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僕らの青春に明日はない (85)
2010.05.27 Thu
(それに、祐介に全然そんな気なかったら、超恥ずかしい…)
そういえば旅行券を分けるとき、祐介は1度、その受け取る権利を辞退したのだ。
言わないだけで、睦月みたく、旅行がそんなに好きじゃないとか? それか、もしかしたら和衣ではない誰かと行くのかも?
「和衣?」
「…何でもない」
結局和衣は、祐介を旅行に誘えないまま、目を伏せた。
周りはまだ賑やかなのに、和衣はコンテストが一段落したのと、大好きな祐介に寄り掛かっている心地よさも手伝って、何だかまぶたが重たくなってくる。
心地よい疲労感?
体力的に疲れるようなことはしていないけれど、気力は相当すり減らしてしまったので。
「カズちゃん?」
誰かが和衣を呼んでいる。
こういう呼び方をするということは、祐介ではない。睦月か、愛菜か、眞織か……しかし目を開けるのが億劫で、和衣は聞こえないふりをする。
「カズちゃーん、寝ちゃったの?」
起きたほうがいいのかな?
でも、まだこうしていたい。
「疲れてんだよ」
「でも、ここで寝られても」
「ゆっちが、おんぶして帰ればいいんだよ」
そんな勝手なことを言っているのは、睦月。
それに反応した笑い声も聞こえるけれど、段々とその声も、遠ざかっていく。
「和衣?」
祐介の声がする。
ふわりと、意識が遠のく。
いつか、祐介と旅行に行けたらいいな。
***
こんなに強く思っているんだから、夢の中だけででも祐介と一緒に旅行に行けないかな、と思っていたのに、和衣は夢を見たのか見ていないのか思い出せないくらい、ぐっすりと熟睡してしまっていた。
ふと目を開けたら、見慣れた寮の天井。
いつの間にか帰宅して、寝ていたらしい。
「…ん」
蛍光灯の灯りが眩しくて、今がもう夜なんだな、と分かる。
でも何だか起きる気力がなくて、和衣は寝返りを打って、目を閉じようとした――――が、ふと気付く。
ふとんが、自分のものじゃない。
(寝惚けて…)
まさか寝惚けて、人のふとんに入ってしまったのだろうか。
でも入ると言ったって、誰の…。
「…え? …………。…………え?」
壁際に寝返りを打った和衣は、慌てて体を反転させて、部屋の中のほうを向く。
自分の部屋ではない。
つまり、間違えて同室者のベッドに入ったということではなくて、でも。
(この部屋…)
そういえば旅行券を分けるとき、祐介は1度、その受け取る権利を辞退したのだ。
言わないだけで、睦月みたく、旅行がそんなに好きじゃないとか? それか、もしかしたら和衣ではない誰かと行くのかも?
「和衣?」
「…何でもない」
結局和衣は、祐介を旅行に誘えないまま、目を伏せた。
周りはまだ賑やかなのに、和衣はコンテストが一段落したのと、大好きな祐介に寄り掛かっている心地よさも手伝って、何だかまぶたが重たくなってくる。
心地よい疲労感?
体力的に疲れるようなことはしていないけれど、気力は相当すり減らしてしまったので。
「カズちゃん?」
誰かが和衣を呼んでいる。
こういう呼び方をするということは、祐介ではない。睦月か、愛菜か、眞織か……しかし目を開けるのが億劫で、和衣は聞こえないふりをする。
「カズちゃーん、寝ちゃったの?」
起きたほうがいいのかな?
でも、まだこうしていたい。
「疲れてんだよ」
「でも、ここで寝られても」
「ゆっちが、おんぶして帰ればいいんだよ」
そんな勝手なことを言っているのは、睦月。
それに反応した笑い声も聞こえるけれど、段々とその声も、遠ざかっていく。
「和衣?」
祐介の声がする。
ふわりと、意識が遠のく。
いつか、祐介と旅行に行けたらいいな。
***
こんなに強く思っているんだから、夢の中だけででも祐介と一緒に旅行に行けないかな、と思っていたのに、和衣は夢を見たのか見ていないのか思い出せないくらい、ぐっすりと熟睡してしまっていた。
ふと目を開けたら、見慣れた寮の天井。
いつの間にか帰宅して、寝ていたらしい。
「…ん」
蛍光灯の灯りが眩しくて、今がもう夜なんだな、と分かる。
でも何だか起きる気力がなくて、和衣は寝返りを打って、目を閉じようとした――――が、ふと気付く。
ふとんが、自分のものじゃない。
(寝惚けて…)
まさか寝惚けて、人のふとんに入ってしまったのだろうか。
でも入ると言ったって、誰の…。
「…え? …………。…………え?」
壁際に寝返りを打った和衣は、慌てて体を反転させて、部屋の中のほうを向く。
自分の部屋ではない。
つまり、間違えて同室者のベッドに入ったということではなくて、でも。
(この部屋…)
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