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僕らの青春に明日はない (89)
2010.05.31 Mon
「でも高校のころ、スカートの下にジャージ穿いてる子いなかった?」
「あー、いたいた! あれ、何なんだろうね。祐介の高校にもいた? どこにもいんの? こっち来てから見なくなったけど……いなかの女子高生は、みんなしてんのかな?」
オシャレなのか、単なる防寒対策なのか、スカートの下にジャージを穿く女の子の気持ちは、男子である2人には理解しがたく、今思い出しても、何だか笑える。
「…ん」
祐介の腕の中で無邪気に笑っていた和衣は、急に降って来たキスに目を閉じた。
いつもより唇がペタペタするのは、きっと塗られたグロスのせい。
和衣が高校生のころに付き合っていた彼女は、今の和衣ほどのメイクもしない子だったから、リップグロスの付いた唇でのキスは初めて。
まさか自分がグロスを付けているほうになるなんて、夢にも思わなかったけれど。
「ゆっ…」
なぞるように下唇を舐められ、ビクッ…と和衣の体が震えた。
真大と違って、女装したからといって、人前で、しかもいつも以上に恋人とイチャイチャするなんてマネも出来ず、おまけにバタバタ忙しかったから、ずっと祐介が不足していた。
ん~…いっぱい補給されてる感じ……と、ここが寮の祐介の部屋だということを忘れて、和衣はキスに溺れそうになる。
「かず…」
唇が離れた瞬間、名前を呼ばれて、和衣は身も心もキュウ~~ンとなってしまう。
キスが終わってしまうのは寂しいけれど、名前を呼ばれると、そんな寂しさも忘れてしまうくらい、嬉しい気持ちがいっぱいになる。
「ゆーすけ…、唇、赤い…」
離れた祐介の唇が、何だか先ほどより赤い感じがする。
気のせい? 疲れ過ぎて、何だか視覚がおかしくなって来た? と首を傾げる和衣に、指先で自分の唇を拭った祐介が苦笑する。
「和衣のグロスが付いたんだよ」
「そ…そうなの!?」
口紅やグロスを付けてキスすると、そんなことあるんだ…と、和衣は妙なところで感心してしまう。
そんなことを知っているなんて、昔彼女とキスしたとき……と、和衣は得意の嫉妬心に駆られそうになり、慌ててそれを打ち消した。
「も…お化粧、落とすね?」
祐介にはかわいいと褒めてもらえたけれど、やっぱり祐介の前では、メイクした姿ではなく、いつも自分の顔でいたい。
和衣は先ほど投げ出してしまった、アイメイク用のリムーバーをコットンに取った。
「化粧落とすのに、こんなに使うの? て言ったら、『当たり前でしょ!』て怒られたんだけど、俺」
「俺も怒られたよー。値段もめっちゃ高いの、言ったら『もっと高いのなんて、いくらでもあるから』て言われちゃった。女の子て、ホント大変だよねー。ねぇねぇ、マスカラ落ちた?」
コットンにはたっぷりと、落ちたマスカラが付いているけれど、まだ何だかまつ毛がバサバサしている感じがする。
「目尻のほうに付いてるよ」
祐介は新しいコットンにリムーバーを取ると、和衣のまつ毛にまだ残っているマスカラを丁寧に落としてあげる。
和衣は不器用ではないが、わりと大雑把な性格をしているので、実はこういう作業には向いていないのだ。
「あー、いたいた! あれ、何なんだろうね。祐介の高校にもいた? どこにもいんの? こっち来てから見なくなったけど……いなかの女子高生は、みんなしてんのかな?」
オシャレなのか、単なる防寒対策なのか、スカートの下にジャージを穿く女の子の気持ちは、男子である2人には理解しがたく、今思い出しても、何だか笑える。
「…ん」
祐介の腕の中で無邪気に笑っていた和衣は、急に降って来たキスに目を閉じた。
いつもより唇がペタペタするのは、きっと塗られたグロスのせい。
和衣が高校生のころに付き合っていた彼女は、今の和衣ほどのメイクもしない子だったから、リップグロスの付いた唇でのキスは初めて。
まさか自分がグロスを付けているほうになるなんて、夢にも思わなかったけれど。
「ゆっ…」
なぞるように下唇を舐められ、ビクッ…と和衣の体が震えた。
真大と違って、女装したからといって、人前で、しかもいつも以上に恋人とイチャイチャするなんてマネも出来ず、おまけにバタバタ忙しかったから、ずっと祐介が不足していた。
ん~…いっぱい補給されてる感じ……と、ここが寮の祐介の部屋だということを忘れて、和衣はキスに溺れそうになる。
「かず…」
唇が離れた瞬間、名前を呼ばれて、和衣は身も心もキュウ~~ンとなってしまう。
キスが終わってしまうのは寂しいけれど、名前を呼ばれると、そんな寂しさも忘れてしまうくらい、嬉しい気持ちがいっぱいになる。
「ゆーすけ…、唇、赤い…」
離れた祐介の唇が、何だか先ほどより赤い感じがする。
気のせい? 疲れ過ぎて、何だか視覚がおかしくなって来た? と首を傾げる和衣に、指先で自分の唇を拭った祐介が苦笑する。
「和衣のグロスが付いたんだよ」
「そ…そうなの!?」
口紅やグロスを付けてキスすると、そんなことあるんだ…と、和衣は妙なところで感心してしまう。
