スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
Queen Beeの眠れぬ夜 (15)
2011.04.18 Mon
まだ裸のままの水瀬が両腕を伸ばしていたから、起こせということなのかと思ったら、その腕は石田の首に絡み付いて、そのまま石田をグイと引き寄せた。
もちろん、何も身構えていなかった石田は、勢いのままにベッドの上に――――水瀬の上に倒れ込んでしまう。
「痛ぇよ、バカッ」
「お前がやったんだろ」
理不尽にも怒りをぶつけて来る水瀬に、石田は一応突っ込みを入れて、水瀬を潰さないよう両手をベッドに突っ張り、膝を突いて彼の腹を跨いだ。
先ほどまで散々ヤッたというのに、また何だか押し倒すような格好になっている。
「石田。何で今日、俺が保健室いたか、知りたい?」
「…腹痛くねぇなら、サボり?」
「そう」
言い訳するでもなく、水瀬はあっさりと認めた。
品行方正とは言い難いが、高校生なら1度くらいはそんな経験をするだろうし、石田も別にそれを咎めなかった。
「何かダルかったから、保健室で寝てた」
「あっそ」
「昼休み、いろいろしたから」
水瀬は、ジッと石田の目を見つめた。
石田は無表情ではなかったけれど、怒っているようでもなかったし、楽しんでいるようでもなかった。
「知りたい? 昼休み何してたか。ねぇ石田、知りたい?」
「…知りたくねぇよ、別に。つか、いい加減、離せって。――――ちょっ」
水瀬の腕を解こうとして、なのに水瀬は引き寄せる腕に力を込めるから、石田の肘がカクンとなって、顔がさらに近付いた。
唇は、触れそうだったけれど、触れなかった。
「野球部で、ピッチャーやってる先輩。石田、知ってる?」
「知らねぇ」
「その人とね、昼休み、」
言いながら、水瀬は石田のジャージの前ファスナーを下ろそうとしたけれど、それはやんわりと石田に止められた。
指と指を絡めて、貝殻繋ぎみたくなる。
あの先輩とは、こんなことはしなかった。
手も繋がなかったし、背中に腕も回さなかった。キスもしなかった。
「石田、聞きたくねぇの? 俺が、何してたか」
「…聞いて、どうなんの?」
「さぁ。どうする?」
水瀬は挑発的に笑ってみせたが、石田は何も動揺しなかったし、何も言い返さなかった。
ただ、水瀬の顔を見ていた。
「教えてあげる、石田に」
「いいよ、別に聞きたくない」
「ダメ、教える」
どうして水瀬がそこまで教えたがるのか。いや、本当は別に、そのことを教えるとか教えないとか、そんなことはどうでもいいんだ。
嫌がる石田に、無理やり教えようとして、楽しんでるわけでもなくて。
「石田。…聞きたくないなら――――」
水瀬は石田の首に回していた手を解いた。片手は繋いだまま。
「聞きたくないなら、言わせないようにすればいいじゃん」
「…、」
「言わせないように、してみろよ」
自由なほうの手の指で、石田の唇をなぞる。
かさついた唇に、指が引っ掛かる。
「石田」
「――――あぁ、そうするよ」
石田は無理やり繋いだ手を解き、水瀬の顎を押さえる。
水瀬は、にんまりと口の端を上げる。
これ以上流されてはダメだと、石田の頭の中では、警鐘が鳴り響き続けているけれど。
石橋を叩いて渡る性格のはずなのに、自ら危険へと飛び込んでいく。水瀬の罠を、十分に分かり切っていながら。
「もうこれ以上、何も言わせねぇよ」
石田は、うるさい水瀬の口を塞いだ――――キス。
夜は、終わらない。
*END*
back
もちろん、何も身構えていなかった石田は、勢いのままにベッドの上に――――水瀬の上に倒れ込んでしまう。
「痛ぇよ、バカッ」
「お前がやったんだろ」
理不尽にも怒りをぶつけて来る水瀬に、石田は一応突っ込みを入れて、水瀬を潰さないよう両手をベッドに突っ張り、膝を突いて彼の腹を跨いだ。
先ほどまで散々ヤッたというのに、また何だか押し倒すような格好になっている。
「石田。何で今日、俺が保健室いたか、知りたい?」
「…腹痛くねぇなら、サボり?」
「そう」
