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僕らの青春に明日はない (33)
2010.04.05 Mon
結局、和衣の衣装として4パターンの中から選ばれたのは、カーディガン×リボンの組み合わせ。
これで、黒のカーディガンにえんじ色のリボン、赤のチェックのミニスカートという女子高生スタイルの完成だ。
「そんでね、今度1回ちゃんと衣装着て、化粧とかすんだってー」
バイトの後、コンビニの隣にあるカフェ、Spicaに足を運んだ和衣は、向かいの席に座った睦月にそう言ったが、肝心の睦月は真剣にメニューを見つめていて、殆ど話を聞いていなかった。
「むっちゃん!」
「んー? 何て? よし、俺アボカドチャーハンにしよ」
「聞いてよ! あ、俺、ロ…ローストビーフのパニーニ!!」
決まった? と声を掛けて来た朋文に、さっさと睦月が注文してしまうから、和衣も慌てて言った。
「で、何だって?」
「だからー、化粧とかすんだってー」
「女子高生なんて、みんな化粧してんじゃん」
「そぉだけどー…」
それは、愛菜や眞織にも言われたし、和衣が高校生のころから、同級生の女の子もそれなりに化粧をしていたから、知っているけれど。
「でもまさか、自分がすることになるなんて、思わなかった…」
「いや、俺はカズちゃんが化粧することになるとは、思っていたよ?」
「えー…」
だって、あれだけ優勝を目指して気合を入れている愛菜と眞織だ。
単に制服を着せるだけで済むとは、到底思えない。
「てかカズちゃん。ケータイ貸して?」
「は?」
徐に手を差し出され、和衣はわけも分からないまま、それでも素直に自分の携帯電話を睦月に渡した。
「え、むっちゃん?」
睦月が受け取った携帯電話を、何の断りもなく、当たり前のように操作し始めるから、和衣はギョッとしたが、睦月は構わずに弄っている。
「むっちゃん? ねぇ、ちょっ…」
「ふぅん、これが女子高生カズちゃんか」
「え? ――――あっ、ちょっむっちゃん、ダメ!」
携帯電話を取り返そうと、睦月のほうに伸ばした和衣の手が、ピタリと止まる。
睦月がちょうど向かいに座っているので、和衣からは携帯電話の背面しか見えないが、睦月の一言で、液晶ディスプレイに何が映っているか、和衣にはすぐに分かってしまった。
「やっ、むっちゃん、ケータイ返して!」
「ほれ」
ハッとした和衣が慌てて身を乗り出せば、睦月はあっさりと携帯電話を返してくれた。
和衣は、もう2度と睦月のもとに携帯電話が行き渡らないよう、厳重に死守しつつ、即行で自身の女装姿の写真を削除した。
「消すの? もったいない」
「何言ってんの、こんなの取っててどうすんの!? てか、だいたい何で、俺のケータイのこの写真が残ってるって、むっちゃんが知ってんの?」
「衣装決めんのに、みんなのケータイでカズちゃんの女装したとこ撮ったって、亮が言った」
これで、黒のカーディガンにえんじ色のリボン、赤のチェックのミニスカートという女子高生スタイルの完成だ。
「そんでね、今度1回ちゃんと衣装着て、化粧とかすんだってー」
バイトの後、コンビニの隣にあるカフェ、Spicaに足を運んだ和衣は、向かいの席に座った睦月にそう言ったが、肝心の睦月は真剣にメニューを見つめていて、殆ど話を聞いていなかった。
「むっちゃん!」
「んー? 何て? よし、俺アボカドチャーハンにしよ」
「聞いてよ! あ、俺、ロ…ローストビーフのパニーニ!!」
決まった? と声を掛けて来た朋文に、さっさと睦月が注文してしまうから、和衣も慌てて言った。
「で、何だって?」
「だからー、化粧とかすんだってー」
「女子高生なんて、みんな化粧してんじゃん」
「そぉだけどー…」
それは、愛菜や眞織にも言われたし、和衣が高校生のころから、同級生の女の子もそれなりに化粧をしていたから、知っているけれど。
「でもまさか、自分がすることになるなんて、思わなかった…」
「いや、俺はカズちゃんが化粧することになるとは、思っていたよ?」
「えー…」