そんなことを知っているなんて、昔彼女とキスしたとき……と、和衣は得意の嫉妬心に駆られそうになり、慌ててそれを打ち消した。
「も…お化粧、落とすね?」
祐介にはかわいいと褒めてもらえたけれど、やっぱり祐介の前では、メイクした姿ではなく、いつも自分の顔でいたい。
和衣は先ほど投げ出してしまった、アイメイク用のリムーバーをコットンに取った。
「化粧落とすのに、こんなに使うの? て言ったら、『当たり前でしょ!』て怒られたんだけど、俺」
「俺も怒られたよー。値段もめっちゃ高いの、言ったら『もっと高いのなんて、いくらでもあるから』て言われちゃった。女の子て、ホント大変だよねー。ねぇねぇ、マスカラ落ちた?」
コットンにはたっぷりと、落ちたマスカラが付いているけれど、まだ何だかまつ毛がバサバサしている感じがする。
「目尻のほうに付いてるよ」
祐介は新しいコットンにリムーバーを取ると、和衣のまつ毛にまだ残っているマスカラを丁寧に落としてあげる。
和衣は不器用ではないが、わりと大雑把な性格をしているので、実はこういう作業には向いていないのだ。
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テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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花菱 ⇒ 初めまして
先週このサイトを知り、読み耽りました。
面白さも当然ですが、もう一つ、どうしても気になることがありまして。
もしかしたら他の方も指摘されているかもしれませんが、キャラにとてもぴったりな人達がいて、彼らで妄想出来ちゃうのです!
1000の好きも読みました。
もし失礼なら削除しても構いません。
非公開コメント不可になっているので、一応公開コメにしています。
これからも楽しみにしていますね。
面白さも当然ですが、もう一つ、どうしても気になることがありまして。
もしかしたら他の方も指摘されているかもしれませんが、キャラにとてもぴったりな人達がいて、彼らで妄想出来ちゃうのです!
1000の好きも読みました。
もし失礼なら削除しても構いません。
非公開コメント不可になっているので、一応公開コメにしています。
これからも楽しみにしていますね。
- |2010.05.31
- |Mon
- |18:10
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >花菱さん
初めまして。
こんな引き籠りブログを見つけてくださって、ありがとうございます!
> 面白さも当然ですが、もう一つ、どうしても気になることがありまして。
> もしかしたら他の方も指摘されているかもしれませんが、キャラにとてもぴったりな人達がいて、彼らで妄想出来ちゃうのです!
今まで誰かに言われたことはないのですが……そんなピッタリなかたがいらっしゃいましたか??
脳内で当てはめて読むのもおもしろいかもですね(●^o^●)
> 1000の好きも読みました。
ありがとうございます!
もう、まったくの趣味の世界で、しかも何かマニアックなヤツばっかだし、自己満足で行こう…と思ってたんですが、本当にありがとうございます!
1000個目指していく意欲が、改めて湧いてきました。
> もし失礼なら削除しても構いません。
> 非公開コメント不可になっているので、一応公開コメにしています。
> これからも楽しみにしていますね。
非公開コメ不可…申し訳ありません!
失礼だなんてとんでもありません。こちらこそ、気の利かない設定にしていてすみません。
これからもぜひ遊びに来てくださいね(*^_^*)
コメントありがとうございました!
こんな引き籠りブログを見つけてくださって、ありがとうございます!
> 面白さも当然ですが、もう一つ、どうしても気になることがありまして。
> もしかしたら他の方も指摘されているかもしれませんが、キャラにとてもぴったりな人達がいて、彼らで妄想出来ちゃうのです!
今まで誰かに言われたことはないのですが……そんなピッタリなかたがいらっしゃいましたか??
脳内で当てはめて読むのもおもしろいかもですね(●^o^●)
> 1000の好きも読みました。
ありがとうございます!
もう、まったくの趣味の世界で、しかも何かマニアックなヤツばっかだし、自己満足で行こう…と思ってたんですが、本当にありがとうございます!
1000個目指していく意欲が、改めて湧いてきました。
> もし失礼なら削除しても構いません。
> 非公開コメント不可になっているので、一応公開コメにしています。
> これからも楽しみにしていますね。
非公開コメ不可…申し訳ありません!
失礼だなんてとんでもありません。こちらこそ、気の利かない設定にしていてすみません。
これからもぜひ遊びに来てくださいね(*^_^*)
コメントありがとうございました!