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君を覆うやさしい銀河 (5)
2011.12.25 Sun
「え…えと…」
「ん?」
翔真は、別に睦月を問い詰める気なんてないし、ただ何となく聞いただけなのに、なぜか睦月は戸惑ったように言葉を詰まらせている。
まだ考えていないのなら、それはそれでいいのに。
「ま、まぁ、どうしよっかな。ホラ、あの子とも約束したしっ…」
「ぅん?」
「あのっ、だから、来年も行く、つったじゃん!?」
「あぁ、和衣くん?」
急にあたふたし出した睦月を不思議に思いながら、翔真は最後にプレゼントを置いてきた和衣のことを思い出した。
純粋にサンタクロースのことを信じている和衣には、翔真も感動したし、来年もまた行くと言った約束は、もちろん守るつもりでいるが、睦月がそのことを気に掛けていたなんて、ちょっと意外。
「むっちゃん?」
「いや、まぁ、だからっ…、サンタが約束破ったらマズイじゃんっ、でしょっ?」
「え、まぁ…うん。…………。ぅん?」
睦月の言い分は尤もで、いやそれは翔真も分かっているのだが、どうして急にそんなことを主張し出したのか分からず首を捻れば、睦月は、何で分かんないの!? 悟ってよ! とでも言わんばかりに翔真を睨んだ。
「え? え?」
「ちょっ、もぉ、何ショウちゃんっ、来年1人で行く気なのっ? べ、別に1人でもいいけどさっ、そんな、一人前になれば1人なんだしっ…」
すっかり慌てふためいている睦月を見ていたら、翔真はようやく、睦月が言わんとすることに気が付いた。
和衣と約束した以上、サンタクロースがそれを破るわけにはいかない……というのはまぁ口実で、要は、サンタを辞める宣言を撤回したいのだが、それを素直に言い出せないのだ。
ただ、慌てながらも、その右手に和衣がくれたメダルをしっかり握り締めている辺り、睦月に気持ちの変化を与えたのは、他ならぬ小さな和衣に違いない。
…信じてくれる気持ちが、1人のサンタの心を、こんなにも大きく動かすのだ。
「むっちゃん、俺あの子に『来年もまた、2人で来る』て言っちゃった。むっちゃんがサンタ辞めちゃうと、俺、約束破ることになっちゃうよ」
「なっ…、ダ、ダメじゃん、ショウちゃん! サンタが約束破っちゃ…!」
「うん。だから、俺が嘘つきにならないためにも、むっちゃん、サンタ辞めないで? 来年もまた、一緒にプレゼント配りに行こ? お願い、むっちゃん」
「ッ…、ま、まぁ、ショウちゃんがそこまで言うなら、別にいいけどっ…!?」
素直になれない睦月のために、翔真がうまく話を持って行ってやれば、睦月はツンデレ全開でそう言って、最後は恥ずかしさのあまり、顔をぷいっと背けてしまった。
まったく本当に、素直じゃない。
「よかった。来年もよろしく、むっちゃん」
「…ん」
翔真が睦月のほうに手を差し出せば、睦月はチラッと翔真を見てから、その手を取った。
…と。
「あぁ~~~~、ショウ~~~!!! てめぇ、何むっちゃんの手なんか握ってんだよっ!!」
睦月と翔真が約束の握手をしていたら、その背後から、アホみたいな声が響いて、振り返ればそこには、睦月の恋人である亮が地団駄を踏みながらいた。
亮もプレゼントを配り終え、ソリをしまって来たところらしい。
あまりのタイミングに、睦月も翔真も吹き出してしまった。
「何だよっ、何笑ってんだよっ、俺怒ってんだぞっ!!」
「知らねぇよ、バーカ。何しに来たんだよ」
「何、て……むっちゃんのこと迎えに来たんでしょーが!」
何となく邪魔者扱いされても、亮はめげることなく、過保護にせっせと睦月にコートを着せてあげる。
何だかんだ言っても、亮には素直で甘い(…というか、甘やかされることに慣れている)睦月は、大人しくされるがままになっている。
「ホラ、むっちゃん、お家帰るよ!」
「…ん」
「はいはい、じゃーな、亮」
無理やり睦月の手を取った亮は、バイバイ、と翔真に手を振る。
「じゃあね、むっちゃん。また来年もよろしくね」
「ん。来年までに、ソリにプレゼント積むの、もっと練習しとくね」
亮に手を繋がれたまま、睦月は反対の手を翔真に振り返す。
しかし亮は、2人の会話に、ん? と眉を寄せる。来年?
