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僕らの青春に明日はない (74)
2010.05.16 Sun
「んー…、じゃあさぁ…」
他に何か方法……観客をカボチャだと思え、だっけ?
でも和衣の場合、カボチャになんか見えるわけがない! とか言いそうだ。
「真大、真大ぉ~」
「んーと、んー…だって、そんなの思い付かないし!」
「ヤダヤダ、緊張する~」
「しない、しない」
「する~!」
どうしよぉ~と、泣きそうな顔で喚くこの人は、1つとはいえ、本当に年上だろうか。
真大は一人っ子だからよく分からないけれど、弟がいたらこんな感じなんだろうかと、ふと思う。しかも絶対、1つとか2つの年の差じゃない、もっとずっと年の離れた弟だ。
「あ、カズくん、もう始まる!」
「嘘!?」
2人してわちゃわちゃしているうちに、とうとう時間が来てしまったらしい。
ステージのほうから、司会者の声が聞こえる。
「ヒッ…。ど、しよ…」
「行くしかないじゃん。はい、カズくん、笑って!」
「…っ、ん!」
コクンと頷いて、和衣は必死に笑顔を作ったが、どう見ても引き攣っている。
出場者はステージに上がるようにと、司会者の声がする。参加者がそれなりに多いので、時間を節約するため、一斉にステージに出るのだ。
「カズくん、行くよ!」
「え? え、ちょっ真大!?」
突然真大にガシリと手を握られた和衣は、何か言い返す間もなく、そのまま真大に引っ張られて、ステージに連れられて行ってしまう。
(な…何で俺、真大と手繋いでんの…!?)
ただでさえパニックを起こしていた頭が、さらにグルグルしてくる。
しかしこれは、真大の最終手段だった。
何を言ってもグズグズしている和衣には、絶対にちょっと荒治療が必要だ。もう無理やりでも何でも、ステージに立たせて、度胸を付けさせるしかない。
「ちょっ…真大、手…!」
ステージに置かれた台の上に出場者は1列に並んで立たされて、それでも真大が手を放してくれないから、和衣は困ってしまって、もう泣き出しそう。
エントリー番号順に、インタビューが始まる。
真大が7番で、和衣が8番。
これで1番や2番だったら、本当に何を答えていいか分からないところだったが、適度に後ろのほうだったので、みんながどんな質問をされて、どんなふうに答えているか参考にしようと思ったのに、もうそれどころではない。
「カズくん、笑顔、笑顔」
「む、無理…!」
「ホラあそこ、彼氏見てるよ」
「え!?」
もう、人のインタビューを聞くどころではない。
コソコソと話し掛けてくる真大が客席を指差すので、釣られてそちらに目を遣れば、何列も置かれているパイプ椅子の客席の、最前列、しかもど真ん中に祐介はいた。
隣には睦月や亮、愛菜と眞織もいて、その視線に、却って緊張が増してしまう。
他に何か方法……観客をカボチャだと思え、だっけ?
でも和衣の場合、カボチャになんか見えるわけがない! とか言いそうだ。
「真大、真大ぉ~」
「んーと、んー…だって、そんなの思い付かないし!」
「ヤダヤダ、緊張する~」
「しない、しない」
「する~!」
どうしよぉ~と、泣きそうな顔で喚くこの人は、1つとはいえ、本当に年上だろうか。
真大は一人っ子だからよく分からないけれど、弟がいたらこんな感じなんだろうかと、ふと思う。しかも絶対、1つとか2つの年の差じゃない、もっとずっと年の離れた弟だ。
「あ、カズくん、もう始まる!」
「嘘!?」
2人してわちゃわちゃしているうちに、とうとう時間が来てしまったらしい。
ステージのほうから、司会者の声が聞こえる。
「ヒッ…。ど、しよ…」
「行くしかないじゃん。はい、カズくん、笑って!」
「…っ、ん!」
コクンと頷いて、和衣は必死に笑顔を作ったが、どう見ても引き攣っている。
出場者はステージに上がるようにと、司会者の声がする。参加者がそれなりに多いので、時間を節約するため、一斉にステージに出るのだ。
「カズくん、行くよ!」
「え? え、ちょっ真大!?」
突然真大にガシリと手を握られた和衣は、何か言い返す間もなく、そのまま真大に引っ張られて、ステージに連れられて行ってしまう。
(な…何で俺、真大と手繋いでんの…!?)
ただでさえパニックを起こしていた頭が、さらにグルグルしてくる。
しかしこれは、真大の最終手段だった。
何を言ってもグズグズしている和衣には、絶対にちょっと荒治療が必要だ。もう無理やりでも何でも、ステージに立たせて、度胸を付けさせるしかない。
「ちょっ…真大、手…!」
ステージに置かれた台の上に出場者は1列に並んで立たされて、それでも真大が手を放してくれないから、和衣は困ってしまって、もう泣き出しそう。
エントリー番号順に、インタビューが始まる。
真大が7番で、和衣が8番。
これで1番や2番だったら、本当に何を答えていいか分からないところだったが、適度に後ろのほうだったので、みんながどんな質問をされて、どんなふうに答えているか参考にしようと思ったのに、もうそれどころではない。
「カズくん、笑顔、笑顔」
「む、無理…!」
「ホラあそこ、彼氏見てるよ」
「え!?」
もう、人のインタビューを聞くどころではない。
コソコソと話し掛けてくる真大が客席を指差すので、釣られてそちらに目を遣れば、何列も置かれているパイプ椅子の客席の、最前列、しかもど真ん中に祐介はいた。
隣には睦月や亮、愛菜と眞織もいて、その視線に、却って緊張が増してしまう。
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