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僕らの青春に明日はない (72)
2010.05.14 Fri
おにぎりを食べた後、口元や歯に海苔が付いていないか確認し、リップを直し終えたころには、集合時間が迫っていた。
「じゃ、カズちゃん。こっからは1人だけど、がんばってね!」
「気をしっかり持って!」
「う…うん!」
ステージに上がるための、隣にある準備室には、コンテスト参加者しか行けないことになっているため、愛菜たちが付いていられるのは、この更衣室まで。
まるで今生の別れのように、ガッシリと手を取り合っている和衣と愛菜と眞織。
一体何なんだろう、この光景。
「じゃ、行ってくるね~」
そんな和衣たちとは対照的に、まったく軽やかに挨拶をして、また明日ー、みたいな感じで手を振っているのは真大。
時間が近づいたので、戻って来たようだ。
「真大、パンツパンツ…!」
ステージ横の準備室に行こうとする真大を、一緒に戻って来た翔真が慌てて引き止めた。
短いスカートの裾が変に引っ掛かって、後ろ姿パンツ丸見え状態だったのだ。
和衣が散々パンツが見えると言われても、ここまで大胆に丸見えにはなっていなかったが、それでも真大は気にしていないのか、豪快に笑っている。
「お前、バカ、しっかりしろよ!」
「キャハハハー」
翔真が必死にスカートを直してやっても、真大はまだケラケラしていて。
このハートの強さの、10分の1でも和衣にあれば…と、思わずにはいられない。
「てか、ゆっちもちゃんとお見送りしなよー」
「ちょっ…」
睦月は、隣でボケっと突っ立っているだけの祐介の背中を、ドンッと押した。
「亮、行こ?」
「え、あ、うん」
祐介、置いてけぼり?
でもまぁ、みんなでガンバレガンバレと言うのは、和衣にはちょっとプレッシャーになりそうだし、やっぱり祐介が言ってあげないことには始まらないから、亮は睦月と一緒に更衣室を出た。
「ねぇねぇ、せっかくだから、真ん前に座って、見ようよ」
「真ん前?」
「超ど真ん中」
ニヤリと睦月が笑って見せる。
その顔は決して、前のほうでカズちゃんのこと応援しようよ~、というかわいらしいものではなくて、おもしろいからカズちゃんのこと、じっくり見てやろうよー、というのがすっかり表れている。
「お待たせ」
「愛菜ちゃん、前行こ? 真ん前でカズちゃん見よ?」
「え、真ん前? マジで?」
和衣のお見送りを終えて出て来た愛菜たちは、真ん前で見よう! と張り切る睦月にちょっとビックリする。
今朝、ここに来るまでの睦月は、ちょっかいは出しても、そんなに一生懸命に応援しているようには見えなかったのに、なぜか今になって、俄然やる気を出ている。
「マジで。ゆっちだって前のがいいでしょ? いいよね? ね?」
「えぇ? あの、まぁ…」
「はい、前行こー」
睦月は勝手に祐介の背中を押して、前のほうへと向かってしまった。
「じゃ、カズちゃん。こっからは1人だけど、がんばってね!」
「気をしっかり持って!」
「う…うん!」
ステージに上がるための、隣にある準備室には、コンテスト参加者しか行けないことになっているため、愛菜たちが付いていられるのは、この更衣室まで。
まるで今生の別れのように、ガッシリと手を取り合っている和衣と愛菜と眞織。
一体何なんだろう、この光景。
「じゃ、行ってくるね~」
そんな和衣たちとは対照的に、まったく軽やかに挨拶をして、また明日ー、みたいな感じで手を振っているのは真大。
時間が近づいたので、戻って来たようだ。
「真大、パンツパンツ…!」
ステージ横の準備室に行こうとする真大を、一緒に戻って来た翔真が慌てて引き止めた。
短いスカートの裾が変に引っ掛かって、後ろ姿パンツ丸見え状態だったのだ。
和衣が散々パンツが見えると言われても、ここまで大胆に丸見えにはなっていなかったが、それでも真大は気にしていないのか、豪快に笑っている。
「お前、バカ、しっかりしろよ!」
「キャハハハー」
翔真が必死にスカートを直してやっても、真大はまだケラケラしていて。
このハートの強さの、10分の1でも和衣にあれば…と、思わずにはいられない。
「てか、ゆっちもちゃんとお見送りしなよー」
「ちょっ…」
睦月は、隣でボケっと突っ立っているだけの祐介の背中を、ドンッと押した。
「亮、行こ?」
「え、あ、うん」
祐介、置いてけぼり?
でもまぁ、みんなでガンバレガンバレと言うのは、和衣にはちょっとプレッシャーになりそうだし、やっぱり祐介が言ってあげないことには始まらないから、亮は睦月と一緒に更衣室を出た。
「ねぇねぇ、せっかくだから、真ん前に座って、見ようよ」
「真ん前?」
「超ど真ん中」
ニヤリと睦月が笑って見せる。
その顔は決して、前のほうでカズちゃんのこと応援しようよ~、というかわいらしいものではなくて、おもしろいからカズちゃんのこと、じっくり見てやろうよー、というのがすっかり表れている。
「お待たせ」
「愛菜ちゃん、前行こ? 真ん前でカズちゃん見よ?」
「え、真ん前? マジで?」
和衣のお見送りを終えて出て来た愛菜たちは、真ん前で見よう! と張り切る睦月にちょっとビックリする。
今朝、ここに来るまでの睦月は、ちょっかいは出しても、そんなに一生懸命に応援しているようには見えなかったのに、なぜか今になって、俄然やる気を出ている。
「マジで。ゆっちだって前のがいいでしょ? いいよね? ね?」
「えぇ? あの、まぁ…」
「はい、前行こー」
睦月は勝手に祐介の背中を押して、前のほうへと向かってしまった。
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