スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
僕らの青春に明日はない (75)
2010.05.17 Mon
「ひ、ぅ…、も…無理…!」
「無理くないの! 旅行券ゲットして、彼氏と旅行、行こ?」
「……!」
祐介と旅行。
和衣が、折れそうな心を何とか奮い立たせてきた、目指すべきもの。
優勝……は無理でも、3位までに入って、旅行券を獲得して、祐介と旅行に誘う! そのために和衣は恥ずかしいのを我慢してきたのだ。ここで無理だと泣いていては、今までの苦労が、それこそ水の泡だ。
「がんばる…」
それはそれは小さな声で和衣が決意を述べたところで、『エントリーナンバー7、高槻真大さんでーす!』という声に、インタビューが真大の番まで回って来たのが分かった。
そしてそれと同時に、和衣は、他の人が何と答えていたか、全然聞いていなかったことに気が付いた。
(ヤバイ、どうしよ…)
とりあえず真大が何て答えるか、聞いてなきゃ……と必死になっていた和衣は、自分がまだ真大と手を繋いだままでいることなんて、すっかり忘れていた。
だから司会者が真大に、『どうしてお2人は手を繋いでるんでしょう!?』とテンション高く聞いた瞬間、ハッと我に返って手を解こうとしたのに、真大が手を放してくれないから、余計に慌ててしまう。
「ちょっ…真大!」
「いいじゃん、仲良しなんだから。ねっ?」
「あぅ…」
真大にニッコリと笑い掛けられ、うまい言葉も返せない和衣は、結局、真大のなすがまま。
手を解くことも出来ずに、仲良しこよしをアピールされてしまった。
『では続いて、エントリーナンバー8、九条和衣さんで~す!』
「えっ、もう!?」
いつの間にか真大のインタビューも終わっていて、何も心構えが出来ていないうちに、自分の番になってしまった。
しかも、自分にマイクが向けられていることを全然意識しないで喋ったものだから、『もう!?』とビックリした和衣の声が、しっかりとマイクに拾われてしまっていて。
『もうですよ~』
みんな女装に合わせて、それなりにキャラを作っているというのに、和衣がまったくの素なものだから、司会の人も、会場も笑い出した。
それだけで、和衣の心は折れそう。
(もう無理、もう無理、もう無理だから、次行って~~~~!!!)
名前を紹介されただけで、まだ何のインタビューにも答えていないのに、もうおしまいにしてほしくて、和衣はブンブンと首を横に振った。
『九条さん、ずいぶん緊張していらっしゃるようなんで、サックリ行きましょうね~。じゃあ、今日のアピールポイントをどうぞ!』
和衣の緊張が分かったのか、司会者も気を遣って簡単な質問にしてくれたのだが、そうだとしても、和衣はすぐに答えが出て来ない。
だって、何がアピールポイントかなんて、そんなの知らない。
「あ、ぴーる…」
すっかりパニックの和衣は、アピールてどういう意味だっけ!? という、根本的なことまで考え出してしまって。
「無理くないの! 旅行券ゲットして、彼氏と旅行、行こ?」
「……!」
祐介と旅行。
和衣が、折れそうな心を何とか奮い立たせてきた、目指すべきもの。
優勝……は無理でも、3位までに入って、旅行券を獲得して、祐介と旅行に誘う! そのために和衣は恥ずかしいのを我慢してきたのだ。ここで無理だと泣いていては、今までの苦労が、それこそ水の泡だ。
「がんばる…」
それはそれは小さな声で和衣が決意を述べたところで、『エントリーナンバー7、高槻真大さんでーす!』という声に、インタビューが真大の番まで回って来たのが分かった。
そしてそれと同時に、和衣は、他の人が何と答えていたか、全然聞いていなかったことに気が付いた。
(ヤバイ、どうしよ…)
とりあえず真大が何て答えるか、聞いてなきゃ……と必死になっていた和衣は、自分がまだ真大と手を繋いだままでいることなんて、すっかり忘れていた。
だから司会者が真大に、『どうしてお2人は手を繋いでるんでしょう!?』とテンション高く聞いた瞬間、ハッと我に返って手を解こうとしたのに、真大が手を放してくれないから、余計に慌ててしまう。
「ちょっ…真大!」
「いいじゃん、仲良しなんだから。ねっ?」
「あぅ…」
真大にニッコリと笑い掛けられ、うまい言葉も返せない和衣は、結局、真大のなすがまま。
手を解くことも出来ずに、仲良しこよしをアピールされてしまった。
『では続いて、エントリーナンバー8、九条和衣さんで~す!』
「えっ、もう!?」
いつの間にか真大のインタビューも終わっていて、何も心構えが出来ていないうちに、自分の番になってしまった。
しかも、自分にマイクが向けられていることを全然意識しないで喋ったものだから、『もう!?』とビックリした和衣の声が、しっかりとマイクに拾われてしまっていて。
『もうですよ~』
みんな女装に合わせて、それなりにキャラを作っているというのに、和衣がまったくの素なものだから、司会の人も、会場も笑い出した。
それだけで、和衣の心は折れそう。
(もう無理、もう無理、もう無理だから、次行って~~~~!!!)
名前を紹介されただけで、まだ何のインタビューにも答えていないのに、もうおしまいにしてほしくて、和衣はブンブンと首を横に振った。
『九条さん、ずいぶん緊張していらっしゃるようなんで、サックリ行きましょうね~。じゃあ、今日のアピールポイントをどうぞ!』
和衣の緊張が分かったのか、司会者も気を遣って簡単な質問にしてくれたのだが、そうだとしても、和衣はすぐに答えが出て来ない。
だって、何がアピールポイントかなんて、そんなの知らない。
「あ、ぴーる…」
すっかりパニックの和衣は、アピールてどういう意味だっけ!? という、根本的なことまで考え出してしまって。
- 関連記事
-
- 僕らの青春に明日はない (76) (2010/05/18)
- 僕らの青春に明日はない (75) (2010/05/17)
- 僕らの青春に明日はない (74) (2010/05/16)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:Baby Baby Baby Love
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学