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僕らの青春に明日はない (58)
2010.04.30 Fri
「ねぇねぇ、本番て、ステージに立って何すんの? 一発芸?」
「出来ないよ!」
女装の時点で、ある意味、芸をしているようなものなのに、どうしてさらにそこで一発芸なんか。
完全に他人事だと思っている睦月にもげんなりするが、しかしよく考えたら、単に女装してステージに上がるだけで済むとは思えない。
和衣は女装のことで頭がいっぱいだったから、全然何も考えていなかったけれど、もしかしたら何かさせられるのだろうか。
そんなの絶対に無理なんだけど…! と、和衣は途端に不安になってしまった。
「そんな大したことしないって。質問されたことにニッコリ笑って答えればいいだけだから」
「何聞かれるの?」
「知らない」
「そんなぁ~」
ただでさえ和衣は、アドリブに弱いのだ。
急に聞かれたことに、すんなりと答えが出てくる自信なんか、まるでない。
「それはもう、女装とは関係ない問題でしょうが」
「だってぇ!」
それはそうなんだけれど、苦手なものは苦手なんだから、どうしようもない。
そう考えると、和衣は絶対にこのコンテストへの参加に、本当に向いていないと思う。
真大みたいにノリノリにはなれないし、睦月みたいにポンポン言葉が出てくるわけでもない。立っても座っても、もっと女の子らしく! と言われるし、一体何がよくて和衣が選ばれたのだろう。
「カズちゃん、カズちゃん」
「ぅ?」
今にも泣き出しそうなくらいグルグルしてしまっている和衣を、亮に抱えられたままでいた睦月が、おいでおいでしている。
和衣はスカートの裾を気にしながら、睦月の前に屈んだ。
「あのね、あのね」
亮の腕の中から抜け出て、睦月は和衣の耳元に顔を寄せる。
「カズちゃん、だーいじょうぶ。ゆっちだって超メロメロになってんだから、何も心配することないよ? 変な格好だって笑いモンにされるより、かわいい、て言われたほうがいいでしょ?」
「…ん。でも、何か聞かれても、答えらんない…」
「変なこと聞いてくるヤツがいたら、俺がぶっ飛ばしてやる」
「ぶふっ」
睦月が本気でコブシを構えるものだから、和衣は思わず吹き出してしまった。
冗談だとは思うが、睦月の場合、本当にステージにまで上がって来て、殴り飛ばしそう…。
「ね?」
「…ん、がんばる」
睦月がヒソヒソ話で和衣を説得してくれているようなので、愛菜と眞織はそれを黙って見守っていたが(何かかわいいから)、どうやら和衣はようやく決心が付いたらしい。
出るからにはがんばってもらいたいし、旅行券も欲しいけれど、和衣が本気で嫌がっているのを無理やり出したいとは思わないから、やる気になってくれることが何よりなのだ。
「和衣、がんばれそう?」
「え、あ…うん」
どうしていいか分からない…と困惑していた和衣に、声も掛けられずにいた祐介だったが、自分が落ち着いたこともあって、ようやく和衣を気に掛けてあげることが出来た。
でも和衣にしたら、この格好でみんなの前に出るのも恥ずかしいけれど、祐介にそんなに見られるのは、女装を抜きにしても、何だか恥ずかしい。
だって未だに、恋人と見つめ合うだけで、ドキドキしてしまうくらいだし。
「出来ないよ!」
女装の時点で、ある意味、芸をしているようなものなのに、どうしてさらにそこで一発芸なんか。
完全に他人事だと思っている睦月にもげんなりするが、しかしよく考えたら、単に女装してステージに上がるだけで済むとは思えない。
和衣は女装のことで頭がいっぱいだったから、全然何も考えていなかったけれど、もしかしたら何かさせられるのだろうか。
そんなの絶対に無理なんだけど…! と、和衣は途端に不安になってしまった。
「そんな大したことしないって。質問されたことにニッコリ笑って答えればいいだけだから」
「何聞かれるの?」
「知らない」
「そんなぁ~」
ただでさえ和衣は、アドリブに弱いのだ。
急に聞かれたことに、すんなりと答えが出てくる自信なんか、まるでない。
「それはもう、女装とは関係ない問題でしょうが」
「だってぇ!」
それはそうなんだけれど、苦手なものは苦手なんだから、どうしようもない。
そう考えると、和衣は絶対にこのコンテストへの参加に、本当に向いていないと思う。