言い訳するでもなく、水瀬はあっさりと認めた。
品行方正とは言い難いが、高校生なら1度くらいはそんな経験をするだろうし、石田も別にそれを咎めなかった。
「何かダルかったから、保健室で寝てた」
「あっそ」
「昼休み、いろいろしたから」
水瀬は、ジッと石田の目を見つめた。
石田は無表情ではなかったけれど、怒っているようでもなかったし、楽しんでいるようでもなかった。
「知りたい? 昼休み何してたか。ねぇ石田、知りたい?」
「…知りたくねぇよ、別に。つか、いい加減、離せって。――――ちょっ」
水瀬の腕を解こうとして、なのに水瀬は引き寄せる腕に力を込めるから、石田の肘がカクンとなって、顔がさらに近付いた。
唇は、触れそうだったけれど、触れなかった。
「野球部で、ピッチャーやってる先輩。石田、知ってる?」
「知らねぇ」
「その人とね、昼休み、」
言いながら、水瀬は石田のジャージの前ファスナーを下ろそうとしたけれど、それはやんわりと石田に止められた。
指と指を絡めて、貝殻繋ぎみたくなる。
あの先輩とは、こんなことはしなかった。
手も繋がなかったし、背中に腕も回さなかった。キスもしなかった。
「石田、聞きたくねぇの? 俺が、何してたか」
「…聞いて、どうなんの?」
「さぁ。どうする?」
水瀬は挑発的に笑ってみせたが、石田は何も動揺しなかったし、何も言い返さなかった。
ただ、水瀬の顔を見ていた。
「教えてあげる、石田に」
「いいよ、別に聞きたくない」
「ダメ、教える」
どうして水瀬がそこまで教えたがるのか。いや、本当は別に、そのことを教えるとか教えないとか、そんなことはどうでもいいんだ。
嫌がる石田に、無理やり教えようとして、楽しんでるわけでもなくて。
「石田。…聞きたくないなら――――」
水瀬は石田の首に回していた手を解いた。片手は繋いだまま。
「聞きたくないなら、言わせないようにすればいいじゃん」
「…、」
「言わせないように、してみろよ」
自由なほうの手の指で、石田の唇をなぞる。
かさついた唇に、指が引っ掛かる。
「石田」
「――――あぁ、そうするよ」
石田は無理やり繋いだ手を解き、水瀬の顎を押さえる。
水瀬は、にんまりと口の端を上げる。
これ以上流されてはダメだと、石田の頭の中では、警鐘が鳴り響き続けているけれど。
石橋を叩いて渡る性格のはずなのに、自ら危険へと飛び込んでいく。水瀬の罠を、十分に分かり切っていながら。
「もうこれ以上、何も言わせねぇよ」
石田は、うるさい水瀬の口を塞いだ――――キス。
夜は、終わらない。
*END*
back
- 関連記事
-
- Queen Beeの眠れぬ夜 (15) (2011/04/18)
- Queen Beeの眠れぬ夜 (14) R18 (2011/04/17)
- Queen Beeの眠れぬ夜 (13) R18 (2011/04/16)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
コメントの投稿はこちらから ♥
COMMENT-FORM
けいったん ⇒
石橋を叩いて渡っても その先に 底の知れない沼がある!
そう 水瀬という沼。
水面は 湖のように 綺麗でも 魅惑に惹かれ 誘われ、一度 入ると もがけば もがく程 囚われ 抜けない沼
やはり 水瀬女王様は 偉大(?)って事ですよね♪(*^‿・)-❤
ベッド以外でも 騎士に昇格するまで 先は長いぞっ、石田!
日々精進して 頑張ってね♪
水瀬と石田の大好きなCPを 本当に楽しく読ませて頂きました!ありがとう御座いました┏○ペコ
ハイ!どんな ご命令でも..._/\o_...足指を お舐めなさいな♪オーホッホッホッ!(`∀ノ´*)...byebye☆
そう 水瀬という沼。
水面は 湖のように 綺麗でも 魅惑に惹かれ 誘われ、一度 入ると もがけば もがく程 囚われ 抜けない沼
やはり 水瀬女王様は 偉大(?)って事ですよね♪(*^‿・)-❤
ベッド以外でも 騎士に昇格するまで 先は長いぞっ、石田!
