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僕らの青春に明日はない (16)
2010.03.19 Fri
「…帰る?」
和衣の気持ちを見越したように、祐介はそう言って、和衣の腕を引いて立たせてくれた。
「帰る…。でも、愛菜ちゃんたちに怒られたくない…」
「具合悪かったんだ、て言って、許してもらおうよ」
体の調子が悪いわけではないが、パニックで今にも倒れそうなくらいに、和衣の頭はグルグルしてしまっているのも事実だ。
こんな様子では、とても衣装の打ち合わせなんて、出来そうもないだろう。
「やっぱ、断ったら? そんなに悩むくらいなら」
「だい…じょーぶ。やる、て決めたからには、やる! 真大だってあんなに意気込んでたし、俺だって出来る! ……と思う」
ちょっとやそっとのことでは折れない、強いハートの持ち主である真大と比べるには、和衣はグラスハートすぎる気もするが、昨日睦月に散々宥められて、ようやく決心したのだ。
やっぱり男なら、1度決めたことは、貫き通すべきだと思う。――――それがたとえ女装でも。
「…帰ろっか」
「うん」
「あ、ゴメン、電話」
今日はもう寮に帰ろう、と歩き出したところで、祐介の携帯電話が音を立てた。
「亮からだけど、…出る?」
「亮? ……出る…」
あんまり乗り気はしないけれど、何となく用件も分かるし、出ないわけにもいかない気がして、和衣は仕方なく祐介から携帯電話を受け取った。
「もしもし…」
『え、カズ? お前、今どこいんの? ケータイ出ねぇし、愛菜たちがめっちゃ探してんだけど』
「うー…」
やっぱり!
教室から逃げてくるとき、亮と睦月は置いてきてしまったから、きっと彼女たちに捕まったのだろう。
「愛菜ちゃんたち、一緒にいるの?」
『いる』
「ゴメン、今日はもう帰るて伝えて…。明日ちゃんとするし」
『お前、大丈夫なの? 店まで付いて来なくていいから、ウエストだけでも測らせてくれっつってるけど』
「…行かなくていいの? 制服のお店?」
和衣が逃げた後、亮がうまく言ってくれたんだろうか。
なんちゃって制服ショップに行かなくていいだけでも、和衣の心は少しながら浮上してくる。
『カズちゃーん、ゴメン! お店はウチらだけで行って来るから、後でスリーサイズだけ、測らせてー?』
「愛菜ちゃん…」
電話を代わった愛菜が、すまなそうにそう言った。
けれど、スリーサイズ、て??
『今日が無理なら、明日でもいいよ』
「うー…ホントに、サイズ、測るだけ? 俺、制服のお店、行かなくてもいい?」
『オッケー、オッケー。カズちゃんに似合いそうなの、ちゃんと選んでくるから、任せといて!』
「いや、あの…」
女の子の制服で、似合いそう、とか言われても…。
和衣の気持ちを見越したように、祐介はそう言って、和衣の腕を引いて立たせてくれた。
「帰る…。でも、愛菜ちゃんたちに怒られたくない…」
「具合悪かったんだ、て言って、許してもらおうよ」
体の調子が悪いわけではないが、パニックで今にも倒れそうなくらいに、和衣の頭はグルグルしてしまっているのも事実だ。
こんな様子では、とても衣装の打ち合わせなんて、出来そうもないだろう。
「やっぱ、断ったら? そんなに悩むくらいなら」
「だい…じょーぶ。やる、て決めたからには、やる! 真大だってあんなに意気込んでたし、俺だって出来る! ……と思う」
ちょっとやそっとのことでは折れない、強いハートの持ち主である真大と比べるには、和衣はグラスハートすぎる気もするが、昨日睦月に散々宥められて、ようやく決心したのだ。
やっぱり男なら、1度決めたことは、貫き通すべきだと思う。――――それがたとえ女装でも。
「…帰ろっか」
「うん」
「あ、ゴメン、電話」
今日はもう寮に帰ろう、と歩き出したところで、祐介の携帯電話が音を立てた。
「亮からだけど、…出る?」
「亮? ……出る…」
あんまり乗り気はしないけれど、何となく用件も分かるし、出ないわけにもいかない気がして、和衣は仕方なく祐介から携帯電話を受け取った。
「もしもし…」
『え、カズ? お前、今どこいんの? ケータイ出ねぇし、愛菜たちがめっちゃ探してんだけど』
「うー…」
やっぱり!
教室から逃げてくるとき、亮と睦月は置いてきてしまったから、きっと彼女たちに捕まったのだろう。
「愛菜ちゃんたち、一緒にいるの?」
『いる』
「ゴメン、今日はもう帰るて伝えて…。明日ちゃんとするし」
『お前、大丈夫なの? 店まで付いて来なくていいから、ウエストだけでも測らせてくれっつってるけど』
「…行かなくていいの? 制服のお店?」
和衣が逃げた後、亮がうまく言ってくれたんだろうか。
なんちゃって制服ショップに行かなくていいだけでも、和衣の心は少しながら浮上してくる。
『カズちゃーん、ゴメン! お店はウチらだけで行って来るから、後でスリーサイズだけ、測らせてー?』
「愛菜ちゃん…」
電話を代わった愛菜が、すまなそうにそう言った。
けれど、スリーサイズ、て??
『今日が無理なら、明日でもいいよ』
「うー…ホントに、サイズ、測るだけ? 俺、制服のお店、行かなくてもいい?」
『オッケー、オッケー。カズちゃんに似合いそうなの、ちゃんと選んでくるから、任せといて!』
「いや、あの…」
女の子の制服で、似合いそう、とか言われても…。
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