恋三昧

【18禁】 BL小説取り扱い中。苦手なかた、「BL」という言葉に聞き覚えのないかた、18歳未満のかたはご遠慮ください。

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3. 「たっぷり教えてやるよ。体にな」 (前編)


「じゃあ、テキスト広げて」
「先生んちって、結構広いんだね」

 通されたリビングのローテーブルに向かい合うように座る。水瀬はキョロキョロしながら、ブレザーを脱いだ。

「テキストを広げなさい」

 けれど水瀬が取り出したのは、冷めかけのピザまん。

「みーなーせー」
「だって冷めちゃう」
「後でチンしてあげるから」
「3時のおやつ」
「1つ食えば十分だ」
「ケチィ」

 それでも水瀬はゴソゴソとピザまんを紙袋に戻して、カバンからテキストを取り出した。

「じゃあここの文章、訳して」
「えー、いきなり難しすぎ!」
「いきなりじゃなくて、この間、習っただろーが」
「忘れた…」

 ポテッと、広げたテキストの上に頭を乗せる水瀬。アルファベットの羅列を見ただけで、脳細胞が死んでいくような気がする。

「水瀬~」
「んっ!」

 栗原が耳元で名前を呼ぶから、その吐息が掛かってくすぐったくて、水瀬はピクンと肩を竦ませた。

「どうした?」
「くすぐったい…」

 耳に手を当て、チラリと栗原のほうを見る。

「何、お前、耳ダメなの?」
「くすぐったいんだもん。あんま耳元で喋んないでよ」

 水瀬は耳を押さえていた手で、近い位置にある栗原の顔を追い払った。

「お前がそんな格好してるからだろ? ちゃんと起きなさい」
「もぉやりたくない」
「もうって、まだ全然やってねぇじゃねぇか」

 無理やり体を起こされる。
 この調子じゃ、本当にやるまで帰してもらえそうもない気がして、水瀬は仕方なくシャーペンを手に取った。

「センセー、分かんない」
「どこ?」
「全部」
「ざけんな」

 だってホントに分かんないんだもんと言う水瀬に、栗原は1つ1つ単語の意味を教えながら、日本語訳をさせていく。

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3. 「たっぷり教えてやるよ。体にな」 (中編)


「センセ、くすぐったい!」

 隣で同じテキストを覗き込んで解説をする栗原の吐息が耳元に掛かってくすぐったい。水瀬は、栗原の体を少し押した。

「何言ってんだよ、早く訳せって」

 そして、耳元で「はぁ~」なんて溜め息をつくものだから。

「ひゃっ!」

 水瀬は変な声を上げて、栗原から離れた。

「もう、くすぐったいってば!」
「何言ってんだ」

 そう言って、栗原は水瀬の体を引き寄せると、その耳元にふぅっと息を吹き掛けた。

「やっ…ちょっ、うわっ!?」

 くすぐったさから水瀬が怯んだ隙に、栗原はその腕をグイと引いて、どういうわけか自分の膝の上に乗せてしまった。

「……何してんの、センセ」
「ホラ、シャーペン持って」
「何これ」

 どうして先生のお膝に乗っかって、お勉強?
 よく分からないけれど、もともと深く物事を考えるのが嫌いな水瀬は、(まぁ、あったかいし、ちょうどいいやー)くらいな気持ちで、そのままテキストに向かう。

「じゃあ次の文。これはここに関係代名詞があるから……」
「ふぁ…」
「おい、ちゃんと説明聞けよ」
「ぅん…」

 どうも日本語でない言葉が耳に入ってくると眠くなってしまうようで、水瀬は小さくあくびをしている。

「ちゃんと説明聞かないと…………」

 え? 水瀬が思う間もなく、栗原の顔が近付いてくる。

「あっ…!」

 首筋を、ちゅう…と吸われて。水瀬はハッとして肩を竦めた。

「何すっ…」

 栗原に何をされたのか気付いた水瀬は、顔を赤くして彼のほうを向いた。

「ホラ、続き。この文章、訳してみ?」
「え? あ、…ッ、」

 フッ…と耳に息を掛けられ、腿から落ちないように水瀬の腹部に回された腕が、何やら不穏な動きを始める。

「やっ、センセ、何してんの…んっ」

 サワサワと、シャツの上から胸や脇腹を撫でるから、変な声が出そうになって、水瀬は慌てて唇を噛んだ。

「水瀬、訳」

 水瀬にしてみたら、もうそれどころではないのに、栗原はあくまでも水瀬に補習の続きをさせるつもりらしく、声色ひとつ変えていない。

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3. 「たっぷり教えてやるよ。体にな」 (後編)


「センセ…」

 シャーペンを持つ手が震える。

「はぁっ…」

 水瀬は熱い息を洩らした。

「どうした?」

 しれっとした顔で問い掛けてくる栗原。その間も、胸をまさぐる手は止まらなくて。水瀬は悔しくて、「何でもない!」と言うと、シャーペンを握り直した。

 えーっと、だから、これが関係代名詞で…………えーっと、えーっと……。

 ただでさえ理解し難い英語なのに、まったく集中できなくて、いつまで経っても水瀬のシャーペンは進まない。

「センセェ……も、ダメ…」

 とうとう水瀬は根を上げた。それなのに。

「何が?」
「うぅん……ちゃんと、触って…」

 水瀬は上体を捻って栗原のほうを向くと、そのまま栗原の唇に自分のそれを重ねた。

「ん…」

 栗原は水瀬の体を支えながら、そのキスに応える。絡んできた舌を強く吸い上げると、水瀬の背中が震えた。

「センセ……お願い…」
「んー?」

 少しだけ唇を離して、水瀬はねだるように栗原を見つめる。なのに栗原は、気付いていないふりで、軽く受け流そうとする。
 水瀬はモジモジと膝をすり合わせる。

「何で、意地悪すんの…?」
「意地悪? だって今はお勉強中だろ?」
「ふぇ…」

 いや。もう我慢できないのに。
 水瀬の目から涙が零れる。

「ふ、」

 栗原は口元を緩ませると、その涙を舌で掬って。

「たっぷり教えてやるよ。体にな」

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4. 「自分でやらなきゃわからないだろ?」 (前編) R18


