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僕らの青春に明日はない (32)
2010.04.04 Sun
「よし、オッケ。これで全パターン」
「で、どれにする? カズちゃん的には、どれがいい?」
カーディガンとベスト、ネクタイとリボン、すべての組み合わせのスタイルに着替え、写真を撮り終えると、机の上に4つの携帯電話を広げて並べた。
その全部に、女装した和衣が、引き攣り気味の笑顔で写っているわけで。
(とっても複雑な気持ち…)
愛菜と眞織は、本当にこれで賞品の旅行券を狙っているのだろうか。
――――絶対に、優勝する自信がない…!
和衣が何も言えず、密かに落ち込んでいることになど気付いていないのだろう、愛菜と眞織は、亮にも意見を求める。
「亮は? どれが一番似合ってると思う?」
「えー…」
亮は携帯電話を覗き込むが、格好は女子高生でも、着ているのは和衣だ。
彼女と買い物に行って、そう尋ねられたときに答えるのよりも、ずっと難しい。
「分かんねぇけど、かわいいの目指してんなら、ネクタイよりリボン?」
似合う似合わないは別として、単純に服とアイテムの組み合わせだけを見て、亮は感想を述べた。真剣に選ぶ気がないのではなくて、似合うかどうか判断できないのだ。
だって、カーディガンとベスト、リボンとネクタイ、女の子の、しかも制服における、その微妙なニュアンスが分かるほど、マニアックな性格ではない。
「黒のベストに、赤のネクタイだと、何かロックぽいよね」
「ロック? ネクタイだと?」
んーよく分かんない…と和衣は、小首を傾げながら、大人しくしている。
これが、実際に女の子が着ているのなら、似合うとか似合わないとか、かわいいとかあるけれど、女子高生の格好をした上に乗っかっている顔は自分のものだ。何とも言い難い。
「カーデのさぁ、指先がちょこっとしか見えないの、かわいいよね」
ベストとネクタイだとロック?
長袖のカーディガンの袖から、指先ちょこっとだとかわいい?
和衣だって、オシャレに無関心なわけではないけれど、女の子の、ここまでの拘りには全然気付いていなかった。
「俺、ホントに分かんないから、2人で決めてー」
和衣は亮の前の席に座ると、べたっと机に突っ伏した。
もともとが優柔不断な性格の和衣だ。そう簡単になんて、決められるわけがない。
それに、和衣が決めた衣装で、万が一コンテストでいい成績が出せなかったら、とっても怒られるんじゃないかと、余計な心配までしてしまう。
「やっぱ、かわいいとかわいいの組み合わせで、カーディガンとリボン?」
「かなぁ?」
愛菜と眞織は、4つの携帯電話を、真剣な表情で覗き込んでいる。
やっぱり本気なんだなぁ、と和衣はボンヤリと思う。
祐介のこともあるけれど、和衣ももっとやる気を出さなければ、と改めて感じてしまった。
「亮ー」
「あ?」
「俺、がんばるねー…」
とても気合が入っているとは言い難い声ではあったが、和衣がコブシを握って亮にそう言った。
「で、どれにする? カズちゃん的には、どれがいい?」
カーディガンとベスト、ネクタイとリボン、すべての組み合わせのスタイルに着替え、写真を撮り終えると、机の上に4つの携帯電話を広げて並べた。
その全部に、女装した和衣が、引き攣り気味の笑顔で写っているわけで。
(とっても複雑な気持ち…)
愛菜と眞織は、本当にこれで賞品の旅行券を狙っているのだろうか。
――――絶対に、優勝する自信がない…!
和衣が何も言えず、密かに落ち込んでいることになど気付いていないのだろう、愛菜と眞織は、亮にも意見を求める。
「亮は? どれが一番似合ってると思う?」
「えー…」
亮は携帯電話を覗き込むが、格好は女子高生でも、着ているのは和衣だ。
彼女と買い物に行って、そう尋ねられたときに答えるのよりも、ずっと難しい。
「分かんねぇけど、かわいいの目指してんなら、ネクタイよりリボン?」
似合う似合わないは別として、単純に服とアイテムの組み合わせだけを見て、亮は感想を述べた。真剣に選ぶ気がないのではなくて、似合うかどうか判断できないのだ。
だって、カーディガンとベスト、リボンとネクタイ、女の子の、しかも制服における、その微妙なニュアンスが分かるほど、マニアックな性格ではない。
「黒のベストに、赤のネクタイだと、何かロックぽいよね」
「ロック? ネクタイだと?」
んーよく分かんない…と和衣は、小首を傾げながら、大人しくしている。
これが、実際に女の子が着ているのなら、似合うとか似合わないとか、かわいいとかあるけれど、女子高生の格好をした上に乗っかっている顔は自分のものだ。何とも言い難い。
「カーデのさぁ、指先がちょこっとしか見えないの、かわいいよね」
ベストとネクタイだとロック?
長袖のカーディガンの袖から、指先ちょこっとだとかわいい?
和衣だって、オシャレに無関心なわけではないけれど、女の子の、ここまでの拘りには全然気付いていなかった。
「俺、ホントに分かんないから、2人で決めてー」
和衣は亮の前の席に座ると、べたっと机に突っ伏した。
もともとが優柔不断な性格の和衣だ。そう簡単になんて、決められるわけがない。
それに、和衣が決めた衣装で、万が一コンテストでいい成績が出せなかったら、とっても怒られるんじゃないかと、余計な心配までしてしまう。
「やっぱ、かわいいとかわいいの組み合わせで、カーディガンとリボン?」
「かなぁ?」
愛菜と眞織は、4つの携帯電話を、真剣な表情で覗き込んでいる。
やっぱり本気なんだなぁ、と和衣はボンヤリと思う。
祐介のこともあるけれど、和衣ももっとやる気を出さなければ、と改めて感じてしまった。
「亮ー」
「あ?」
「俺、がんばるねー…」
とても気合が入っているとは言い難い声ではあったが、和衣がコブシを握って亮にそう言った。
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カテゴリー:Baby Baby Baby Love
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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COMMENT-FORM
如月久美子 ⇒ >拍手コメ→sさん
相変わらずカズちゃん、がんばると言いつつ、気乗りしない感じです(苦笑)
いい笑顔を出せればいいんですが、この調子ですからねぇ。。。
応援お願いします(*^_^*)
コメントありがとうございました!
いい笑顔を出せればいいんですが、この調子ですからねぇ。。。
応援お願いします(*^_^*)
コメントありがとうございました!