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僕らの青春に明日はない (63)
2010.05.05 Wed
「カズちゃんには9時に来いって言ってあったのに、何まだ気持ちよさそうに寝てんの!」
「ホント、カズちゃん、気持ちよさそうに寝てるよねー」
「むっちゃんも、一緒に寝てたくせに、のん気に笑ってんじゃないの! だいたい何で、カズちゃんと一緒に寝てんの?」
「分かんない。何でカズちゃん、ここにいるの? 俺、亮と同じ部屋なのに」
昨日の夜――――いや、日付が変わった夜中に、眠れないと言って訪れた和衣を、一緒に寝ようと部屋に招き入れたなんてこと、すっかり忘れている睦月は、不思議そうに首を傾げる。
まぁ、和衣がいて、ぬくぬくで気持ちよかったから、別にいいんだけど。
「てか、亮は?」
見回しても、亮はベッドの中にも部屋の中にもいない感じ。
睦月も一応、携帯電話をアラーム代わりにして掛けているが、だいたいいつも亮に起こしてもらっているのに、今日は起こされなかったから、睦月はまだ起きる時間でないと思って、2度寝してしまったのだ。
「亮と祐介くんにはお使い頼んでる」
「お使い?」
「カズちゃんの靴。大きいサイズの、頼んでたのが今日届いたから、亮に取りに行ってもらってるの。その間にカズちゃんの準備しようと思って待ってたのに」
それなのに和衣は、これだけ部屋の中が賑やかになっても、まだ気持ちよさそうに熟睡している。
昨日、遅くまで寝付けなかったのだから仕方ないが、この分では、とてもすぐに準備になんて、取り掛かれそうもない。
「カズちゃん、カズちゃん、もう10時だって。カズちゃーん」
「…ん」
ユサユサと和衣の体を揺さぶってみても、かすかに反応はあるものの、起きる気配はない。
睦月は、自分が起こしてもらうことはあっても、人を起こしたことなんて1度もないから、目を覚まさない和衣に、どう対処していいか分からない。
(亮て、どんなふうに起こしてたっけ?)
殆ど毎日起してもらっているくせに、睦月は、申し訳ないくらいに、肝心な部分を少しも思い出せず。
「カズちゃーん」
「……うー……にゃ、に…?」
「愛菜ちゃんが怒ってる」
「……………………うぇっ!?」
どうしていいか分からなくて、とりあえず愛菜の名前を出してみたら、驚くほどその効果は絶大で、少しも起きそうになかった和衣の目が、いきなりパチリと開いた。
「え? え?」
「カズちゃん、おはよ」
「あ…お、おはよ…ございます…」
掛けられた声に、和衣はゆっくりと顔を向ける。
ベッドの上には睦月がいたが、その向こうには、愛菜と眞織が見えて、ニッコリ笑顔の愛菜の目が、実は少しも笑っていないことは、寝起きの頭でもすぐに分かった。
ここはもう、謝るしかない。
「ごごごゴメンなさ…」
「もう10時だから、早く準備してくれる?」
「はっ…はーい!!」
和衣は慌ててベッドを降りると、パジャマ代わりのスウェット姿のまま、睦月の部屋を飛び出した。
部屋にあった時計をチラッと見た限りでは、もう完全に10時を過ぎていた。
約束の時間て、確か9時…。
「ヤバイじゃん!」
「ホント、カズちゃん、気持ちよさそうに寝てるよねー」
「むっちゃんも、一緒に寝てたくせに、のん気に笑ってんじゃないの! だいたい何で、カズちゃんと一緒に寝てんの?」
「分かんない。何でカズちゃん、ここにいるの? 俺、亮と同じ部屋なのに」
昨日の夜――――いや、日付が変わった夜中に、眠れないと言って訪れた和衣を、一緒に寝ようと部屋に招き入れたなんてこと、すっかり忘れている睦月は、不思議そうに首を傾げる。
まぁ、和衣がいて、ぬくぬくで気持ちよかったから、別にいいんだけど。
「てか、亮は?」
見回しても、亮はベッドの中にも部屋の中にもいない感じ。
睦月も一応、携帯電話をアラーム代わりにして掛けているが、だいたいいつも亮に起こしてもらっているのに、今日は起こされなかったから、睦月はまだ起きる時間でないと思って、2度寝してしまったのだ。
「亮と祐介くんにはお使い頼んでる」
「お使い?」
「カズちゃんの靴。大きいサイズの、頼んでたのが今日届いたから、亮に取りに行ってもらってるの。その間にカズちゃんの準備しようと思って待ってたのに」
それなのに和衣は、これだけ部屋の中が賑やかになっても、まだ気持ちよさそうに熟睡している。
昨日、遅くまで寝付けなかったのだから仕方ないが、この分では、とてもすぐに準備になんて、取り掛かれそうもない。
「カズちゃん、カズちゃん、もう10時だって。カズちゃーん」
「…ん」
ユサユサと和衣の体を揺さぶってみても、かすかに反応はあるものの、起きる気配はない。
睦月は、自分が起こしてもらうことはあっても、人を起こしたことなんて1度もないから、目を覚まさない和衣に、どう対処していいか分からない。
(亮て、どんなふうに起こしてたっけ?)
殆ど毎日起してもらっているくせに、睦月は、申し訳ないくらいに、肝心な部分を少しも思い出せず。
「カズちゃーん」
「……うー……にゃ、に…?」
「愛菜ちゃんが怒ってる」
「……………………うぇっ!?」
どうしていいか分からなくて、とりあえず愛菜の名前を出してみたら、驚くほどその効果は絶大で、少しも起きそうになかった和衣の目が、いきなりパチリと開いた。
「え? え?」
「カズちゃん、おはよ」
「あ…お、おはよ…ございます…」
掛けられた声に、和衣はゆっくりと顔を向ける。
ベッドの上には睦月がいたが、その向こうには、愛菜と眞織が見えて、ニッコリ笑顔の愛菜の目が、実は少しも笑っていないことは、寝起きの頭でもすぐに分かった。
ここはもう、謝るしかない。
「ごごごゴメンなさ…」
「もう10時だから、早く準備してくれる?」
「はっ…はーい!!」
和衣は慌ててベッドを降りると、パジャマ代わりのスウェット姿のまま、睦月の部屋を飛び出した。
部屋にあった時計をチラッと見た限りでは、もう完全に10時を過ぎていた。
約束の時間て、確か9時…。
「ヤバイじゃん!」
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