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僕らの青春に明日はない (50)
2010.04.22 Thu
「――――……え…。何、睦月」
「…何でもないけど」
どうかした? と、ぎこちない仕草で睦月のほうを向く祐介に、『どうかした?』は、こっちのセリフだ! と言わんばかりに、睦月は祐介をキックした。
「やっぱ、変…?」
「えっ?」
睦月と祐介の遣り取りに気付いた和衣は、祐介の反応を、また良からぬほうに考えてしまったらしい。
やっぱ変だよね…と、和衣が泣きそうな顔をするから、祐介は慌てて「そんなことないです!」と、なぜか敬語で答えてしまった。
「ゆっち、カズちゃんの女装見るの初めてだから、緊張してるの」
「?? 何で祐介くんが緊張すんの?」
睦月のフォローは的確だったが、祐介と和衣が付き合っているなど知らない愛菜たちにしたら、和衣の女装姿を見て、どうして祐介が緊張するのかと、不思議顔になる。
亮は、先ほどみたく、睦月がうっかり何か言ってしまうのではないかと、心と両手の準備だけは怠らない。
「……変じゃない…?」
変だから固まってるんじゃないの? 俺、ホントに変じゃない? 祐介、俺のこと嫌いにならない? と和衣は、視線で祐介に問い掛ければ、そのアイコンタクトの意味を理解したのか、祐介はコクコク頷いている。
祐介は何も、和衣の女装が変だったから固まっていたわけではない。自分が想像していたよりずっと、和衣がかわいかったから、焦ってしまっただけだ。
「髪の毛だけど……こないだみたいに、前髪アップにするヤツでいいよね?」
眞織はブラシで和衣の髪を梳いた後、先日睦月がガチャガチャで不本意ながら出したイチゴちゃんのゴムで、和衣の前髪を結い上げる。
手先が器用なだけあって、仕上がりはキレイだ。
それからワックスでサイドや後ろの髪をセットし、最後にイチゴの位置を微調整したら、出来上がり。
「ん、かわいくなった。じゃ、次、メイクね?」
愛菜が持ってきた荷物の中から、取っ手の付いた大きめの箱を取り出せば、ゴロゴロしながら亮の足にじゃれ付いていた睦月は、物珍しそうにそちらに身を乗り出した。
女の子の持ち物は、よく分からない。
弁当箱にしては絶対に大きすぎるけれど、中にお菓子がいっぱい詰まったらいいのにな、と睦月が小学生レベルのことを考えていたら、蓋を開けたその中には、お菓子ではなくてメイク道具がいっぱい入っていた。
「全部愛菜ちゃんの? いっぱいあんね」
「そう。どういうのが合うか分かんないから、全部持って来てみた」
ファンデーションとアイシャドウと口紅と、あとは……まつ毛をクルンてさせるヤツ? 睦月のメイクの知識はそのくらいしかないから、この箱いっぱいのメイク道具を見ても、ピンと来ない。
(あ、あと、眉毛書くヤツ!)
あれはきっと重要だと思う。
睦月の勝手な想像だが、間違いない。
「ケープがないから、とりあえずタオルでいっか」
衣装が汚れないように、タオルを和衣の首元に掛けて上げる。
女の子がどんなふうに化粧をするかなんて全然知らない睦月は、興味津々でその様子を眺めている。
「…何でもないけど」
どうかした? と、ぎこちない仕草で睦月のほうを向く祐介に、『どうかした?』は、こっちのセリフだ! と言わんばかりに、睦月は祐介をキックした。
「やっぱ、変…?」
「えっ?」
睦月と祐介の遣り取りに気付いた和衣は、祐介の反応を、また良からぬほうに考えてしまったらしい。
やっぱ変だよね…と、和衣が泣きそうな顔をするから、祐介は慌てて「そんなことないです!」と、なぜか敬語で答えてしまった。
「ゆっち、カズちゃんの女装見るの初めてだから、緊張してるの」
「?? 何で祐介くんが緊張すんの?」
睦月のフォローは的確だったが、祐介と和衣が付き合っているなど知らない愛菜たちにしたら、和衣の女装姿を見て、どうして祐介が緊張するのかと、不思議顔になる。
亮は、先ほどみたく、睦月がうっかり何か言ってしまうのではないかと、心と両手の準備だけは怠らない。
「……変じゃない…?」
変だから固まってるんじゃないの? 俺、ホントに変じゃない? 祐介、俺のこと嫌いにならない? と和衣は、視線で祐介に問い掛ければ、そのアイコンタクトの意味を理解したのか、祐介はコクコク頷いている。
祐介は何も、和衣の女装が変だったから固まっていたわけではない。自分が想像していたよりずっと、和衣がかわいかったから、焦ってしまっただけだ。
「髪の毛だけど……こないだみたいに、前髪アップにするヤツでいいよね?」
眞織はブラシで和衣の髪を梳いた後、先日睦月がガチャガチャで不本意ながら出したイチゴちゃんのゴムで、和衣の前髪を結い上げる。
手先が器用なだけあって、仕上がりはキレイだ。
それからワックスでサイドや後ろの髪をセットし、最後にイチゴの位置を微調整したら、出来上がり。
「ん、かわいくなった。じゃ、次、メイクね?」
愛菜が持ってきた荷物の中から、取っ手の付いた大きめの箱を取り出せば、ゴロゴロしながら亮の足にじゃれ付いていた睦月は、物珍しそうにそちらに身を乗り出した。
女の子の持ち物は、よく分からない。
弁当箱にしては絶対に大きすぎるけれど、中にお菓子がいっぱい詰まったらいいのにな、と睦月が小学生レベルのことを考えていたら、蓋を開けたその中には、お菓子ではなくてメイク道具がいっぱい入っていた。
「全部愛菜ちゃんの? いっぱいあんね」
「そう。どういうのが合うか分かんないから、全部持って来てみた」
ファンデーションとアイシャドウと口紅と、あとは……まつ毛をクルンてさせるヤツ? 睦月のメイクの知識はそのくらいしかないから、この箱いっぱいのメイク道具を見ても、ピンと来ない。
(あ、あと、眉毛書くヤツ!)
あれはきっと重要だと思う。
睦月の勝手な想像だが、間違いない。
「ケープがないから、とりあえずタオルでいっか」
衣装が汚れないように、タオルを和衣の首元に掛けて上げる。
女の子がどんなふうに化粧をするかなんて全然知らない睦月は、興味津々でその様子を眺めている。
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