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恋と呼ぶにはまだ早い (10)
2013.01.02 Wed
all members
12月24日、東京ドーム公演2日目。
大盛況のうちにコンサートは終わり、琉と大和をはじめ、バンドのメンバーやダンサーたちも楽屋へと下がり、お客さんたちは規制退場に従って会場の外へと出ていく。
「ハルちゃん、まだ来てないっ?」
シャワーを済ませた琉が、慌ただしく戻って来て楽屋の中を見回すが、そこにはまだ遥希の姿も千尋の姿もなかった。
会場から楽屋までの来方は遥希に話してあるし、そのための段取りもしてあるから、何も心配することはないんだけれど、それでも琉はやっぱり心配なのだ。
「水落! そんな格好してないで、さっさと着替えろ!」
大和に早くシャワーに行くように促した南條が、バスローブのまま携帯電話を手にウロウロしている琉に声を掛ける(どうせ遥希に、今どこにいるのか、電話かメールする気なんだろう)。
「だってハルちゃんが!」
「ちゃんとこっち向かってるから!」
「何で南條にそんなこと分かんの? ハルちゃんに聞いたの? ハルちゃんのメアドとか知ってんの!?」
「迎えに行ったスタッフから連絡来たの!」
何で南條が!? と情けない顔をしている琉に一喝してやる。
普段、琉や大和と行動を共にすることの多い南條は、しつこい追っ掛けのファンの子たちの間では顔が知られているので、別のスタッフを向かわせていて、その彼からもう2人と会えたと連絡があったのだ。
「琉ー、ハルちゃんて誰~? 琉のsweetie?」
あまりに琉が必死に南條に詰め寄るものだから、楽屋にいたダンサーの1人がからかうように声を掛けて来た。
琉は遥希のことを隠すつもりなんてないので、あっさりと「そうだよ」と答えたが、そんな琉に南條は、もちろん「ギャー!」と慌てふためいている。
「失礼しまーす」
「あっ」
ノックとともに見知ったスタッフが顔を覗かせ、その背後に遥希の姿を見つけた琉は、パッと顔を輝かせた。
…これだけ分かりやすかったら、聞くまでもなかった。
「ハルちゃん!」
「あ、琉…」
スタッフの後に続いて、「失礼します…」と怖々楽屋に入って来た遥希は、琉の存在に気付いてホッとする。
つい先ほどまではコンサートの余韻で興奮状態だったけれど、会場からここに来るまでは、知らないスタッフと一緒だったし、他のファンの子たちを差し置いてFATEの楽屋に向かうわけだから、やたらと緊張していたのだ。
「みなさん、お疲れ様です…。わざわざ楽屋まで呼んでいただいて…」
「よかったハルちゃん、ちゃんと来れた」
「ちょ、琉…」
スタッフでも関係者でもないのに(いや、関係者でないこともないのだが、遥希は自分の立場をあまり理解していない…)、こんな場所に呼んでもらって、労いとお礼の言葉を言わねば…と、遥希は慣れない言葉を一生懸命操ろうとしているのに、遥希を見つけた琉がすぐに飛び付いてきたので、うまくいかない。
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12月24日、東京ドーム公演2日目。
大盛況のうちにコンサートは終わり、琉と大和をはじめ、バンドのメンバーやダンサーたちも楽屋へと下がり、お客さんたちは規制退場に従って会場の外へと出ていく。
「ハルちゃん、まだ来てないっ?」
シャワーを済ませた琉が、慌ただしく戻って来て楽屋の中を見回すが、そこにはまだ遥希の姿も千尋の姿もなかった。
会場から楽屋までの来方は遥希に話してあるし、そのための段取りもしてあるから、何も心配することはないんだけれど、それでも琉はやっぱり心配なのだ。
「水落! そんな格好してないで、さっさと着替えろ!」
大和に早くシャワーに行くように促した南條が、バスローブのまま携帯電話を手にウロウロしている琉に声を掛ける(どうせ遥希に、今どこにいるのか、電話かメールする気なんだろう)。
「だってハルちゃんが!」
