スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
僕らの青春に明日はない (90)
2010.06.01 Tue
「あと…口紅落とすの…。あ、祐介も使う?」
リップ用のリムーバーを取り出した和衣は、そのボトルを祐介に見せ付ける。
もちろん祐介は、微妙な顔をしている。
「このくらいなら、ティシューで拭けば落ちるから…」
「ダメダメ! ちゃんと落とさなきゃ。俺がやったげる!」
ちゃんと落とさないとお肌が…というわけではない、単におもしろがって、和衣はリムーバーを付けたコットンをシャキーンと構えて、祐介のほうへとにじり寄る。
「ちょっ…和衣っ…!」
「ダーメ!」
観念しなさい! と和衣は祐介のももの上に乗り上がって、祐介の唇に薄りと付いていたグロスを拭き取ってあげる。
祐介はますます微妙な顔で、眉を寄せていた。
「あ、ちゃんと落ちてる」
「そりゃ落ちるでしょ…」
口紅を落とすためのものなんだから、落ちて当然。
コットンに付いたグロスを見て、当たり前のことを言う和衣に、祐介は溜め息混じりに突っ込んだ。
「祐介、何でそんな顔? そんなに嫌だった?」
「いや…何か変な味…」
「味!?」
「だって口の中に、多少は入るじゃん。何かすっごい微妙…」
唇を拭うためのものなのだから、多少口に入ったところで体に害はないだろうが、何とも言えないリムーバーの味に、祐介はティシューで唇を拭き直した。
「おいしい味だったら、お化粧落とすの、楽しくなるのにね」
のん気というか、天然というか……相変わらずな発想をしつつ、和衣はコットンを自分の唇に近付けたが、すぐに祐介にその手を掴まれた。
「え、何?」
「ちょっ和衣、新しいコットン使いなよ。それ、今俺の口拭いたヤツ!」
「あ、そっか。えへへ、間接キス?」
「何言ってんの…」
祐介が言いたいのは、そういうことではないのに。
結局任せておけなくて、リップも、祐介がみんな落としてあげた。
「よし、あとは顔洗うだけ! シンク使わせてね?」
クレンジングと洗顔フォームの2つを持って、和衣はベッドを下りた。
狭い寮の一室で顔を洗うには、キッチンスペースにあるシンクを使うしかない。
浴場にはちゃんとしたスペースもあるのだが、化粧したまま部屋を出たくないので、人の部屋ながらシンクを使わせていただく(だいたい和衣は、朝も面倒がって、自分の部屋のシンクで顔を洗って済ませているのだが)。
「そういえば衣装なんだけど、和衣がいらないなら、ちょうだい、て言ってたよ?」
「いらないよー、こんなの」
クレンジングクリームを顔中に塗りたくりながら、和衣は嫌そうにそう返した。
間違ってもスカートなんかいらないし、シャツもカーディガンも合わせが逆なので、やはり着たくはない。
1度和衣が着たものでも、ちゃんと洗濯をすれば、愛菜や眞織だって着てくれるだろうから、そっちのほうがいい(制服ショップに売るとか何とか、怖いことを聞いた気もするが、それは聞かなかったふりで)。
リップ用のリムーバーを取り出した和衣は、そのボトルを祐介に見せ付ける。
もちろん祐介は、微妙な顔をしている。
「このくらいなら、ティシューで拭けば落ちるから…」
「ダメダメ! ちゃんと落とさなきゃ。俺がやったげる!」
ちゃんと落とさないとお肌が…というわけではない、単におもしろがって、和衣はリムーバーを付けたコットンをシャキーンと構えて、祐介のほうへとにじり寄る。
「ちょっ…和衣っ…!」
「ダーメ!」
観念しなさい! と和衣は祐介のももの上に乗り上がって、祐介の唇に薄りと付いていたグロスを拭き取ってあげる。
祐介はますます微妙な顔で、眉を寄せていた。
「あ、ちゃんと落ちてる」
「そりゃ落ちるでしょ…」
口紅を落とすためのものなんだから、落ちて当然。
コットンに付いたグロスを見て、当たり前のことを言う和衣に、祐介は溜め息混じりに突っ込んだ。
「祐介、何でそんな顔? そんなに嫌だった?」
「いや…何か変な味…」
「味!?」
「だって口の中に、多少は入るじゃん。何かすっごい微妙…」
唇を拭うためのものなのだから、多少口に入ったところで体に害はないだろうが、何とも言えないリムーバーの味に、祐介はティシューで唇を拭き直した。
「おいしい味だったら、お化粧落とすの、楽しくなるのにね」
のん気というか、天然というか……相変わらずな発想をしつつ、和衣はコットンを自分の唇に近付けたが、すぐに祐介にその手を掴まれた。
「え、何?」
「ちょっ和衣、新しいコットン使いなよ。それ、今俺の口拭いたヤツ!」
「あ、そっか。えへへ、間接キス?」
「何言ってんの…」
祐介が言いたいのは、そういうことではないのに。
結局任せておけなくて、リップも、祐介がみんな落としてあげた。
「よし、あとは顔洗うだけ! シンク使わせてね?」
クレンジングと洗顔フォームの2つを持って、和衣はベッドを下りた。
狭い寮の一室で顔を洗うには、キッチンスペースにあるシンクを使うしかない。
浴場にはちゃんとしたスペースもあるのだが、化粧したまま部屋を出たくないので、人の部屋ながらシンクを使わせていただく(だいたい和衣は、朝も面倒がって、自分の部屋のシンクで顔を洗って済ませているのだが)。
「そういえば衣装なんだけど、和衣がいらないなら、ちょうだい、て言ってたよ?」
「いらないよー、こんなの」
クレンジングクリームを顔中に塗りたくりながら、和衣は嫌そうにそう返した。
間違ってもスカートなんかいらないし、シャツもカーディガンも合わせが逆なので、やはり着たくはない。
1度和衣が着たものでも、ちゃんと洗濯をすれば、愛菜や眞織だって着てくれるだろうから、そっちのほうがいい(制服ショップに売るとか何とか、怖いことを聞いた気もするが、それは聞かなかったふりで)。
- 関連記事
-
- 僕らの青春に明日はない (91) (2010/06/02)
- 僕らの青春に明日はない (90) (2010/06/01)
- 僕らの青春に明日はない (89) (2010/05/31)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:Baby Baby Baby Love
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学