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僕らの青春に明日はない (68)
2010.05.10 Mon
こんなところで騒がれても困るので、睦月はおにぎりをはむはむしながら、メイクされている和衣をこっそりと窺う。
先日と違って、周りには人が大勢いて、そのみんなが自分と同じ境遇とはいえ、和衣は何だか落ち着かないのか、ひどくそわそわソワソワしているように思えた。
ここが女装コンテスト参加者の更衣室(兼 成り行きからなってしまった控え室)だから当然なのだが、周りには女の子の格好をした男子がいっぱいいて。
改めて、変な空間だなぁ、と睦月は思う。
和衣や真大のように、女子高生の格好をしている人もいれば、いわゆる私服的な格好もいる。ウケ狙いなのか、ナース姿やメイドさんのヤツもいて、しかもそれがガチムチ系の男だから、失笑するしかない。
睦月は勝手に、あれは敵じゃない、あっちはライバルかも…と、参加者を判定する。
だって和衣がこんなにがんばっているのだから、優勝が無理でも、せめて3位までには入ってもらいたい。そして旅行券を獲得し、祐介と一緒に旅行に行ければ、和衣の気持ちも晴れるのに。
(今のところ、一番のライバルは……真大かな)
見た目も完璧に女の子だったし、何よりノリから来る雰囲気が、もうすっかり女子高生だ。
それにもしかしたら、ここにはいなくても、もっとパーフェクトな女装をしているヤツがいるかも…。
いや、でも、和衣の女装も結構いい線を行っていると思う。
ただ和衣は、他の参加者に比べて乗り切れていないし、アドリブにも弱いから、ステージに立った後のことを考えても、分が悪いかもしれない。
「カズちゃん!」
「…ふぇ?」
2個目のおにぎりを食べ終わった睦月が、すくっと立ち上がって、和衣の前に立った。
ちょうどマスカラを塗ろうとしていた愛菜も、ビックリして睦月のほうを見た。
「何ボケっとしてんの! ちゃんと気合入れなよ!」
「え? え? うん…。え?? むっちゃん、どうしたの…?」
ガッシリと和衣の肩を掴んで、睦月が力強くそう言うものだから、和衣だけでなく、愛菜と眞織も、どうした? という顔をする。
今までの睦月といったら、一応和衣の応援はしているものの、基本的にはちょっかいを出すことのほうが多かったし、今日だって、準備に一緒に付いてくる気も全然なかったくせに。
「カズちゃん、気合が足んないよ! 何してんの!?」
「…………」
なぜか突如、漲るようにやる気を出した睦月に、和衣は口をポカンと開ける。
「むっちゃん、どうし…」
「もっとシャキッとする!」
「は…はいっ」
分からないけれど、とりあえず、元気な返事だけはしておかないと、何だか怖い…。
和衣の返事を聞いて睦月は満足したのか、さっさと先ほどいたところまで戻って行った。
「むっちゃん…??」
睦月の謎の行動を理解できた者は1人とおらず、みんなで首を傾げるしかない。
けれど睦月的には、おにぎりを食べながら思っていたことを、みんなに伝えた気になっているから、自分の行動でみんながキョトンとしているなんて、思ってもいない。
とにかく和衣には、がんばってもらいたいのだ。和衣自身のために。
先日と違って、周りには人が大勢いて、そのみんなが自分と同じ境遇とはいえ、和衣は何だか落ち着かないのか、ひどくそわそわソワソワしているように思えた。
ここが女装コンテスト参加者の更衣室(兼 成り行きからなってしまった控え室)だから当然なのだが、周りには女の子の格好をした男子がいっぱいいて。
改めて、変な空間だなぁ、と睦月は思う。
和衣や真大のように、女子高生の格好をしている人もいれば、いわゆる私服的な格好もいる。ウケ狙いなのか、ナース姿やメイドさんのヤツもいて、しかもそれがガチムチ系の男だから、失笑するしかない。
睦月は勝手に、あれは敵じゃない、あっちはライバルかも…と、参加者を判定する。
だって和衣がこんなにがんばっているのだから、優勝が無理でも、せめて3位までには入ってもらいたい。そして旅行券を獲得し、祐介と一緒に旅行に行ければ、和衣の気持ちも晴れるのに。
(今のところ、一番のライバルは……真大かな)
見た目も完璧に女の子だったし、何よりノリから来る雰囲気が、もうすっかり女子高生だ。
それにもしかしたら、ここにはいなくても、もっとパーフェクトな女装をしているヤツがいるかも…。
いや、でも、和衣の女装も結構いい線を行っていると思う。
ただ和衣は、他の参加者に比べて乗り切れていないし、アドリブにも弱いから、ステージに立った後のことを考えても、分が悪いかもしれない。
「カズちゃん!」
「…ふぇ?」
2個目のおにぎりを食べ終わった睦月が、すくっと立ち上がって、和衣の前に立った。
ちょうどマスカラを塗ろうとしていた愛菜も、ビックリして睦月のほうを見た。
「何ボケっとしてんの! ちゃんと気合入れなよ!」
「え? え? うん…。え?? むっちゃん、どうしたの…?」
ガッシリと和衣の肩を掴んで、睦月が力強くそう言うものだから、和衣だけでなく、愛菜と眞織も、どうした? という顔をする。
今までの睦月といったら、一応和衣の応援はしているものの、基本的にはちょっかいを出すことのほうが多かったし、今日だって、準備に一緒に付いてくる気も全然なかったくせに。
「カズちゃん、気合が足んないよ! 何してんの!?」
「…………」
なぜか突如、漲るようにやる気を出した睦月に、和衣は口をポカンと開ける。
「むっちゃん、どうし…」
「もっとシャキッとする!」
「は…はいっ」
分からないけれど、とりあえず、元気な返事だけはしておかないと、何だか怖い…。
和衣の返事を聞いて睦月は満足したのか、さっさと先ほどいたところまで戻って行った。
「むっちゃん…??」
睦月の謎の行動を理解できた者は1人とおらず、みんなで首を傾げるしかない。
けれど睦月的には、おにぎりを食べながら思っていたことを、みんなに伝えた気になっているから、自分の行動でみんながキョトンとしているなんて、思ってもいない。
とにかく和衣には、がんばってもらいたいのだ。和衣自身のために。
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