「ちゃんとこっち向かってるから!」
「何で南條にそんなこと分かんの? ハルちゃんに聞いたの? ハルちゃんのメアドとか知ってんの!?」
「迎えに行ったスタッフから連絡来たの!」
何で南條が!? と情けない顔をしている琉に一喝してやる。
普段、琉や大和と行動を共にすることの多い南條は、しつこい追っ掛けのファンの子たちの間では顔が知られているので、別のスタッフを向かわせていて、その彼からもう2人と会えたと連絡があったのだ。
「琉ー、ハルちゃんて誰~? 琉のsweetie?」
あまりに琉が必死に南條に詰め寄るものだから、楽屋にいたダンサーの1人がからかうように声を掛けて来た。
琉は遥希のことを隠すつもりなんてないので、あっさりと「そうだよ」と答えたが、そんな琉に南條は、もちろん「ギャー!」と慌てふためいている。
「失礼しまーす」
「あっ」
ノックとともに見知ったスタッフが顔を覗かせ、その背後に遥希の姿を見つけた琉は、パッと顔を輝かせた。
…これだけ分かりやすかったら、聞くまでもなかった。
「ハルちゃん!」
「あ、琉…」
スタッフの後に続いて、「失礼します…」と怖々楽屋に入って来た遥希は、琉の存在に気付いてホッとする。
つい先ほどまではコンサートの余韻で興奮状態だったけれど、会場からここに来るまでは、知らないスタッフと一緒だったし、他のファンの子たちを差し置いてFATEの楽屋に向かうわけだから、やたらと緊張していたのだ。
「みなさん、お疲れ様です…。わざわざ楽屋まで呼んでいただいて…」
「よかったハルちゃん、ちゃんと来れた」
「ちょ、琉…」
スタッフでも関係者でもないのに(いや、関係者でないこともないのだが、遥希は自分の立場をあまり理解していない…)、こんな場所に呼んでもらって、労いとお礼の言葉を言わねば…と、遥希は慣れない言葉を一生懸命操ろうとしているのに、遥希を見つけた琉がすぐに飛び付いてきたので、うまくいかない。
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ちよ ⇒
如月さま
あけましておめでとうございます。
今年もステキなお話、のぞき見させてくださいね!
壁| ωΦ)ジィイイイイ…
相変わらず、慎み深い態度のハルちゃん。
年末年始からずっ~と心が洗われます!
琉くんのウキウキ度、伝わってきますね~(●′°艸`)
琉くんからのラブラブアプローチ!ハルちゃんはどうするのかな?
あけましておめでとうございます。
今年もステキなお話、のぞき見させてくださいね!
壁| ωΦ)ジィイイイイ…
相変わらず、慎み深い態度のハルちゃん。
年末年始からずっ~と心が洗われます!
琉くんのウキウキ度、伝わってきますね~(●′°艸`)
琉くんからのラブラブアプローチ!ハルちゃんはどうするのかな?
- |2013.01.02
- |Wed
- |22:52
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
あけましておめでとうございます!
新年早々、コメレス遅くてすみません…。昨日は新年会でした(何だか今年もいっぱい飲む年になりそう…!)
ハルちゃん、相変わらず遠慮しっぱなし…(^_^;)
でもこんなハルちゃんだからこそ、琉タンは惹かれちゃうんでしょうね(*^_^*)
こんなかわいい子いたら、琉タンでなくても、放っておけない…!
今年もよろしくお願いします。
コメントありがとうございました!
新年早々、コメレス遅くてすみません…。昨日は新年会でした(何だか今年もいっぱい飲む年になりそう…!)
ハルちゃん、相変わらず遠慮しっぱなし…(^_^;)
でもこんなハルちゃんだからこそ、琉タンは惹かれちゃうんでしょうね(*^_^*)
こんなかわいい子いたら、琉タンでなくても、放っておけない…!
今年もよろしくお願いします。
コメントありがとうございました!
- |2013.01.03
- |Thu
- |10:58
- |URL
- |EDIT|