真大みたいにノリノリにはなれないし、睦月みたいにポンポン言葉が出てくるわけでもない。立っても座っても、もっと女の子らしく! と言われるし、一体何がよくて和衣が選ばれたのだろう。
「カズちゃん、カズちゃん」
「ぅ?」
今にも泣き出しそうなくらいグルグルしてしまっている和衣を、亮に抱えられたままでいた睦月が、おいでおいでしている。
和衣はスカートの裾を気にしながら、睦月の前に屈んだ。
「あのね、あのね」
亮の腕の中から抜け出て、睦月は和衣の耳元に顔を寄せる。
「カズちゃん、だーいじょうぶ。ゆっちだって超メロメロになってんだから、何も心配することないよ? 変な格好だって笑いモンにされるより、かわいい、て言われたほうがいいでしょ?」
「…ん。でも、何か聞かれても、答えらんない…」
「変なこと聞いてくるヤツがいたら、俺がぶっ飛ばしてやる」
「ぶふっ」
睦月が本気でコブシを構えるものだから、和衣は思わず吹き出してしまった。
冗談だとは思うが、睦月の場合、本当にステージにまで上がって来て、殴り飛ばしそう…。
「ね?」
「…ん、がんばる」
睦月がヒソヒソ話で和衣を説得してくれているようなので、愛菜と眞織はそれを黙って見守っていたが(何かかわいいから)、どうやら和衣はようやく決心が付いたらしい。
出るからにはがんばってもらいたいし、旅行券も欲しいけれど、和衣が本気で嫌がっているのを無理やり出したいとは思わないから、やる気になってくれることが何よりなのだ。
「和衣、がんばれそう?」
「え、あ…うん」
どうしていいか分からない…と困惑していた和衣に、声も掛けられずにいた祐介だったが、自分が落ち着いたこともあって、ようやく和衣を気に掛けてあげることが出来た。
でも和衣にしたら、この格好でみんなの前に出るのも恥ずかしいけれど、祐介にそんなに見られるのは、女装を抜きにしても、何だか恥ずかしい。
だって未だに、恋人と見つめ合うだけで、ドキドキしてしまうくらいだし。
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カテゴリー:Baby Baby Baby Love
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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柚子季杏 ⇒
休肝日はない!に爆笑((笑´∀`))ヶラヶラ
むっちゃんグッジョブ(*・ω-)b!
ネコちゃん2人の会話の様子…光景妄想して悶えましたw
ゆっちさんもようやく言葉を発しましたねヽ(゚∀゚)ノ パッ☆
あーもう、かわいんだろうなぁ♪
むっちゃんグッジョブ(*・ω-)b!
ネコちゃん2人の会話の様子…光景妄想して悶えましたw
ゆっちさんもようやく言葉を発しましたねヽ(゚∀゚)ノ パッ☆
あーもう、かわいんだろうなぁ♪
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> 休肝日はない!に爆笑((笑´∀`))ヶラヶラ
いやもうホント、今日飲んで、明日は昼から飲んで、連休中も…。
肝臓を休ませてる暇がありません…(爆)
> むっちゃんグッジョブ(*・ω-)b!
> ネコちゃん2人の会話の様子…光景妄想して悶えましたw
何かかわい子ちゃんたちが、もしょもしょしてる光景…萌えますよね。
そりゃ、愛菜ちゃんたちも、止められないわけです(笑)
> ゆっちさんもようやく言葉を発しましたねヽ(゚∀゚)ノ パッ☆
> あーもう、かわいんだろうなぁ♪
あれだけ散々悩んでいましたが、やっぱかわいいもんはかわいいですからね♪
これでカズちゃんも勇気付けられて、がんばってくれますように。。。
コメントありがとうございました!
いやもうホント、今日飲んで、明日は昼から飲んで、連休中も…。
肝臓を休ませてる暇がありません…(爆)
> むっちゃんグッジョブ(*・ω-)b!
> ネコちゃん2人の会話の様子…光景妄想して悶えましたw
何かかわい子ちゃんたちが、もしょもしょしてる光景…萌えますよね。
そりゃ、愛菜ちゃんたちも、止められないわけです(笑)
> ゆっちさんもようやく言葉を発しましたねヽ(゚∀゚)ノ パッ☆
> あーもう、かわいんだろうなぁ♪
あれだけ散々悩んでいましたが、やっぱかわいいもんはかわいいですからね♪
これでカズちゃんも勇気付けられて、がんばってくれますように。。。
コメントありがとうございました!