「え、来年てどういうこと? むっちゃん、来年もショウと一緒にプレゼント配りに行く気?」
「そうだよ」
「なっ何で!? 来年は俺と一緒に行こうよ! 去年だってショウと一緒だったじゃんっ!」
「うっさい亮。俺はショウちゃんと一緒に行くのっ! もう約束したんだから!」
情けない声を上げる亮を一喝して、睦月は亮の手を引いてぐんぐん進んでいく。
相変わらずな調子の2人の後ろ姿を、翔真はおもしろそうに眺める。
…と、だいぶその姿が小さくなったところで、クルリと睦月が翔真のほうを振り返った。
翔真ももう帰ろうと歩き出すところだったから、え? と思って足を止める。
「ショウちゃ~んっ!! サンタクロースもさぁ、何か悪くないねーっ!!」
結構離れたところから、でも翔真に聞こえるようにと大きな声で、しかもわざわざ亮と繋いでいた手を解いて、ぶんぶん両手を振りながら、睦月は翔真にそう告げて来た。
睦月たちのそばにも、もちろん翔真の周囲にも、まだ多くのサンタクロースたちがいたから、みんなが翔真たちに訝しげな視線を向ける。
「ちょっ…むっちゃん…」
本当にまったく、目を離したら何を仕出かすか分からない睦月に、翔真は苦笑しつつも手を振り返した。
亮が、慌てて睦月を押さえようとしているのが見える。
「…来年もよろしくね、むっちゃん」
亮に取り押さえられ、連れて行かれる睦月に見つめながら、翔真は、うん、やっぱりサンタクロースって悪くないよね、と和衣から貰った王冠にキスをした。
back
お疲れ様でした。いきなりのパラレルファンタジーですみません。クリスマスてことで、許してください。
ちなみに最初は、むっちゃんとカズちゃんがサンタさんだったんですが、あんなに純粋にサンタさんのことを信じててくれる子はカズちゃんしかいない…! て思って、ショウちゃんと交代しました。
交代要員がショウちゃんだったのは、お小言を言われたときに、むっちゃんがキレずに言うことを聞くのは、カズちゃんでなければ、ショウちゃんしかいないな、て思って…。
私的には、クリスマスに張り切って雪を降らす雪の精が、ゆっちさんだったらいいな、と思います。
タイトルは約30の嘘さまから、イラストはすべてポカポカ色さまからです。ありがとう!
「ん?」
翔真は、別に睦月を問い詰める気なんてないし、ただ何となく聞いただけなのに、なぜか睦月は戸惑ったように言葉を詰まらせている。
まだ考えていないのなら、それはそれでいいのに。
「ま、まぁ、どうしよっかな。ホラ、あの子とも約束したしっ…」
「ぅん?」
「あのっ、だから、来年も行く、つったじゃん!?」
「あぁ、和衣くん?」
急にあたふたし出した睦月を不思議に思いながら、翔真は最後にプレゼントを置いてきた和衣のことを思い出した。
純粋にサンタクロースのことを信じている和衣には、翔真も感動したし、来年もまた行くと言った約束は、もちろん守るつもりでいるが、睦月がそのことを気に掛けていたなんて、ちょっと意外。
「むっちゃん?」
「いや、まぁ、だからっ…、サンタが約束破ったらマズイじゃんっ、でしょっ?」
「え、まぁ…うん。…………。ぅん?」
睦月の言い分は尤もで、いやそれは翔真も分かっているのだが、どうして急にそんなことを主張し出したのか分からず首を捻れば、睦月は、何で分かんないの!? 悟ってよ! とでも言わんばかりに翔真を睨んだ。
「え? え?」
「ちょっ、もぉ、何ショウちゃんっ、来年1人で行く気なのっ? べ、別に1人でもいいけどさっ、そんな、一人前になれば1人なんだしっ…」
すっかり慌てふためいている睦月を見ていたら、翔真はようやく、睦月が言わんとすることに気が付いた。
和衣と約束した以上、サンタクロースがそれを破るわけにはいかない……というのはまぁ口実で、要は、サンタを辞める宣言を撤回したいのだが、それを素直に言い出せないのだ。
