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僕らの青春に明日はない (34)
2010.04.06 Tue
どの組み合わせの衣装にするか比べやすくするため、4人の携帯電話のカメラ機能で、それぞれ撮った和衣の女装姿。
衣装が決まった後、和衣は自分の服に着替え直すことに気を取られていて、携帯電話に保存された写真を消すのを、すっかり忘れていた。
そういえば、亮だけでなく、愛菜や眞織の携帯電話も何も確認していなかったが、みんな、和衣の女装した写真を消してくれたのだろうか。
当の本人がうっかりしているくらいだから、もしかしたら、そのまま残っていたりして…。
「見ようとしたのに、亮、もう消したっていうからさぁ。でもカズちゃんなら、ボーっとしてるから、消し忘れてんじゃないかなぁ、て思って」
「…」
まったくそのとおりのことを言われ、和衣は返す言葉がない。
とりあえず、明日学校に行ったら、愛菜と眞織の携帯電話は確認しておこう。
「お待たせしました。相変わらず仲いいね、2人とも」
「あ、朋文。ゴメンね、カズちゃんがうるさくてー」
「むっちゃんのせいでしょ!」
夜の時間帯ということもあるし、客入りも多めで店内が賑やからだから、和衣の声が特別にうるさいわけでもなかったが、睦月はそう言ってからかう。
和衣は頬を膨らませながら、パニーニに齧り付いた。
「でも、かわいかったよ、カズちゃんの女装」
「うっさい!」
「何で? 褒めてんのに。めっちゃ女子高生に見える」
「うっさい、うっさい、うっさーい! 全然褒めてないしっ」
「………………」
喚き散らす和衣に、睦月は冷ややかな視線を向けながら、アボカドチャーハンを口に運ぶ。
睦月があまりに落ち着いているものだから、1人で熱くなっていた和衣も、ちょっとだけ冷静になる。
「むっちゃん、呆れてんの?」
「何で? 呆れてないよ。やっぱカズちゃん、"かわいい"て言われると、怒るんだなぁー、て思って」
「だって」
怒っているわけじゃないけれど。
でもやっぱり、かわいいとか、言われたくない。
「いや、別にいいんだけどさ、そりゃゆっちも悩むなぁ、て思って」
「ッ! …んぐっ!」
パニーニのローストビーフをモグモグしていた和衣は、睦月の言葉にハッとし、のどに詰まらせ掛けた。
「大丈夫? はい」
胸元をパンパンと叩いている和衣に、睦月は水のグラスを差し出す。
先ほどから和衣は1人で怒ったり慌てたり、何だか大変そうだ、と睦月はのん気に思っている。
「むっむっちゃん!」
「何」
「あの…祐介、何か言ってた…?」
登場した祐介の名前に、心臓をドキドキさせながら、和衣は声を潜めて尋ねた。
「何かって、カズちゃんの女装について?」
「…とか、いろいろ。祐介、何か悩んでる? 俺のことで、何か悩ませてる??」
「んー…、悩んでるていうか…………うん、悩んでるかな」
和衣に何と言葉を掛けていいか分からないと、カフェテリアで頭を抱えていた幼馴染みを思い出す。
睦月は単純に、応援してあげればいいじゃん、と思っているのだが、和衣にかわいいと言っただけでこの騒ぎよう、祐介が取り越し苦労でなく頭を悩ませるのも、無理はない。
衣装が決まった後、和衣は自分の服に着替え直すことに気を取られていて、携帯電話に保存された写真を消すのを、すっかり忘れていた。
そういえば、亮だけでなく、愛菜や眞織の携帯電話も何も確認していなかったが、みんな、和衣の女装した写真を消してくれたのだろうか。
当の本人がうっかりしているくらいだから、もしかしたら、そのまま残っていたりして…。
「見ようとしたのに、亮、もう消したっていうからさぁ。でもカズちゃんなら、ボーっとしてるから、消し忘れてんじゃないかなぁ、て思って」
「…」
まったくそのとおりのことを言われ、和衣は返す言葉がない。
とりあえず、明日学校に行ったら、愛菜と眞織の携帯電話は確認しておこう。
「お待たせしました。相変わらず仲いいね、2人とも」
「あ、朋文。ゴメンね、カズちゃんがうるさくてー」
「むっちゃんのせいでしょ!」
夜の時間帯ということもあるし、客入りも多めで店内が賑やからだから、和衣の声が特別にうるさいわけでもなかったが、睦月はそう言ってからかう。
和衣は頬を膨らませながら、パニーニに齧り付いた。
「でも、かわいかったよ、カズちゃんの女装」
「うっさい!」
「何で? 褒めてんのに。めっちゃ女子高生に見える」
「うっさい、うっさい、うっさーい! 全然褒めてないしっ」
「………………」
喚き散らす和衣に、睦月は冷ややかな視線を向けながら、アボカドチャーハンを口に運ぶ。
睦月があまりに落ち着いているものだから、1人で熱くなっていた和衣も、ちょっとだけ冷静になる。
「むっちゃん、呆れてんの?」
「何で? 呆れてないよ。やっぱカズちゃん、"かわいい"て言われると、怒るんだなぁー、て思って」
「だって」
怒っているわけじゃないけれど。
でもやっぱり、かわいいとか、言われたくない。
「いや、別にいいんだけどさ、そりゃゆっちも悩むなぁ、て思って」
「ッ! …んぐっ!」
パニーニのローストビーフをモグモグしていた和衣は、睦月の言葉にハッとし、のどに詰まらせ掛けた。
「大丈夫? はい」
胸元をパンパンと叩いている和衣に、睦月は水のグラスを差し出す。
先ほどから和衣は1人で怒ったり慌てたり、何だか大変そうだ、と睦月はのん気に思っている。
「むっむっちゃん!」
「何」
「あの…祐介、何か言ってた…?」
登場した祐介の名前に、心臓をドキドキさせながら、和衣は声を潜めて尋ねた。
「何かって、カズちゃんの女装について?」
「…とか、いろいろ。祐介、何か悩んでる? 俺のことで、何か悩ませてる??」
「んー…、悩んでるていうか…………うん、悩んでるかな」
和衣に何と言葉を掛けていいか分からないと、カフェテリアで頭を抱えていた幼馴染みを思い出す。
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