だって、あれだけ優勝を目指して気合を入れている愛菜と眞織だ。
単に制服を着せるだけで済むとは、到底思えない。
「てかカズちゃん。ケータイ貸して?」
「は?」
徐に手を差し出され、和衣はわけも分からないまま、それでも素直に自分の携帯電話を睦月に渡した。
「え、むっちゃん?」
睦月が受け取った携帯電話を、何の断りもなく、当たり前のように操作し始めるから、和衣はギョッとしたが、睦月は構わずに弄っている。
「むっちゃん? ねぇ、ちょっ…」
「ふぅん、これが女子高生カズちゃんか」
「え? ――――あっ、ちょっむっちゃん、ダメ!」
携帯電話を取り返そうと、睦月のほうに伸ばした和衣の手が、ピタリと止まる。
睦月がちょうど向かいに座っているので、和衣からは携帯電話の背面しか見えないが、睦月の一言で、液晶ディスプレイに何が映っているか、和衣にはすぐに分かってしまった。
「やっ、むっちゃん、ケータイ返して!」
「ほれ」
ハッとした和衣が慌てて身を乗り出せば、睦月はあっさりと携帯電話を返してくれた。
和衣は、もう2度と睦月のもとに携帯電話が行き渡らないよう、厳重に死守しつつ、即行で自身の女装姿の写真を削除した。
「消すの? もったいない」
「何言ってんの、こんなの取っててどうすんの!? てか、だいたい何で、俺のケータイのこの写真が残ってるって、むっちゃんが知ってんの?」
「衣装決めんのに、みんなのケータイでカズちゃんの女装したとこ撮ったって、亮が言った」
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COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒
カーディガンにリボン。
赤いミニスカにハイソックス……。
ん~~~絶対可愛いに違いない!!
ゆっちさん鼻血出ますね、きっと( ´艸`)ムププ♪
さあ和ちゃん、往生際が悪いぞ!
マヒロたんのように、とまでは行かなくても、腹を括って楽しんじゃえ~!←他人事ww
赤いミニスカにハイソックス……。
ん~~~絶対可愛いに違いない!!
ゆっちさん鼻血出ますね、きっと( ´艸`)ムププ♪
さあ和ちゃん、往生際が悪いぞ!
マヒロたんのように、とまでは行かなくても、腹を括って楽しんじゃえ~!←他人事ww
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> カーディガンにリボン。
> 赤いミニスカにハイソックス……。
> ん~~~絶対可愛いに違いない!!
> ゆっちさん鼻血出ますね、きっと( ´艸`)ムププ♪
なんちゃって制服ショップとか、制服コーデのサイトを見まくって、自分の好きそうな組み合わせの制服を探したんですが……かわいい感じになったでしょうか?
きっとカズちゃんのことだから、どんなのを着てもかわいいんだろうなぁ…とは思いますが(*^_^*)
> さあ和ちゃん、往生際が悪いぞ!
> マヒロたんのように、とまでは行かなくても、腹を括って楽しんじゃえ~!←他人事ww
カズちゃん、いつまでも覚悟が決められません~。
ホント、真大タンとは大違いですね(^_^;)
もっと言ってあげてください~。
コメントありがとうございました!
> 赤いミニスカにハイソックス……。
> ん~~~絶対可愛いに違いない!!
> ゆっちさん鼻血出ますね、きっと( ´艸`)ムププ♪
なんちゃって制服ショップとか、制服コーデのサイトを見まくって、自分の好きそうな組み合わせの制服を探したんですが……かわいい感じになったでしょうか?
きっとカズちゃんのことだから、どんなのを着てもかわいいんだろうなぁ…とは思いますが(*^_^*)
> さあ和ちゃん、往生際が悪いぞ!
> マヒロたんのように、とまでは行かなくても、腹を括って楽しんじゃえ~!←他人事ww
カズちゃん、いつまでも覚悟が決められません~。
ホント、真大タンとは大違いですね(^_^;)
もっと言ってあげてください~。
コメントありがとうございました!