ただ、慌てながらも、その右手に和衣がくれたメダルをしっかり握り締めている辺り、睦月に気持ちの変化を与えたのは、他ならぬ小さな和衣に違いない。
…信じてくれる気持ちが、1人のサンタの心を、こんなにも大きく動かすのだ。
「むっちゃん、俺あの子に『来年もまた、2人で来る』て言っちゃった。むっちゃんがサンタ辞めちゃうと、俺、約束破ることになっちゃうよ」
「なっ…、ダ、ダメじゃん、ショウちゃん! サンタが約束破っちゃ…!」
「うん。だから、俺が嘘つきにならないためにも、むっちゃん、サンタ辞めないで? 来年もまた、一緒にプレゼント配りに行こ? お願い、むっちゃん」
「ッ…、ま、まぁ、ショウちゃんがそこまで言うなら、別にいいけどっ…!?」
素直になれない睦月のために、翔真がうまく話を持って行ってやれば、睦月はツンデレ全開でそう言って、最後は恥ずかしさのあまり、顔をぷいっと背けてしまった。
まったく本当に、素直じゃない。
「よかった。来年もよろしく、むっちゃん」
「…ん」
翔真が睦月のほうに手を差し出せば、睦月はチラッと翔真を見てから、その手を取った。
…と。
「あぁ~~~~、ショウ~~~!!! てめぇ、何むっちゃんの手なんか握ってんだよっ!!」
睦月と翔真が約束の握手をしていたら、その背後から、アホみたいな声が響いて、振り返ればそこには、睦月の恋人である亮が地団駄を踏みながらいた。
亮もプレゼントを配り終え、ソリをしまって来たところらしい。
あまりのタイミングに、睦月も翔真も吹き出してしまった。
「何だよっ、何笑ってんだよっ、俺怒ってんだぞっ!!」
「知らねぇよ、バーカ。何しに来たんだよ」
「何、て……むっちゃんのこと迎えに来たんでしょーが!」
何となく邪魔者扱いされても、亮はめげることなく、過保護にせっせと睦月にコートを着せてあげる。
何だかんだ言っても、亮には素直で甘い(…というか、甘やかされることに慣れている)睦月は、大人しくされるがままになっている。
「ホラ、むっちゃん、お家帰るよ!」
「…ん」
「はいはい、じゃーな、亮」
無理やり睦月の手を取った亮は、バイバイ、と翔真に手を振る。
「じゃあね、むっちゃん。また来年もよろしくね」
「ん。来年までに、ソリにプレゼント積むの、もっと練習しとくね」
亮に手を繋がれたまま、睦月は反対の手を翔真に振り返す。
しかし亮は、2人の会話に、ん? と眉を寄せる。来年?
「え、来年てどういうこと? むっちゃん、来年もショウと一緒にプレゼント配りに行く気?」
「そうだよ」
「なっ何で!? 来年は俺と一緒に行こうよ! 去年だってショウと一緒だったじゃんっ!」
「うっさい亮。俺はショウちゃんと一緒に行くのっ! もう約束したんだから!」
情けない声を上げる亮を一喝して、睦月は亮の手を引いてぐんぐん進んでいく。
相変わらずな調子の2人の後ろ姿を、翔真はおもしろそうに眺める。
…と、だいぶその姿が小さくなったところで、クルリと睦月が翔真のほうを振り返った。
翔真ももう帰ろうと歩き出すところだったから、え? と思って足を止める。
「ショウちゃ~んっ!! サンタクロースもさぁ、何か悪くないねーっ!!」
結構離れたところから、でも翔真に聞こえるようにと大きな声で、しかもわざわざ亮と繋いでいた手を解いて、ぶんぶん両手を振りながら、睦月は翔真にそう告げて来た。
睦月たちのそばにも、もちろん翔真の周囲にも、まだ多くのサンタクロースたちがいたから、みんなが翔真たちに訝しげな視線を向ける。
「ちょっ…むっちゃん…」
本当にまったく、目を離したら何を仕出かすか分からない睦月に、翔真は苦笑しつつも手を振り返した。
亮が、慌てて睦月を押さえようとしているのが見える。
「…来年もよろしくね、むっちゃん」
亮に取り押さえられ、連れて行かれる睦月に見つめながら、翔真は、うん、やっぱりサンタクロースって悪くないよね、と和衣から貰った王冠にキスをした。
あなたのところにも、サンタさんは来ましたか?
