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僕らの青春に明日はない (28)
2010.03.31 Wed
「あぁ、気にしないで。そんなに高くないし。それに、終わったらウチらで貰っちゃうから。単品なら、制服ぽくなく着れるでしょ?」
「もしくは制服ショップに売る」
「売る?」
コンテストが終わった後に無駄にならないのならいいけれど、それにしても、買うだけじゃなくて、制服を売るの? それって、いかがわしいお店でなくて?
でも何だかこれ以上、突っ込んで聞くのは怖くて、和衣は追及をやめた。
「いいから、いいから。カズちゃんががんばって旅行券取ってくれれば、それで十分もとが取れるし」
「は…はい…」
女装コンテストにどのくらいのエントリがあるのか、賞品は高額の旅行券だし、きっと倍率は高そう…。
ここまでしてもらって、何も貰えなかったら、一体どうなるんだろう。
(考えるのが怖い…)
「カズちゃん、靴下、履いてみて」
「どれでもいいの?」
「んー…全部合わせてからまた考えるから、とりあえず何でもいいや」
どれがいいかなんて分からないから、一番上になっているものに手を伸ばす。
自分の履いている靴下を脱いで、いつもの調子で女の子用のハイソックスを履こうとしたら、
「ちょっ…カズちゃん!」
「ぅん?」
慌てて愛菜に止められて、和衣は上げていた片足を下ろした。
「え、何?」
「女の子なんだから、そんな格好で靴下履いちゃダメ! パンツ丸見え!」
「パンツ…」
立ったまま片足を上げて靴下を履くのに、和衣はスカートの裾なんて全然気にしていなかったから、思い切りスカートが捲れ上がって、さっき服を脱ぐときあれほど恥ずかしがったというのに、パンツが丸見え状態になっていた。
女の子が靴下を履くところなんて、意識して見たこともないから、改めて言われると、たかが靴下を履くだけの動作なのに、どうしたらいいのか戸惑ってしまう。
「パンツ見えないように履くの!」
「え、えー…、でも本番は、全部着てから出るんでしょ? 靴下の履き方なんてぇ~…」
「そういうちょっとした仕草を気にしてないと、本番でボロが出るでしょ! いくらあたしだって、パンツくらい見えないように靴下履くから!」
「あうぅ…」
こんなダメ出しの連発で、本当にちゃんと本番が迎えられるんだろうか。
やっぱり人選を間違ってる~、と和衣は心の中で叫びながら、スカートの裾を気にしつつ靴下を履いた。
でもバランスは取りにくいし、すっごく大変…。
オシャレをしている女の子を、和衣は本気で尊敬する。
「履きました…」
「じゃ、次、上ね。カーディガンとベスト用意したんだけど……とりあえずカーディガンから着てみて?」
「ん」
渡させたのは、黒のVネックのカーディガン。胸元にハートをモチーフにしたワンポイントの刺繍が施されている。
これはどうやって着ても大丈夫だよね? と愛菜と眞織の様子を窺いながら、和衣は面倒くさいから、ボタンを外さずにモソモソとカーディガンを被った。
「もしくは制服ショップに売る」
「売る?」
コンテストが終わった後に無駄にならないのならいいけれど、それにしても、買うだけじゃなくて、制服を売るの? それって、いかがわしいお店でなくて?
でも何だかこれ以上、突っ込んで聞くのは怖くて、和衣は追及をやめた。
「いいから、いいから。カズちゃんががんばって旅行券取ってくれれば、それで十分もとが取れるし」
「は…はい…」
女装コンテストにどのくらいのエントリがあるのか、賞品は高額の旅行券だし、きっと倍率は高そう…。
ここまでしてもらって、何も貰えなかったら、一体どうなるんだろう。
(考えるのが怖い…)
「カズちゃん、靴下、履いてみて」
「どれでもいいの?」
「んー…全部合わせてからまた考えるから、とりあえず何でもいいや」
どれがいいかなんて分からないから、一番上になっているものに手を伸ばす。
自分の履いている靴下を脱いで、いつもの調子で女の子用のハイソックスを履こうとしたら、
「ちょっ…カズちゃん!」
「ぅん?」
慌てて愛菜に止められて、和衣は上げていた片足を下ろした。
「え、何?」
「女の子なんだから、そんな格好で靴下履いちゃダメ! パンツ丸見え!」
「パンツ…」
立ったまま片足を上げて靴下を履くのに、和衣はスカートの裾なんて全然気にしていなかったから、思い切りスカートが捲れ上がって、さっき服を脱ぐときあれほど恥ずかしがったというのに、パンツが丸見え状態になっていた。
女の子が靴下を履くところなんて、意識して見たこともないから、改めて言われると、たかが靴下を履くだけの動作なのに、どうしたらいいのか戸惑ってしまう。
「パンツ見えないように履くの!」
「え、えー…、でも本番は、全部着てから出るんでしょ? 靴下の履き方なんてぇ~…」
「そういうちょっとした仕草を気にしてないと、本番でボロが出るでしょ! いくらあたしだって、パンツくらい見えないように靴下履くから!」
「あうぅ…」
こんなダメ出しの連発で、本当にちゃんと本番が迎えられるんだろうか。
やっぱり人選を間違ってる~、と和衣は心の中で叫びながら、スカートの裾を気にしつつ靴下を履いた。
でもバランスは取りにくいし、すっごく大変…。
オシャレをしている女の子を、和衣は本気で尊敬する。
「履きました…」
「じゃ、次、上ね。カーディガンとベスト用意したんだけど……とりあえずカーディガンから着てみて?」
「ん」
渡させたのは、黒のVネックのカーディガン。胸元にハートをモチーフにしたワンポイントの刺繍が施されている。
これはどうやって着ても大丈夫だよね? と愛菜と眞織の様子を窺いながら、和衣は面倒くさいから、ボタンを外さずにモソモソとカーディガンを被った。
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