スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
僕らの青春に明日はない (59)
2010.05.01 Sat
「大丈夫。カズちゃんが自信持って堂々としてたら、全然オッケーなんだから」
「自信……女の子みたくする、自信? そんなの…」
「大げさに考えなくてもいいの。カズちゃん、今のままで十分だから。まぁ…立ったときに足をちゃんと閉じてくれればね?」
「あ…」
女子高生ぽい、完璧な振る舞いが出来ないからといって、そこを非難するつもりはない。
和衣が恥ずかしがってモジモジしている仕草は、それだけでポイントは高いはずだから、それ以上の要求はしない――――ちゃんと足さえ閉じて、立っていてくれれば。
「ゆっち~」
「…何だよ」
和衣が、今度こそホントにがんばる! と、何度目になるか分からない気合を入れ直し、愛菜と眞織からキレイな立ち方を教わっている傍ら、睦月はこっそりと祐介に近づいた。
「そーんなにカズちゃんに見惚れてるくらいなら、はっきりかわいいって言ってあげたら~?」
「なっ…、ッ、俺は別に、」
「別にいいけど~」
まだ何か言いたげにしている祐介にニヤリと笑い掛け、睦月は亮のところへと行ってしまった。
(でも、まぁ……言葉を失っちゃうくらい、かわいかったんだけど…)
祐介が視線を上げた先、和衣は愛菜と眞織から、ビシビシと立ち方の指導を受けていた。
*****
部屋のドアを叩く音に、先に気が付いたのは、亮だった。
眠い目を抉じ開けて、携帯電話で時間を確認すれば、まだ夜中の2時半過ぎだったが、部屋のドアは、偶然何かが当たって音がしたのではなく、控え目ながら明らかに誰かにノックされていた。
しかし、時間も時間だし、眠いし……と、亮は無視を決め込んで目を閉じた――――が。
『りょー…、むっちゃーん…』
泣き出しそうなほどの情けない声が、ドアの向こうから聞こえて来て、亮は慌てて飛び起きた。
この真夜中に、嫌がらせか!? と思われても仕方のない暴挙に出ていたのは、同じ寮で暮らす幼馴染みだったのだ。
仕方なく亮は自分のベッドを下りた。
隣のベッドでは、睦月が声にもノックにも気付かずに眠りこけている。
(てか、お腹…)
今日はお風呂から上がって、すぐにふとんに入ってしまったから、寝ているうちに暑くなってしまったのだろう、睦月はふとんを蹴飛ばしていて、パジャマが捲れてお腹がチラチラしている。
亮は甲斐甲斐しく、睦月のパジャマの裾とふとんを直してあげてから、部屋のドアを開けてやった。
「カズ…」
廊下にいたのは言わずもがな和衣で、声と同じくらい情けない顔で、ようやくドアを開けてくれた亮に、縋るような視線を向けていた。
「…何?」
別に睦月といい雰囲気だったところを邪魔されたわけではないが、気持ちよく眠っていたところを起されたわけで、自然と声は苛付いた調子になる。
しかし和衣はそんなことにまるで気付いていないのか、「りょー!」と泣き付いた。
「ちょっ、おい、カズ…!」
「イダダダ…」
いきなりしがみ付いて来た和衣を、亮は嫌そうに押し退ける。
幼馴染みとはいえ、睦月以外の男に抱き付かれたって、嬉しくも何ともない。
「自信……女の子みたくする、自信? そんなの…」
「大げさに考えなくてもいいの。カズちゃん、今のままで十分だから。まぁ…立ったときに足をちゃんと閉じてくれればね?」
「あ…」
女子高生ぽい、完璧な振る舞いが出来ないからといって、そこを非難するつもりはない。
和衣が恥ずかしがってモジモジしている仕草は、それだけでポイントは高いはずだから、それ以上の要求はしない――――ちゃんと足さえ閉じて、立っていてくれれば。
「ゆっち~」
「…何だよ」
和衣が、今度こそホントにがんばる! と、何度目になるか分からない気合を入れ直し、愛菜と眞織からキレイな立ち方を教わっている傍ら、睦月はこっそりと祐介に近づいた。
「そーんなにカズちゃんに見惚れてるくらいなら、はっきりかわいいって言ってあげたら~?」
「なっ…、ッ、俺は別に、」
「別にいいけど~」
まだ何か言いたげにしている祐介にニヤリと笑い掛け、睦月は亮のところへと行ってしまった。
(でも、まぁ……言葉を失っちゃうくらい、かわいかったんだけど…)
祐介が視線を上げた先、和衣は愛菜と眞織から、ビシビシと立ち方の指導を受けていた。
*****
部屋のドアを叩く音に、先に気が付いたのは、亮だった。
眠い目を抉じ開けて、携帯電話で時間を確認すれば、まだ夜中の2時半過ぎだったが、部屋のドアは、偶然何かが当たって音がしたのではなく、控え目ながら明らかに誰かにノックされていた。
しかし、時間も時間だし、眠いし……と、亮は無視を決め込んで目を閉じた――――が。
『りょー…、むっちゃーん…』
泣き出しそうなほどの情けない声が、ドアの向こうから聞こえて来て、亮は慌てて飛び起きた。
この真夜中に、嫌がらせか!? と思われても仕方のない暴挙に出ていたのは、同じ寮で暮らす幼馴染みだったのだ。
仕方なく亮は自分のベッドを下りた。
隣のベッドでは、睦月が声にもノックにも気付かずに眠りこけている。
(てか、お腹…)
今日はお風呂から上がって、すぐにふとんに入ってしまったから、寝ているうちに暑くなってしまったのだろう、睦月はふとんを蹴飛ばしていて、パジャマが捲れてお腹がチラチラしている。
亮は甲斐甲斐しく、睦月のパジャマの裾とふとんを直してあげてから、部屋のドアを開けてやった。
「カズ…」
廊下にいたのは言わずもがな和衣で、声と同じくらい情けない顔で、ようやくドアを開けてくれた亮に、縋るような視線を向けていた。
「…何?」
別に睦月といい雰囲気だったところを邪魔されたわけではないが、気持ちよく眠っていたところを起されたわけで、自然と声は苛付いた調子になる。
しかし和衣はそんなことにまるで気付いていないのか、「りょー!」と泣き付いた。
「ちょっ、おい、カズ…!」
「イダダダ…」
いきなりしがみ付いて来た和衣を、亮は嫌そうに押し退ける。
幼馴染みとはいえ、睦月以外の男に抱き付かれたって、嬉しくも何ともない。
- 関連記事
-
- 僕らの青春に明日はない (60) (2010/05/02)
- 僕らの青春に明日はない (59) (2010/05/01)
- 僕らの青春に明日はない (58) (2010/04/30)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:Baby Baby Baby Love
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学