スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
僕らの青春に明日はない (64)
2010.05.06 Thu
自分の部屋に飛び込んで、同室者に不審な目で見られつつ、顔を洗って、慌ただしく着替えを済ますと、再び睦月の部屋へと戻った。
「お待たせ! ……え、むっちゃん? 何でおにぎり食べてんの?」
和衣は猛スピードでやって来たというのに、ドアを開ければ、睦月はまだパジャマ姿のままで、のん気におにぎりを食べようとしていた。
「おにぎりねー、亮が作ってったんだって。超甘やかしてるよねー」
コンビニのものでない手作りおにぎりを、眞織が尋ねれば、睦月が当たり前のように亮が作ったと答えるものだから、苦笑するしかない。
しかし、相変わらず一切料理が出来ない睦月は、いつだってご飯は亮にお任せだし、亮も亮でそれを容認していて、バイトが遅くなる日や飲み会のときでも、睦月のために夕食の支度をしていってくれる。
今日だって、和衣の靴を取りに行くのに、睦月が起きるよりも先に出てしまうからと、律儀におにぎりを用意していってくれたのだ。
「じゃなくて! 何でむっちゃん、おにぎり食べてんの!?」
「そこにおにぎりがあったから」
「いや、そんな登山家みたいなこと言われても」
「お腹空いたの」
「そうだけど!」
そこに山があるから登山する登山家の気持ちは分からないけれど、お腹が空いているからおにぎりを食べる睦月の気持ちなら、よく分かる。
でも今和衣が言いたいのは、そういうことじゃなくて…。
「だって時間ないんでしょ? むっちゃん、何でそんなにのんびりしてんの?」
「?? 時間ないのは、カズちゃんでしょ? 大丈夫、コンテスト見に行くのには、間に合うようにするから」
「……。…………?? …………え?」
「は?」
「むっちゃん、一緒に行かないの?」
「何で?」
和衣は当然、準備のときから付いて来てくれるものだとばかり思っていたのに、睦月にそんな気は更々なかったようで、何で一緒に行かなきゃいけないの? と首を傾げている。
「一緒に行こうよ、ねぇむっちゃん!」
「…俺、お腹空いてんだけど」
「おにぎり持ってけばいいじゃん! ね? 一緒に行こ?」
お願いお願い~と、まるで子どもが駄々をこねるように、和衣は睦月の腕を掴んで、その体をユサユサと揺さぶる。
とりあえず睦月は、せっかく作ってもらったおにぎりを落とさないようにテーブルの上に置いてから、和衣をストップさせた。
「むっちゃん、お願い。これじゃ埒が明かないから」
とうとう見兼ねたのか、愛菜と眞織まで睦月に手を合わせた。
本当は、おにぎりを食べた後、和衣が出場する女装コンテストが始まるまでの時間、もう1度寝直そうかと思っていたのに、この2人にまでお願いされたのでは、断るに断れない。
「もぉー、分かったよぉ!」
まだパジャマ姿の睦月は渋々立ち上がると、和衣と違って照れもデリカシーもないので、愛菜と眞織がいるのに、構わずポイポイとパジャマを脱ぎ出した。
2人にしたら、睦月なんてもうずっと幼稚園児並みにしか扱っていないので、男のうちにも入らない、パンツ1枚の姿を晒したところで、恥ずかしがって騒ぐこともなかった。
「うーうー」
「むっちゃん、そこ頭じゃないよ!」
ジーンズを履いている途中で、長袖のTシャツを着ようとするものだから、もうめちゃくちゃ。しかも、袖のところから頭を出そうとしているから、全然うまくいっていない。
仕方がないから、和衣がTシャツの首のところを引っ張ってあげた。
「お待たせ! ……え、むっちゃん? 何でおにぎり食べてんの?」
和衣は猛スピードでやって来たというのに、ドアを開ければ、睦月はまだパジャマ姿のままで、のん気におにぎりを食べようとしていた。
「おにぎりねー、亮が作ってったんだって。超甘やかしてるよねー」
コンビニのものでない手作りおにぎりを、眞織が尋ねれば、睦月が当たり前のように亮が作ったと答えるものだから、苦笑するしかない。
しかし、相変わらず一切料理が出来ない睦月は、いつだってご飯は亮にお任せだし、亮も亮でそれを容認していて、バイトが遅くなる日や飲み会のときでも、睦月のために夕食の支度をしていってくれる。
今日だって、和衣の靴を取りに行くのに、睦月が起きるよりも先に出てしまうからと、律儀におにぎりを用意していってくれたのだ。
「じゃなくて! 何でむっちゃん、おにぎり食べてんの!?」
「そこにおにぎりがあったから」
「いや、そんな登山家みたいなこと言われても」
「お腹空いたの」
「そうだけど!」
そこに山があるから登山する登山家の気持ちは分からないけれど、お腹が空いているからおにぎりを食べる睦月の気持ちなら、よく分かる。
でも今和衣が言いたいのは、そういうことじゃなくて…。
「だって時間ないんでしょ? むっちゃん、何でそんなにのんびりしてんの?」
「?? 時間ないのは、カズちゃんでしょ? 大丈夫、コンテスト見に行くのには、間に合うようにするから」
「……。…………?? …………え?」
「は?」
「むっちゃん、一緒に行かないの?」
「何で?」
和衣は当然、準備のときから付いて来てくれるものだとばかり思っていたのに、睦月にそんな気は更々なかったようで、何で一緒に行かなきゃいけないの? と首を傾げている。
「一緒に行こうよ、ねぇむっちゃん!」
「…俺、お腹空いてんだけど」
「おにぎり持ってけばいいじゃん! ね? 一緒に行こ?」
お願いお願い~と、まるで子どもが駄々をこねるように、和衣は睦月の腕を掴んで、その体をユサユサと揺さぶる。
とりあえず睦月は、せっかく作ってもらったおにぎりを落とさないようにテーブルの上に置いてから、和衣をストップさせた。
「むっちゃん、お願い。これじゃ埒が明かないから」
とうとう見兼ねたのか、愛菜と眞織まで睦月に手を合わせた。
本当は、おにぎりを食べた後、和衣が出場する女装コンテストが始まるまでの時間、もう1度寝直そうかと思っていたのに、この2人にまでお願いされたのでは、断るに断れない。
「もぉー、分かったよぉ!」
まだパジャマ姿の睦月は渋々立ち上がると、和衣と違って照れもデリカシーもないので、愛菜と眞織がいるのに、構わずポイポイとパジャマを脱ぎ出した。
2人にしたら、睦月なんてもうずっと幼稚園児並みにしか扱っていないので、男のうちにも入らない、パンツ1枚の姿を晒したところで、恥ずかしがって騒ぐこともなかった。
「うーうー」
「むっちゃん、そこ頭じゃないよ!」
ジーンズを履いている途中で、長袖のTシャツを着ようとするものだから、もうめちゃくちゃ。しかも、袖のところから頭を出そうとしているから、全然うまくいっていない。
仕方がないから、和衣がTシャツの首のところを引っ張ってあげた。
- 関連記事
-
- 僕らの青春に明日はない (65) (2010/05/07)
- 僕らの青春に明日はない (64) (2010/05/06)
- 僕らの青春に明日はない (63) (2010/05/05)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:Baby Baby Baby Love
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学