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僕らの青春に明日はない (60)
2010.05.02 Sun
「何してんだよ、お前。こんな時間に…」
「だって…」
シン…と静まり返っている寮では、普通の声で喋っていても結構響くから、苛立ちながらも亮は声を潜める。
だいたい、明日は学園祭の女装コンテストの本番だ。
コンテスト自体は午後からだが、午前中から準備をするから、朝だってゆっくりは寝ていられないはずだ。
それなのに和衣は、こんな時間に亮たちの部屋を訪れて来て、一体どういうつもりなのだ。
「どうしよう、眠れない~…」
「はぁ~?」
まさかそれが、夜中に親友を叩き起こした理由だというわけではあるまいと、亮は嫌みたっぷりに聞き返したが、和衣は、亮が本当に聞こえていないのだと思ったのか、「眠れないの!」ともう1度言った。
「…………、部屋帰って、さっさと寝ろ」
「待ってよ、亮! だってだって!」
「シーッ! バカ、静かにしろ…!」
今の時間も、静まり返った寮内も忘れて、和衣が声を大きくするものだから、亮は慌てて静かにさせた。
大学生くらいなら、まだ寝ないで起きている者も中にはいるだろうし、ここが同じ大学に行っている学生しかいない建物だとしても、やはり騒ぎ立てるには非常識な時間帯だ。
「うぅ…だって、何か緊張? して、眠れない…。どーしよぉ…」
「どうしよう、て…」
そんなこと、亮に言われたって、本当にどうしよう、だ。
和衣もそれは重々承知で、でもどうしても眠れなくて、どうしていいか分からなくて、ここを訪れたのだ。
「ふとん入って、目閉じてれば眠くなるから。な?」
「無理ー…。ヒツジも1万3,528匹まで数えたけど、ダメだったの…」
「…………」
コイツって、こんなに繊細なヤツだっけ…? と、亮も何だか少しかわいそうに思えてきた。
「祐介んとこ行って、一緒に寝ればいいじゃん」
「バッ…寝れるわけないじゃん…!」
同じ建物の中には、幼馴染みだけでなく、歴とした恋人だっているのだ。
眠れない夜なら、親友でなく恋人だろう。
「だって、祐介の部屋の人に何て言うの…! そっ…それに、祐介と一緒に寝たら、ドキドキし過ぎて、逆に眠れない…!」
「あのな…」
はぁ~…と、亮は頭を抱えた。
和衣の場合、不埒な思いでなく、本当に純情一心で心臓をバクバクさせているのだと想像が付くが、2人が恋人になって、もうすぐ2年になるのに、たかが一緒に寝るくらいで、眠れなくなるほどドキドキするというのは、いかがなものだろう。
「しょうがないじゃん、ドキドキすんだから…!」
「分かった分かった。で、俺にどうしろっつの…? 寄り添って、寝かし付けてやりゃ、いいわけ?」
「そしたら俺、眠くなる?」
「知らねぇよ。つーか、悪ぃけど俺、そんなことしたくねぇんだけど」
何が悲しくて、幼馴染みを寝かし付けるために、同じふとんで寝なければならないのだ。
やはり最初から無視していればよかったと、亮はドアを開けてしまったことを、少なからず後悔した。
「亮、助けてよぉ~…」
「そんなこと言ったって…!」
「だって…」
シン…と静まり返っている寮では、普通の声で喋っていても結構響くから、苛立ちながらも亮は声を潜める。
だいたい、明日は学園祭の女装コンテストの本番だ。
コンテスト自体は午後からだが、午前中から準備をするから、朝だってゆっくりは寝ていられないはずだ。
それなのに和衣は、こんな時間に亮たちの部屋を訪れて来て、一体どういうつもりなのだ。
「どうしよう、眠れない~…」
「はぁ~?」
まさかそれが、夜中に親友を叩き起こした理由だというわけではあるまいと、亮は嫌みたっぷりに聞き返したが、和衣は、亮が本当に聞こえていないのだと思ったのか、「眠れないの!」ともう1度言った。
「…………、部屋帰って、さっさと寝ろ」
「待ってよ、亮! だってだって!」
「シーッ! バカ、静かにしろ…!」
今の時間も、静まり返った寮内も忘れて、和衣が声を大きくするものだから、亮は慌てて静かにさせた。
大学生くらいなら、まだ寝ないで起きている者も中にはいるだろうし、ここが同じ大学に行っている学生しかいない建物だとしても、やはり騒ぎ立てるには非常識な時間帯だ。
「うぅ…だって、何か緊張? して、眠れない…。どーしよぉ…」
「どうしよう、て…」
そんなこと、亮に言われたって、本当にどうしよう、だ。
和衣もそれは重々承知で、でもどうしても眠れなくて、どうしていいか分からなくて、ここを訪れたのだ。
「ふとん入って、目閉じてれば眠くなるから。な?」
「無理ー…。ヒツジも1万3,528匹まで数えたけど、ダメだったの…」
「…………」
コイツって、こんなに繊細なヤツだっけ…? と、亮も何だか少しかわいそうに思えてきた。
「祐介んとこ行って、一緒に寝ればいいじゃん」
「バッ…寝れるわけないじゃん…!」
同じ建物の中には、幼馴染みだけでなく、歴とした恋人だっているのだ。
眠れない夜なら、親友でなく恋人だろう。
「だって、祐介の部屋の人に何て言うの…! そっ…それに、祐介と一緒に寝たら、ドキドキし過ぎて、逆に眠れない…!」
「あのな…」
はぁ~…と、亮は頭を抱えた。
和衣の場合、不埒な思いでなく、本当に純情一心で心臓をバクバクさせているのだと想像が付くが、2人が恋人になって、もうすぐ2年になるのに、たかが一緒に寝るくらいで、眠れなくなるほどドキドキするというのは、いかがなものだろう。
「しょうがないじゃん、ドキドキすんだから…!」
「分かった分かった。で、俺にどうしろっつの…? 寄り添って、寝かし付けてやりゃ、いいわけ?」
「そしたら俺、眠くなる?」
「知らねぇよ。つーか、悪ぃけど俺、そんなことしたくねぇんだけど」
何が悲しくて、幼馴染みを寝かし付けるために、同じふとんで寝なければならないのだ。
やはり最初から無視していればよかったと、亮はドアを開けてしまったことを、少なからず後悔した。
「亮、助けてよぉ~…」
「そんなこと言ったって…!」
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