろくなさそうにサングラスを掛け直すと、フロントシートを蹴飛ばす真似をした。
遥希のことで、琉に対して本気で苛立つことはないけれど、ただいまシングルの身としては、いくら親友とはいえ、無邪気に惚気られるのはおもしろくないのだ。
「あ、そういえば、千尋…くん? と一緒に来るってよ、ハルちゃん」
「千尋くん? あ、ちーちゃん?」
相変わらず、遥希の親友である千尋のことは、嫌いではないけれどちょっと苦手かも…の琉は、『千尋くん』と呼ぶのも何となく微妙な感じで、千尋の名前を出した。
初めて会ったときから、千尋のことを『ちーちゃん』と呼んでいる大和は、最初、『千尋』という名前にピンと来ていなかったが、すぐに顔を思い出したようで、いきなり苦笑した。
「そうなんだー、ちーちゃんも来るんだー」
「何かハルちゃん、がんばって説得したらしい」
「説得? 何ちーちゃん、そんなに来たくなかったの? 俺らのコンサート」
「いや…女の子ばっかじゃん? お客さん。そんなトコに男2人で行く、つーのが…」
遥希にその話を聞かされたとき、確かにそれはそうかも…と、珍しく琉は千尋の意見に同調した。
FATEのファンは大半が女の子だけれど、中には、純粋にその音楽が好きだという男性ファンもいる。しかしそうした男性がコンサートに来るとしたら、やはり女性と一緒だろう。
今まで全国各地で何度となくコンサートをして、何十万、何百万という観客を動員してきたFATEだけれど、男2人組はかなりレアだ。
しかし、かといって、いくらゲイとはいえ、遥希が女性同伴でコンサートに来て素直に喜べるかといったら、そんなわけもないので、やはり千尋と一緒で正解だと思う。
「ハルちゃんが、がんばってちーちゃんのこと説得したの? 何か想像付かない」
千尋と遥希の揃ったところを見たのは、クラブで2人を救出して琉の家に連れて行ったときだけなのだが、あのときの2人の感じからして、とても遥希が千尋を説得できるとは思えないのだが。
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