Merry Christmas...
back
お疲れ様でした。いきなりのパラレルファンタジーですみません。クリスマスてことで、許してください。
ちなみに最初は、むっちゃんとカズちゃんがサンタさんだったんですが、あんなに純粋にサンタさんのことを信じててくれる子はカズちゃんしかいない…! て思って、ショウちゃんと交代しました。
交代要員がショウちゃんだったのは、お小言を言われたときに、むっちゃんがキレずに言うことを聞くのは、カズちゃんでなければ、ショウちゃんしかいないな、て思って…。
私的には、クリスマスに張り切って雪を降らす雪の精が、ゆっちさんだったらいいな、と思います。
タイトルは約30の嘘さまから、イラストはすべてポカポカ色さまからです。ありがとう!
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COMMENT-FORM
音夜 ⇒ に”-@むっちゃんサンタ
楽しく読ませて頂きました♪
パラレルファンタジーになっても、やっぱむっちゃんはむっちゃんで、翔くんは翔くん。亮くんもwそして和くんが子供なんだけどそのまま和くんで。さすがキャラ使いの如月様だとうなりました。すげーです。
むっちゃんがヤバイほど可愛い過ぎです(≧∀≦)
むっちゃんと和くんは、やはりここでも友情で結ばれてんなぁ。ホント、素敵なお話ありがとうございました。寒いけど気持ちがほっこりしました。
遅くなりましたがMerry Christmas.。*・゚゚・*:.。.
残り少なくなってますが素敵な一日を…
パラレルファンタジーになっても、やっぱむっちゃんはむっちゃんで、翔くんは翔くん。亮くんもwそして和くんが子供なんだけどそのまま和くんで。さすがキャラ使いの如月様だとうなりました。すげーです。
むっちゃんがヤバイほど可愛い過ぎです(≧∀≦)
むっちゃんと和くんは、やはりここでも友情で結ばれてんなぁ。ホント、素敵なお話ありがとうございました。寒いけど気持ちがほっこりしました。
遅くなりましたがMerry Christmas.。*・゚゚・*:.。.
残り少なくなってますが素敵な一日を…
- |2011.12.25
- |Sun
- |14:34
- |URL
- |EDIT|
柚子季杏 ⇒ No title
如月さん、ごぶさたしてます!
パラレル、楽しかったですよ~(*´∀`*)
いつも読み逃げでごめんなさいです(汗
素敵なクリスマスになりますように!
メリークリスマス!!
パラレル、楽しかったですよ~(*´∀`*)
いつも読み逃げでごめんなさいです(汗
素敵なクリスマスになりますように!
メリークリスマス!!
如月久美子 ⇒ >音夜さん
いきなりのパラレルで、しかもファンタジー。
クリスマスてことで、調子に乗ってしまいました。
何とかキャラを壊さず、パラレル出来ました。
むっちゃんサンタ、かわいく仕上がりましたでしょうか。
寒いし眠いし、サンタさんなんて…!! というのが、むっちゃんらしいかと(笑)
でも来年もがんばるみたいです(*^_^*)
すてきなクリスマス、過ごされましたか??
Merry Christmasです。
コメントありがとうございました!
クリスマスてことで、調子に乗ってしまいました。
何とかキャラを壊さず、パラレル出来ました。
むっちゃんサンタ、かわいく仕上がりましたでしょうか。
寒いし眠いし、サンタさんなんて…!! というのが、むっちゃんらしいかと(笑)
でも来年もがんばるみたいです(*^_^*)
すてきなクリスマス、過ごされましたか??
Merry Christmasです。
コメントありがとうございました!
- |2011.12.25
- |Sun
- |21:47
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
お久しぶりです。
お忙しいところ、ご訪問、ありがとうございます。
こちらこそ、いつも読み逃げばかりですみません!!
いきなりのパラレルでしたが、いかがでしたでしょうか。
すてきなクリスマス、過ごされましたか??
メリークリスマスです(*^_^*)
コメントありがとうございました!
お忙しいところ、ご訪問、ありがとうございます。
こちらこそ、いつも読み逃げばかりですみません!!
いきなりのパラレルでしたが、いかがでしたでしょうか。
すてきなクリスマス、過ごされましたか??
メリークリスマスです(*^_^*)
コメントありがとうございました!
- |2011.12.25
- |Sun
- |21:51
- |URL
- |EDIT|