スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
僕らの青春に明日はない (49)
2010.04.21 Wed
「むっちゃん、シーッ! ね?」
「ぅむ…」
コクリと頷いた睦月の口から手を離し、亮はその体ごと、和衣のほうが見えないように反転させた。
(手の掛かるのが2人…)
和衣から背を向けている愛菜は、実は世話が焼けるのは和衣1人ではないことに気が付き、密かに溜め息を零す。
本当に今日中に、最終的な仕上げまで持っていけるのだろうか。
「着たよ」
和衣の声に、ようやく全員が和衣のほうを向いた。
先日の衣装合わせのときよりも増えた視線にも戸惑うが、やはり今日は祐介がいるから、とっても緊張する。
「次、カーディガンとリボンね」
「…ん」
和衣は恥ずかしくて、祐介のほうを向けないまま、眞織からカーディガンとリボンを受け取った。
睦月にからかわれるのは(慣れているから)いいが、祐介に変な子だって思われたくない…!
「カズちゃん、カーディガンのボタン! 上と下は留めないの」
「あ、そっか」
よく分からないが、カーディガンの上と下のボタンを外しておくのが、今どきの女子高生流らしい。
和衣はせっかく全部止めたボタンのうち2つを外し、胸元にえんじ色のリボンを着けて、パンツが見えないよう気を付けながら紺色のハイソックスを履く。
「……どぉ…?」
「オッケー、オッケー」
先日の見立てどおり、一式着込めば、かわいい女子高生の出来上がり。
和衣がちょっと恥ずかしそうにしているところが、今どきの、いわゆる"ギャル"とは違う雰囲気で、それがいい(和衣にしたら、"恥ずかしそうにしている"のではなくて、本当に恥ずかしいのだけれど)。
「女子高生だー…」
亮のベッドの上ですっかり寛いでいる睦月が、はわー…となりながら、声を上げた。
携帯電話のカメラで撮られた写真なら見たが、実物を目にするのは、今日が初めてだ。
和衣がずっと卑屈だったから、写真写りはともかく、実際は相当ひどいのかと思っていたが、普通にかわいい。
(カズちゃん、大げさなんだから)
勝手なことを思いながら、睦月は祐介のほうをチラリと見た。
祐介こそ、正真正銘、まったく初めて和衣の女装したところを見るのだ。一体どんな反応をするのだろう。
「…ゆっち?」
「………………」
「ゆっち」
「うぇっ!?」
ベッドのそばに突っ立ったまま、ボーっと和衣のほうを見ていた祐介に声を掛ければ、この部屋に自分以外の人間がいたこと自体に初めて気が付いたかのように、ビクッと肩を跳ね上げた。
「ぅむ…」
コクリと頷いた睦月の口から手を離し、亮はその体ごと、和衣のほうが見えないように反転させた。
(手の掛かるのが2人…)
和衣から背を向けている愛菜は、実は世話が焼けるのは和衣1人ではないことに気が付き、密かに溜め息を零す。
本当に今日中に、最終的な仕上げまで持っていけるのだろうか。
「着たよ」
和衣の声に、ようやく全員が和衣のほうを向いた。
先日の衣装合わせのときよりも増えた視線にも戸惑うが、やはり今日は祐介がいるから、とっても緊張する。
「次、カーディガンとリボンね」
「…ん」
和衣は恥ずかしくて、祐介のほうを向けないまま、眞織からカーディガンとリボンを受け取った。
睦月にからかわれるのは(慣れているから)いいが、祐介に変な子だって思われたくない…!
「カズちゃん、カーディガンのボタン! 上と下は留めないの」
「あ、そっか」
よく分からないが、カーディガンの上と下のボタンを外しておくのが、今どきの女子高生流らしい。
和衣はせっかく全部止めたボタンのうち2つを外し、胸元にえんじ色のリボンを着けて、パンツが見えないよう気を付けながら紺色のハイソックスを履く。
「……どぉ…?」
「オッケー、オッケー」
先日の見立てどおり、一式着込めば、かわいい女子高生の出来上がり。
和衣がちょっと恥ずかしそうにしているところが、今どきの、いわゆる"ギャル"とは違う雰囲気で、それがいい(和衣にしたら、"恥ずかしそうにしている"のではなくて、本当に恥ずかしいのだけれど)。
「女子高生だー…」
亮のベッドの上ですっかり寛いでいる睦月が、はわー…となりながら、声を上げた。
携帯電話のカメラで撮られた写真なら見たが、実物を目にするのは、今日が初めてだ。
和衣がずっと卑屈だったから、写真写りはともかく、実際は相当ひどいのかと思っていたが、普通にかわいい。
(カズちゃん、大げさなんだから)
勝手なことを思いながら、睦月は祐介のほうをチラリと見た。
祐介こそ、正真正銘、まったく初めて和衣の女装したところを見るのだ。一体どんな反応をするのだろう。
「…ゆっち?」
「………………」
「ゆっち」
「うぇっ!?」
ベッドのそばに突っ立ったまま、ボーっと和衣のほうを見ていた祐介に声を掛ければ、この部屋に自分以外の人間がいたこと自体に初めて気が付いたかのように、ビクッと肩を跳ね上げた。
- 関連記事
-
- 僕らの青春に明日はない (50) (2010/04/22)
- 僕らの青春に明日はない (49) (2010/04/21)
- 僕らの青春に明日はない (48) (2010/04/20)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:Baby Baby Baby Love
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学