日々精進して 頑張ってね♪
水瀬と石田の大好きなCPを 本当に楽しく読ませて頂きました!ありがとう御座いました┏○ペコ
ハイ!どんな ご命令でも..._/\o_...足指を お舐めなさいな♪オーホッホッホッ!(`∀ノ´*)...byebye☆
- |2011.04.18
- |Mon
- |15:51
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
確かに!
水瀬くんは完全に底なし沼ですよね!
相手をかなり選り好みする沼ですが…(^_^;)
石田くんがベッド以外で下剋上できる日は……遠そうですね。
「高校生男子」は、前作(バレンタインの前のお話)からすごく時間が空いていたのに、アンケを見ても、このカプはなぜか人気が高くて。
けいったんさんもお気に入りのご様子。
本当にありがとうございます(*^_^*)
またいつか、お目にかけられる日があれば。。。
コメントありがとうございました!
水瀬くんは完全に底なし沼ですよね!
相手をかなり選り好みする沼ですが…(^_^;)
石田くんがベッド以外で下剋上できる日は……遠そうですね。
「高校生男子」は、前作(バレンタインの前のお話)からすごく時間が空いていたのに、アンケを見ても、このカプはなぜか人気が高くて。
けいったんさんもお気に入りのご様子。
本当にありがとうございます(*^_^*)
またいつか、お目にかけられる日があれば。。。
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >拍手コメ→Kさん
水瀬くんは、何だかんだで石田くんにはメロメロですよね。
もうくっついちゃえよ~! と周りから見れば思っちゃうのに、恋人同士にはなれない2人。
恋人になったらなったで、石田くんは相当苦労しそうだし、しばらくはこの距離感がいいんでしょうか(^_^;)
Kさんの胸をきゅ~んとさせること、出来たでしょうか!?
どうもこのシリーズを書くと、薄暗い感じで、あんまりかわいい感じにならないと思ってたんですが、そう言ってもらえると嬉しいです(*^_^*)
拍手&コメントありがとうございました!
もうくっついちゃえよ~! と周りから見れば思っちゃうのに、恋人同士にはなれない2人。
恋人になったらなったで、石田くんは相当苦労しそうだし、しばらくはこの距離感がいいんでしょうか(^_^;)
Kさんの胸をきゅ~んとさせること、出来たでしょうか!?
どうもこのシリーズを書くと、薄暗い感じで、あんまりかわいい感じにならないと思ってたんですが、そう言ってもらえると嬉しいです(*^_^*)
拍手&コメントありがとうございました!
音夜 ⇒
なんかこの2人の関係はドキドキします
水瀬くんは誘い受けくんのお手本だと…w
それにしても石田くんのクールさはカッコイイですよね
2人の微妙は駆け引きみたいな感じが読んでて惹き込まれました
にしても石田くんは水瀬くんにズルズルはまってくんでしょーねw
それだけ水瀬くんには魅せるオーラがあんだろうな
水瀬くんは誘い受けくんのお手本だと…w
それにしても石田くんのクールさはカッコイイですよね
2人の微妙は駆け引きみたいな感じが読んでて惹き込まれました
にしても石田くんは水瀬くんにズルズルはまってくんでしょーねw
それだけ水瀬くんには魅せるオーラがあんだろうな
- |2011.04.21
- |Thu
- |20:19
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >音夜さん
誘い受け大好物の私が、書くべくして書いたキャラ!
誘い受けのお手本、水瀬くんです!!
この2人は、ものすごい駆け引きしまくってますが、でも高校生なんですよね。。。
今からこんなに駆け引き上手で、この先、どうなっちゃうんでしょう(笑)
水瀬くんは、石田くんだけでなく、いろんな人を惹き付けちゃってる、まさにQueen Beeのオーラを身に付けてますよね!
コメントありがとうございました!
誘い受けのお手本、水瀬くんです!!
この2人は、ものすごい駆け引きしまくってますが、でも高校生なんですよね。。。
今からこんなに駆け引き上手で、この先、どうなっちゃうんでしょう(笑)
水瀬くんは、石田くんだけでなく、いろんな人を惹き付けちゃってる、まさにQueen Beeのオーラを身に付けてますよね!
コメントありがとうございました!