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Pure Blue (6)
2010.06.17 Thu
オーマイガッ! (神様は、まだ僕に試練を与えるのですか!?)
スケジュールの関係で、ホテルに宿泊。
残念ながら1人1部屋にはなれなくて、どうやら2人1組らしい。
こういう場合、前なら聡と一緒の部屋になることが多かったのに、何だか聡くん、最近、希尋ととぉーっても仲良しさんになっちゃったみたいで。
ホラ今日も、さり気なく同室になろうとしてる(別にいいけど、隣の部屋に聞こえないようにね)。
てことは、唯人と陽向が一緒の部屋になるだろうから、俺は亜津季とか…て、思ってたんだけど。
「ッ、危ねっ! 亜津季、バカ、まだ寝んなっ」
部屋割りを決めている最中だというのに、すでにおねむモードの亜津季は、立ったまま寝そうになって、ガクリと膝が崩れたところで唯人に支えられた。
「ねむ…寝る…」
「あー、分かった分かった、もう寝るからっ。ホラ、部屋行くぞっ。朔也と陽向は? いいよね?」
根っからの世話焼き体質の唯人は、睡魔に襲われてどうにもならなくなっている亜津季を立たせながら、面倒臭そうに俺たちのほうを見た。
唯人からは、もう何でもいいから部屋に入っちゃいたい感が漂ってて、今さら部屋割りがどうとか言い出せる雰囲気じゃない。
陽向もそれを感じ取ったのか、黙って唯人から部屋のキーを受け取った。
「じゃ、お休み」
フラフラしている亜津季を連れて唯人が部屋に入ると、陽向は肩を竦めて俺のほうを見た後、キーを差し込んだ。
「朔也くん、疲れてるでしょ? 先にシャワー使ってください」
部屋に入ると、適当に荷物を解きながら、陽向はこちらを見ることもなくそう言った。何となく無駄な会話をするつもりがないのが分かって、俺は素直にそれを受け入れる。
こんな疲れた日は、ゆっくり湯船に浸かりたい気分だけれど、2人で1つの部屋に詰め込まれたホテルのユニットバスじゃ、床を濡らさないようにシャワーを浴びるのが精いっぱいだ。
体中の泡を落として、頭からシャワーを浴びる。
熱いような、冷えたような、おかしな感覚。
あの日のこと、確かになかったことにしようとってことにしたけれど、それにしても陽向には微塵の警戒心も見えなくて、逆にこちらが不安になる。
口では納得したように言っても、普通、酔った勢いで襲っちゃったようなヤツと、同室になるなんて、嫌じゃないのかな。
あのことでこれ以上ギクシャクはしたくないから、そういう態度はありがたいけれど、それにしたって。
「はぁ…」
これ以上、もやもやと考えったって、仕方がない。
過去は変わらないし、陽向の態度は今までどおりだし、俺だって普通に振舞うしかない。
覚悟を決めてバスルームから出ると、陽向は携帯電話を握り締めたまま、寝息を立てていた。
メールの返事とか待ってるうちに、寝ちゃったのかな?
「陽向、風呂空いたよー。陽向ー」
気持ち良さそうにスヤスヤしてるのを起こすのはかわいそうだけど、風呂を明日の朝にするんだとしても、このまま寝ちゃうのはまずいから、陽向の肩を揺さぶって、起こしに掛かる。
「ひーなーたー」
「……ん、ぅん…」
陽向はもぞもぞと身じろぐけど、なかなか起きない。
もしかして、思ったよりも寝起きが悪い? さっき寝たばっかのはずなのに。
何度かゆっくりと瞬き。ぼんやりと夢うつつに、顔を覗き込んだ俺のことを見ている。
寝惚けてる?
