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僕らの青春に明日はない (53)
2010.04.25 Sun
「眞織、アイメイクどうしよう」
「えー? そーだなぁ…」
とりあえず睦月のことは亮に任せ、眞織も和衣のところにやって来た。
「やっぱナチュラル系?」
「だよね、やっぱり」
何が"やっぱり"なのかは、和衣にはちっとも分からないが、亮と睦月が仲良くわちゃわちゃしているから、羨ましくて仕方ない。
俺だって、祐介とイチャイチャしたい…。
「カズちゃん、目線だけ下のほうに落として」
「目線だけ…? 何それ。分かんない…」
それよりも、祐介、向こうに行かないでほしい。
傍にいてほしい。
「カーズちゃん、そんな顔しないで。カズちゃんが集中すれば、すぐ終わるんだから」
「そんな顔? どうせ俺、変な顔してるもん…」
「かわいい顔してるけど。アヒルさんみたいになってる、口。お菓子食べる?」
「いらない」
「いらないの?」
「…いる」
「どっち」
なぜか急にいじけてしまった和衣に、愛菜も眞織を倣ってお菓子で気を惹こうとするが、なかなか和衣の機嫌は直らない。
愛菜は困って、祐介を振り返った。
「祐介くん、ゴメン、お菓子ちょっと取って」
「あ、うん」
結局、和衣のメイクに何の役にも立てなかった祐介は、隅のほうで大人しくしていたのだが、急に役割を与えられ、急いで散らばっていたお菓子を取りに行った。
「カズちゃん、はい」
「…ん」
愛菜に包み紙に包まったチョコを渡され、和衣は渋々それを受け取った。
本当は睦月のように、恋人に「あーん」とかされたいのに。
そう思っていたら、なぜか急に目の前に、チョコが。
「はい」
「え、ぅ? ん?」
チョコを受け取ったまま包み紙を開けようともしない和衣に、祐介はその手からチョコを取って、中身を出して和衣の口元に持っていったのだ。
(こ…これは、もしかして…)
まさか、念願の「あーん」??
和衣はドキドキしながら、祐介を見た。
もしかしたら祐介は単に、ジッとしていなければならない和衣が、食べづらくて食べれないと思って、気を利かせてくれただけなのかもしれない。
でもそれでも、和衣は嬉しくて、心臓が高鳴ってしまう。
「あ…む」
祐介の手からチョコを口に入れてもらった和衣は、甘く溶けていくチョコに、ちょっとずつ心の中が落ち着いてくる。
そんな和衣はもちろん、愛菜と眞織に、子どもをあやすにはやっぱお菓子か…と思われているなんて、気付いてもいないが。
「えー? そーだなぁ…」
とりあえず睦月のことは亮に任せ、眞織も和衣のところにやって来た。
「やっぱナチュラル系?」
「だよね、やっぱり」
何が"やっぱり"なのかは、和衣にはちっとも分からないが、亮と睦月が仲良くわちゃわちゃしているから、羨ましくて仕方ない。
俺だって、祐介とイチャイチャしたい…。
「カズちゃん、目線だけ下のほうに落として」
「目線だけ…? 何それ。分かんない…」
それよりも、祐介、向こうに行かないでほしい。
傍にいてほしい。
「カーズちゃん、そんな顔しないで。カズちゃんが集中すれば、すぐ終わるんだから」
「そんな顔? どうせ俺、変な顔してるもん…」
「かわいい顔してるけど。アヒルさんみたいになってる、口。お菓子食べる?」
「いらない」
「いらないの?」
「…いる」
「どっち」
なぜか急にいじけてしまった和衣に、愛菜も眞織を倣ってお菓子で気を惹こうとするが、なかなか和衣の機嫌は直らない。
愛菜は困って、祐介を振り返った。
「祐介くん、ゴメン、お菓子ちょっと取って」
「あ、うん」
結局、和衣のメイクに何の役にも立てなかった祐介は、隅のほうで大人しくしていたのだが、急に役割を与えられ、急いで散らばっていたお菓子を取りに行った。
「カズちゃん、はい」
「…ん」
愛菜に包み紙に包まったチョコを渡され、和衣は渋々それを受け取った。
本当は睦月のように、恋人に「あーん」とかされたいのに。
そう思っていたら、なぜか急に目の前に、チョコが。
「はい」
「え、ぅ? ん?」
チョコを受け取ったまま包み紙を開けようともしない和衣に、祐介はその手からチョコを取って、中身を出して和衣の口元に持っていったのだ。
(こ…これは、もしかして…)
まさか、念願の「あーん」??
和衣はドキドキしながら、祐介を見た。
もしかしたら祐介は単に、ジッとしていなければならない和衣が、食べづらくて食べれないと思って、気を利かせてくれただけなのかもしれない。
でもそれでも、和衣は嬉しくて、心臓が高鳴ってしまう。
「あ…む」
祐介の手からチョコを口に入れてもらった和衣は、甘く溶けていくチョコに、ちょっとずつ心の中が落ち着いてくる。
そんな和衣はもちろん、愛菜と眞織に、子どもをあやすにはやっぱお菓子か…と思われているなんて、気付いてもいないが。
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カテゴリー:Baby Baby Baby Love
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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如月久美子 ⇒ >拍手コメ→sさん
むっちゃんは基本、恋人に限らず誰にでも普通に甘えちゃうタイプなんで、「あーん」されるのなんて甘えた内に入らないんですが、カズちゃんには、羨ましくて堪らなかったようです(笑)
ゆっちさん、カズちゃんが衣装を着ただけで言葉を失っちゃうくらいドキドキしてますからねぇ。
メイクもばっちり整ったら、一体どうなっちゃうんでしょう(笑)
拍手&コメントありがとうございました!
ゆっちさん、カズちゃんが衣装を着ただけで言葉を失っちゃうくらいドキドキしてますからねぇ。
メイクもばっちり整ったら、一体どうなっちゃうんでしょう(笑)
拍手&コメントありがとうございました!