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Queen Beeの眠れぬ夜 (1)
2011.04.04 Mon
(あー…何か、気分乗んないなぁ…)
湿気っぽい臭いの体育倉庫で、重ねられたマットの上に座った水瀬は、ボンヤリと思っていた。
隣に座っているのは、1学年上の先輩。男。
水瀬の肩を抱いて、何やらしきりに喋り掛けているが、殆ど頭に入って来ていなかった。
この倉庫は、マットとか跳び箱とか、本当に体育の授業でしか使わない道具しか置いておらず、ボール類はもう1つの準備室にしまわれているから、昼休みに体育館で遊ぶ生徒たちは、こちらには来ない。
そんなところに、意味ありげに水瀬を連れ込んだ理由は1つしかないだろうに、今さら何を緊張しているのやら、先輩は汗ばんだ手で水瀬を抱き寄せたきり、無駄に喋っているだけだった。
(何か、コイツとすんの、面倒くせぇ)
水瀬はチラリと、隣の先輩を見遣った。
頬の辺りが、ニキビでデコボコしている。何だか見た目も全体的にむさいし、ちょっと暑苦しい。
まぁ、はっきり言うと、水瀬の好みのタイプではなかった。
恋愛対象として本気で好きになるなら、外見なんて二の次だけれど、体だけの関係を楽しむのなら、やはり見た目は非常に重要だと思う。
それか、テクニック。セックスのテクだけでなくて、いろいろな面で、もっとスマートに行動するとか。
少なくとも、あまり時間のない昼休みに、連れ込むだけ連れ込んで、一方的に喋って無為に時間を費やすような男は、対象外もいいところだった。
(でもご飯、ご馳走になっちゃったしなぁ…)
実は昨日、学食で一番高いメニュー+一番高いデザートのプリンをご馳走になってしまった義理があるのだ、水瀬には。
彼が下心ありで近付いてきているのは、もちろん分かっていたのだが、そのときはどうしてもそのプリンが食べたかったので、素直に奢られてしまった。
ご飯くらいで、逃げ出そうと思えば逃げ出せるけれど、食べ物の恨みは怖いと言うし、こういうタイプはうまく扱わないと後々面倒くさいことにもなりそうだし……と、水瀬は仕方なくその場に留まっていた。
「…ねぇ先輩」
「えっ!?」
今まで1人でベラベラと喋っていた先輩は、水瀬に声を掛けられて、声を引っ繰り返して返事をした。
「俺、お喋りするなら、こんなトコじゃヤダ。別のトコ行こうよ」
「いやっ、あのっ」
分かっていて水瀬がそう言えば、先輩はあからさまに焦り出した。
彼とて、水瀬とお喋りがしたいから、こんなところに連れて来たわけではないのだ。
わざわざ水瀬に声を掛けて来て、体育倉庫に連れ込んだくらいなのだから、恐らく童貞ではないだろうけど、きっと経験は少ないんだと思う。
ベッド以外でシたことないのかな? などと思いながら、水瀬は先輩のももに手を置いた。
「他にシたいことあるなら、早くシようよ。お昼休み、終わっちゃう」
5時間目に体育の授業があったとしても、グラウンドでやるだろうから、ここには誰も来ないだろうけど、どうせやるならさっさとやって、こんなカビ臭いところからは早く出たい。
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湿気っぽい臭いの体育倉庫で、重ねられたマットの上に座った水瀬は、ボンヤリと思っていた。
隣に座っているのは、1学年上の先輩。男。
水瀬の肩を抱いて、何やらしきりに喋り掛けているが、殆ど頭に入って来ていなかった。
この倉庫は、マットとか跳び箱とか、本当に体育の授業でしか使わない道具しか置いておらず、ボール類はもう1つの準備室にしまわれているから、昼休みに体育館で遊ぶ生徒たちは、こちらには来ない。
そんなところに、意味ありげに水瀬を連れ込んだ理由は1つしかないだろうに、今さら何を緊張しているのやら、先輩は汗ばんだ手で水瀬を抱き寄せたきり、無駄に喋っているだけだった。
(何か、コイツとすんの、面倒くせぇ)
水瀬はチラリと、隣の先輩を見遣った。
頬の辺りが、ニキビでデコボコしている。何だか見た目も全体的にむさいし、ちょっと暑苦しい。
まぁ、はっきり言うと、水瀬の好みのタイプではなかった。
恋愛対象として本気で好きになるなら、外見なんて二の次だけれど、体だけの関係を楽しむのなら、やはり見た目は非常に重要だと思う。
それか、テクニック。セックスのテクだけでなくて、いろいろな面で、もっとスマートに行動するとか。
少なくとも、あまり時間のない昼休みに、連れ込むだけ連れ込んで、一方的に喋って無為に時間を費やすような男は、対象外もいいところだった。
(でもご飯、ご馳走になっちゃったしなぁ…)
実は昨日、学食で一番高いメニュー+一番高いデザートのプリンをご馳走になってしまった義理があるのだ、水瀬には。
彼が下心ありで近付いてきているのは、もちろん分かっていたのだが、そのときはどうしてもそのプリンが食べたかったので、素直に奢られてしまった。
ご飯くらいで、逃げ出そうと思えば逃げ出せるけれど、食べ物の恨みは怖いと言うし、こういうタイプはうまく扱わないと後々面倒くさいことにもなりそうだし……と、水瀬は仕方なくその場に留まっていた。
「…ねぇ先輩」
「えっ!?」
今まで1人でベラベラと喋っていた先輩は、水瀬に声を掛けられて、声を引っ繰り返して返事をした。
「俺、お喋りするなら、こんなトコじゃヤダ。別のトコ行こうよ」
「いやっ、あのっ」
分かっていて水瀬がそう言えば、先輩はあからさまに焦り出した。
彼とて、水瀬とお喋りがしたいから、こんなところに連れて来たわけではないのだ。
わざわざ水瀬に声を掛けて来て、体育倉庫に連れ込んだくらいなのだから、恐らく童貞ではないだろうけど、きっと経験は少ないんだと思う。
ベッド以外でシたことないのかな? などと思いながら、水瀬は先輩のももに手を置いた。
「他にシたいことあるなら、早くシようよ。お昼休み、終わっちゃう」
5時間目に体育の授業があったとしても、グラウンドでやるだろうから、ここには誰も来ないだろうけど、どうせやるならさっさとやって、こんなカビ臭いところからは早く出たい。
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