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僕らの青春に明日はない (31)
2010.04.03 Sat
「じゃ、カズちゃん、そこ立って?」
「え? え、ちょっ、何、写真!? やっ!」
愛菜が携帯電話を和衣のほうに向けて構えたのに気付き、和衣は慌てて逃げ出す。
この格好を写真に撮られるなんて、冗談じゃない。
「別にカズちゃんの女装姿、待ち受けにするわけじゃないから! 写真撮っとけば、次の格好したとき、比べやすいでしょ?」
「うー…」
「はい、気を付け!」
きびきびと号令を掛けられ、和衣は仕方なしに両腕を脇に下ろした。
「そんな顔しないで、笑ってよ」
「笑えるわけないー」
「でも笑うの!」
そう言われて、無理やり口の端を上げる。
カシャリとシャッター音に似せた音がして、愛菜が満足そうに笑う。
あぁ、その笑顔のほうが、和衣の一体何倍くらいかわいいだろう。和衣なんて、もう絶対、あり得ないくらい不自然な顔をしていると思う。
「オッケー。うん、かわいい、かわいい」
「嘘ー、絶対ブサイクな顔してたー。愛菜ちゃん、ちょっと見せて!」
「いいけど、消さないでよ?」
はい、と愛菜は、和衣に携帯電話の液晶画面を見せてやった。
「むぅ…やっぱし変な顔してる…」
「そう? かわいいじゃん。口、アヒルさんになってる」
「かわいくないし」
「じゃあ、撮り直す?」
和衣さえその気になってくれれば、写真なんて、いくらでも撮り直すけれど。
そう思って和衣を窺えば、とっても複雑な表情をしていた。
というか、写真写りを気にするようになっている時点で、だいぶ乗り気になっていると思っていいのだろうか。
「カズちゃん?」
「次…ちゃんと笑う…」
「そ? じゃ、次リボン着けてね?」
ネクタイを全部解くと、また結べなくなってしまうと思っていたら、眞織が、輪っかになった部分に頭を入れて締めればいいだけの形で緩めてくれた。
まったく、どこまでも世話が焼ける…と亮は密かに思う。
同じ高校に通っていた亮も、もちろん制服は学ランだったが、高校生のころから、ネクタイくらい自分で結べていた。
「リボンの着け方、分かる? これ後ろでカチッてすんの」
リボンは、もうすでにその形になっていて、ストラップを首の後ろに回して留めれば、簡単に着用できるタイプのもので、これなら和衣にも着けることが出来た。
カーディガンにリボンを着けたスタイルになった和衣は、今度は眞織の携帯電話で写真を撮られる。
和衣の女装パターンは全部で4種類あり、今この場には4人いるから、それぞれの携帯電話で1つずつ撮れば、比べるときに見やすいと思ったからだ。
カーディガンの次は、ベスト。
黒のV字のベストは前開きのタイプで、よく見れば胸元のワンポイントがカーディガンと同じだから、和衣にしたら、このカーディガンの袖を取ったヤツ…? とか思ってしまう(言ったら、全然違うし! と言われそうだったので、やめたが)。
そしてやはり、理由は分からないが、ボタンの上と下は留めない。
「え? え、ちょっ、何、写真!? やっ!」
愛菜が携帯電話を和衣のほうに向けて構えたのに気付き、和衣は慌てて逃げ出す。
この格好を写真に撮られるなんて、冗談じゃない。
「別にカズちゃんの女装姿、待ち受けにするわけじゃないから! 写真撮っとけば、次の格好したとき、比べやすいでしょ?」
「うー…」
「はい、気を付け!」
きびきびと号令を掛けられ、和衣は仕方なしに両腕を脇に下ろした。
「そんな顔しないで、笑ってよ」
「笑えるわけないー」
「でも笑うの!」
そう言われて、無理やり口の端を上げる。
カシャリとシャッター音に似せた音がして、愛菜が満足そうに笑う。
あぁ、その笑顔のほうが、和衣の一体何倍くらいかわいいだろう。和衣なんて、もう絶対、あり得ないくらい不自然な顔をしていると思う。
「オッケー。うん、かわいい、かわいい」
「嘘ー、絶対ブサイクな顔してたー。愛菜ちゃん、ちょっと見せて!」
「いいけど、消さないでよ?」
はい、と愛菜は、和衣に携帯電話の液晶画面を見せてやった。
「むぅ…やっぱし変な顔してる…」
「そう? かわいいじゃん。口、アヒルさんになってる」
「かわいくないし」
「じゃあ、撮り直す?」
和衣さえその気になってくれれば、写真なんて、いくらでも撮り直すけれど。
そう思って和衣を窺えば、とっても複雑な表情をしていた。
というか、写真写りを気にするようになっている時点で、だいぶ乗り気になっていると思っていいのだろうか。
「カズちゃん?」
「次…ちゃんと笑う…」
「そ? じゃ、次リボン着けてね?」
ネクタイを全部解くと、また結べなくなってしまうと思っていたら、眞織が、輪っかになった部分に頭を入れて締めればいいだけの形で緩めてくれた。
まったく、どこまでも世話が焼ける…と亮は密かに思う。
同じ高校に通っていた亮も、もちろん制服は学ランだったが、高校生のころから、ネクタイくらい自分で結べていた。
「リボンの着け方、分かる? これ後ろでカチッてすんの」
リボンは、もうすでにその形になっていて、ストラップを首の後ろに回して留めれば、簡単に着用できるタイプのもので、これなら和衣にも着けることが出来た。
カーディガンにリボンを着けたスタイルになった和衣は、今度は眞織の携帯電話で写真を撮られる。
和衣の女装パターンは全部で4種類あり、今この場には4人いるから、それぞれの携帯電話で1つずつ撮れば、比べるときに見やすいと思ったからだ。
カーディガンの次は、ベスト。
黒のV字のベストは前開きのタイプで、よく見れば胸元のワンポイントがカーディガンと同じだから、和衣にしたら、このカーディガンの袖を取ったヤツ…? とか思ってしまう(言ったら、全然違うし! と言われそうだったので、やめたが)。
そしてやはり、理由は分からないが、ボタンの上と下は留めない。
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