陽向の手が伸びてきて、俺の頬に触れた。眠いせいか、少し体温の高い指先が頬を辿り、髪の毛に触れる。
「ひな、た…?」
そっと、毛先に絡む、陽向の指。
俺は固まったまま、動けない。
「――――……え……」
ボンヤリとしていた陽向の焦点が、俺へと定まる。
「朔也、くん…?」
するり。
陽向の指先が、俺の唇に触れた。
Sakuya
スケジュールの関係で、ホテルに宿泊。
残念ながら1人1部屋にはなれなくて、どうやら2人1組らしい。
こういう場合、前なら聡と一緒の部屋になることが多かったのに、何だか聡くん、最近、希尋ととぉーっても仲良しさんになっちゃったみたいで。
ホラ今日も、さり気なく同室になろうとしてる(別にいいけど、隣の部屋に聞こえないようにね)。
てことは、唯人と陽向が一緒の部屋になるだろうから、俺は亜津季とか…て、思ってたんだけど。
「ッ、危ねっ! 亜津季、バカ、まだ寝んなっ」
部屋割りを決めている最中だというのに、すでにおねむモードの亜津季は、立ったまま寝そうになって、ガクリと膝が崩れたところで唯人に支えられた。
「ねむ…寝る…」
「あー、分かった分かった、もう寝るからっ。ホラ、部屋行くぞっ。朔也と陽向は? いいよね?」
根っからの世話焼き体質の唯人は、睡魔に襲われてどうにもならなくなっている亜津季を立たせながら、面倒臭そうに俺たちのほうを見た。
唯人からは、もう何でもいいから部屋に入っちゃいたい感が漂ってて、今さら部屋割りがどうとか言い出せる雰囲気じゃない。
陽向もそれを感じ取ったのか、黙って唯人から部屋のキーを受け取った。
「じゃ、お休み」
フラフラしている亜津季を連れて唯人が部屋に入ると、陽向は肩を竦めて俺のほうを見た後、キーを差し込んだ。
「朔也くん、疲れてるでしょ? 先にシャワー使ってください」
部屋に入ると、適当に荷物を解きながら、陽向はこちらを見ることもなくそう言った。何となく無駄な会話をするつもりがないのが分かって、俺は素直にそれを受け入れる。
こんな疲れた日は、ゆっくり湯船に浸かりたい気分だけれど、2人で1つの部屋に詰め込まれたホテルのユニットバスじゃ、床を濡らさないようにシャワーを浴びるのが精いっぱいだ。
体中の泡を落として、頭からシャワーを浴びる。
熱いような、冷えたような、おかしな感覚。
あの日のこと、確かになかったことにしようとってことにしたけれど、それにしても陽向には微塵の警戒心も見えなくて、逆にこちらが不安になる。
口では納得したように言っても、普通、酔った勢いで襲っちゃったようなヤツと、同室になるなんて、嫌じゃないのかな。
あのことでこれ以上ギクシャクはしたくないから、そういう態度はありがたいけれど、それにしたって。
「はぁ…」
これ以上、もやもやと考えったって、仕方がない。
過去は変わらないし、陽向の態度は今までどおりだし、俺だって普通に振舞うしかない。
覚悟を決めてバスルームから出ると、陽向は携帯電話を握り締めたまま、寝息を立てていた。
メールの返事とか待ってるうちに、寝ちゃったのかな?
「陽向、風呂空いたよー。陽向ー」
気持ち良さそうにスヤスヤしてるのを起こすのはかわいそうだけど、風呂を明日の朝にするんだとしても、このまま寝ちゃうのはまずいから、陽向の肩を揺さぶって、起こしに掛かる。
「ひーなーたー」
「……ん、ぅん…」
陽向はもぞもぞと身じろぐけど、なかなか起きない。
もしかして、思ったよりも寝起きが悪い? さっき寝たばっかのはずなのに。
何度かゆっくりと瞬き。ぼんやりと夢うつつに、顔を覗き込んだ俺のことを見ている。
寝惚けてる?
陽向の手が伸びてきて、俺の頬に触れた。眠いせいか、少し体温の高い指先が頬を辿り、髪の毛に触れる。
「ひな、た…?」
そっと、毛先に絡む、陽向の指。
俺は固まったまま、動けない。
「――――……え……」
ボンヤリとしていた陽向の焦点が、俺へと定まる。
「朔也、くん…?」
するり。
陽向の指先が、俺の唇に触れた。
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