*R18です。18歳未満のかた、そういったものが苦手なかたはご遠慮ください。

 シャツのボタンをすべて外されて、ぷつっと立ち上がった胸の突起を爪で引っ掛かれるたび、水瀬は甘い声を上げる。

「ヤ、せんせ、ヤダ…」
「何が嫌なの?」
「ぁん…。下も、触って…」

 水瀬は恥ずかしそうに視線を逸らすけれど、我慢できないのか、緩く腰を動かす。

「水瀬ってさ、やっぱ初めてじゃねぇんだ、男」

 コクン。
 俯いたままで、けれど小さく頷いた。

 女の子大好きな水瀬だが、そのかわいらしい容貌から、男から告白されることもしばしば。
 むさくてごつい、バリバリ体育会系の男だったら相手にもしないけれど、同じクラスの篠崎みたくキレイな子だったりすると、つい流されてしまうわけで。

「センセ…」

 濡れた瞳で見つめられ、栗原はその頬にキスをすると、水瀬のベルトに手を掛けた。制服のスラックスの前を寛げると、すでに中は濡れていて。
 恥ずかしくて足を閉じようとするけれど、それは栗原の手が許さない。

「あぁ、もうこんなにして。そんなに我慢できなかった?」
「だって…あぁっ…」

 下着の中に忍び込んだ手が、直に水瀬の中心に触れる。待ち望んだ刺激に、水瀬は体を仰け反らせた。栗原の胸に後頭部をすり寄せ、快感に溺れる。

「あぁっ、ん…」

 手の動きを、速く、複雑にしてやると、いつもは生意気なことしか言わない水瀬の口から、甘い声が零れ落ちる。

「センセッ…」
「ん? 1回イク?」

 膝の辺りに引っ掛かったスラックスを脱がせて、もう1度水瀬を膝の上に抱え直す。
 唾液に濡れて艶っぽさを増す唇を塞いで、栗原はカウパー液がトロトロと零れる水瀬自身を強く扱いて、そして先端に爪を立てると、水瀬は背中を強張らせて、栗原の手の中に精液を吐き出した。

「うぅん、はあ、ん…」

 ずっと唇を塞がれていて苦しくなったのか、水瀬は首を振ってキスから逃れる。大きく息を吸って、解放の余韻に浸るように、栗原の胸に背中を預けて目を閉じる水瀬。

「フ…ホント、かわいいね、水瀬は」
「せんせ…」
「んー?」
「欲し…」

 うっすらと目を開けて、その先をねだる水瀬。栗原はニィッと口の端を上げて、人の悪そうな笑みを作った。

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4. 「自分でやらなきゃわからないだろ?」 (後編) R18


*R18です。18歳未満のかた、そういったものが苦手なかたはご遠慮ください。

 クタリとした水瀬の体を自分に向き合うように反転させて、栗原は、滑らかな背中を指先でなぞり、辿り着いた双丘を柔らかく揉む。

「あぁん……ちゃんとしてよぉ…」

 栗原は、舐めてよく濡らした指を水瀬の後ろに滑らせる。爪の先ほど入れると、キュウと抱き付いた水瀬が吐息を洩らす。

「あ、や…もっと奥に……」

 自然と腰が動いてしまっている水瀬に苦笑しつつ、栗原は望むまま2本にした指を水瀬の中に差し入れる。

「やぁっ…ん、ぁ、」

 甘い吐息が、栗原の耳を掠める。

「あ、イヤッ…!」

 何度か抜き差ししているうち、水瀬が高い声を上げて仰け反った。

「何? ここ?」
「や、やぁっ…」

 栗原は、見つけた水瀬の敏感な場所を執拗に攻め立てる。水瀬は頭を振りながら、栗原にしがみ付いてきて。

「ダメ、嫌ぁ…はぁっ」
「何が嫌? 嘘つくなよ。ここがいいんだろ?」

 グリッと、その痼りを強く押す。

「くぅっ…」

 水瀬はぐぐっと体を伸ばして、吐息と共に弛緩させた。

「え?」

 腹部に感じる、濡れた感触。クッタリしている水瀬の体を少し離すと、水瀬の腹と栗原のシャツが白濁した精液でベットリと汚れている。

「まさか、後ろだけでイッちゃった?」

 さすがに栗原も、これには驚いた。今まで何人か男は抱いてきたけれど、ここまで感度のいい子は初めてだ。

「センセ…」

 イッたばかりの上気した頬と艶めいた表情で、『先生』なんて呼ばれたら、本当にゾクゾクしてしまう。栗原は乾いた唇を舐め、水瀬の体を腿から下ろした。

「欲しいの? 俺の」

 コクン。
 こんなときばかり素直になって。水瀬は栗原の顔を見ながら頷いた。

「いいよ、好きなだけ上げる」

 けれど、栗原はまだ、服を着たまま。シャツは水瀬の精液で汚れちゃってるけれど。

「セン、セ…?」
「欲しいんだろ? 自分で入れてみな?」
「そんな、出来な…」

 さっきまであんなに大胆に欲しがっていたくせに、途端に恥らう様子を見せる水瀬。けれど栗原は容赦しなかった。

「自分でやらなきゃ、分からないだろ?」

 手に付いた水瀬の精液をペロリと舐めると、水瀬の喉が鳴った。

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